【帚木327-3】「―守(かみ)」(伊予守・紀伊守)
こんにちは~あいです☆
古文の勉強がんばってますかー?(。>0<。)
【今回の古文単語】
■【紀伊守】…紀伊(和歌山あたり)の国守
■【仰せ言】…ご命令
■【賜ふ(たまふ)】…お与えになる(「与ふ」の尊敬)
■【已然形+ば】…~と、~ので(順接確定条件)
■【承る(うけたまはる)】…お受けする(「受く」の謙譲)
■【ながら】…~ものの(逆接)、~しつつ(継続)
■【退く(しりぞく)】…退出する
■【て】…単純接続の接続助詞
■【伊予守の朝臣(あそん)】…紀伊守の父
■【慎む(つつしむ)】…自重する、物忌みする
■【はべり】…ございます(「あり」の丁寧)
■【女房(にょうぼう)】…お仕えする女官
■【なむ】…強意の係助詞
■【まかり~】…高貴な所から~する(「行く」の謙譲)
■【る】…存続の助動詞「り」の連体形
■【にて】…~ので(原因を示す格助詞)
今日は、「伊予守・紀伊守」について説明します☆
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今回、「―守」という人物が2人出てきました。
紀伊守(きいのかみ)
そして、紀伊守の話題にしてたのが、
お父さん、伊予守の朝臣(いよのかみのあそん)
「―守(かみ)」というのは、国司のことです。
【国司(こくしゅorくにのつかさ)】
① 律令制の地方官。
郡司の上にあって、その国の政務をつかさどった。
中央から派遣され、守(かみ)・介(すけ)・掾(じよう)・目(さかん)の四等官と、その下の史生(しじよう)などの職があった。
② ①の長官。国司の守(かみ)。国守(こくしゆ)。
(Weblio古語辞典 より)
紀伊とは、紀州という地名からも推察できるでしょう。
和歌山県あたりの旧地名です。
伊予とは、高知県あたりの旧地名。
要するに、地方の知事みたいなもの。
ヾ(^-^)
えっ?
地方役人なら、その地に赴任してるんじゃないの?
?(゜皿゜;)
…そんな質問が出て来そうですが…
(゚∀゚;)
実は、地方の国守でも、
任地に行かず代官を派遣して治めさせ、
自分は、税収だけを受け取ることも多かったようです。
!Σ('◇'*)
紀伊守は、その名のとおり、紀伊国の国司ですが、
彼の父親である「伊予守の朝臣」とあるのは、
源氏物語の他の部分によると、
「守(かみ)」ではなく、国司の次官である「介(すけ)」だったようです。
Σ(゚д゚;)
ただ、お父さんの方が身分が低い、ということではないと思います。
「朝臣(五位以上の人につける敬称)」とあるので、
伊予守朝臣は、身分が五位以上と考えられます。
ちなみに、紀伊国も、伊予国も、ともに「上国(じょうこく)」ですので、
その国守は、どちらも「従五位下」。
(※Wikipedia[上国」参照 )
父の伊予介も、「朝臣」なので、五位ではあるはず。
したがって、
紀伊守も、父伊予介も、
どちらも五位くらいの中流階級ってこと!
( ´,_ゝ`)
ところで。
「雨夜の品定め」で、光源氏が中流階級の女性にあこがれていたことを、覚えてますでしょうか…?
(* ̄m ̄)
実は、この伏線が、次の登場人物「空蝉(うつせみ)」につながっていくんですよ~!
ヽ(゚◇゚ )ノ
お役に立ちましたでしょうか?
☆(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木327(原文)
紀伊守に仰せ言賜へば、承りながら、退きて、
「伊予守の朝臣の家に慎むことはべりて、女房なむまかり移れるころにて、…ここまで読んで、自力で逐語訳ができるように、ネ(o^-')b♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■たまふ
■ながら
■はべり