【夕顔383-3】古文単語「心おごり」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回は「現代語」でもある古語です♪
【今回の源氏物語】
高やかなる荻に付けて、「忍びて」とのたまへれど、「取り過ちて、少将も見つけて、我なりけりと思ひあはせば、さりとも、罪ゆるしてむ」と思ふ、御心おごりぞ、あいなかりける。
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今回出てきた古文単語
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■【高やかなる】…ナリ活用形容動詞「高やかなり」連体形
※【高やかなり】…丈の高い
■【荻(おぎ)】…草の名。ススキの一種
■【に】…場所の格助詞
■【つけ】…カ行下二段動詞「付く」連用形
※【付く】…つける
■【て】…単純な接続助詞
■【忍(しの)ぶ】…人目を忍ぶ
■【て】…単純な接続助詞
■【と】…引用の格助詞
■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」已然形
※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【れ】…完了の助動詞「り」已然形
■【ど】…逆接の接続助詞
■【取り過ち】…タ行四段動詞「取り過つ」連用形
※【取り過(あやま)つ】…取り違える
■【て】…単純な接続助詞
■【少将(しょうしょう)】…ここでは、軒端荻の夫の蔵人少将のこと
■【も】…添加の係助詞
■【見つけ】…カ行下二段動詞「見つく」連用形
■【て】…単純な接続助詞
■【我(われ)】…自分(光源氏)
■【なり】…断定の助動詞「なり」連用形
■【けり】…詠嘆の助動詞「けり」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【思ひあはせ】…サ行下二段動詞「思ひあはす」未然形
※【思ひあはす】…合点がゆく。考え合わせる
■【ば】…順接仮定条件の接続助詞
■【罪(つみ)】…罪。非難すべきところ
■【ゆるし】…サ行四段動詞「ゆるす」連用形
■【て】…強意の助動詞「つ」未然形
■【む】…推量の助動詞「む」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【思ふ】…ハ行四段動詞「思ふ」連体形
■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)
■【心おごり】…思い上がり
■【ぞ】…強意の係助詞
■【あいなかり】…ク活用形容詞「あいなし」連用形
※【あいなし】…困ったものだ
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
◇ 今回は「てむ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「心おごり」 ☆
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高やかなる荻に付けて、「忍びて」とのたまへれど、「取り過ちて、少将も見つけて、我なりけりと思ひあはせば、さりとも、罪ゆるしてむ」と思ふ、御心おごりぞ、あいなかりける。
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.光源氏の心模様はつまらないなあ。
2.光源氏の傲慢ぶりには、困ったものだなあ。
3.光源氏の心変わりには困ったものだなあ。
4.光源氏の心痛はつらいものがあるなあ。
5.光源氏の浮気心には思いやられるなあ。
このブログの【重要古語】カテゴリでは
今回の源氏物語の中で出てきた古語を
ピックアップして載せています。
今回の重要古語はこれ☆
【こころおごり(心驕り)】
【名詞】
…人からほめられたりして得意になること。思いあがり
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
源氏物語のなかには
このような、光源氏の「心おごり」に対して
作者、紫式部が苦言を呈している場面が
所々見られます。
いまのヒーローものでもそうですが
やはり、主人公というものは
完璧な人というよりも
どこか抜けてたり
何かしら欠点があったりするほうが
人間的にも魅力を感じますよね~!
(๑˘ ³˘๑)
【答え】…2
高やかなる荻に付けて、「忍びて」とのたまへれど、「取り過ちて、少将も見つけて、我なりけりと思ひあはせば、さりとも、罪ゆるしてむ」と思ふ、御心おごりぞ、あいなかりける。
● 過去記事リンク
■しのぶ
■のたまふ
■れ・られ
■も
■見つく
■なりけり
■さりとも
■ぞ・ぞや
■あいなし
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