【桐壺154-③】古文単語~「かしこし」
こんばんはあいです。
■【高麗(かうらい)】…古代朝鮮の国名
■【高麗人(こまうど)…朝鮮人
■【已然形+り(完了)】…~ている、~てきた
■【かしこし】…優れている、聡明だ
■【相人(さうにん)】…人相見
■【聞こし召す】…お聞きになる、お聞きあそばす
今日はこの中から、
「かしこし」についてお話しします。
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【かしこし】は、本来、「畏し・恐し」という字を当て、
霊力や威力のあるものに対する「恐れ多い」
という気持ちを表します。
今でも、「かしこまる」や「かしこみかしこみ」という祈祷の言葉などに残ってますね。
その後、時代とともに、「恐れ多い」という感情ではなく、
恐れ多い対象に対して、「かしこし」という語を用いるようになりました。
具体的な例を挙げると…
■恐れ多い自然現象や神々→恐ろしい
■恐れ多い天皇や貴人→もったいない
■恐れ多いほどの人材→優れている、賢い
特に、才知がある、優れた人材に対して、「かしこし」という語がよく使われるようになり、
本来の「恐れ多い」意と区別するために、
「賢し」という字を当てるようになり、
それが現在にも残っています。
したがって、「かしこし」という語は、
2つの漢字に分けて理解する必要があります。
【かしこし(畏し)】
①恐れ多い
②恐ろしい
【かしこし(賢し)】
①才知がある、賢明だ
②優れている、すばらしい
③好都合である
また、連用形「かしこく」の形で、
「はなはだしく」という程度を表す副詞的な用法もありますので、ご注意くださいね♪
「かしこし」は、【畏し】と【賢し】があり、
■【畏し】…恐れ多い、恐ろしい
■【賢し】…優れている、すばらしい
と、2つのイメージに分けて押さえましょう♪
【古文】
そのころ、高麗人の参れる中に、かしこき 相人ありけるを聞こし召して、
今回の古文、一語一語訳出でいますか?
難しいようなら、もう一度イラスト訳を復習してね♪
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あいでした