(再録)中島岳志「ナショナリズムと宗教」(春風社・3619円+税) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2022.1.17既出)

先週、金曜日土曜日と午前1時過ぎまで起きていたことで日中少し疲れが溜まっていたこともあり、今朝は遅くまで寝ている。そのことで身体はシャキッとしたが、午前中は朝食(トーストとミルクでの)を摂ったのと朝刊を読んだくらいで終わってしまう。午後も、3時半に冷たい珈琲(バランタインを少し垂らし)でドーナツを囓りながら、大相撲中継があるときはテレビで取り組みをチェックしつつ、パソコンのキーを叩いている。一応、毎日大雑把な予定は立てているが、いずれにしろ多くは望まない。一日200頁ほどの読書が出来れば満足であるが、それが100頁にとどまってもことさら失望する必要もない。書斎で、父の絵と沢山の本に囲まれてゆったりと一日を過すことが出来たら、それで充分である。

 

本の話である。本箱にある未読のもので、中島岳志「ナショナリズムと宗教」(春風社・3619円+税)と「ヒンドゥー・ナショナリズム」(中公新書ラクレ・780円+税)の2冊のことを。ナショナリズムに関して的確な発言を繰り返す中島岳志による、副題に「現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動」とある「ナショナリズムと宗教」と、同じく「印パ緊張の背景」とある「ヒンドゥー・ナショナリズム」の2冊、いずれも面白そうである。

 

「ナショナリズムと宗教」 現代インドのもうひとつの貌 ナショナリストとは誰か?インド国内メディアでさえ取材の難しい過激な宗教ナショナリズム運動の内部に深く入りその活動実態と理念を明らかにする。『中村屋のボース』で話題の著者による新しい民族誌!

 俺は1990年にムスリムを一人殺した。奴らをインドから殲滅しなければならない。(バジュラング・ダルのメンバーの言葉)私は、バラモンとしてなすべきことを果たさなければなりません。(…)差別をとり除かなければなりません。(セワー・バーラティの教師のことば)

 

   

 

「ヒンドゥー・ナショナリズム」 核とITの大国。GNPの大きな伸び。そして戦闘的な反ムスリム運動の国・インド。その背後で民衆の心を捉えるRSS(民族奉仕団)の姿を描き、現代史の中に鮮やかに位置づけた力作。

 (本書に登場する組織)

 RSS…民族奉仕団。1952年に創設されたヒンドゥー・ナショナリズム団体。1948年、マハートマ・ガンデ-ィー暗殺に関係したとされ非合方法化。1975年、インディラ・ガンディー政権によって再度非合法化される。1980年代以降、インドで急速に組織を拡大。

 VHP…世界ヒンドゥー協会。1964年設立のヒンドゥー聖職者組織。RSSが母体となって設立された「サング・パリワール」の中で、最も過激な活動を行う。1992年のアヨーディヤーのモスク破壊は、この団体が主導した事件である。

 BJP…インド人民党。1980年に結成された政党で「サング・パリワール」の一つ。結成当初は下院で2議席しか取れなかったが、のちに大躍進を続け、現在(2002年)では政権与党である。その総裁ヴァンジパイは現インド首相。

 

   

 

写真は、東山丘陵運動公園の遊歩道で撮影する。