皆さんこんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。
ソウルの中心部にあるタプコル公園(탑골공원)はご存じでしょうか。この場所はソウルの歴史というよりも韓国の歴史を考える上で欠かせないところです。
ほとんど常識的に知らなければならない場所だと思っていました。しかし意外にご存知ない方も多いようですね。韓国語を勉強している日本在住者のみならず、韓国人の成人でもここを知らない人がいると聞き驚きました。今回はタプコル公園についてご紹介します。
タプコル公園はソウルの中心部、仁寺洞の東側、鐘路二街交差点の東北にあります。便利なところで、地下鉄一号線鐘閣駅や鐘路三街駅から至近のところです。
ではこの公園がなぜそんなに大事で有名な場所なのかご存じでしょうか。
とっても有名な歴史的事件のゆかりの場所だからです。どういう出来事かご存知ですか。
そうです。三一独立運動(삼일독립운동)の発火点だったからです。
上にあるのは公園内にある三一独立運動の記念碑です。三一独立運動とは日本の植民地時代の1919年3月1日数千名の学生が、この公園の周辺に集まり、時が正午を告げると一斉に大韓独立万歳を叫び、大韓独立宣言書をここで広布したのでした。この運動は全国に拡散し独立運動の大きなうねりを作るもとになったのです。
現代でも3月1日は三一節という韓国で重要な記念日であり、いろいろな行事が行われる重要な日になっています。上は独立宣言書を刻んだ記念碑です。
ここは朝鮮時代の寺院 円覚寺跡につくられたソウルで最初の近代式な公園で、1891年に史跡に指定されています。1891年というのは朝鮮王朝最後の国王高宗(고종)の時代であり、それ以前も由緒のある土地でした。
さらに遡ると、高麗時代には興福寺(흥복사)というお寺がありました。仏教を深く信仰したことで知られる朝鮮第七代国王世祖(세조)が1464年に円覚寺(원각사)と改名、大きく拡張し1468年に完成させたのでした。上の写真は公園内にある円覚寺の事績を伝える碑文です
この円覚寺の存在を示す重要な遺物として円覚寺跡十重石塔(원각사지 십층석탑)があります。この塔は円覚経を典拠に建立され、いろいろ彫刻が施されていることでも知られています。塔の中間には三蔵法師や孫悟空などを刻んだ面白い彫刻もあります。
皆さま、一度ソウルのど真ん中で歴史体験されるのはいかがでしょうか。ソウルの違った一メンが見えて一層興味深くなると思いますよ。