イラスト解釈では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
入試対応オリジナル問題を掲載しています☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。失意の中、喪も明け、光源氏はかつて関係のあった人妻の空蝉へ、そして一夜の逢瀬であった軒端荻へと、想いを馳せるのでした。
【今回の源氏物語】
高やかなる荻に付けて、「忍びて」とのたまへれど、「取り過ちて、少将も見つけて、我なりけりと思ひあはせば、さりとも、罪ゆるしてむ」と思ふ、御心おごりぞ、あいなかりける。
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☆ 古文オリジナル問題~和歌の解釈~☆
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高やかAなる荻に付けて、「忍びて」とのたまへBれど、「取り過ちて、少将も見つけて、我なりCけりと思ひあはせば、さりとも、罪ゆるしDてむ」と思ふ、御心おごりぞ、あいなかりEける。
問)傍線部A~Eの説明として正しいものを、次の中から1つ選べ。
1.Aは、断定の助動詞「なり」の連体形である。
2.Bは、尊敬の助動詞「る」の已然形である。
3.Cは、過去の助動詞「けり」の終止形である。
4.Dは、強意の助動詞「つ」の未然形である。
5.Eは、完了の助動詞「けり」の連体形である。




古文読解のポイントは、

この3つをしっかりと学習し
読解に慣れていくことが大切。

今回は、古典文法の理解です。
受験生のみなさんは、
もう上のA~Eぐらいは、入ってるかな?
(*・ ェ ・*)ノ
では、さっそく1つひとつ見ていきましょう♪

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まず、Aについて
【たかやかなり(高やかなり)】
【形容動詞:ナリ活用】
…高く感じられるようす。また、声が大きいようす
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
重要古語なら、
形容動詞だと頭に入っている人も多いでしょうが
このような現代も用いる言葉は
けっこう疎かになりがち…

と、パターンで押さえておくといいですね!
o(^-^o)(o^-^)o
1.Aは、断定の助動詞「なり」(×)の連体形である。
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Bについて
もしこれが、助動詞「る」であるならば

四段・ナ変・ラ変動詞の未然形に接続してるはず。
四段も、ナ変も、ラ変も
未然形は「―a」の段ですよね!

なのに、「たまへ(e)―る」となってるのは…
この「る」は、助動詞「る」じゃないってワケですね!


2.Bは、尊敬の助動詞「る」(×)の已然形である。
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Cについて
「けり」は、古文の中で最もよく出てくる助動詞です。

注意したいのは、
過去か詠嘆かどちらか

基本的に
地の文(会話文でない場合)では
過去の助動詞なんだけれども、
今回のように、
間接会話文である場合なんかは
特に注意が必要ですね!!
(;゚;∀;゚;)
3.Cは、過去(?)の助動詞「けり」の終止形である。

わからない場合は
このように(?)印でもつけて
あとまわしにしましょう。

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Dについて
さりとも、罪ゆるしDてむ」と思ふ、御心おごりぞ、あいなかりEける。
この、「―てむ」というパターンを見ただけで
お気づきの人も多いのではないかと…。

4.Dは、強意(○)の助動詞「つ」の未然形である。


※ちなみにセンターレベルでは
「強意」ではなく「完了」という種類のみ
押さえればよいでしょう。
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Eについて
さきほどのCと同じく
過去の助動詞「けり」ですね。

5.Eは、完了(×)の助動詞「けり」の連体形である。
訳すと、同じ「~た」となる場合も多いので
受験生の中には、最後まで
過去と完了の区別がつかない人も
多いのではないかと…


この機会に
きちんと覚えてしまいましょ♪
(๑˘ ³˘๑)

【答え】…4
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