【帚木197-3】文脈の着眼点「さりとも」
今日も勉強お疲れさま~
このブログは、難関大学受験から初歩の初歩まで、
古文を勉強していく方ならどなたでも、
「ふ~ん!」って思ってもらえる箇所があるように、
読み応えのある記事を心がけています。
ぜひ古文学習の日課としてご活用くださいね
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■【さりとも】…そうはいっても
■【日ごろ】…何日も、数日来
■【恨み】…憎しみ、怨恨
■【~は】…強調の係助詞
■【解く(下二段)】…解ける
(※ここでは、雪の縁語となる)
■【なむ】…きっと~だろう(確述)
※【な】…強意の助動詞「ぬ」の未然形
※【む】…推量の助動詞「む」の終止形
■【思うたまふ】…存じ上げます(ウ音便)
※【たまふ(下二段)】…~ております(謙譲の補助動詞)
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【に】…~ので、~ところ(順接)
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今日の古語詳解は、「さりとも」について☆
では行ってみよ~♪
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「さりとも」は、「然りとも」という漢字をあて、
「さありとも」が変化した形です☆
さ / あり / とも
訳)そうで / ある / としても
↓↓
【さりとも(然りとも)】
①そうだとしても、そうはいっても
②いくらなんでも、それにしても
(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)
つまり、前述の内容を受けて、
逆接的なつながりになっていくんですね!
ヽ(゚◇゚ )ノ
今回の文脈では、
「いかが思へると、気色も見がてら、雪をうち払ひつつ、なま人わろく爪喰はるれど、さりとも今宵日ごろの恨みは解けなむ、と思うたまへしに、…」
指を噛まれケンカ別れして、行きづらくなったとはいえ、
長年の夫婦生活からくる信頼感というのが強いわけですね♪
(*^m^*)
ところで、
「然り」という指示語を用いた連語がたくさんあるので、
この機会に一覧にまとめておきますねー!
(* ̄Oノ ̄*)
【「さり(然り)」を用いた連語一覧】
■【さり(然り)】
…そのようである、そうである
■【さりげ(然り気)なり】
…そのような様子、そうである様子
■【さりげ(然り気)なし】
…そんなことがあった様子ではない、何もなかった様子だ
■【さりけれど(然りけれど)】
…そうではあったけれど、しかしながら
■【さりけれな(然りければ)】
…それで、そうであったから
■【さりとて(然りとて)】
…そうかといって
■【さりとては(然りとては)】
…それでも、そうとは、何とまあ
■【さりとても(然りとても)】
…そうはいっても、それにしても
■【さりとは(然りとは)】
…そういうのは、そうだとは、何とまあ
■【さりとも(然りとも)】
…そうはいっても、それにしても
■【さりながら(然りながら)】
…しかしながら、そうではあるが
■【さりぬべし(然りぬべし)】
…そうなるはずだ、相当なものだ、立派だ
■【さりや(然りや)】
…そのとおりである、まったくだ
全部を丸暗記する必要はありません。
ただ、せっかく今日一覧で見たのだから、
もう一度上から見直してみてください☆
できたら、声に出して、一度言ってみましょう♪
源氏物語イラスト訳でも、随時出てきますので、
徐々に頭に入れていきましょうね♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木197(原文)
「…さりとも今宵日ごろの恨みは解けなむ、と思うたまへしに、…」
自力での現代語訳が難しい場合は、
下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■日ごろ
(※その他重要古語一覧はこちら )
あいでした