【帚木296-2】「ささがに(蜘蛛)」がなぜ夕暮れなのか | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木296-2】「ささがに(蜘蛛)」がなぜ夕暮れなのか

あいですラブラブこんにちは。

 

今回は「ささがに」について

では一気に見ていきましょう!!

ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

↓今回の源氏物語↓

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「…『ささがにのふるまひしるき夕暮れにひるま過ぐせといふがあやなさ
いかなることつけぞや』
と、言ひも果てず走り出ではべりぬるに、…」

イラスト訳はこちら→

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【源氏物語~これまでのあらすじ】

桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格します。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は義兄で親友の頭中将と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります(雨夜の品定め)。左馬頭の2人の妻の話、頭中将の失踪した愛人の話が語られ、式部丞は昔つき合った才気煥発な女性の口臭の話をします。

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「ささがに」というのは、

古文では、蜘蛛をさします。

 


 

ところで、藤式部丞の和歌に、

 

ささがにのふるまひしるき夕暮れに…』

という上の句がありましたね。


 

ささがに(蜘蛛)の振る舞いがはっきりと分かる夕暮れに、

というわけですが…、


 

蜘蛛の行動が、式部丞の言いたいことと

どう関係してくるのでしょうか。

(`・д´・ ;)



 

実は、蜘蛛っていうのは、

 

夕暮れ時になると、

食物を探すために巣からはい出て、

動きまわるらしいです。



 

(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)


 



 

今でなら、絶叫ですよね~;;

(;゚;∀;゚;)




ただ、蜘蛛というのは、

ゴキブリや細かな虫を食べてくれる、

いわば益虫みたいな存在ですよねー:


 


おそらく当時は、天井に張ったクモの巣など、

特に取り去りもせずに放ってあったことでしょう。


 

また、当時の、特に貴族女性は、

部屋で、なにもせずにじっとしていることも多かったと思います。



 

…ふだん、自分のクモの巣で、

おとなしくしている彼奴(きゃつ)らが、

夕暮れ時になると、モゾモゾとはい出してくる…


 



 

モゾモゾ床や壁をはい回る蜘蛛を見て…


 




 

風情?(((゜д゜;)))



 

実は、古今和歌集の中に、こんな和歌があります。


 

(前書き)

 衣通姫の独りゐて帝を恋ひ奉りて…

 (そとおり姫が一人たたずんで帝を恋しく思い申し上げて詠んだ歌

 

わがせこが 来べきなり ささがにの 蜘蛛のふるまひ かねてしるし

 

愛しい私のダーリンが来てくれそうな夕暮れだわ。(ささがにの)蜘蛛の動き前もってそれをはっきり示している



古今集などの有名な和歌をふまえて、

自分の歌にその言葉や風情を詠み込むことを、

本歌取りというのですが、

 

藤式部丞、まさに、この歌をパクってモチーフにしているようですね。

 

(;゚;∀;゚;)




 

実は当時、蜘蛛が下りてきて着物につくのは、待ち人が来る前兆だとされていたようです。

 

 


蜘蛛一匹で、情趣を感じていたのです!

 



そう考えると、古典の世界って、すごく面白いですよね~

(●´エ`●)
 


 

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今のところ、桐壺更衣紫の上が、一番人気ですね!

 



「蜘蛛」というイメージがぴったり合う女性として

 








私は、六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)
いちおしだと思うのですが、みなさんはどう思われますか?

 

 

また、ぜひ投票してくださいね~♪




ご意見・ご指摘等があれば、コメントお願いします。

では次回の講釈もおたのしみに☆

(o^-')b

 

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今回のイラスト訳はこちら⇒