昨日までにアップした記事、
<ISCM世界音楽の日々'92ワルシャワ大会>の
体験記を書いた後で過去の資料を掘り起こしてみると、
想い出深い写真が出てきたので、
追伸として幾つかアップしましょう。

1枚目は、モスクワの赤の広場の風景です。
私の欧州初体験は、ここから始りました。
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-モスクワ・赤の広場

2枚目は、Diego Luzuriaga 氏と語らう私です。
この出会いが、後年の日本とエクアドルの間の
音楽文化国際交流に繋がっていったのです。
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-Diego Luzuriaga氏との出会い

3枚目は、拙作の演奏直後のカーテンコールのシーンです。
(<飛来>Ⅳ~独奏ピアノを伴う室内オーケストラの為に~)
ピアノ独奏のLouise Beaaetteさんと握手のシーンです。
この時、客席にWitold Lutoslawski氏が居られたのです。
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ワルシャワでのカーテンコール

4枚目は、終演後に地元の放送局からインタビューを
受けて、必死で英語で応対している私です。
「東欧の犠牲者へのレクイエムとして書いた作品が、
 このワルシャワの地で欧州初演されて非常に嬉しい。」
という内容を説明したつもりでしたが、
上手く伝わったかどうか。
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ワルシャワでのインタビュー

最後は、当時のISCM事務局長のHenk Heuvelmans氏と
Louise Bessetteさんと、私のショットです。
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ISCM事務局長とベセットさんと

これらの写真のシャッターを切ってくれた
地元紙の若いカメラマン氏とも、随分と親しく話をしました。
私の初ヨーロッパ体験は、様々な出会いで彩られています。
この年から、私の国際的な活動が本格化していきました。
約25年前の想い出です。
この作品は、気鋭のトロンボーン奏者=村田厚生氏との
交流の中から誕生した協創作品です。
<RESONANT SOLITUDE Ⅰ for Trombone
with Back-ground Electronic Sound>
を、村田氏の委嘱で作曲した際に、
背景電子音楽を伴わない状況でも演奏可能な
2way作品にしようと考えて作曲にあたり、
この作品も同時に誕生したという訳です。

この独奏版の初演では、最後の部分をピアノという楽器を
反響物体として活用するという、
その場の判断での演出も加味したものとなりました。



##### PHONO Ⅷ for Trombone solo #####
    フォノ第8番~トロンボーン独奏の為に
          (2001)   
     深新會第27回作品展 出品作品

演奏時間:約10分

初演:2001年11月 すにだトリフォニーホール(小)
   深新會第17回作品展            
演奏:トロンボーン=村田厚生

#########################

トロンボーンの持つ美点と個性、
クセのない伸びやかな音色、広範な音域、
スライド機構による自在なグリッサンド、
等といった点をフル活用して、私は作曲にあたりました。

この第8作(トロンボーン版)と
次回に紹介する予定の第9作(トランペット版)は、
現代音楽作品への積極的なアプローチを続けておられる
気鋭の奏者の存在があればこそ誕生した作品です。

このブログの右側BOOKMARKから村田厚生さんのHPに
ジャンプできますので、一度訪ねてみてください。
素晴らしい情報の宝庫です。
このような演奏家に居ていただけることに、
心から感謝したいと思います。

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この私のPHONOシリーズは未出版のものが多いので、
楽譜をお求めの方は、直接ご連絡をいただくか・・・
「マザーアース株式会社」(Tel:03-3455-6881)
を通してお問い合わせください。
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今回も、南大東島の星野洞の鍾乳石の不思議、
自然の造形の驚異の写真です。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-鍾乳石の不思議な造形

2019年秋に、久しぶりに沖縄方面に出向く機会がありました。

 

私は以前にも何度も沖縄県を訪ねています。

沖縄本島の読谷村のリゾートへの観光旅行や、

大学等を会場とした研修会の講師としての訪問、

石垣島への観光や学校訪問授業、

石垣島の離島桟橋から足を伸ばして竹富島や西表島を観光、

南大東島に滞在して小中学校全クラスを指導した訪問

等々、様々な経験をしましたが、

今回の小浜島は初めてでした。

 

小浜島へは石垣島の離島ターミナルからフェリーで渡って

アプローチするので、先ずは南ぬ島石垣空港に降り立ちました。

この空港は2013年春に開業した新空港で、

石垣島初開店のスターバックスコーヒーが

在ることでも知られています。

 

早朝便に乗込んで午前9時には石垣島に着きました。

朝食抜きで発ってきたので、先ずは空港のお店に陣取って、

石垣島ハイビール(泡盛とビールのミックス)で乾杯!

 

 

そして朝食代わりのおつまみは、八重山そば(沖縄そば)と

ゴーヤーちゃんぷる、という定番の組み合わせにしました。

 

さあ、ここから小浜島訪問記が始まります。

明後日からの連載をお楽しみに!

アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第147巻の紹介です。

 

 

毎号のお楽しみになっているNゲージサイズ車両模型は、

485系特急形交直流電車クハ451形500番台の国鉄色の雄姿です。

往年の国鉄特急電車の流麗な美しさが見事に再現されています。

 

 

それでは、いつものようにパッケージを解いて、

奥底から第147巻の冊子を取り出しましょう。

 

 

巻頭記事はこのところの通常とおり、付録模型の車両形式の解説です。

直流用の181系から交直流両用の485系に改造編入された先頭車、

485系特急形交直流電車クハ451形500番台の経緯がよくわかります。

 

 

次のページをめくると、個性的な馬面の小型車両の写真が目に飛び込みました。

名古屋鉄道(名鉄)が岐阜方面で多くの路線を営業していた

600V電化路線の名物電車だった、モ600の特集です。

路面電車規格の制約の中で、600V線区と1500V線区に対応できる

新しい車両の必要性から誕生したモ600でした。

電動機、台車、制御機器などは旧型車両の廃品を流用しつつ、

複電圧転換装置を装備し、室内は1列+2列のクロスシートを採用、

そしてパノラマカーと同じスカーレット(赤)をまとった

近代的な鋼製車体という、新旧がコラボした独特の電車でした。

モダンな外観ながら吊り掛けモーターのサウンドを響かせていた

ギャップが面白い電車でもありました。

 

 

更にページをめくると、地味ながら力持ちといった雰囲気の

鉱山用機関車の写真が興味をそそります。

本州最北端の地、下北半島には、鉱山輸送用のナロー鉄道が

数多く敷設されていたのですが、そこで活躍した

日輪製15t坑内型ディーゼル機関車の特集です。

 

 

「日本の鉄道の歴史」シリーズは、飯田線の特集です。

南北から始まった路線建設の経緯、

豊橋駅から暫くの区間を名鉄本線と線路を共有している独特に事情、

などが丁寧に紹介されています。

嘗ては旧型国電の動態保存博物館のような趣もあった飯田線ですが、

近年ではすっかり車両の近代化が進んでいるようです。

 

 

 

 

 

そして巻末記事は「観光列車」シリーズです。

地酒王国・新潟の「酒」を楽しむ観光列車 "越乃 Shu*Kura" の特集です。

運転区間は日によって異り、いくつかのコースが設定されているそうです。

私もゆっくり乗ってみたい観光列車です。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズはまだまだ続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スクリャービンの交響曲の紹介、第3弾です。

アレクサンドル・ニコラエヴィチ・スクリャービンは、
1872年に生まれて1915年に没したロシアの作曲家です。
ピアノ作品ばかりではなく、シンフォニストとしても
もっと注目されて良いのではないかと、私は思っています。

私がスクリャービンの交響曲の魅力に目覚めた切掛は、
1992年9月の東京フィルハーモニー交響楽団の
定期演奏会でした。
当時、常任指揮者就任直後の大野和士氏の指揮による、
氏が提唱して開始された「若手作曲家委嘱シリーズ」の
第一弾としての柿沼唯氏の新作が初演を含むプログラムの
最後のメインがこのスクリャービンの第2番だったのです。
オーチャードホール一杯に鳴り響いた量感たっぷりの
音楽と若々しい楽想に、私はすっかり魅了されました。
以来、私はスクリャービンの交響曲に
注目するようになったのでした。

因に、翌年9月の同楽団定期演奏会で、同じく大野氏の
指揮で、「若手作曲家委嘱シリーズ」の第二弾として、
拙作=<フォノスフェール第1番~尺八と管弦楽のために>
が初演されたのでした。

さて、その演奏会でスクリャービンの交響曲第2番を聴き、
すっかりスクリャービン・サウンドに魅了された私は、
比較的有名な<第4番「法悦の詩」>以外の交響曲も
聴こうと、CDを探して先ず最初に見つけたのが、
この<第3番「神聖な詩」>のディスクでした。
コンドラシンの指揮する演奏も素晴らしく、
スクリャービンの交響曲が益々好きになりました。

スクリャービン<交響曲第3番「神聖な詩」>

[第1楽章:闘争 / レント-アレグロ]
スクリャービン風ソナタ形式と言うべき構造の
美しくも量感に溢れる楽章です。
後の<第4番「法悦の詩」>や<第5番「プロメテウス」>
の登場を予感させる響きが、そこかしこから聴こえてきます。
第2番にも一脈通じる、胸が締めつけられるような
ロマンを感じさせる若々しい楽想が印象的です。
序奏の荘厳な音楽がコーダで回帰する構成が、
楽章全体を引き締めています。

[第2楽章:快楽 / レント]
連綿とした緩徐楽章です。
和声的書法と対位法的書法が高度にバランスしていて、
この作曲家の確かな筆致が浮き彫りになっています。

[第3楽章:神聖な遊び / アレグロ]
明るく前進する終楽章です。
第1楽章のテーマや素材が頻繁に登場して、
楽曲全体の有機的な構成を意識していた作曲家の意図が
充分に感じられる独自の構成に乗って
たっぷりとしたサウンドを聴き進めていくことになります。

尚、この3つの楽章は続けて演奏されます。
全体を通して、4管編成のゴージャスなサウンドが、
聴き手を魅了してやみません。
第2番の5楽章3部構成が、
この第3番で3楽章構成通奏になり、
遂には次の第4番で単一楽章構成に辿着いていきます。


キリル・コンドラシン指揮/アムステルダム・コンセルトへボウ
ETCETERA / 32CD-3118 KTC-1027

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-スクリャービン第3番CD

ライヴ録音とは思えないほど完成度の高い名演ですよ!
1992年のワルシャワの話を続けます。

旧市街の中にはいくつかの教会がありました。
その一つは、音楽祭の演奏会場にもなっていて、
ある夜、室内アンサンブル演奏会が行われました。

そこで出会った素晴らしい作曲家と作品が、
陳其鋼(Qigan Chen / チェン・チガン)氏と
"Poeme Lyrique Ⅱ" でした。
室内アンサンブルの色彩豊かな音楽を背景として、
中国語の抑揚をたっぷり反映させた男声独奏が、
溢れんばかりの詩情を歌い上げて行く作品でした。
旧市街の教会の芳醇な音響の中で、
たっぷりと聴き惚れたひとときでした。

帰国後には、日本現代音楽協会の公演で、
この "Poeme Lyrique Ⅱ" の日本初演を、
私の指揮で演奏して実現もしました。
演奏しても実に心地よい作品でした。

以前のテーマ<新世紀への讃歌>の中で紹介した
周龍(Zhou Long)氏に関する記事でも言及しましたが、
この世代の中国出身の作曲家達は、
文化大革命期の混乱・混迷の
厳しい経験の後に世界に飛び出した、
ハングリー精神に富んだ非常に逞しい世代です。
陳其鋼氏の場合は、北京中央音楽院で学んだ後に
フランスに渡り、オリヴィエ・メシアンの下で研鑽を積み、
その後もフランスを拠点に活躍しています。

哲学者か高僧のような風貌の陳氏とは、この時は
あまり打ち解けて話をすることはできませんでした。
しかし、後年に次第に交流が深まり、
1998年には、陳氏が審査員長を務めた
<ブザンソン国際作曲コンクール>に
私を審査員に招聘していただいたり、
陳氏の管弦楽作品の代表作 "源 / YUAN" を
私がプランニング・アドヴァイザーを務めた
東京フィル<アジア環太平洋作曲家シリーズ>の
初回公演にプログラミングしたりといった、
有意義な国際交流が実現したのでした。

国際現代音楽祭の醍醐味は、
世界中の作曲家や作品が一同に会して
知り合うことができることは勿論ですが、
その出会いを契機として更なる交流や協働がに
繋がっていくことが、実は大きな魅力だと思います。
世界中で友人達が活躍していることによる刺激・・・
協働できることの歓び・・・
"音楽って素晴らしい" のです。

写真は、上記の "Poeme Lyrique Ⅱ" と
"源 / YUAN" が収録されている
陳其鋼氏の作品集CDのジャケットです。
REM editions / REM-311223

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-陳其鋼CD
この<フォノ>シリーズは、主要な楽器全てを網羅するまで、
ライフワークとして書き続けようと考えています。

この第7作は、そういった趣旨の下に、初演が決まる前の段階から、
ヴァイオリンとピアノの為の作品<DISTRACTION Ⅲ>を
作曲した際に、同時に書き始めて暖めていたものでした。
結局、初演の機会は、日本現代音楽協会と朝日生命ホールの
共同企画<日本の現代室内楽の夕べ>が浮上して、
ようやく設定されることになり ました。

この演奏会では、武満徹・湯浅譲二・松平頼曉・
中川俊郎・松尾祐孝・三善晃、という顔ぶれの作曲家の
室内楽作品がプログラミングされました。
当時、日本現代音楽協会の事務局長であった私が、
企画担当を務めてコーディネイトしました。

大企業が文化的なメセナとして少々の資金と会場を
提供して行なっているから(有り難く思え)・・・
というようなホール企画室側の高慢な姿勢が折々に見え隠れしていたので、
準備の段階でかなり難渋した記憶があります。

####### PHONO Ⅶ for Violin solo #######
     フォノ第7番~ヴァイオリン独奏の為に
           (1999)
  日本の現代室内楽の夕べ 出品作品

演奏時間:約8分
初演:1999年6月 朝日生命ホール(東京・新宿)
   朝日生命ホールのひととき
   日本の現代室内楽の夕べ PART59            
演奏:ヴァイオリン=松原勝也

##########################

初演の演奏を担当していただいた松原勝也氏は、
日本のオーケストラ界ではコンサートマスターとして
若くから著名であったと同時に、
ハレー・ストリング・カルテットで颯爽とデビューを
果たして、室内楽の分野にも新風を吹き込み、
更には現代音楽界にも非常に大きな貢献を果たしている
頼もしく素晴らしい音楽家です。
この作品の初演も、数列を応用した複雑な構成を持ち
左手のピチカートを駆使する難曲であるにも関らず、
飄々とした演奏で、この曲の持つメカニカルでありそうで
実は素朴な楽想を有するという作品像を、
一気に浮かび上がらせてくれました。感謝!

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この私のPHONOシリーズは未出版のものが多いので、
楽譜をお求めの方は、直接ご連絡をいただくか・・・
「マザーアース株式会社」(Tel:03-3455-6881)
を通してお問い合わせください。
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今回の写真も南大東島は星野洞の自然の造形ですが、
このカーテン状の鍾乳石は、非常に珍しく美しいものです。
西表島に自生する"サキシマスオウ"という
熱帯植物があるのですが、
その板状の根の形状に実によく似ているように
私には思われてならないのです。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-珍しいカーテン状の鍾乳石
私は、おきなわ発達研究会とのご縁を持って以来、
時折「音楽づくりワークショップ」を実施するために、
沖縄県後面に出向いています。

2011年の旅程で最後に訪ねた南大東島の
自然の風景の想い出を振り返ります。
「音楽づくりサークショップ研修会」で訪ねたのですが、
前にもレポートした通り、素晴らしい所でした。

フィリピン海プレートの真ん中の海嶺のような場所から
誕生した海底火山の頂上にできたサンゴ礁が更に隆起して
絶海の孤島として忽然と誕生したこの島は、
石灰岩の塊なのだということです。
このような経緯のために、島の地形は、
海岸線は断崖絶壁の礒浜で、
中はクレーター状に低地になっているという
独特の地形をしています。

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-南大東島の青い海と空

断面図を想像してください。
両端が高く中が緩やかに凹んでいる形になります。
ちょうど王冠のようです。
ですから、南大東島の新しい名産品のラム酒の銘柄は、
コーラル・クラウン(珊瑚の王冠)を短縮して
CORCOR=コルコルと名付けられたのです。

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-コルコルの事務所・販売所

南大東島には3白4日の滞在でしたが、
普通に生活していると海は全く見えないのです。
漁業や港湾関係の仕事でもしていない限り、
滅多に海を見ない住民も多いのかもしれません。
盆地状の島の内部は、
延々と続くサトウキビ畑と青い空に囲まれて、
内陸のユートピアのような錯覚に陥るような所なのです。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-南大東島の青空


しかし、島全体が石灰岩の塊というころですから、
地下には無数の鍾乳洞があるものと推測されます。
その中で、観光地としてしっかり整備されているのが、
「星野洞」なのです。
1日に39人乗りのプロペラ機が2便しか
那覇から飛ばないという立地の離島ですから、
観光客の入れ込みはそれほど多くはありませんが、
この鍾乳洞を見に行くだけでも、
この地を訪れる価値があると私は思います。

写真は、星野洞の入り口付近の風景です。
どこに鍾乳洞があるのか?
という青空と太陽燦々の光景ですが、
こういう場所の地下に、鍾乳洞が眠っているのです。
自然の不思議です!

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-星野洞の入り口付近の情景

鍾乳洞(星野洞)の内部に足を踏み入れると、
自然が造り出した不思議な造形の数々を目の当たりのできます。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-星野洞の鍾乳石と石筍

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-星野洞の鍾乳石の造形の不思議

南大東島・・・素敵なところでした。

アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第146巻の紹介です。

 

 

毎号のお楽しみになっているNゲージサイズ模型の付録は、

本号はキハ58系急行形ディーゼル動車キハ58形の

急行「たかやま」で活躍した当時の塗色の雄姿です。

 

 

さて、それではいつものようにパッケージを解いて

第146巻の冊子を取り出してみましょう。

 

 

巻頭記事はおのところの通例で、付録模型の車両形式の解説です。

国鉄時代に、キハ58系を大量投入されて

全国の非電化線区の急行網が整備されていきました。

その後、特急網の整備が進んで、

JR発足時には気動車急行は数を減らしていました。

それでも、1200両以上のキハ58系が

JR各社に引き継がれました。

その中で、大阪駅から高山本線の高山にいたる

急行「たかやま」は、JR西日本とJR東海を跨がって

走る急行として、人気がありました。

 

 

次のページでは、知る人ぞ知る珍しい車両、

東急史上で2両だけ存在したアルミ車、

東京急行電鉄7200系アルミ車体試作車の特集です。

かつての大井町線や東横線で走る姿を、

こどもの頃によく目撃したものでした。

 

 

更にページをけくると、珍しくアメリカの大型蒸気機関車、

それも流線型が優美なJ形蒸気機関車の特集が

目に飛び込みました。

 

 

続くページは、冨士山南麓を走る私鉄、岳南電車岳南線の特集です。

京王帝都井の頭線で活躍したステンプラカーを両運転台化した

車両が活躍する路線です。

近年は工場が織り成す夜景を楽しめることが、

全国的な話題になっています。

 

 

そして巻末記事は「観光列車」シリーズです。

本号では、秩父鉄道で1988年から走り続けている観光SL列車、

"SLパレオエクスプレス"の特集です。

国鉄のC58形363号機が<'88さいたま博覧会>を機に

動態復元されて、今日も元気に走っている列車です。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズはまだまだ続きます。

 

スクリャービンの交響曲の紹介、第2弾です。

アレクサンドル・ニコラエヴィチ・スクリャービンは、
1872年に生まれて1915年に没したロシアの作曲家です。
ピアノ作品ばかりではなく、シンフォニストとしても
もっと注目されて良いのではないかと、私は思っています。

私がスクリャービンの交響曲の魅力に目覚めた切掛は、
1992年9月の東京フィルハーモニー交響楽団の
定期演奏会でした。
当時、常任指揮者就任直後の大野和士氏の指揮による、
氏が提唱して開始された「若手作曲家委嘱シリーズ」の
第一弾としての柿沼唯氏の新作が初演を含むプログラムの
最後のメインがこのスクリャービンの第2番だったのです。
オーチャードホール一杯に鳴り響いた量感たっぷりの
音楽と若々しい楽想に、私はすっかり魅了されました。
以来、私はスクリャービンの交響曲に
注目するようになったのでした。

因に、翌年9月の同楽団定期演奏会で、同じく大野氏の
指揮で、「若手作曲家委嘱シリーズ」の第二弾として、
拙作=<フォノスフェール第1番~尺八と管弦楽のために>
が初演されたのでした。

さて、そのスクリャービンの交響曲第2番は、
5楽章構成の作品です。
とてもロマンティックな作品です、
第1番のような声楽の導入はありませんが、
量感たっぷりと鳴り響く、若々しく素敵な作品です。

[第1楽章:アンダンテ]
序章にあたる楽章です。終楽章と楽想を共有していて、
全曲の統一を図っていると考えられます。
このような構成法は、第1番から踏襲しています。
第2楽章には続けて進行します。

[第2楽章:アレグロ]
通常の交響曲では冒頭楽章に相当するソナタ形式楽章です。
第3番以降の第1楽章(第4番と第5番は単一楽章)を
彷彿とさせる萌芽が随所に聴き取れます。

[第3楽章:アンダンテ]
緩徐楽章に相当する音楽です。
スクリャービンのロマンティックな旋律の魅力を
じっくりと味わうことができます。

[第4楽章:テンペストーソ]
スケルツォに相当する楽章の替わりに、
嵐のような間奏曲が置かれています。
強いて例を挙げるならば、
ベートーヴェンの田園交響曲の第4楽章のような、
音楽による精神的な嵐の音楽と言ってよいでしょうか。
嵐はやがて明るい楽想に辿着き、第5楽章に移行します。

[第5楽章:マエストーソ]
通常の交響曲では第4楽章=フィナーレに相当する、
ソナタ形式による堂々たる楽章です。
若々しい讃歌のようなテーマが鳴り響くと、
胸が熱くなるような感興がぐっと込み上げてきます。
素敵な音楽だと思います。

この作品は、通常の4楽章ソナタに序章を付加して、
5楽章構成になっているようにも見えますが、
同時に、第1&2楽章、第3楽章、第4&5楽章という
三部構成に集約されているという観点からは、
マーラーの交響曲第5番の構成法にもよく似ています。

第1番は6楽章構成、この第2番は5楽章構成と、
通常よりも楽章数の多い構成を適用したスクリャービンは、
次第に楽章数を絞っていく方向に向かい、
最終的には単一楽章構成に辿着いていきます。

写真は、この作品の私の愛聴盤です。
スクリャービン/交響曲第2番
指揮=ネーメ・ヤルヴィ
管弦楽=スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
CHANDOS / CHAN-8462

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-スクリャービン第2番CD