その1 シートや動画番号の書き方 | 一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

一本のネジ(アナログからデジタルへ〜手描き動画部)

どの作品にも共通してる「動画作業において気をつけて欲しいこと」を書いてます。
動画をきちんと教えてもらってない人も増えてるようなので、参考にして頂けたらと思ってます。
今は、iPad版クリスタを使った動画作業の流れについて書き加えてるところです。

シートの読み方は「撮ま!」さんのweb(http://satuma.grupo.jp/)でダウンロードできる「アニメーターのための撮影基礎知識」のP5,P39を参考にしてください。
 
ここでは主に、動画マンがシートを付ける時に気を付けてほしい点について書きます。
 
★動画番号は自然数[+(プラス)の正数]で書いてください。
 1の前にもう1枚必要になったからと言って、0(ゼロ)や-(マイナス)や0.5のような小数点は使えません。アルファベットやカナ、記号も使えません。
 
★原画シートに「くり返し」「リピート」「ブレ~」と書いてある場合、動画は省略せず、すべての番号を最後までシートに記入します。
 
★基本的に、シートにつける番号は1からスタートです。
 中割りからのスタートであっても同様。
 リピートの途中からスタートする場合や、他のセルと連動していて欠番がある場合はその限りではありません。
 
★後からもう一枚足す時は、最後の数字の後の番号を使います。
 例えば、Aセル20枚の後、4と5の間に1枚足す事になった場合は、4,21,5となります。
 ENDマークは20ではなく、21に書きます。
 
 ただしこれは、完全に動画作業が終わった後、演出などの要望で増やす場合なので、動画作業時にシートを書き間違えた時は、あきらめて書き直してください。
 
★ENDマークは、各セルの一番最後の番号に付けます。
 そのカットの一番最後のコマで使われる絵ではありません。
  (動画用紙に書く。シートには書きません。)
 
★兼用カット(一つのカット袋に、複数のカットが入っている)の場合、数字は通し番号にします。

 1カット目で20まで使ったら、2カット目で新たに出てくる番号は21から。

 原画番号が同じなら、動画番号も同じになります。

 提出時は、1カットずつ分けるのではなく、全カットの動画を、Aセルから順に重ねます。

 同じ絵を使わない場合(1カット目では20まで、2カット目は21からしか使わない)でも同様です。

 
★1枚しかないセルに「A①止メ」とか「A 止メ」という書き方をする人がいますが、「A① END」と書いてください。
 止め=ENDではありません。
 兼用カットなどで稀に「A②止め」の場合もあるので。
「止」と書いていいのは、シートのみです。
※シートの動画欄には数字と空セルのための×以外は書かない方が良いとの説もあります。
社内の撮影さん個人の意見としては、
「止」と書かれてると、その後の動きを見なくて済むのでありがたい
とのことでした。
ただ「止メ」とカタカナで書くのは、×(バツ)と見間違えるのでNG。書くなら「止」か「止め」。
デジタルシートになったら数字以外は書けなくなると思うので、いずれ消滅する問題だと思います。
 
★欠番がある場合は、その番号の前後の動画とシートのメモ欄にその旨を記述します。
(例:A-10が欠番の場合、A-9とA-11の動画に「A-10 欠番」と赤で書く。)
 
 
★原画には〇、中割り参考が入ってる数字は△で囲む。
 これは、シートにも動画用紙にも両方。
 シート上や原画に〇が付いていても、実際は髪や手だけ描かれていて、「他、中割り」の事があります。その場合は△で。
「他中割り」の部分がほとんど同トレスのような場合は原画として〇を付けていいです。
 これらは、どの絵が動きの基本になるのか、動画チェックや撮影時に必要となる情報なので。
 
★改行やページが変わる時、前の番号(あるいは空セル)がそのまま続く場合は、改めて番号を書くのではなく、棒線―――(空セルの場合は波線~~~)で。
 兼用カットの冒頭は、前のカットと同じ番号であっても改めて番号を記入してください。
 
★空セルの×(バツ)はマス目いっぱいに書きます。4と区別しづらい事があるので。
 
★数字の1が中割の場合、棒線と区別が付くよう、わかり易く書きましょう。
 
★原画シートに①・・②・・① と書かれている場合、歩きや髪のなびき、煙などは、①,2,3,④,5,6,① というように書きますが、手を振るとか、口をもぐもぐさせる、という芝居の時は、わざわざ行き帰りで違う絵を作る必要はないので、①,2,3,④,3,2,①と書きます。
 このように、往復で同じ絵を使うことを「逆シート」と言い、この場合の動画枚数は4枚になります。
 カット袋に6枚と書かれていても、無理に行き帰りで違う絵を作らず、カット袋の動画欄には正しい枚数を記入します。
 目パチも同様に、目を閉じる時と開ける時に中1枚ずつ入っているシートであっても、基本的には同じ絵を使います。
 原画に行きと帰りで違う詰め指示が入ってる場合は、なびきなどと同様に ①,2,③,4,①となります。
 
 
★口パクシートは、閉じ口が一番小さい数字で、開き口が一番大きい数字です。
 最近は、原画or演出時に口パクシートを書く事が多いので、動画が自分で考えて記入する事は少ないと思いますが、自分で記入する場合に気を付けてほしいのは、
 アキ、中、アキ、中、アキ、中…と口の中が見える絵ばかりにしないこと。
 たまには閉じ口も入れましょう。
 わからない時は、「アキ、中、アキ、閉じ、アキ、中、アキ、閉じ…」のリピートにたまに「アキ、中、閉じ」とか「アキ、閉じ、アキ、閉じ」を入れてみたり。
 「ん」だからといって閉じ口にはしない。それより、「ま行」「ば行」「ぱ行」のように、口を閉じないと発音できない言葉がある時は、閉じ口を入れるのが効果的です。
 
★セリフが始まる前の絵がアキ口の場合、直前に閉じ口にさせてセリフを言わせるのではなく、喋りだす時に閉じ口にしてスタートさせます。閉じ口を作ることで、セリフのタイミングより早く口が動いてしまうことになるので。
 
★シートにセリフが書いてあるから中割りセリフにしたが、実は画面の外にいるキャラクターのセリフだった、という事もあるので、誰のセリフなのか、把握して作業しましょう。
 
★途中でセルの入れ替えがある場合(例えば、Bセルが7コマ目からAセルの下に移動するなど)、以前は→をクロスさせて、Aセルの欄にBセルの番号を、Bセルの欄にAセルの番号を書いてたものですが、デジタル撮影の現在は、入れ替わる部分のシートに「◀ここからBセルはAセルの下」というように書いておき、そのままBセルはBセルの行に番号を書きます。
 
 
↓右△の書き方でもリテイクにはなりませんが、左⚪︎の方が作業しやすいと思います。
 最近はGセルやHセルまであって動画欄の枠が小さくてセル名まで書くのが難しくなってますし。
 【2025.2.5追記】