大晦日の夜の第九のNHK放送を楽しみにしておられる方も多いことでしょう。
そこで、第九の核心を探訪する記事を集中掲載しましょう。
正午12時の概説を皮切りに1時間毎に5記事シリーズでアップしています。
では4記事目、第3楽章の解説です。
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ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」を正格に聴く!
・・・・・第3楽章」解説・・・・・
古典派に確立したソナタ・交響曲の楽章構成の基本形は、
ソナタ形式に夜冒頭楽章→
緩徐楽章→
舞曲楽章(メヌエットまたはスケルツォ)→
ロンドまたはソナタ形式による終楽章
という4楽章でした。
ところが、この「第九」は中間楽章の順序を入れ替えています。
楽章の順番くらいは別に大した問題ではないと思われるかもしれませんが、
上記の4楽章構成の成立経緯には、舞曲による組曲を核とした
ヨーロッパ芸術音楽の器楽作品の歴史・伝統の中で育まれたものですから、
実は結構な大事件なのです。
終楽章を、声楽をも導入した未曾有の規模の壮大な音楽にしようと考えると、
直前の音楽は速度の早いスケルツォよりも、心を鎮めて終楽章を迎えるように
深遠な緩徐楽章が相応しいということなのでしょう。
それにしても、なんと厳かなで美しい音楽でしょうか。
この楽章には、二つの主題が登場します。
冒頭から登場して、全曲わたって何度も奏される主要主題は・・・
レ~~~ラ~~~シ♭~~~「ファ~~ミ♭レ~」
ファ~「シ♭~~~ドレ~」ファミ♭ド~・・・
楽章前半に二度奏される副主題は・・・
ファ♯~ミ~~「ミ~ファ♯ソ」ミソファ♯~
「ファ♯~ソラ」ファ♯ラソ~「ラシド♯」ミレ~・・・
といった具合です。
ここでも、昨日・一昨日の記事で説明した第1楽章と第2楽章の主題達と同様に、
「 」で示した「順次進行3音」が重要な構成素材になっていることが判ります。
そうなのです。この「順次進行3音」の
三つの楽章にわたる深層心理への刷り込みが、
来る終楽章で遂に登場する「歓喜の歌」のあの旋律に
聴き手を無意識のうちに誘っているのです。
明日はいよいよ、その終楽章の解説に進みます。
写真は、この楽章の厳かな緊張感に寄せて、澄んだ空気が
ピーンと張りつめたような雪景色をアップしましょう。
そこで、第九の核心を探訪する記事を集中掲載しましょう。
正午12時の概説を皮切りに1時間毎に5記事シリーズでアップしています。
では4記事目、第3楽章の解説です。
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ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」を正格に聴く!
・・・・・第3楽章」解説・・・・・
古典派に確立したソナタ・交響曲の楽章構成の基本形は、
ソナタ形式に夜冒頭楽章→
緩徐楽章→
舞曲楽章(メヌエットまたはスケルツォ)→
ロンドまたはソナタ形式による終楽章
という4楽章でした。
ところが、この「第九」は中間楽章の順序を入れ替えています。
楽章の順番くらいは別に大した問題ではないと思われるかもしれませんが、
上記の4楽章構成の成立経緯には、舞曲による組曲を核とした
ヨーロッパ芸術音楽の器楽作品の歴史・伝統の中で育まれたものですから、
実は結構な大事件なのです。
終楽章を、声楽をも導入した未曾有の規模の壮大な音楽にしようと考えると、
直前の音楽は速度の早いスケルツォよりも、心を鎮めて終楽章を迎えるように
深遠な緩徐楽章が相応しいということなのでしょう。
それにしても、なんと厳かなで美しい音楽でしょうか。
この楽章には、二つの主題が登場します。
冒頭から登場して、全曲わたって何度も奏される主要主題は・・・
レ~~~ラ~~~シ♭~~~「ファ~~ミ♭レ~」
ファ~「シ♭~~~ドレ~」ファミ♭ド~・・・
楽章前半に二度奏される副主題は・・・
ファ♯~ミ~~「ミ~ファ♯ソ」ミソファ♯~
「ファ♯~ソラ」ファ♯ラソ~「ラシド♯」ミレ~・・・
といった具合です。
ここでも、昨日・一昨日の記事で説明した第1楽章と第2楽章の主題達と同様に、
「 」で示した「順次進行3音」が重要な構成素材になっていることが判ります。
そうなのです。この「順次進行3音」の
三つの楽章にわたる深層心理への刷り込みが、
来る終楽章で遂に登場する「歓喜の歌」のあの旋律に
聴き手を無意識のうちに誘っているのです。
明日はいよいよ、その終楽章の解説に進みます。
写真は、この楽章の厳かな緊張感に寄せて、澄んだ空気が
ピーンと張りつめたような雪景色をアップしましょう。