14_2 クリスタで使える色(Tracemanで二値化する場合、及び4色以上の色トレスの場合) | 一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

どの作品にも共通してる「動画作業において気をつけて欲しいこと」を書いてます。
動画をきちんと教えてもらってない人も増えてるようなので、参考にして頂けたらと思ってます。
今は、iPad版クリスタを使った動画作業の流れについて書き加えてるところです。

多くの会社では二値化したデータ(Paintman向けに出力したもの)で納品するケースが多いですが、私が所属する会社では、二値化は仕上時に行うため、クリスタで動検後、アンチありの状態でセル出力して仕上さんに渡してました。
動画よりも、適切な二値化の線の太さを知ってるのは仕上さんなので。

仕上時の二値化にはRETASのTracemanを使います。
(Opentoonz用のスキャンソフトGTSでも二値化できますが、使ってるところは少ないと思うので、その説明は省きます。)

クリスタからセル出力する時は、白ベタのレイヤーを入れておき、「アニメーションフォルダ外のレイヤーを出力する」にチェックを入れます。
これをしないと、Tracemanで開いたときに二値化されたように見え、線の太さの調整なども出来ないので、忘れずに「白背景」のレイヤーを入れましょう。

また、塗り分けをした下描きレイヤーは、出力しません。

下描きレイヤーも一緒にすると、塗り分けられた色に反応してベタ塗り状態になってしまうので。

(塗り分け参考用に別に書き出す時は、下描きレイヤーも一緒に出力します。)

 

二値化用には、線画のみ出力します。

塗り分け参考は、「アニメーションセルの下書きを出力」でそのまま出力。

「アニメーションフォルダ外~」のチェックは外しても構いませんが、線画を出力する時にチェックを入れ忘れるといけないので、入れたままでいいでしょう。



クリスタによる「Paintman向けに出力」ですと、色トレスが赤、青、黄緑の3色のみですが、Tracemanですと、カスタムカラーで3色追加できるので、最大6色の色トレス線が使えます。

普段は普通に赤、青、黄緑だけしか使わないと思いますが、どうしても色数の多いものを二値化する場合、これらの色を使うと6色に分けられます。

前述の「中割り時に見やすい色」は、実は、通常使う「赤、青」と別の色に出力することができます。
これに加え、「紫」が使えそうです。

黄緑に出力できる色相が狭いため、「黄緑‐鈍」と「黄緑(グリーン)」で分けるのは難しかったです。

通常通り3色で二値化する時、
「朱‐鮮」と「赤(レッド)」は赤に、「空‐鮮」と「青(ブルー)」は青になります。

紫は、「色鉛筆対決 その2」で説明したピンクと同様、通常通り3色にすると透明になってしまうので、使用するのは指示がある時だけが無難です。

(紫は、Paintman向けに出力すると「青」になります。)

 

Paintman向けに出力したりTracemanの3色で出力できる色のリストです。

黒の棒線はPaintman向けで透明になってしまう色。

赤の斜め線は、Tracemanの3色二値化で透明になってしまう色。

 

Tracemanで3色に二値化したもの

赤、青、黄緑、黒の線で囲ってるものは、クリスタで出力した時にその色になるものです。

 

Tracemanのカスタムカラーで6色に変換したもの。

色相の数値によっては、これとは違う色になることもあります。

 

 

Paintman向けに出力する場合と、Tracemanで3色になる色にも違いがあるし、カスタムカラーを使わないと出力できない色もあるので、どれで二値化しても問題がないように6色を選ぶのは難しかったです。

結局のところ、6色目の紫は、「指示がある時のみ」が無難です。

 

「黒」に出力したい色も、やや明るい色だと、黒に赤や青などが混ざってしまうので、複数色使うときは、「かなり黒に近い3色」が良いです。

この時は、「0,0,0」の黒は使いません。

「黒」と「黒に近い色」では、二値化した時に太さの違いが出てしまうので。

 

私が選んだのは

黒の複数色としては

 

紫-黒:31,6,45

紅-黒:45,6,20

緑-黒:6:45:12

 

色トレスはこちらの6色

(色の名前は、クリスタの標準カラーパレットに合わせてます)

 

レッド:255,0,0

空‐鮮:0,165,255

黄緑‐鈍:101,153,51

朱‐鮮:255,88,0

ブルー:0,0,255

 

<カスタムカラーを使う指示があった時のみ>

紫:175,76,229

 

 

 

 

↑このように描いた線をTracemanのカスタムカラーを使って

↓このように二値化できます。

 

ちなみに、こんな感じに塗り分けました。

黒系の3色も同じような太さで二値化されてます。

 

色トレスが多い上に2号影やハイライトまで入ると色数が足りなくなるので、トーンレイヤーを使ってます。

 

 

レイヤー数が多くなるとclipファイルが重くなるので、その兼ね合いも考えつつ、不要なレイヤーは削除するなどして、自分だけがわかるのではなく、後工程の人にも分かりやすい塗り分けを心掛けたいものです。

 

説明が下手で申し訳ないですが、クリスタで4色以上の色トレスを使いたい場合は、Tracemanのカスタムカラーを使えばできる、という話でした。

 

ちなみに、GTSでの二値化ですと黒を含めた6色なので、色トレスは5色までとなります。