ソウル近郊のオアシス 龍門寺 | あなたの知らない韓国 ー歴史、文化、旅ー

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 皆さんこんにちは。
 
 いかがお過ごしでしょうか。
 
 ソウルで買い物を楽しむのも悪くはないと思いますが、たまには豊かな自然の中でノンビリしてみるのはいかがでしょうか。
 
 そんな時に、ソウルから日帰りで行けるオススメの場所をお教えします。京畿道楊平郡にある龍門山龍門寺です。
 
 龍門へはソウル地下鉄1号線の清涼里から京義中央線に乗り、終点のひとつ手前龍門駅で降りることになります。

 

 同じホームからは春川行きの京春線も出ているので電車には注意が必要です。
 

 

 

 
 

 清涼里から長閑な風景を見ながら揺られること約1時間で龍門駅到着です。

 
 
 
 
 龍門駅で降りると、すぐ目の前にバス停があります。
 
 
 
 
 そこから龍門寺行きバスに乗ると、終点が龍門寺です。ちゃんとTmoneyカードも使えます。
 
 
 
 
 
 龍門寺のバス停です。停留所にはベンチも屋根もあるので便利で、山菜が名物の食堂街の外れにあります。
 
 
 
 
 龍門山登山口から伽藍地区まで道は整備されているので、寺までは特別な登山の用意がなくても安心して行けます。
 
 
 
 
 寺の入口手前には楊平地域の独立運動の記念碑があります。 
 
 
 
 
 龍門山の登山案内図です。のんびり登山するのもいいかもしれません。
 
 
 
 
 いよいよ寺の関門である一柱門です。ここからがいよいよ伽藍の入口です。
 
 
 
 
 伽藍までは両側に松林が茂る参道が続き、脇には清流が流れています。
 
 
 
 
 参道に沿いながら流れる清流です。行ったのが冬だったので寒々しい光景ですが、夏はさぞ涼しい光景でしょう。
 
 
 
 
 龍門八景といい龍門の景勝を褒め称えた漢詩が刻まれた石碑です。
 
 
 
 
 法句経の一節を書いた木版です。こういうものを眺めながら歩くと、それだけで心が澄みそうです。
 
 
 
 
 龍門寺伽藍が見えてきました。龍門山の中腹にあり、新羅神徳王2年(913年)に大鏡大師によって建てられました。
 
 さらに朝鮮時代には、世宗大王の時代に再建され、如来像二体と菩薩像八体が安置されましたが、朝鮮戦争の際に多くが破壊されました。
 現在は再建され、大雄殿や鍾楼などに3つの付属施設があります。
 
 
 
 四天王門です。中心伽藍を守る役割があり、中には四天王像が安置されています。
 
 韓国の仏像は日本のように古色蒼然のものは少なく、大抵色鮮やかな彩色が施されています。
 
 
増長天                広目天
 
 
多聞天            持国天
 
 
 
 
 
 そして四天王門を通り過ぎると、中心伽藍前にある大銀杏が見えます。樹齢推定1,100年、高さ42m、根元周囲15mものイチョウの木は東洋最大の銀杏で、天然記念物第30号に指定されています。新羅最後の国王敬順王の王子麻衣太子が亡国を嘆き金剛山に行く途中に植えたものという説と、新羅を代表する高僧・義湘大師が杖を地面に突き刺すと根が張って成長したという説があります。
 
 いずれにせよこの地の歴史と自然の豊かさを物語るものに違いありません。
 
 
 
 
 説明板によると龍門寺は楊平地域の義兵運動の中心地でした。義兵とは何かご存知ですか。
 
 義兵とは日本の植民地時代に植民地支配に抵抗するため武装し立ち上がった儒生のことで、龍門寺は義兵の根拠地だったので、焼き払われたとのことです。
 
 
 
 
古い時代から近年まで逸話が豊富な寺ですが、大雄殿下の手すりには、願い事を書いた黄色の紙が多数くくりつけられていました。
 
 
大雄殿前には「慈悲無敵」との石碑が。慈悲よりも強く確かなものはないという意味でしょうか。
 
 
 大雄殿です。日本のお寺で言う本堂であります。御本尊は釈迦如来。韓国でお寺の本尊はほとんど釈迦如来です。
 
 
 
 
 大雄殿の横にも釈迦如来が。ここでも熱心に礼拝する人が少なくないようです。
 
 
 
 
 
大雄殿の右手には庶民の願いを叶える代表尊格である地蔵菩薩を奉安した地蔵殿があります。
 
 
 
 
 さらに地蔵殿の横には観音殿があります。現世利益の色彩が濃いですね。
 
 
 手水鉢の脇でも小さな地蔵菩薩が。非常に穏やかな雰囲気の境内です。
 
 
 
 
 
 ソウル観光の合間にでも、新鮮な空気と静寂な雰囲気を味わいに出かけられるのはいかがでしょうか。