皆さんこんにちは。
今回は古代遺跡のご紹介です。ソウル市内には古代にも京都の置かれた時期があることをご存知でしょうか。
百済前期の城である風納土城(풍납토성)がその遺跡です。ソウルの歴史を考える上で鍵になる遺跡の一つです。
風納土城はソウル市内南東部 松坡区風納洞にあり、大韓民国指定史跡第11号に指定されています。
漢江左岸に所在する南北に長い土城で、南北約1.5km、東西約0.3km、総延長約3.5km、西側の城壁は漢江の洪水で消失した部分が多いです。2段築成の土塁は基底部幅約30m、高さは5m程度になります。
1997年から実施された数度の発掘調査により、百済時代の城郭に先行する竪穴住居主体の集落も存在したようです。
土城は3世紀から熊津遷都直前まで(前期百済を通じて)使用されたようです。百済時代のものとして祭祀に関連と推定される大型建物遺構や、竪穴式住居、大量の百済土器・瓦・鉄器、中国南朝の陶磁器が出土しています。
調査成果から、風納土城と夢村土城がともに百済の都(慰礼城 475年高句麗により陥落)を構成したとする説もあります。周囲には王陵軍と見られる石村洞古墳群もあります。
上の写真は東側の城壁です。背後の高層ビルの建っているところが城内で、手前は城外になります。散策コースとしてもいい具合かと思います。
城壁の東南部です。城壁の断面形や周囲との比高差がわかると思います。
ソウル市中心部からさほど離れていないところにあります。しばし古代の歴史的空間で戯れてみるのはいかがでしょうか。
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