【帚木75-③】尊敬謙譲「たまふ」の見分け方☆詳細
勉強お疲れ様ですあいです。
重要古語は夕方5時ごろに更新しますので、
勉強の息抜きに、ケータイからでもお楽しみくださいね♪
↓今日の古文単語↓
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■【御ため(おんため)】…ここでは、光源氏のため
■【選り出づ(えりいづ)】…選び出す
■【飽く(あく)】…満足する、飽き飽きする
■【まじく】…打消推量(不可能)の助動詞「まじ」の連用形
■【見え(見ゆ)】…見える、思われる
■【たまふ】…~なさる(尊敬の補助動詞)
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今日は、「たまふ」の見分け方の詳解です☆
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「なほ飽くまじく見えたまふ」の解釈として最も適当なものを選べ。1. 言うまでもなく光源氏は、上流の中でも特上の女性でないと飽き飽きするように見えます。
2. そうはいうものの光源氏は、上流の中でも特上の女性でも満足することはないとお身受けする。
3. それでもなお光源氏は、上流の中でも特上の女性を選び出してしまうように思われなさる。
4. やはり光源氏は、上流の中でも特上の女性でも、満足できそうにないようにお見えになる。
5. もちろん光源氏は、上流の中でも特上の女性ばかりを選び出しなさるように拝見する。
この傍線部の最後の部分でしたねー^^
■傍線部「見えたまふ」の解釈
1. 見えます。(丁寧)
2. お身受けする。(謙譲)
3. 思われなさる。(尊敬)
4. お見えになる。(尊敬)
5. 拝見する。(謙譲)
さて、どれでしょう?
(;゚;∀;゚;)
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【補助動詞「たまふ」の見分け方】
まずは、基本の見分け方から。
かんたんに言うと、四段活用か、下二段活用かで識別します。
【たまふ】
①四段活用の場合→尊敬
②下二段活用の場合→謙譲
ですが、今回は終止形ですので、
四段か下二段かが判別つきません;;
その場合の確認のしかたを、
もう少し細かく解説したいと思います♪
(o^-')b
■謙譲語なら、手紙や会話の中で用いられ、地の文には出て来ない。
■知覚動詞(思ふ・見る・聞く・知る等)につく場合は謙譲語
■謙譲語の場合、終止形および命令形の用例はほとんどない。
以上のポイントから、今回の「たまふ」は尊敬語と解釈されます。
ですが、「見え(見ゆ)」を知覚動詞ととらえ、
源氏物語を、手紙文に準ずるものと解釈すれば、
この限りではありません。
また、「見えたまふ」を、作者紫式部の感想ととらえ、
「~ようにお見受けする」などといった謙譲語でとらえたほうが、自然なような気が…^^;
注意してほしいのは、上のポイントは、あくまで用例が無い(少ない)のであって、
絶対にこうじゃないといけないというわけではありません。
なので、
謙譲・丁寧の訳出のもので、曖昧であれば、△としておきましょう。
△1. 見えます。(丁寧)
△2. お身受けする。(謙譲)
○3. 思われなさる。(尊敬)
○4. お見えになる。(尊敬)
△5. 拝見する。(謙譲)
△ばかりだと、まったく解釈ができませんが、
選択肢の部分解釈として、△がついても、
他の部分の正誤性をはかることで、
少しずつ、正答に近づいていくのです!
なお、意見が分かれてしまうような曖昧な部分は、
ほとんど入試に出ないのですが、
選択肢問題の中で出題されることはあり得ますので、
お気をつけくださいね^^;
(o^-')b
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今回の古文、一語一語、現代語訳できますか?
難しいようなら、イラスト訳や他の重要語句を復習してね♪
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【今日の源氏物語】
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この御ためには上が上を選り出でても、なほ飽くまじく見えたまふ。
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■たまふ
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あいでした
今日も最後までご愛読ありがとうございました(●´エ`●)