【帚木71-③】「のたまふ」~尊敬語のまとめ☆
こんにちはあいです。
今日は尊敬語についてまとめてみたいと思います。
自敬表現や二方面の敬語については、すでに詳説していますが、
こういうカンタンなものは、あとまわしになっていました^^;
以前の謙譲語のまとめ と合わせて押さえておいてくださいね♪
↓今回の古語はコレ↓
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■【とて】…~と言って、~と思って
■【式部(しきぶ)】…藤式部丞のこと
■【わが】…私の、自分の
■【妹(いも)】…姉・妹
■【ども】…~たち(複数形)
■【の】…~が(主格)
■【よろし】…まあ悪くない
■【聞こえ】…評判、噂
■【あり】…ある、(評判が)立つ
■【のたまふ】…おっしゃる(「言ふ」の尊敬語)
■【~にや】…~であろうか
※【に】…断定の助動詞「なり」の連用形
■【や~らむ】…~ているのだろうか(係り結び・疑問)
※【や】…疑問を表す係助詞
※【らむ】…現在推量の助動詞「らむ」の連体形
■【心得(こころう)】…分かる、理解する
■【ものも言はず】…何も言わない
※【もの】…何か
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今日は、「のたまふ」についてです☆
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尊敬語とは、作者(=話し手)が、動作をする人に対して敬意を表すための敬語です。
現代語の「お~になる」「~なさる」「~られる」などにあたります。
それに対し、謙譲語は、作者(=話し手)が、動作を受ける人に対して敬意を表すための敬語であり、
現代語の「お(ご)~申し上げる」「お(ご)~いたす」「お(ご)~する」などにあたります。
つまり、
尊敬語は、動作をする人への敬意表現
謙譲語は、動作を受ける人への敬意表現
合わせて押さえておいてください♪
(o^-')b
古文では、尊敬語というと、「給ふ(たまふ)」という尊敬の補助動詞 がよく出てきます。
また、源氏物語では、「おぼし~ 」「おはしまし~ 」などの複合語としてもよく出てきます。
これらについては以前に説明いたしましたが、
今回は、尊敬を表す動詞の一覧を提示しますね♪
(●´エ`●)
【主な尊敬動詞一覧】※( )はもとの動詞
■おはす・ます・います・いまそかり等
…いらっしゃる、おいでになる(あり・をり・行く・来)
■仰す・のたまふ・のたまはす
…おっしゃる(言ふ)
■御覧ず
…ご覧になる(見る)
■おもほす・おぼす・思し召す
…お思いになる(思ふ)
■たまふ・たうぶ・たぶ・たまはす
…お与えになる、くださる(与ふ)
■あそばす
…なさる、~なさる(尊敬の代動詞)(す)
■大殿ごもる
…おやすみになる(寝)
■つかはす
…おつかわしになる、行かせなさる(やる)
■きこす・きこしめす
…お聞きになる、召し上がる(聞く・食ふ・飲む)
■しろす・しろしめす
…お知りになる、お治めになる(知る・治む)
■たてまつる(奉る)
…召し上がる、お乗りになる、お召しになる(食ふ・乗る・着る)
■めす(召す)
…召し上がる、お乗りになる、お召しになる、お呼びになる(食ふ・乗る・着る・呼ぶ)
■まゐる(参る)
…召し上がる、お召しになる(食ふ・飲む・着る)
注意してほしいのは、「たてまつる」「まゐる」「たまふ」などが、尊敬の意味と謙譲の意味の両方を持っているということです。
「たまふ(給ふ)」の見分けは、活用の違いである程度想定 できますが、
「たてまつる(奉る) 」「まゐる(参る) 」に関しては、前後の文脈から判断していくことになります。
過去記事も、合わせてお読みくださいね♪
今回出てきた「のたまふ」は、「言ふ」の尊敬ということで、丸暗記しておきましょう☆
(o^-')b
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今回の古文、一語一語、現代語訳できますか?
難しいようなら、イラスト訳や他の重要語句を復習してね♪
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【今日の源氏物語】
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とて、式部を見やれば、わが妹どものよろしき聞こえあるを思ひてのたまふにや、とや心得らむ、ものも言はず。
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■妹
■の
■よろし
■にや
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あいでした
今日もご愛読ありがとうございました(●´エ`●)ノノ