歩き&走りについて | 一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

どの作品にも共通してる「動画作業において気をつけて欲しいこと」を書いてます。
動画をきちんと教えてもらってない人も増えてるようなので、参考にして頂けたらと思ってます。
今は、iPad版クリスタを使った動画作業の流れについて書き加えてるところです。

★歩きについて
 原画に両詰めの指示が入ってることが多いですが、進行方向への移動に関しては、ほとんど均等割りで構いません。
 手や足の動きだけ両詰めにしてください。(極端な両詰めではなく)
 上下動は付けすぎないように。
 絵の大きさや動きの幅によって上下動の高さが違ってくるので、どれくらい、というのは説明が難しいですが、付けすぎるくらいなら、少なめの方がマシです。
 
 膝は伸ばしすぎず、原画の1枚前の絵は、原画と同じ足の角度にならないよう気を付けてください。
 
 勿論、作品やキャラクター、場面によっては、歩き方も変わってくるので、ケースバイケースです。
 とりあえず、うちではこういう感じで歩きを描いてます。
 
★走りについて
 最近は中割りのラフが入っている事が多いので、それに合わせて書けばいいですが、中参考がない場合、中枚数が2枚の時は、空中ポーズは描かない方が良いです。
 
 中枚数が多かったり、2コマ以内なら空中絵があっても良いかもしれませんが、中2枚とか3コマ打ちで空中ポーズを入れると、「前に進む」というより「ぴょんぴょん跳ねている」ように見えてしまいます。
 走ってるシーンは、とにかく先を急いでるわけなので、「前に進む」のを優先したいです。
 
昔、「走りには空中ポーズを入れるように」と指示があった作品もあるので、これもケースバイケースです。
 
スライドやフォローなど、作画時、その場での歩きや走りの場合、地面に着いている足の位置は、均等割です。
歩きの場合、上下動のみで、前後の移動は不要。
通常の歩きでは前後に多少の詰めを作ることはありますが、フォローなどでそれをすると違和感があります。
 
★横スライドの歩き&走りの場合は、タップ位置が違うだけで、通常の動きと同様の絵を描けば良いですが、フォローの場合は、画面上では体はほぼ同じ位置にあるため、腕や足がちゃんと交差して見えるよう、体のラインに重なってる絵を1枚入れるようにして下さい。
 例えば、両詰めに近い腕しか描かれてないと、腕が前後に交差せず、逆戻りしてるように見えるので注意。
 
―――
 
下の絵は、アニメーターの安藤雅司さんが描いた「中3枚の歩き」の参考です。
20年近く前に描かれたものなので、「今見直すと気になる点はある」ものの、あくまで「当時、参考ガイドとして配布されたものという事であれば」、と掲載許可をいただきました。
 
キャラクターやシチュエーションによって、歩き方も走り方も変わってきますから、すべての歩き&走りをこのように描く必要はありませんが、日常芝居のモブなどは、これを参考にしていただけたらと思います。
 
イメージ 1