原画からクリスタで、そのままClipファイルを受け取って作業する場合は別ですが、スキャンデータを読み込んでクリスタで動画作業をする時は、まず新規アニメーションファイルを作ります。
新規ファイルを作ってから動画用や原画のスキャンデータを入れるフォルダを毎回作るのは面倒です。
うちの会社では、ファイル名がa_0001というスタイルなので、単純な連番だと、アニメーション出力した時にa0001には出来てもa_0001というファイル名には出来ないので、あらかじめa_0001というセル名で作業をしてます。
(現時点でのクリスタに「フォルダ名」と「連番」の間に_などの記号を入れる機能が無いので。)
毎回、そういうセル名に直すのも面倒なので、いつも作るファイルを「カット用テンプレート」として素材登録しておけば、新規ファイルを作る時に、そのテンプレートを適用すれば一発です。
カット用テンプレートとして登録できるのは、「レイヤー」で表示される部分です。
解像度やファイルサイズ(ピクセル数)などは登録されません。
この画像のようなレイヤー構成で作りたければ、これを「編集」「素材登録」「テンプレート」で任意の場所(例えば「ダウンロード」)に登録します。
中身を分かりやすくするためにAセルのフォルダを開いてますが、これで登録すると同じように開いた状態で作られてしまうので、テンプレートを登録する際には、閉じておきましょう。
ファイルを作成するときは、「カット用テンプレート」にチェックを入れ、その下の四角い部分をタップすると登録されてるテンプレートが表示されてるので、そこから選びます。
探しやすいように、作品名を付けたり、画像も合わせて登録しておくといいでしょう。(例:カット用_一本のネジ)
最近まで、どう使うのかよくわからなかったのですが、このようなレイヤー構成のものをテンプレートとして登録しておき、新規ファイルを作る時に「セル用テンプレート」として適用すると、新規アニメーションセルを作る時に、このレイヤー構成でセルが作られます。
一見、便利そうだと思ったのですが、原トレなどをしてるうちに、「このカットには黒の上に赤レイヤーを追加したい」とか「赤と青のレイヤーを逆にしたい」と思うことがあるでしょう。
セル用テンプレートを使っていなければ、新規セルで作成されるのは「前のセルと同じレイヤー構成」なので、1枚目で「黒の上に赤レイヤーを追加」していたら、2枚目以降を新たに作る時は同じ構成でセルを作ってくれます。
けれど、セル用テンプレートを使ってしまうと、前のセルのレイヤー構成とは関係なく、「セル用テンプレート」と同じものが作られてしまうので、2枚目以降もいちいち「黒の上に赤レイヤーを追加」しなくてはなりません。
意外と面倒。
それに、一度作られたアニメーションファイルから「セル用テンプレート」を削除する方法はなさそうです。
【追記】
セル用テンプレートを無効化する方法がありました。
「ページ管理」→「作品基本設定を変更」で、「セル用テンプレート」のチェックを外せば、「前のセルと同じレイヤー構成」で新規セルが作られます。
なので、現状では「セル用テンプレート」の使用はお勧めしません。
もし、原画作業時にセル用テンプレートを使われて、そのファイルをそのまま動画作業に使うとしたら、原画時に使われたレイヤー構成と同じもので新規セルを作られてしまうので、それも困りものです。
原画さんが、動画作業で使うのと同じ構成のテンプレートを使ってくれてるのなら良いのですが、それはそれで不便なので。(同じ色だと、原トレ時に見づらい)
というわけで、うちでは、こういうカット用テンプレートを使ってます。
作品によってセル名やレイヤーカラーが違うので、作品ごとにテンプレートを使い分けてます。
ここに「template」という非表示のアニメーションフォルダが入ってます。
a_0001やb_0001と同じレイヤー構成のものです。
日本アニメーションさんや私が配布してるASSETSは、この「template」を複製してセルを作るオートアクションが入ってます。
日アニさんのは「1、2、3…」という連番で作るタイプ。
私のは、a_0001やa0001やA0001といったセル名で動画用のセルを作るタイプのオートアクションが入ってます。
(Gセルまで作ってあります。それ以降は各自、1枚目のフォルダ/セル名を変更すれば、2枚目以降はそれに合わせた名前で増えていきます。)
それぞれ1枚だけ原トレしてみて、「このカットはこういうレイヤー構成で行く」と決めたら、そこで新規セルを増やしていけば、同じレイヤー構成のセルを増やせます。
「動画番号位置」というレイヤーについては「15_2 動画番号の書き方について」で説明してます。
テンプレート登録する時は、あとで探しやすいように画像も合わせて登録しておくといいでしょう。