【帚木61-②】「仰せらる」という最高敬語? | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木61-②】「仰せらる」という最高敬語?

おはようございますラブラブあいです。

 

途中からお立ち寄りのあなたも、

最初から全部読もうとしなくても大丈夫ですよ♪

この下の、【これまでのあらすじ】から、十分入れます。

 

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【今日の源氏物語】

「異人の言はむやうに、心得ず仰せらる」と、中将憎む。
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【源氏物語~これまでのあらすじ】

ある梅雨の夜、光源氏と頭中将、さらに友人の左馬頭、藤式部丞が、帝の物忌みのために宮中に籠もり、つれづれなるままに、女性の品定めを始めました。頭中将が、女の品格を3つに分類し、左馬頭がそれに色をつけます。光源氏が、「要するに金持ち次第ということだね」と合いの手を入れると…

今回は、「仰せらる」という敬語についてです
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今回の会話主は、

直後に、「~と、中将憎む」とあるので、

頭中将が話し手だということはお分かりですね♪

 


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光源氏が入れたチャチャ(皮肉)に対して、

 

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頭中将が、憎らしげに文句を言ってる場面です。


 

ここで、「仰せらる」という敬語に着目!


 

心得 / ず / 仰せらる

心得も / なしに / おっしゃられる



 

【仰す(おほす)】

おっしゃる

(「言ふ」の尊敬語)

 

【らる】

~られる、~なさる

(尊敬の補助動詞)


 

先日、「~られ給ふ」を最高敬語と解釈して間違えた、というメール質問があったんですが、

 

実は、「~る・らる」が尊敬の意味で用いられる場合は、上のような形になります。

つまり、

 

「~られ給ふ」が二重尊敬になることは、100%ないんです!

また、「仰せらる」の「らる」は、100%尊敬の意味です!

   アップ

こういうことを、マニュアル的に覚えようとすると、

かなり多いですので、ごちゃごちゃすると思います。

 

なので、こんなふうに出てきたものから、

古文のなかで理解していってほしいんです。


 

「仰せらる」や「~させ給ふ」などは、

『源氏物語』の中でもしょっちゅう出てきますので、

 

日々の照らし合わせの中で、

体得していってくださいね♪



 

ところで。

今回の「仰せらる」の敬意の方向は、


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頭中将から光源氏への敬意表現ですよね。


 

では、なぜ頭中将は、光源氏に対して、最高敬語を用いているのでしょうか?

(`・д´・ ;)


 

実は、会話文の中では、このような二重尊敬は、

帝などの最高の人物じゃなくても、使用されるんです。

 

今でも、話し相手に対して、通常以上の敬意を表しますよね。

 

今回の文脈では、頭中将が、話し相手である光源氏に対して、

 

「そんな心得もないことを仰られるものだ」

と、敬意を強めて言ってるんです!


 

会話手紙の中では、

一般的に敬意が強まる傾向にあるため、

二重尊敬でも、必ずしも最高敬語とは限らない



覚えておいてくださいね♪

(o^-')b


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今回の源氏物語イラスト訳はこちら→