主な会社では 仕上げ作業にRETAS(ペイントマン)を使ってると思われるので、それをベースに書きます。
★線合成、面合成、どちらも使えます。
混在させては駄目、という注意事項も見かけますが、実際にペイントマンを使って作業してみたところ、線も面も合成作業の仕方にほとんど違いはないので、問題ありません。
面合成の上セルと下セルが入れ替わるのもOKです。
ただし、完成形としてどういう絵が必要なのかが後の工程の人に分かるように描きましょう。
重なる線を消すのは可能ですが、線が足りないのは困る、との事です。
★線合成と面合成の描き方
ざっくりいうと、
「線合成」…線を繋いでから塗る。
「面合成」…塗り終えた2枚の絵を重ねる。(2枚以上の場合もあり)

↑
このような原画があった場合、「線合成」「面合成」はそれぞれ、このように描きます。
↓
【線合成】
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【面合成】
↑赤はクミ線です。基本的に紙の裏に書きます。
↑下セルの場合、緑の部分(塗り切り線)は隠れるので、実線でも他の色でも構いません。
これは頭を下セルに、顎を上セルとして作成してますが、顎の奥の髪の毛が無い絵の場合、
上セルと下セルを逆にすると、クミ線のないシンプルな合成になります。
その場合は、このように描きます。
↓
この場合も、下セル(合成子)の塗り切り線は実線でも他の色でも構いません。
ここまでは、同じ原画から線合成、面合成、どちらも作れる絵で説明しましたが、線合成にしかできないパターンがあります。
それは、同じ輪郭線で影だけが違うパターン。

オーバーラップなどで、影のみ形が変わる場合。
こういう時は完全に線合成のみ。(影のヌリ分けは裏に)
↓
「線合成と面合成」については、改めて詳しく書きます。
★合成伝票の書き方は、会社や作品によって「こうしてください」という指示がある場合もありますが、特に決まってなければ、ここに書いたやり方が一般的かと思います。
アナログ(セル画)時代から引き継がれてる部分もあるので、デジタル的には今後変わっていく可能性もあります。
★基本は、合成親+合成子→セル番号
★セル番号順ではなく、合成親をベースに書きます。
★面合成の場合、基本的には親が下セルですが、親を上セルにしたい場合は、伝票やタップ横などに「上セル」の指示を入れます。
(合成の親セルは、タイムシートには記入しません。)
★合成伝票は、シートを折り返した部分に貼ります。
複数ページや兼用カットがある場合は、一番最後のシートの折り返し部分になります。
伝票が複数枚ある時は、横に並べて貼ります。
(「重ねて貼るように」という会社もありますが、仕上げ時、合成伝票もスキャンするので、横に並べてある方が1度のスキャンで済むので、特に指示がなければ、並べるのがいいかと。)


伝票は、上のほうだけ止めるのがありがたいです。
なぜなら、シートをぶら下げて作業する時、シートを裏返さなくても伝票が読めるから。
ぴったり張り付けると、シート裏に書かれてる指示やサインが読めなくなるから。
上下をテープで止めるとか、左右を上から下まで止める、という会社(作品)もあるので、そういう作品の時は、そちらのやり方に従ってください。
★「合成親」と合成子の「'(ダッシュ)」は赤で書きます。
合成親には「どの子と合成か」、合成子には「どの親と合成か」を明記するよう求めてる場合もありますが、そうでなければ「どの親と合成か」は書かなくていいです。
というのも、間違えて作られた合成を直す時、すべて書き直さなくてはならないので、面倒なのです。
親の方に「A1~3と合成」と書くのは、もし合成伝票を付け忘れたり、剥がれてしまったりした時の参考になるので、書いてあるといいな、と思います。
★合成親の記号は、セル時代はあいう…でもアイウ…でも1,2,3でも分かりやすく書かれていればどれでも構わなかったのですが、仕上げ用にスキャンする時は数字で入力するので、数字が良いかと。
仕上げ時は、Aセル、Bセルごとに1から番号を打ってるようなので、それに準じるのが無難だと思います。
★合成親であっても、その絵が中割りであれば、番号(or記号)に〇は付けないでください。
★原画に「合成」とか「同トレス」と指示がある場合、基本的にはその指示に合わせて作業しますが、内容から判断して「合成にしても良い」と思われる場合は合成にしても構いません。
正直言って、「合成」とか書くのが面倒で「同」とだけ書いてる場合もあるので。
例 その1:歩きの原画の上半身が「合成」になっていても、中割りで上下動があるなら「同トレス」にする。
例 その2:髪が揺れていて、頭頂部のみ合成というのは違和感があるので避ける。
ただし、「同トレス」とか「合成」(下線あり)というように強調されてる場合は、それに従ってください。
〈書き方の例〉




