【帚木296-3】文末の「ぞ」「ぞや」
あいです
【今回の古文単語】
■【ささがに】…蜘蛛】…~ところ(単純接続の接続助詞)
■【ふるまひ】…行動
■【しるし】…はっきりしている
■【ひるま】…ニンニク・昼間の掛詞
※【蒜(ひる)】…ノビル、ニンニクの類
■【過ぐす】…やり過ごす
■【あやなし】…道理に合わない、わけがわからない
■【いかなる】…どのような
■【ことつけ】…何かにかこつけること、口実
■【ぞや】…~だか(終助詞「ぞ」+係助詞「や」)
■【果つ】…終わる
■【ず】…打消の助動詞「ず」の連用形
■【走り出づ】…逃げ出す
■【~はべり】…~ます(丁寧の補助動詞)
■【ぬる】…完了の助動詞「ぬ」の連体形
■【に】…~ところ(単純接続の接続助詞)
今日は、文末の「ぞ」について☆
では行ってみよ~♪
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「ぞや」というのは、
ご推察のとおり、「ぞ」「や」という二つの助詞の連語です。
ヽ(゚◇゚ )ノ
「ぞ」というのは、
文末に用いられた場合、
断定や、疑問の語とともに用いられる強調表現です。
今でも強調の意味で「~ぞ」が用いられますよね!
もともとは、強意の係助詞で、
係り結びの法則を成立させるのですが、
古文では、
疑問の言葉とともに、文末に用いられることも多いです。
(「何ぞ」など)
しかし、どちらにしても、強調ということに変わりないと思うんです。
※今の「だ」の用い方と同じような感じではないか…と。
それに対し、「や」は、文末で用いられるとき、
疑問の係助詞の意味とは限らないんです。
■係助詞「や」…疑問を表す
■終助詞「や」…詠嘆を表す
(「や」については、こちらの記事もご参照下さい )
なので、「~ぞや」は、次の2つの意味になるんです。
【~ぞや】
①(終助詞「ぞ」+間投助詞「や」)
~だなあ
②(終助詞「ぞ」+係助詞「や」)
~だろうか、~だか
※『全訳古語例解辞典
』(小学館)より
文脈に合わせて、どちらの意が適当か、選んでくださいね!
('-^*)/
ご意見・ご指摘等があれば、コメントよろしくお願いします。
今日のブログも、お役に立てば幸いです♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木296(原文)
「…『ささがにの ふるまひしるき 夕暮れに
ひるま過ぐせと いふがあやなさ
いかなることつけぞや』
と、言ひも果てず走り出ではべりぬるに、…
自力での現代語訳が難しい場合は、下のリンクも復習してね♪
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● 本日の古語~過去記事リンク~
■しるし
■過ぐす
■あやなし
■いかなる
■はべり
(●´エ`●)。
あいでした
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