【帚木276-3】謙譲語「申す」☆
こんにちは☆あいです
こちらの記事では、古語をイメージ的に説明しています。
記憶の定着は、右脳と左脳との併用です。
覚えにくい古語は、イラストで覚えてしまいましょ♪
(●´エ`●)。
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【今回の古文単語】
■【何事】…何のこと
■【とる】…とりあげる
■【~申す】…謙譲の補助動詞(~申し上げる)
■【む】…意志の助動詞「む」の連体形
■【思ひめぐらす】…思案する
■【に】…単純接続の接続助詞(~ところ)
■【文章生(もんじやうのしやう)】…官僚候補の学生
■【に】…断定の助動詞「なり」の連用形
■【はべり】…丁寧の補助動詞(~でございます)
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【かしこし】…賢い、才気がある
■【例(ためし)】…事例
■【なむ】…強意の係助詞
■【見たまふ】…交際しております
※【たまふ(下二段)】…謙譲の補助動詞
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
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今日は、「申す」について☆
では行ってみよ~♪
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これまでに何度も出てきました「申す」ですが、
重要古語 の中で、とりあげていなかったので^^:
【申す(まうす)】
①「言ふ」の謙譲語。申し上げる
②「願ふ」などの謙譲語。お願い申し上げる
③「与ふ」などの謙譲語。(物を)差し上げる
④「言ふ」の丁寧語。申します
⑤謙譲の補助動詞。お~申し上げる
古語辞典を引くときに注意してほしいのが、
「もうす」で引いても載っていないということ。
とくに、デジタルの辞書を使ってるあなたは、
検索して出てこなかったら、そこで止まってしまうので、
辞書を引いて出てこなかったら、歴史的かなづかいを疑うこと!
「申す」は非常によく使う動詞なので、
(今でも…でしょ)
基本的な「言ふ」の謙譲という以外にも、
「願ふ」「乞ふ」「与ふ」「す」など、さまざまな動詞の謙譲表現としても用いられます。
◇「申す」の訳の見分け方◇
1.まず文節に区切り、本動詞か補助動詞か見分ける。
→補助動詞なら、⑤(お~申し上げる)の意2.「言ふ」の謙譲(申し上げる)の訳で文脈が通るか。
→文脈的におかしくなければ、①(申し上げる)の意
※会話文なら④(申します)の場合もある
3.文脈がおかしい場合は、②③の訳を当てはめる。→「お願いする」「差し上げる」など、最も文脈に適合する訳を選ぶ。
ここでは、
「何事を/とり申さ・む」
明らかに、「とり(取る)」という動詞に付随した補助動詞ですよね。
「何事を/お取り申し上げ・よう」の意となります。
(o^-')b
ところで、大学入試によく出てくるのが、
敬意の方向(誰から誰に対する敬意表現か)
です。(((( ;°Д°))))
前に、敬語の理解は2R(理解&練習)であると記事に書きましたが、
古文で出てきたものから、なぜこうなるのかを理解し、その見分ける練習を積み重ねていくことで、見分けるコツが定着していきます。
遠回りのような気もするでしょうが、
いちばん効率的ですので、避けずにやっていきましょうね♪
(*^_^*)
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
◇誰からの敬意か◇
●【地の文】…作者(語り手)からの敬意
●【会話文】…会話主からの敬意
実は、この法則。
今回の文脈には当てはまりません!
(`・д´・ ;)
何事をとり申さむと思ひめぐらすに、
引用の「と」に着目!
つまり、
「何事をとり申さむ」と(式部丞が)思ひめぐらすに、
つまり、地の文に見えて、
実は、式部丞の心中会話文なんですよ~!
(;゚;∀;゚;)
◇誰に対する敬意か◇
●【尊敬語】…行為をする人への敬意
●【謙譲語】…行為を受ける人への敬意
●【丁寧語】…話の聞き手(読者)への敬意
今回の「申す」は謙譲語なので、
その行為を受ける人物への敬意表現です。
直前では、頭中将が藤式部丞をせかしていますので、
藤式部丞は、頭中将に対して敬意を払っているととらえられそうですが、
雨夜の品定めでは、誰らが話を聞いているのでしたか?
この中で、藤式部丞の話を聞くであろう人物は、
光源氏、頭中将、左馬頭の3人ですね。
何事をとり申さむと思ひめぐらすに、
問)傍線部「申さ」は、誰から誰に対する敬意表現か。答)式部丞から光源氏らに対する敬意表現
◇敬語の理解についてはこちらのアメンバー記事もご参照ください。
(o^-')b
ご意見・ご指摘等があれば、コメントよろしくお願いします。
今日のブログも、お役に立てば幸いです♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木276(原文)
何事をとり申さむと思ひめぐらすに、「まだ文章生にはべりし時、かしこき女の例をなむ見たまへし。…」
自力での現代語訳が難しい場合は、下のリンクも復習してね♪
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● 本日の古語~過去記事リンク~
■文章生
■はべり
■見る
あいでした
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