マインドフルネス・ストレス低減法（MBSR）認定講師マインドフル・セルフコンパッション（MSC™）Trained Teacherアドラー心理学勇気づけ講師として
バランスが取れ
自他に愛情深く
人生の困難に負けない
柔軟な心を育てる
メンタルヘルス講師
ジュバ（Dziuba）智子です
昨日の記事でも触れましたが
今の季節のドイツは
とっても気持ちがいい！
この季節を満喫する意味でも
お天気の良い週末には
長い歩行瞑想に出かける私です
歩行瞑想とは
一歩一歩踏み出す自分の足に
意識を向け続ける瞑想のことですが
私は
足の感覚だけではなく
眼に見えるもの
耳に入ってくる音
肌で感じる空気感などに意識を向け
それらをありのままに受け取る練習も
できるだけ実践しています。
自分の五感がキャッチするものを
ありのままに受容することは
マインドフルネスの基本なのです。
私は
「音」に良し悪しをつけず
ありのままに聴くのは得意なのですが
「見えるもの」に関しては
すぐに「名前」を付けて
これはいいな
これは嫌いだな
とジャッジする傾向があります。
例えば
タンポポを見ると
「タンポポだ。枯れかかってて嫌だな」
リンゴの実の小さいのを見ると
「リンゴだ。可愛いな」
…という感じですね。
もちろん
これはこれで
決して悪いことではありません。
モノに名前をつけないと
社会生活が成り立ちませんからね。
ただ
このように
1）名前をつけて
2）これはこうだ（こういうものだ）と
決めつけることが
当たり前になると、
人を見る時に
彼は化学品部門の営業担当M君
彼女は私の娘の親友Aちゃん
これは私の旦那
…という風に
「レッテル」や
「役割」を通してばかり人を見る、
つまり
表層的にしか
人が見えなくなる危険
が生まれやすくなるんですね。
考えてみれば
「化学部門の営業担当M君」は
思春期の息子に手を焼く父親ですが
「超」がつくほどの愛妻家です。
「私の旦那」は
会社では実は部下の信頼の厚い管理職で
家ではDYIが得意な、陽気なおじさんです。
こんな風に
人というのは
多面的で複雑で、
単なるレッテルで片づけられるような
単純な存在ではないんですよね。
ですので
人やモノを見た時に
「これはxxだ」と
「ラベル」を貼ることは
社会生活の便宜上
どうしても必要なことではあるのですが
ラベルを外して
対象をありのままに見る力を持っておくことも
人間関係を深めるため、
目の前のモノを慈しむためには
とても大切なことなのです。
ここで少し
「ラベルを貼る」危険性について
具体的に説明してみます。
言語化するのが難しいので
分かりにくかったらごめんなさい
例えば
タンポポがあなたの眼に入ってきて
「あ、タンポポだ」と
名前をつけた途端に
「これ、知ってる」という意識が
心の中に出てきませんか？
そうなると
あなたの目の前の
一本のタンポポは
「あなたが今まで何度となく目にして
よく知っている「タンポポ」という花」
になってしまいます。
でも
ちょっと考えてみて下さい。
あなたが今
あなたの目で見ているそのタンポポは
この世界に一本しかない、
唯一無二のタンポポですよね。
周りのタンポポと比べてみれば
パッと見は同じに見えるけれど
あなたの目の前のタンポポは
本当に、世界にこの一本しかないのです。
ですが
あなたが
これは「タンポポだ」と
名前をつけた瞬間に
この植物は
「自分が知っているタンポポ」
という概念で一括りにされ
世界で一本しかない
この花の特異性（ユニ－クさ）が
見えなくなってしまうんです。
ですので
マインドフルネスの「見る瞑想」では
地球に降り立ったばっかりの
宇宙人になったような目で、
歩き始めたばかりの子ども持つ
好奇心にあふれた目で、
目の前にあるものを見る練習をします。
始めて地球に降り立った宇宙人も
歩き始めたばかりの子どもも
この植物は「タンポポ」だとは
知りませんよね。
彼らの目に映る「タンポポ」は、
あなたが「あ、タンポポね」と
片付けてしまうような
単純な代物ではないのです。
「タンポポ」というレッテルを知らない
彼らの目には
「タンポポ」は
こんな風に見えているのではないでしょうか：
ギザギザした薄い緑色のものが
地面に張り付いていて
そこからまっすぐな棒みたいなものが
上に向かって伸びている。
その棒を触ってみると
なんだかふんわり柔らかい。
その先端には
何やら複雑なものがついています。
鮮やかな黄色で
とっても細長い薄い紙のようなものが
みっちりと集まって
塊をなしています。
黄色の塊ではなく
触ったら壊れそうな丸い物体もある。
なんて不思議なんだろう！
あなたが「あ、タンポポね」と片付ける
一本の植物からこんな発見ができるのは
目の前のモノから「名前/レッテル」を外し
ありのままを見ているから
なんですよね。
こんな風に
モノ、人に対するラベルをはがし
ありのままに見てみると
物事の複雑さ、多面性、
ユニ－クさ、希少性が見えてきます。
この人は世界に一人だけ
この花は世界に一本だけ
このお茶は世界に一杯だけ
そんな風に感じられたら
全てが愛おしく、
そして有難く感じられてきます。
あなたも是非
目の前の人をありのままに
目の前のモノをありのままに
地上に始めておりたった宇宙人のように
好奇心全開で眺めてみて下さい。
思いがけない気づきがあると思いますよ。
今日もあなたの世界が
色とりどりな幸せで一杯になりますように。
今日は夏至を過ぎた
ドイツの自然の写真もお届けしました。
日本は暑さが厳しくなる時期ですよね。
くれぐれもご自愛ください。
最後までお読みいただき
ありがとうございました
それではまた！
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ジュバ智子・プロフィール
東京外語大学卒業後、渡独。ドイツ生活は35年目、現地日系商社勤務は32年目。順風満帆にキャリアを積むも、子供がプレ思春期に差し掛かるころ、子育てに大きくつまずく。
暗中模索する中、アドラー心理学とマインドフルネスに出会い、人生観、自分観、人間関係が180度変わる。
国際結婚、海外生活、育児、管理職としての長年の経験を踏まえ、マインドフルネスとアドラー心理学で自由・明晰・優しい心づくりをサポートしている。
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