タイムシートは縦書きで、クリスタのタイムラインは横向き。
これを正しく入力するのは少々手間です。
そのため、タイムシート通りに入力せず、単に連番で登録する人もいますが、原動画ともにきちんと入力しておく方が結果的には効率的なので、きちんと入力しましょう。
iPad版東映デジタルタイムシートは、APP STOREで無料で入手できます。
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PC(Windows)版には、以前は動画欄がありませんでしたが、2022年12月に動画欄もあるバージョンが公開されました。
Windows版はこちら↓
公式の動画マニュアルはこちらをどうぞ。
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私は主にiPadで使ってるので、ここでの説明はiPad版のものとなります。
とりあえず、動画作業で使う機能に絞って説明します。
まず、クリスタと東映デジタルタイムシートとの連携のために、クリスタの
「アニメーション」→「タイムライン」→「東映アニメーションデジタルタイムシートパス設定」→「OK]
と設定します。
東映デジタルタイムシート(以下 TDTS)のアプリに移り、紙(あるいは画像)のタイムシート通りに原画シートを入力します。
リピートなども、コピペを使って最後まで入力しておく方が良いです。
秒数などは、キーボードで入力。
タイムシートに記入する数字はTDTSのテンキーから入力します。
入力したいコマ数をドラッグして数字をタップします。
逆シートは行きと同じ○。
行きと帰りで違う絵を入れたい時は行きは○、帰りは●を入力します。
原画の中参考などでアイウや1’などが使われることもあると思いますが、東映デジタルタイムシートでは、英数字と一部の記号しか使えないので、スキャンデータのリネーム時に
A1
A1a ←中参考ア
A1b ←中参考イ
A2
のようにして置くのが良いと思います。
原画欄を登録したら、
「ツール」→「すべての原画を動画に一括変換」あるいは「選択レイヤーの原画を動画に変換」で、自分がタイムシートに記入したのと同じように動画欄に登録されたか確認します。
作品によって、動画のファイル名が違います。
大きく分けると、大文字か小文字か。
セル名と数字の間に_が入るかどうか。
A0001
A_0001
a0001
a_0001
a0001のパターンが一番多い気がしますが、うちの会社ではa_0001でした。
大文字だと原画と同じフォルダ名になって紛らわしいので、小文字の方が良いと思いますが、それは作品の注意事項に合わせなくてはなりません。
TDTSでは、原画欄に大文字でAとあっても、動画欄は小文字でaにすることができます。
「ツール」→「動画欄ドラック名大文字」にチェックを入れると大文字になり、外せば小文字になります。
気を付けないといけないのは、この自動変換を使う場合は、「初めて使われる数字に対して、1から順に数字が割り当てられる」ということ。
例えば、口パクなどで
1,3,2,3,1…
というシートであっても、自動変換だと
1,2,3,2,1…
となってしまいます。
これに関しては、すべて手動で入力するか、最初に1,2,3と入れておいて、あとは原画通りに入力。
その後、最初の方だけ書き直すなど、ひと手間掛かります。
1,2が欠番で3から始まる時も同様。
それ以外は割と正しく入力されるので、数字が違っていた時は、自分の書いたシートの方が間違ってることに気づかされることもあります。
一括変換が不安なら、原画欄同様、動画欄も手動で入力してください。
原画欄と動画欄は別々に管理されてるので、クリスタに入力する時も別々です。
念のため、この時点で
「ファイル」→「名前を付けてTdtsファイルを保存」
しておきましょう。
保存先は「このiPad内」に「ToeiAnimathionDigitalTimeSheet」というフォルダが出来てるので、その中になります。
多分、初めてアプリを立ち上げた時に作られると思うのですが、昔のこと過ぎて、一度しか行わない設定については覚えてません。
すみません。
読み込むときは、クリスタとTDTSを左右2画面表示します。
クリスタで複数のファイルを開いてるときは、今現在、表示されてるファイルに対して行われます。
原画欄の場合は
「CLIP STUDIO」→「原画をインポート」にチェックを入れる→「CLIP STUDIOにタイムシート情報を適用」
動画欄の場合は
「CLIP STUDIO」→「原画をインポート」のチェックを外す→「CLIP STUDIOにタイムシート情報を適用」
上手く出来ない時は、クリスタ側から
「アニメーション」→「タイムライン」→「東映アニメーションデジタルタイムシートの編集結果を読み込む」
を使ってみてください。
この時、TDTS側で「原画のインポート」にチェックが入っていれば原画欄を、外してあれば動画欄を読み込みます。
読み込む時に、「デジタルタイムシート読み込み」「キャンバスにあるアニメーションフォルダに対して~」のような表示が出ますが「何もしない」で構いません。
初期設定のままだと、クリスタの原画のタイムラインには1,2,3の数字だけが並ぶと思います。
原画のファイル名はA1だったり0001_A1だったりなので、タイムラインに数字は並んでも、絵は登録された状態になりません。
例えば、中参考が無くて、原画が整数だけなら、Aセルの原画をAセルフォルダに入れたのち、「番号の正規化」を行えば、タイムラインに絵が登録されると思います。
けれど、AセルにA1とB1が書き込まれてたり、1と2の間に中参考が入ってたりするケースが多いので、少々面倒ではありますが、タイムラインに登録された数字のところに絵を当てはめていく方法が無難でしょうか。
もっといい方法があるかと思いますが、私はそうしてます。
タイムラインのAセルの1をCtrlを押しながらタップするとAセルフォルダに登録されたセル番号が現れるので、該当するセルをタップして1枚1枚入力します。
例えば、均等な中3枚3コマ打ちなら、セルの一括指定を使うのも良いでしょう。
動画欄は比較的楽です。
設定した通りのファイル名で登録されるので、
「アニメーション」→「トラック編集」→「対応するすべてのセルを作成」
で、必要枚数の動画用紙が作れます。
ただし、あらかじめ必要なセル(DセルまであるならDセルまで)の「レイヤーカラーなどを作成済みのセル」を最低でも1枚ずつ作っておいてください。
そうでないと、ただのラスターレイヤーが作成されてしまいます。
日アニさんのワークスペースやTDTSの初期設定では、aセルフォルダに1,2,3…というファイルが作られると思いますが、もし、注意事項でそれを指定されてるのでなければ、a0001のようなファイル名にしておくことをお勧めします。
1,2,3だけの方がタイムラインは見やすいのですが、B1とC1の中割りをするためにライトテーブルに登録した時、どちらも「1」としか表示されないので分かりにくいし、多重合成のときにも不便なので。
また、_が入らないパターンなら、セル出力の時に「フォルダ名+連番」でa0001に出来ますが、現時点のクリスタでは、フォルダ名と数字の間に_を入れることが出来ないので、a_0001の時はファイル名にしておいた方が便利です。(フォルダ名を「a_」にしておいて連番で書き出せば、ファイル名は「a_0001」になりますが、いちいちフォルダ名から _を消さなくてはならないので、地味に手間が掛かります。
例えば、セル番号をA0001やa_0001のようにしたい場合は
TDTSの
「ツール」→「Xdtsファイルを書き出す(CELL欄)でセル名の書式を変換する」にチェックを入れます。
フォルダ名と番号の間に_を入れたい時は
「ツール」→「Xdtsファイルを書き出す(CELL欄)のセル名の編集→<レイヤー名>_<動画番号>
のように間に入れる記号を入力して 「OK」。
合成親は、TDTSで入力すると、原画欄と動画欄の並び順がずれてしまうので、クリスタのタイムラインに登録後、手動で足してください。
ちなみに、TDTS上では、原画欄に番号がある時は、動画欄の数字が太字になります。
並びがずれると、これもずれてしまいます。
クリスタに登録されたものは、とくに太字になってたりはしません。
撮影など、後工程にTDTSの情報を渡す時は、保存したTdtsファイルなどを渡すといいでしょう。
今のところ、それを求められたことは無いので、それは注意事項に合わせてください。