【帚木205-2】確述用法「てむ」について☆
またまた更新遅れまして^^;あいです。
【イラスト解釈】では、本日の源氏物語に因んで、
解釈問題のヒケツや古文常識などを随時更新しています。
↓今日の源氏物語はコレ↓
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「…さすがにわが見捨ててむ後をさへなむ、思ひやり後見たりし。…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は義兄で親友の頭中将と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります(雨夜の品定め)。左馬頭が具体的な女性体験談を語り出します。ケンカ中の嫉妬深い女のもとに久しぶりに逢いに行ったところ、左馬頭を迎える準備はしてあったものの、女の姿はありません。
今日は、確述用法「てむ」について☆
ではいってみよ~~っと♪
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「さすがにわが見捨ててむ後をさへなむ、思ひやり後見たりし。」を現代語訳せよ。
↑
現代語訳の問題は、けっこう大学入試で頻繁に出題されています。
このような記述問題では、
●重要古語・イディオム
●助動詞・敬語等の文法事項
これらをきちんと押さえて訳出する必要がありますよね!
ヽ(゚◇゚ )ノ
上の文では、
■【さすがに】
■【てむ】
■【さへ】
■【なむ~連体形】
■【後見(うしろみ)】
■【たりし】
以上が解答ポイントになります♪
(o^-')b
ここで最も注意すべきは、
「わが見捨ててむ後」
↑
この「てむ」という確述用法に気づくか否かです!
(ノ´▽`)ノ
【てむ】
…強意の助動詞「つ」の未然形「て」+推量の助動詞「む」
(確述用法)
【連用形+「てむ」「なむ」】の場合、
「て」「な」という助動詞は、完了の意味ではなく、
強意の意味になります∑(゚Д゚)
これが、確述用法☆
(o^-')b
ただし、今回の場合、
見捨て / てむ
↑
この動詞が下二段活用「見捨つ」であるため、
「見捨て」が、未然形なのか連用形なのか、判別できないということ。
ヽ((◎д◎ ))ゝ
また、「む」の文法的意味が、
!(´Д`;)
さらりと読んだとき、「見捨ててむ」ではなく、「見捨てむ」と勘違いしやすいことも、誤答のきっかけとなります;;
(((( ;°Д°))))
なので、今回、「見捨ててむ」という形と、その訳出を、
ちょっと意識して理解することで、
今後、古文の中で「てむ」が出てきたとき、
すばやく的確な訳に結びつけられるよう、
このイラスト解釈で、押さえていきましょう♪
(o^-')b
●「見捨ててむ」といった、上二・下二段活用とのつながりの場合、
「見捨て」は、未然形ではなく、連用形となる。
↑
ここが、「なむ」の場合との大きな違いです!
(*^m^*)
●「~てむ後」といった、体言(名詞)とつながる場合、
「む」は連体形であり、仮定・婉曲の意味となる。
↑
ここは、「なむ」の場合と同様です!
(*^m^*)
さすがに / わが / 見捨て / て / む / 後 / を / さへ
訳)やはり / 自分が / 見捨て / てしまう / ような / 後 / に / までも
確述用法「てむ」の訳出は、絶対こうとは言い切れないのですが、
●「て」を強意の方向で訳すこと
●「む」を仮定婉曲もしくは訳出しないこと
↑↑
この2点を守って解答すれば、採点の厳しい京大古文にだって減点されないで済みますよ♪
(≧▽≦)
「なむ」ほど頻出ではありませんが、落としやすい「てむ」の訳出☆
この機会に、減点対象とならない訳出を、肝に銘じてくださいね♪
(o^-')b
あいでした