紙動画において、合成と同トレスは使い方が違います。基本的に
合成:動かしたくないもの
同トレス:同じ位置にはあるけれど、息遣いを感じさせたいから合成にはしたくないもの
に分けられるでしょうか。
例えば、花瓶などの静物の影が動くときは、実線は合成。
立っている人物が動いてるときの足元は同トレス、など。
デジタル動画になると、これに「コピペ(コピー&ペースト)」が加わります。
仕上時に合成するのではなく、動画時にコピペしちゃえば仕上さんも楽なのでは?と思いがちですが、合成とコピペは違います。
(動画と仕上げを同じ人が同工程で行うのであればともかく、もし同じ人がやるとしても、動画時にコピペはしないでしょう。)
以前にも合成の手順についてはこちらのブログに書きましたが、線合成でも面合成でも、塗れるところまでは別々に塗って、それから合成します。
ですから、先にコピペで線画を完成させてしまうと、その枚数を塗るという手間が発生します。
1枚の合成親に対して合成子が10枚ある場合、合成親を1枚塗って10枚の子に張り付けるのと、10枚のセルを塗るのとではどちらが楽か。
また、仕上工程で行われるのは色を塗るだけではありません。
動画の線が途切れてたり、つなぎ目が太くなってたら直すこともあります。
例として、左が修正前の動画の線。
右が仕上での修正後。
わかりやすく、足した部分をピンク、消した部分を黄緑にしてます。
(私は仕上としては素人なので、本当ならもっと綺麗に直すでしょうが、あくまでも参考として)
拡大図

動画時にコピペしてしまうということは、この作業の前に子に合成されてしまうということです。
10枚、同じように修正しなくてはなりませんが、それは無理というもの。
結局、合成親と思われる部分を消して、最初に1枚修正したものを仕上時に合成することになります。
動画時のコピペは、仕上さんの手間を増やすだけです。
同トレス指示のところにコピペを使うのもNGです。
合成ほどピッタリではないにしても、微妙にずれてくれることを期待しての指示なので。
例えば、中割りが2枚以上ある場合、原画ポジションである1,4,7,10は1をコピペして、中割り部分の2,3,5,6,8,9は同トレスというのはアリだと思います。
あるいは、同トレスで合成親を3枚作ってランダムに子に合成…というのも、私としてはありだと思ってますが、それは作品によるのでケースバイケース。
クリスタで中割りする時、合成親と合成子を一緒のフォルダにしておかないと作業しづらいことがあります。
そういう時に親を子の中にコピペすることはあると思いますが、親を下描きレイヤーに変換しておけば、うっかり削除し忘れても、セル出力した時に線画としては出力されません。
また、削除しないまでも非表示にはしておきましょう。
ともかく、合成と同トレスとコピペは、どういう動きを求められてるかによって使い方が違ってくるので注意してください。
合成指示にコピペはNGです。
