ざっくりとクリスタでの動画の手順を書きましたが、ここからはちょっと便利な使い方を交え、私の作業工程を追っていこうと思います。
個人で動画の仕事を受ける時は、おそらくスキャンデータ(原画の書き出しファイル)が渡されるでしょう。
会社所属の場合は、紙の原画をスキャンするところから入るかもしれません。
スキャンの方法については、各々の会社でつかってるスキャナーによってやり方が違うでしょうから、ここでは触れません。
ただ、可能であれば、仕上げの「スキャンフレーム(撮影フレームの一回り外側)」ではなく、タップ穴も含めた「紙全体」でのスキャンをお勧めします。
タップ穴が見えてると、正しくスキャンされてるかの参考になるので。
うちの会社では、このようなアクリル製の透明タップをスキャナーに付けてるので、タップ穴の実物がスキャンされます。
このタップは既製品ではないので、以下のように、疑似的なタップ穴の画像をスキャンする方法もあります。
動画用紙 または同様の白い紙を二つ折りにして穴あけ機で通し穴を開ける pic.twitter.com/2OFPGc9Gnk
— ねこまたや (@info_nekomataya) October 30, 2020
スキャンデータが手元に来たら、まず、ファイル名を確認します。
ファイル名と原画番号が同じなのは稀です。
たいていは、ADFで連番で書き出されたものが渡されて、どれがA1なのか、B1なのか、ファイルを開かないとわからないことが多いです。
とりあえず、そのままでは作業しづらいので、ファイル名を整えます。
貰ったデータを直接いじるのは抵抗があるので、フォルダごと複製して、そちらでファイル名を整えます。
例えば、gen0001,gen0002,gen0003…となっている場合、ファイルの中を見ながら
A1 ←原画A1
As1 ←A1の修正
A1a ←中参考ア
A2_B1 ←原画A2とB1
のように原画番号と同じようにリネームします。
順番がバラバラになるのも嫌なので、連番の後に原画番号などを付けるのも良いと思います。
(私はそのようにしてます)
0001_A1
0002_As1
0003_A1a
0004_A2_B1
のように。
リネームは手間ですが、後になって目的の原画を探すのに役立ちます。
「ファイル」を2画面で広げて、原画の絵を見ながらリネームするか、スキャンデータをクリスタに取り込んでから、やはり絵を見ながらリネームするのがいいでしょう。
中参考では、アイウやイロハ、'(ダッシュ)や小数点を使う原画さんもいますが、後述のデジタルタイムシートでは英数字と一部の記号しか使えませんし、ファイルが番号順に並ばなくなる可能性が高いので、1、1a、1b、2、2a、3…というスタイルにしておくのが無難です。
また、レイアウトと原画などのファイルサイズが揃ってるかの確認もしましょう。
レイアウトのみ大判だったり、Aセルだけ大判だったりしますから。
サイズが違うセルが混ざってる時の対応は別項目で。
ここではレイアウトもセルもスタンダードのカットとして説明します。
ファイルサイズ(ピクセル数)は縦横とも偶数が基本です。
もし奇数になっていたら、クリスタで位置調整した後、偶数にします。
特に指定がないなら、「ファイルサイズ=キャンバスサイズ」で作業しても良いでしょう。
出来ればこの時点で、スキャンフレームと全体のフレーム、また、その余白の数値を調べて、それに合わせたClipファイルを作りたいものです。
作画フレームの活用については別項目で書きます。