松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

創造芸術は人間の根源的な表現欲求と知的好奇心の発露の最も崇高な形。音楽家・作曲家を目指す貴方、自分の信じる道(未知)を進んでいきましょう。芸術・音楽・文化と共に人生と社会を豊かにしていきましょう。~頑張れ日本!〜がんばろうニッポン!

松尾祐孝(作曲家・指揮者・音楽プランナー)の
ブログへようこそ!。
音楽を中心に据えつつ記事のテーマや内容は
様々な方向に展開しています。
朝の記事、昼の記事、夕方の記事、夜の記事を基本に、
それぞれの時間帯に個別のシリーズをアップすることもあります。
気軽に覗いてみてください。
皆さんも、音楽と共に在る素敵な人生を!
この作品は、上野の森ブラス(金管五重奏団)の
コンサート・マスターとしての活躍から、
現代音楽界での縦横無尽の活躍まで、
多彩な活動を精力的に展開されているトランペット奏者=
曽我部清典氏との交流の中から誕生した協創作品です。

曽我部さんにはそれまでにも何曲もの
室内楽作品や室内オーケストラ作品の初演等で
お世話になってきていたのですが、
トランペット独奏作品は
まだ氏の為に書いてはいなかったので、
この作品で遂にそれが実現したという訳です。

日本のみならず、韓国や香港等、世界各地で
演奏会やワークショップを行なっておられる
曽我部さんからのリクエストに応える形で、
背景電子音楽を伴うヴァージョン=
<RESONANT SOLITUDE Ⅱ for Trumpet
with Back-ground Electronic Sound>
と同時進行で作曲しました。

その他、二重奏作品シリーズの一環として誕生した
<DISTRACTION Ⅳ for Trumpet and Piano>
も含めて、曽我部さんには、折りに触れて、
これらの作品を各地で演奏していただいています。

##### PHONO Ⅸ for Trumpet solo #####
    フォノ第9番~トランペット独奏の為に
          (2003)   
     曽我部清典氏との共同制作作品

演奏時間:約9分

初演:2003年11月 韓国・ソウル
Kookmin university, college of music
<PAN MUSIC FESTIVAL 2003>
   Brass Extreme Tokyo / Workshop           
演奏:トランペット=曽我部清典

#########################

このブログの右側BOOKMARKから曽我部清典さんの
HPにジャンプできますので、一度訪ねてみてください。
素晴らしい情報の宝庫です。
このような演奏家に居ていただけることに、
心から感謝したいと思います。

<PHONO>シリーズは、2013年12月現在、
この第12作まで発表しています。
来たる11月19日には第13作が初演されます。
今までのリストに無い楽器の為に今後も書き続けて、
主要楽器を網羅できればと考えています。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
この私のPHONOシリーズは未出版のものが多いので、
楽譜をお求めの方は、直接ご連絡をいただくか・・・
「マザーアース株式会社」(Tel:03-3455-6881)
を通してお問い合わせください。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


この記事シリーズの写真はほぼ一貫して
南大東島の星野洞の鍾乳石の不思議、
自然の造形の驚異をご紹介してきました。
これで一先ず見納めといたしましょう。
ブルーのに照らされた幻想的なコーナーのカットです。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ブルーにライトアップ~星野洞

 

私の勤務先でもある洗足学園音楽大学の附属研究所=現代邦楽研究所が、

同所研究生や大学・現代邦楽コース学生や大学院和楽器専攻生のみならず、

広く社会への貢献として、所有する記録動画コンテンツの公開を進めています。

既に100以上の動画コンテンツのアップを完了しています。

 

現代邦楽研究所HP:https://www.senzoku.ac.jp/music/laboratory/traditional/

 

現代邦楽研究所は、日本の伝統音楽の分野で様々な活動を、

1995年より25年間以上に渡り続けています。

そして、その蓄積による豊富なコンテンツを保管しています。

それらを、多くの人々に楽しんでいただいたり、自宅で勉強するための参考教材として

活用していただくことを願って、このプロジェクトは始動しています。

 

今日は第41弾の動画をご紹介しましょう。

 

杵屋正邦 作曲「合奏曲 通天記」

2017年1月21日 現代邦楽研究所 第22期修了コンサート より

高音域で調絃された I 箏(箏の第一パート)響きが印象的です。

 

 

ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ
(Dmitrii Dmitrievich Shostakovich / 1906-1975)の
交響曲(全15曲)の探訪を先週からアップしています。

<交響曲第1番>(1926)が大評判となって、
国際音楽界に衝撃的なデビューを果たした
ショスタコーヴィチは、1927年には、
前衛的な気概にも満ちた単一楽章構成による
<交響曲第2番「十月革命に捧げる」>を作曲し、
1929年にはより祝祭色の強い
<交響曲第3番「メーデー」>を発表しました。
ソヴィエト連邦建設の推進を賛美する作品を
書かざるを得ない事情が、きっとあったことでしょう。

ところがその後、スターリン体制になると、
芸術界の前衛的な試みは弾圧されるようになり、
1936年には共産党機関誌"プラウダ"で批判を受け、
ショスタコーヴィチはソヴィエト社会で窮地に追い込まれました。
折から初演の準備を進めていた<交響曲第4番>の初演を撤回して、
1937年に作曲した<交響曲第5番>で何とか名誉を回復しました。

その<第5番>は、社会主義リアリズムに迎合した作品として
長らく語られてきましたが、作曲家の死後に公表された
様々な証言資料等が明るみになるに従って、
体制批判のメッセージを巧妙に仕込んだ作品であることが
知られるようになってきました。

1939年に書かれた<第6番>は
やや変則的な3楽章構成でしたが、次のこの<第7番>では
オーソドックスな4楽章構成に立ち戻り、
しかも、空前の規模を誇る大作になっています。

第二次世界大戦の最中、ナチス・ドイツ軍に包囲された
レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)市内で
1941年に作曲されたと言われるこの交響曲は、
初演当時、ナチスのファシズムへの世界的な反感の中で、
共産圏のみならず非共産圏においても高く評価されていました。
しかし、あまりにソ連のプロパガンダを強く感じさせる内容
にも受け取れるために「壮大なる愚作」と揶揄もされました。

しかし、その後に明るみになった証言等によって、
"スターリンによって破壊され、ヒトラーによってとどめを刺された"
レニングラードを意味するという作曲家の真意が
知られるにつれて再評価の気運が高まってきています。

私にとってのこの曲に関する想い出は、
かつてN響定期演奏会で、作曲家の息子で指揮者の
マキシム・ショスタコーヴィチのタクトで、
初めて生演奏のこの曲を聴いた記憶と、
1994年に東京フィル欧州楽旅に同行した後の最初の
同楽団定期演奏会がルドルフ・バルシャイ指揮による
この曲の演奏で、それが欧州楽旅の成功の勢いをそのままに
素晴らしい演奏であったこと、等が思い起されます。

##<交響曲第7番 ハ長調「レニングラード」作品60>##

[第1楽章]
古典派の時代にいきなり登場したベートーヴェンの「英雄」の
第1楽章にも比較すべき破天荒な規模を誇る
ソナタ形式の応用による長大な冒頭楽章です。
力強い"人間の主題"と穏やかで美しい"平和の主題"によって
構成される提示部を終えると、今度は
ややユーモラスにも聴こえる"戦争の主題"が登場します。
しかし、長大なパッサカリア的変奏曲のように
計12回も繰り返されるうちに、
次第に音楽はヴォリュームと緊迫感を増していきます。
まるで、ナチスの包囲の距離がどんどん縮まる様が
音楽によって表現されているようでもあります。
この後に続く更なる展開の筆致も見事で、
壮絶なクライマックスが生成された後に
今度は"平和の主題"から"人間の主題"の順序で再現した後、
"戦争の主題"が顔を覗かせつつも
終楽章での勝利を暗示するように楽章が閉じられます。

尚、本人のよって破棄されたものの、
この楽章には当初「戦争」という副題が付されていました。

[第2楽章]
4拍子によるスケルツォ楽章です。
出だしは静かに始りますから、
あまりスケルツォらしくありませんが、
中間部(トリオ)に相当する部分に入ると、
次第にヴォリュームを上げていきます。
やがて打楽器や金管楽器も動員されるようになって、
戦闘の凄まじさを回帰するような音楽になります。
やがて静謐な音楽に戻り、消えるヨウに楽章を閉じます。

尚、本人のよって破棄されたものの、
この楽章には当初「回帰」という副題が付されていました。


[第3楽章]
ショスタコーヴィチには珍しい、長調を基調とした
明るさを湛えた緩徐楽章となっています。
ロシア正教の国を思わせる、オルガンの響きにも似た
コラール調の楽想から音楽が始ります。
その後に、フルートや弦楽器セクションの
息の長い旋律が印象的な部分が続きます。
中間部ではテンポがあがり、
ロシアの大地を勇壮に讃えるような音楽が前進して、
輝かしいクライマックスに到達した後に、
おだやかな主部の再現に舞い戻ります。
終楽章にはアタッカで続きます。

尚、本人のよって破棄されたものの、この楽章には当初
「祖国の大地」という副題が付されていました。

[第4楽章]
第3楽章から続いて静謐の内に
いつのまにか終楽章に突入します。
時おり現れる「タタタター」というモティーフは、
モールス信号の「Victory」(勝利)の暗示でしょうか。
音楽はショスタコーヴィチ独特の
オーケストラの即興演奏のような発展をみせながら
次第に見事に高揚していきます。

漸く歩みが落ち着いて、第2部分に入っていきます。
哀歌のようなこの部分は、
戦争の犠牲者を追悼する音楽のようでもあります。

やがて、テンポは上がらないものの、
音楽が再弱奏から立ち上がっていく第3部分の進行します。
次第にいつの間にか力強い楽想に身を委ねられる安心感が
沸き起こるかのように、音楽は長調になって頂点に達します。
第1楽章の"人間の主題"が高らかに回帰して、
勝利を宣言するかのように全曲を閉じます。

尚、本人のよって破棄されたものの、
この楽章には当初「勝利」という副題が付されていました。


YouTube / Dmitri Shostakovich
      - Symphony No. 7 in C major,
        "Leningrad", Op. 60
Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra
Pablo González, director / conductor
L'Auditori concert hall

(データが重いので立ち上がりに時間がかかります。)

仕事場にあるCDはこの2枚です。

CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第7番「レニングラード」
   ルドルフ・バルシャイ指揮
   モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
   BIS / CD-515
バルシャイ盤

CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第7番&第9番
   レナード・バーンスタイン指揮/シカゴ交響楽団
   グラモフォン / UCCG-4101/2
バーンスタイン盤
『サンダーバード』讃!シリーズをアップを続けています。
今回は~原子炉の危機~を紹介します。
日本では第6話として、英国本国では第14話として放送されました。



この『サンダーバード』シリーズは、1960年代に制作されました。
当時の世界経済は、第2次世界大戦の荒廃からの復興を経て拡大期でした。
1970年に大阪で開催された“万国博覧会(EXPO'70)”に象徴されるように、
人類の発展と未来がとても前向きに語られていた時代でした。

その中で、原子力というエネルギー源も、
未来の人類が必ず利用すべき魅力あるものとして、
研究・開発・実用化が進められていました。
ですから、この『サンダーバード』シリーズにも、
原子力をエネルギー源にしたメカが多数登場してきました。

中でもこの回は、原子力プラントそのものを舞台として、
魅力はあるものの管理が極めて難しい原子力というものを、
真正面から捉えようとした作品になっています。

2011年の3月11日の東日本大地震・大津波とそれに伴う
福島の原発事故から、早くも9年が経過しました。
もう半世紀以上も前のこの作品が、原子力の持つ扱いの難しさや危険性、
そしてそれらのみならず原子力を取り扱う人間の心の問題を、
既にこの時から問いかけていたような気がします。

尚、この作品で、国際救助隊の人気メカが初登場を果たしています。
サンダーバード4号です。小回りが利く小型潜水作業艇です。
小学生時代に、このTB4号のプラモデルやおもちゃを
お風呂に持ち込んで。よく遊んだものでした。

またこの回では珍しいことに、ペネロープが
TB2号にバージルやゴードンと一緒に乗り込んで、
救助活動に参加するところも見どころです。

・・・シリーズを通じて再三登場する
        未来の消防車の出動シーン・・・
松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-未来の消防車

・・・ペネロープも救助活動に参加・・・
松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ペネロープも救助活動に発進

・・・サンダーバード4号が2号から発進・・・
松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-TB4号発進

・・・様々なアイテムが発売されたサンダーバードのメカ達・・・
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-サンダーバード関連グッズ4

インターネットの利便性は素晴らしいものがありますが、
手作りや物づくりの大切さも、
また忘れてはならないと思います。

『サンダーバード』讃!シリーズの定期連載アップは
これにて終了します。ご愛読ありがとうございました。
またそのうち、何かシリーズ記事を書いてみたいと思います。

この作品は、気鋭のトロンボーン奏者=村田厚生氏との
交流の中から誕生した協創作品です。
<RESONANT SOLITUDE Ⅰ for Trombone
with Back-ground Electronic Sound>
を、村田氏の委嘱で作曲した際に、
背景電子音楽を伴わない状況でも演奏可能な
2way作品にしようと考えて作曲にあたり、
この作品も同時に誕生したという訳です。

この独奏版の初演では、最後の部分をピアノという楽器を
反響物体として活用するという
その場の判断での演出も加味したものとなりました。

##### PHONO Ⅷ for Trombone solo #####
    フォノ第8番~トロンボーン独奏の為に
          (2001)   
     深新會第27回作品展 出品作品

演奏時間:約10分

初演:2001年11月 すにだトリフォニーホール(小)
   深新會第17回作品展            
演奏:トロンボーン=村田厚生

#########################

トロンボーンの持つ美点と個性、
クセのない伸びやかな音色、広範な音域、
スライド機構による自在なグリッサンド、
等といった点をフル活用して、私は作曲にあたりました。

この第8作(トロンボーン版)と
次回に紹介する予定の第9作(トランペット版)は、
現代音楽作品への積極的なアプローチを続けておられる
気鋭の奏者の存在があればこそ誕生した作品です。

このブログの右側BOOKMARKから村田厚生さんのHPに
ジャンプできますので、一度訪ねてみてください。
素晴らしい情報の宝庫です。
このような演奏家に居ていただけることに、
心から感謝したいと思います。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
この私のPHONOシリーズは未出版のものが多いので、
楽譜をお求めの方は、直接ご連絡をいただくか・・・
「マザーアース株式会社」(Tel:03-3455-6881)
を通してお問い合わせください。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


今回も、南大東島の星野洞の鍾乳石の不思議、
自然の造形の驚異の写真です。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-鍾乳石の不思議な造形

        洗足学園100周年記念プレミアムコンサート

《セクエンツァ&ディストラクション》〜管楽器現代音楽作品ガラコンサート〜

 

2023年6月3日(土) 13:30開場 / 14:00開演  チケット:¥2,000円(全自由席/要予約)

洗足学園音楽大学シルバーマウンテン2F   予約/問い合わせ:本公演専用メールアドレス

                       0603premium13@senzoku.ac.jp

注)予約はメールで受付ております。

  お名前、来場者人数(購入枚数)、連絡先(アドレスまたは携帯電話番号)を書いた

  メールを送信してお申し込みください。

 

                プログラム

 

  松尾祐孝 / DISTRACTION II (1991-96) / Fl:渡部亨 Pf:田中有子
  - - - - - オープニング・ミニ・トーク(渡部亨&松尾祐孝)- - - - - - -
  松尾祐孝 / DISTRACTION IX (2009) / Sax:大石将紀 Pf:中川俊郎

     L .ベリオ / セクエンツァIX (1980)  / Cl:岩瀬龍太
  松尾祐孝 / DISTRACTION VIII (2006) / Trb:村田厚生 Pf:中川俊郎

              - - - - - 休憩 - - - - -

   L .ベリオ / セクエンツァVII-b (1995) (クロード・ドゥラングル編曲)

                    / Sop-Sax:大石将紀

  松尾祐孝 / DISTRACTION XI (2010) / Tub:橋本晋哉 Pf:中川俊郎
    L .ベリオ / セクエンツァV (1966) / Trb:村田厚生
  松尾祐孝 / DISTRACTION (I) (1987)  / Cl:岩瀬龍太 Pf:川村恵里佳

 

 

 

 

洗足学園は2024年に創立100周年を迎えます。

それを記念して、前年度の2023年度と当該年度の2024年に、

洗足学園音楽大学では平年の公演に加えて様々な特別企画を展開します。

その一環として、教員や卒業生が次々とリサイタルなどを実施する、

"プレミアムコンサート"シリーズが二年度にわたって多数開催されます。

 

その中の一つを、私=松尾祐孝が企画制作して6月3日に開催の予定です。

私の室内楽二重奏作品のライフワーク、DISTRACTIONシリーズの中の、

I(クラリネット&ピアノ)、II(フルート&ピアノ)、VIII(トロンボーン&ピアノ)、

IX(サクソフォーン&ピアノ)、XI(テューバ&ピアノ)の5作品が一挙に演奏されます。

加えて、ベリオの独奏曲シリーズ"セクエンツァ"の3曲

(クラリネット版、ソプラノサクソフォーン版、トロンボーン版)も演奏される、

現代音楽管楽器作品特集コンサートです。

皆様のご注目、ご来場をお待ちしております。

 

 

私の勤務先でもある洗足学園音楽大学の附属研究所=現代邦楽研究所が、

同所研究生や大学・現代邦楽コース学生や大学院和楽器専攻生のみならず、

広く社会への貢献として、所有する記録動画コンテンツの公開を進めています。

既に100以上の動画コンテンツのアップを完了しています。

 

現代邦楽研究所HP:https://www.senzoku.ac.jp/music/laboratory/traditional/

 

現代邦楽研究所は、日本の伝統音楽の分野で様々な活動を、

1995年より25年間以上に渡り続けています。

そして、その蓄積による豊富なコンテンツを保管しています。

それらを、多くの人々に楽しんでいただいたり、自宅で勉強するための参考教材として

活用していただくことを願って、このプロジェクトは始動しています。

 

今日は第40弾の動画をご紹介しましょう。

 

沢井忠夫 作曲「箏四重奏曲」

2011年11月26日 現代邦楽コース 冬の音楽祭 〜伝統の音色、現代の響き〜 より

 

 

 

ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ
(Dmitrii Dmitrievich Shostakovich / 1906-1975)の
交響曲(全15曲)の探訪を先週からアップしています。

<交響曲第1番>(1926)が大評判となって、
国際音楽界に衝撃的なデビューを果たしたショスタコーヴィチは、
1927年には、ソ連当局の一機関、国立出版アジアプロット局の
委嘱作品として、前衛的な気概にも満ちた単一楽章構成による
<交響曲第2番「十月革命に捧げる」>が作曲し、
1929年には、委嘱作品ではなく自発的に、より祝祭色の強い
<交響曲第3番「メーデー」>を作曲して、発表しました。
ソヴィエト連邦建設の推進を賛美する作品を
書かざるを得ない事情が、きっとあったことでしょう。

ところがその後、スターリン体制になると、
芸術界の前衛的な試みは弾圧されるようになり、
1936年には共産党機関誌"プラウダ"で批判を受け、
ショスタコーヴィチはソヴィエト社会での
窮地に追い込まれました。
折から初演の準備を進めていた
<交響曲第4番>の初演を撤回して、
批判以後に作曲した<交響曲第5番>で
何とか名誉を回復しました。

その<第5番>は、社会主義リアリズムに迎合した作品として
長らく語られてきましたが、作曲家の死後に公表された
様々な証言資料等が明るみになるに従って、
体制批判のメッセージを巧妙に仕込んだ作品であることが
知られるようになってきました。

その次の交響曲が、1939年に書かれたこの<第6番>です。
オーソドックスな4楽章構成を採った<第5番>に対して、
この<第6番>はやや変則的な3楽章構成となっています。
簡単に説明してしまうと、ソナタ形式による冒頭楽章を欠いた
緩徐楽章・スケルツォ楽章・終楽章による
3楽章構成と言えます。
但し、深層はもっと複合的でしょうが・・・

当時のソヴィエト当局は、あの模範的な<第5番>の次が
この作品ということで、戸惑いを隠せなかったようです。

近年はあまり演奏されないように感じますが、
かつてはムラヴィンスキー率いるレニングラード・フィルの
来日公演にプログラミングされる等、聴く機会が多くありました。

#####<交響曲第6番 ロ短調 作品54>#####

[第1楽章]
哀切な、あるいは悲痛な、哀歌のような深淵たる緩徐楽章です。
作曲家の痛切なメッセージが込められた音楽が連綿と続きます。
二つの主題が緊張感の中で提示された後、
更に音楽は静謐且つ沈欝な展開になっていきます。
やがて最弱奏の中での変容再現部のような経過部を経て、
かすかな希望の光を見出しかけるような雰囲気を
醸し出しつつも消えるように楽章を閉じます。
この楽章は、15分を超える長大な音楽です。
後続の二つの楽章を合わせた長さを超えています。
何ともアンバランスな異例な冒頭楽章です。

[第2楽章]
一転して楽天的な音楽が炸裂します。
オーソドックスな複合三部形式によるスケルツォ風の楽章です。
主部が回帰してからはオーケストレーションが弱奏になり、
あっさりと楽章を閉じることろはちょっとお洒落でもあります。

[第3楽章]
ショスタコーヴィチ流のロンドソナタ形式による終楽章です。
数々のエピソードを挟みながら、音楽が進行していきます。
終盤に更に一層楽天的なファンファーレが聴こえてきます。
表向きは社会主義リアリズム賛美の作品の仮面を被っていますが、
実はむしろ揶揄・嘲笑しているようにも聴こえてくる音楽です。

仕事場のライブラリのCDは、ムラヴィンスキー盤です。

CD:ショスタコーヴィチ/交響曲第6番&10番
   エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
   レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
   1972年&1976年 ライヴ録音
   BMG / BVCX-4007
ムラヴィンスキー盤
今回の~世界一のビルの大火災~は、
今日の超高層ビル時代への警鐘を既に鳴らしているような
寓話的示唆に富んだストーリーです。
日本では第5話として、英国本国では第15話として放送されました。



縮尺サイズの人形劇実写ということを忘れてしますような、
火や煙の効果や機械の動きのリアルな表現が、この回も存分に堪能できます。

今回のストーリーは、それこそ雲を突くような超高層ビルが
世界中から注目されながらグランド・オープンしたものの、
運転が未熟なある人物の車の無謀運転から、
地下駐車場で事故と火災が発生してしまい、それが瞬く間に延焼して、
遂にはビルが倒壊してしまうような大惨事に発展してしまうのです。

人間の避難は何とか間に合ったものの・・・
と思いきや、家族連れが監視カメラから外れていたために、
地下に閉じこめられている事が後に判明・・・
しかし最早救助の術は無し・・・
そこで、国際救助隊の登場となる訳です。

とじこめられた家族には小さな男の子も含まれていて、
固唾を飲んで見守っているブラウン管の前の子供たちの
更なる感情移入を誘います。
勿論、われらが国際救助隊は、間一髪ではあるものの、
見事救出に成功するのですが、それにしてもハラハラします。

この回で活躍する装備は、ジェットモグラです。
これは放送当時の男の子に人気ナンバーワンのメカで、
プラモデルがバカ売れしたものでした。
巨大なドリルそのももといったボディが、
地中に傲然と潜り、救助に進んでいくのです。
<サンダーバード>は、人間の手仕事・物づくりの大切さを、
強く楽しく私たちに伝えてくれます。


今回写真は、勿論、ジェットモグラです!
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ジェットモグラ