【夕顔67-3】古文単語「あいなし」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
イメージで覚える重要古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
国の物語など申すに、「湯桁はいくつ」と、問はまほしく思せど、あいなくまばゆくて、御心のうちに思し出づることもさまざまなり。
――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【国】…ここでは、任国の伊予をさす
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【物語】…話
■【など】…例示の副助詞
■【申す】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)
■【に】…順接の接続助詞
■【湯桁】…湯舟のまわりの桁(けた)。湯船
■【は】…提示の係助詞
■【と】…引用の格助詞
■【問(と)は】…ハ行四段動詞「問ふ」の未然形
■【まほしく】…希望の助動詞「まほし」の連用形
■【思せ】…サ行四段動詞「思す」の已然形
※【思す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ど】…逆接の接続助詞
■【あいなく】…シク活用形容詞「あいなし」の連用形
※【あいなし】…(「あいなく」の形で)わけもなく
■【まばゆし】…正視できない
■【て】…単純接続の接続助詞
■【御心(みこころ)】…お気持ち
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【うち】…中
■【に】…場所の格助詞
■【思し出づる】…ダ行下二段動詞「思し出づ」連体形
※【思し出(い)づ】…お思い出しになる
■【も】…強意の係助詞
■【さまざまなり】…さまざまだ(ナリ活用形容動詞)
◇ 単語の意味と文法的説明です。
―――――――――――――――
☆ 本日の古文単語「あいなし」 ☆
―――――――――――――――
「あいなし」は、
このブログの冒頭でも出てきた、
まっさきに覚えるべき重要古語ですね。
(σ・∀・)σ
【あいなし】
【形容詞:ク活用】
①気に入らない。不快だ
②つまらない。おもしろくない
③不似合いだ。不調和だ
④(「あいなく」の形で)わけもなく
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
「あいなし」=「つまらない」
と覚えている人も多いでしょうが、
覚えたままの意味が、そのまま出ることも
あまり多くはないので、
「あいなし」⇒マイナスイメージ
ぐらいのニュアンスで覚えておくといいでしょう。
(▰˘◡˘▰)
ではここで、入試対策問題☆
国の物語など申すに、「湯桁はいくつ」と、問はまほしく思せど、あいなくまばゆくて、御心のうちに思し出づることもさまざまなり。
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.まともに正視できずに
2.ちょっと目をつぶると
3.非常にまぶしくて
4.むしょうに輝かしくて
5.趣深く感じられるので
「まばゆし」も、以前に出てきた重要古語です。
【まばゆし(目映し)】
【形容詞:ク活用】
①まぶしい
②まぶしいほど美しい
③恥ずかしい。きまりが悪い
④目を背けたくなる。見ていられない
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
この重要古語は、
文脈により、プラスにもマイナスにもなる
文脈判断を要する古語です。
((((((ノ゚⊿゚)ノ
こういう古語は、
「まばゆし(=まぶしい)」の語義を念頭に、
文脈を検討して判断していく必要があります。
\(゜□゜)/
1.まともに正視できずに
2.ちょっと(△「あいなし」ズレ)目をつぶると
3.非常に(△「あいなし」ズレ)まぶしくて
4.むしょうに輝かしく(△「まばゆし」文脈ズレ)て
5.趣深く感じられる(△文脈ズレ)ので
「あいなく」「あいなう」といった
連用形の形で、副詞的に用いられる場合は、
「あいなし」=「つまらない」
といった、基本の意味ではなく、
「むやみに」「どうしようもなく」
などといった、ちょっとマイナスなニュアンスが
つけ加えられます。
正解……1
国の物語など申すに、「湯桁はいくつ」と、問はまほしく思せど、あいなくまばゆくて、御心のうちに思し出づることもさまざまなり。
● 過去記事リンク
■まばゆし
■も
ーーーーーーーーーーーーー