• 21 Nov
    • <フォノスフェール第4番-b 〜ギターと管弦楽の為に>〜欧州初演はウクライナ〜

      昨日の記事で初演と台湾での再演の模様を紹介した、今のところのフォノスフェール・シリーズ最新作、<フォノスフェール第4番-b ~ギターと管弦楽の為に>は、2014年にヨーロッパ初演を行なうことができました。ギター独奏初演者でありこの作品の誕生から深く関っていただいたマグヌス・アンデション氏が、再演と録音を機会を求めて、氏の世界中の友人達のネットワークを駆使してリサーチをしていました。その結果、氏の友人のウクライナのチェリスト夫妻がウクライナのドネツクだ始る新しい現代音楽祭に、1夜の演奏会をコーディネイトしてくださいました。何と、<Donbas Modern Music Art 2013>という新たに創設される現代音楽祭のファイナル・コンサートに、私を指揮者として招聘していただくことになりました。コーディネイターのVadim Larchikov氏の提案で決定した <フォノスフェール第4番-bを含む>拙作2曲と氏の自作に北欧の作曲家の作品を組み合わせた全6曲という、しかも協奏曲作品が5曲という破格にナードなプログラムに、短期間の準備期間で取り組むことになりました。ウルトラ・ハードなプログラムにも関らず、リハーサルは4時間のセッションが3回という、極めて厳しい条件の中で、正に死力を尽くしての荒技の連続によるリハーサルとなりました。本番当日には、地元テレビ局からインタビューがあり、燕尾服をベストまでは着込んだ格好で、ロビーに出て取材に協力しました。インタビュアーの女性は英語ができず、私はウクライナ語もロシア語もできませんから、チェロ独奏者のOlga Veselina女史に通訳をお願いしての、インタビューとなりました。同様のインタビューは、開演前や休憩時間に行われた模様で、私の作品のギター独奏者=Magnus Anderssion氏も、下の写真のようにインタビューを受けたそうです。そして遂に演奏会本番の開演時刻を迎えました。こちらのご当地スタイルとして興味深かったことは、クラシック音楽の演奏会であっても1曲毎にアナウンスが入って、曲目や演奏者の紹介がセレモニーのように行われるところでした。この演奏会でも、音楽祭ダイレクター=Yevgeni Petrychenko氏が、挨拶と紹介を行なっていました。<Donbas Modern Music Art / Festival & Competition>=[DMMA・2013] ファイナル・コンサート[ Music of our time / Japan - Sweden/Finland - Ukraine ]*2013年5月17日 / ウクライナ・ドネツクフィルハーモニー協会 / セルゲイ・プロコフィエフ・ホール*プログラム:- Mirjam Tally / Winter Island (b) (c) *- Thomas Liljeholm / Merging (b) (c) ***- Masataka Matsuo / Phonosphere 4b (a) **- Vadim Larchikov / Gethsemane * - Masataka Matsuo / Eternal Livre (new version) (a) (c) **- Kalevi Aho / 2-cellos Concerto (b) (c) *(*** 世界初演 ** 欧州初演 *ウクライナ初演)*演奏:guit. / Magnus Anderssion (a)cello / Vadim Larchikov (b)  Olga Veselina (c) cond. / Masataka Matsuo orch. / Donetsk Academic Philharmonic Orchestra- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -本番の演奏は、ひとことで言えば、爆発的大成功でした。しかし、そこは現代音楽作品が6曲、しかも協奏曲が5曲も並ぶウルトラ・ハード・プログラム、正直に吐露すりならば、細かいミスはかなりましました。あるところでは、あるパートが1小節先行してしまったり、あるところでは別のパートが1小節遅れてしまったり、等々・・・しかし、その都度、私はできる限りのアイ・コンタクトと、大きめのタクトワークで指示と気を放射して、大事故に繋がる齟齬を回避して、総体的に作品像をダイナミックに彫琢していくことができました。楽員諸氏にも、その状況と音楽全体の感興をひしひしと感じ取っていただけた様子で、演奏が進行するにしたがって、難局を乗り切るにしたがって、集中度を増していくことになりました。その結果、1曲毎に大きな拍手喝采が聴衆から沸き起こり、独奏者も楽員達も大いに満足気な表情を浮かべていました。#3曲目=拙作<フォノスフェール第4番-b>の演奏直後#    ギター独奏者はMagnus Anderssion氏#Vadim Larchikov氏とOlga Veselina女史のご夫妻と共に#最後の気力を振り絞って望んだ最終演目、フィンランドの作曲家=アホの珍しい作品、<2チェロと管弦楽の為の協奏曲>の丁々発止のやり取りをリハーサル時を遥かに上回る凝縮度と燃焼度を持った演奏を実現して振り終えた瞬間の達成感は、私の音楽家人生の中で忘れられない1ページになるものでした。スタンディング・オべージョンになった客席の熱狂の中、何度もステージに呼び戻される中で楽員の間を歩くとき、楽員の多くから「Thank you maestoro !」と声をかけていただき、とても嬉しい思いが込み上げてきました。現代音楽の分野での国際交流&国際協働として、多くの一般聴衆に支持される演奏を実現できたこと、自分でもかなり納得のいく闊達な演奏を達成できたことに、大いなる歓びと満足を感じることができました。このような出会いと機会に感謝!しかし、この時は平和だったウクライナも、現在はロシアとの対立で緊張状態にあるようで、事態の推移が心配されます。くれぐれも平和裏に解決するよう、願ってやみません。そして、これからもPHONOSPHEREシリーズを書き続けて行きたいと考えています。

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  • 20 Nov
    • <フォノスフェール第4番-b 〜ギターと管弦楽の為に>〜初演と台湾での再演〜

      2011年夏に自作自演(指揮)により世界初演を果たしたシリーズ第4作のギター協奏曲ヴァージョンの紹介です。###PHONOSPHERE Ⅳ-b       ~ギターと管弦楽の為に(2010)###     マークアートフォーラム委嘱作品演奏時間:約16分初演:2011年7月31日/文京シビックホール 大ホール   日本作曲家協議会 《アジア音楽祭2011》   〘オーケストラコンサート~指揮者は作曲家〙演奏:指揮=松尾祐孝 ギター=Magnus Andersson管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団この初演の直後、2011年の12月には、ACL(アジア作曲家連盟)音楽祭2011台湾大会で、音楽祭ファイナル・コンサートにプログラミングされ、音楽祭最終曲目として演奏されました。更に2013年5月には、ウクライナのドネツクで開催された<Dumbs Modern Music Art 2013>音楽祭のファイナルコンサートに指揮者として招聘されて、ドネツク・アカデミック・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、この<PHONOSPHERE Ⅳ-b>を含む全6曲の現代音楽プログラムを演奏する機会を得ました。マークアートフォーラム委嘱作品として作曲した空間構造を内包したギター協奏曲です。委嘱元の意向に沿って、スウェーデン現代音楽界の重鎮である国際的ギタリスト=マグヌス・アンデション氏の独奏と、私自身の指揮によっての初演となりました。オーケストラのサイズは通常の二管編成ですが、弦楽器を左右二群に対称配置に分割して、その後ろに木管楽器群と金管楽器群を陣取り、ハープが二十絃箏の影のように舞台奥で振る舞い、打楽器を舞台下手(左)・舞台中央(奥)・舞台上手(右)に配して、それらが舞台最前列中央(指揮者横)のギター独奏を中心に音響の多重構造を生成していくという、正にphono(音)+sphere(空間)という曲になっています。2010年3月に初演した姉妹作品=<PHONOSPHERE Ⅳ-a>~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)と、管弦楽パートは全く同一のヴァージョン初演ですが、音楽の趣は、独奏楽器の性質が音響全体に波及した、かなり異なったものに聴こえます。アンデション氏の駆使する10絃ギターから奏でられる変幻自在の独奏パートと、上述のような多次元構造を持つ管弦楽パートの融合と対照から湧き上がる音楽と音響を、繊細に聴き分けて楽しんでいただけると嬉しい作品です。今日の写真は、数年前に南大東島で見てきた朝焼けのショットです。

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  • 19 Nov
    • <フォノスフェール第4番-a~二十絃箏と管弦楽の為に>

      松尾祐孝の自作品紹介です。2013年5月に私自身の指揮で欧州初演(ウクライナ)を行なった<PHONOSPHERE Ⅳ-b>~ギターと管弦楽の為に(2010)とオーケストラ部分を共有する姉妹作です。###PHONOSPHERE Ⅳ-a       ~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)###     マークアートフォーラム委嘱作品演奏時間:約16分初演:2010年3月/杉並公会堂 大ホール   日本現代音楽教会 《現代の音楽展2010》   第4夜〘コンチェルトの夕べ〙演奏:指揮=山下一史 二十絃箏=吉村七重管弦楽:桐朋学園音楽大学オーケストラ2009年度は、二十絃箏誕生から40周年の節目と年でした。現在の二十絃箏のトップリーダーである吉村七重さんとの協働プロジェクトとして、私はこの年度に二つの大作=二十絃箏を主人公とした協奏曲作品を、発表することができました。その一つがこの作品です。もう1曲は、[糸の書~二十絃箏と邦楽器群の為の協奏曲](日本音楽集団委嘱作品)です。オーケストラのサイズは通常の二管編成ですが、弦楽器を左右二群に対称配置に分割して、その後ろに木管楽器群と金管楽器群を陣取り、ハープが二十絃箏の影のように舞台奥で振る舞い、打楽器を舞台下手(左)・舞台中央(奥)・舞台上手(右)に配して、それらが舞台最前列中央(指揮者横)の二十絃箏独奏を中心に音響の多重構造を生成していくという、正にphono(音)+sphere(空間)という曲になっています。初演の直前に、吉村七重さんのダブル受賞=「朝日現代音楽賞」と「芸術選奨」の受賞決定が相次いで関係各方面から発表され、二十絃箏誕生40周年の記念年度の最後を飾るに相応しい、晴れがましい雰囲気の公演になったことの巡り合わせにも、感謝しています。写真は、二十絃箏誕生40周年と吉村七重さんのダブル受賞に乾杯!ということで、キール・ロワイヤルを1杯。場所はパリのテアトル広場のカフェです。 

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  • 18 Nov
    • <フォノスフェール第3番~オーケストラという名の打楽器群の為に>

      松尾祐孝の自作品紹介です。###PHONOSPHERE Ⅲ  ~オーケストラという名の打楽器群の為に(2001)### ♪♪♪国際連作共作「新世紀への讃歌」     第1曲:序章~人類の未熟さに対して~♪♪♪     東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品初演:2001年10月/東京オペラシティコンサートホール   東京フィルハーモニー交響楽団特別演奏会    アジア環太平洋作曲家シリーズvol.4演奏:指揮=渡邊一正 合唱=東京少年少女合唱隊この作品は、この企画立案当時の東京フィル常任指揮者大野和士氏とともに構想を練った国際企画<アジア環太平洋作曲家シリーズ>(1998~2001>の最終公演= [新世紀への讃歌] の国際連作の第1曲として、また独立した一曲の管弦楽曲として構想・作曲した作品です。絶対音楽としてお聴きいただける作品ですが、同時に下記の通りのストーリーと数理的因果関係を盛り込み、私なりの世界平和と地球環境保全へのメッセージを、楽曲の構造そのものに内包しています。瞑想的な短い序奏の後、100小節の主部に入ります。その前半44小節は非楽音(つまり噪音)が主体の音響に終始して、45小節目でカタストロフが襲います。46小節から今度が楽音が主体となりつつ次第にヴォルテージを上げて、やがて時の流れが速くなっていくような時空の渦に巻き込まれていくように高揚していき、100小節の主部を終えて突然コーダ(終結部)に入ります。このコーダは10小節ありますが、危機への警鐘を暗示する鐘の音は8小節で何とか止ります。45小節までは帝国主義が是とされた未熟な人類の時代、つまり第2次世界大戦までの世界を暗示し、46小節以降は戦後の復興と情報化時代の目まぐるしさを暗示し、コーダでは地球環境破滅へのファイナルカウントダウンが、辛うじてエイトカウントで止まる、というストーリーになっているのです。主部の100小節とエイトカウントの8小節を足すと合計で108小節になり、仏教思想における煩悩の数に一致しています。「新世紀の讃歌」全曲の紹介はまたの機会に譲りますが、CD(下の写真)の紹介をしておきましょう。CD「共作連作<新世紀への讃歌>全曲世界初演」   企画:東京フィルハーモニー交響楽団   プランニング・アドヴァイザー:松尾祐孝   Live Notes / WWCC-7414 

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  • 17 Nov
    • <フォノスフェール第2番~室内オーケストラと空間の為に>〜第2回個展で初演〜

      松尾祐孝の自作品紹介です。###PHONOSPHERE Ⅱ      ~室内オーケストラと空間の為に(1996)###        松尾祐孝第2回個展出品作品演奏時間:約16分初演:1996年6月/東京文化会館 小ホール   松尾祐孝第2回個展演奏:指揮=松尾祐孝 トランペット=曽我部清典  室内orch.=フォノスフェール・ミュージカル・アンサンブル ここ数日にご紹介したシリーズ第1作の初演や海外楽旅での大成功の後、私は謂わば虚脱状態になり、スランプに陥ってしましました。そのような自分を自ら鼓舞すべく、1996年6月に、第2回個展を開催することにしたのです。(作曲家の世界では自作品の発表演奏会を個展と称します。)そのプログラムの最後を飾る曲として、この作品を書いた訳です。シリーズ第1作の邦楽器(尺八)と大管弦楽の織りなす色彩的音空間とは対照的に、西洋楽器のみの室内管弦楽のメカニカルな音象と、舞台中央・左・右に配置された打楽器と客席後方のトランペットが、多元的な音空間を生成するという作品になりました。自分自身で指揮する自作自演コンサートになり、客席には(シリーズ第1作を世に送り出していただいた)大野和士氏も駆けつけてくださったことが、嬉しい想い出です。残念ながら一般にお聴きいただける録音は今のところ発表されていません。近年中に再演ができれば良いのですが・・・さて今日の写真は、世界的な音楽の殿堂、ニューヨークのカーネギーホールの外観です。

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  • 16 Nov
    • <フォノスフェール第1番>〜カールスルーエでのドイツ初演&レコーディング

      今や世界的巨匠への階段をひた走る指揮者=大野和士氏とは、1990年代にコラボを展開していました。その頃は、トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝、ザグレヴ・フィルでの実績、そして東京フィル欧州楽旅1994の大成功等によって、ドイツ西南部の都市=カールスルーエに在るバーデン州立歌劇場の音楽総監督に就任していました。(その後、ベルギー/ブリュッセルのベルギー王立歌劇場音楽監督を経て、現在はフランス国立リヨン歌劇場首席指揮者であり、今月からは東京都交響楽団のシェフにも就任していることは、皆さんもよくご存知のことでしょう。)カールスルーエ在任中の大野氏は、地元のビール会社がスポンサーとなっているレーベル=BELlA MUSICA ANRES EDITION - HOEPFNER CLASSICSから、意義深い企画のCDシリーズをリリースしています。「現代作品+名曲」の組み合わせで3枚制作されましたが、その第1弾に、拙作<フォノスフェール第1番>が光栄にも抜擢されました。1997年に当地のシンフォニー・コンサート(同劇場管弦楽団定期演奏会)2回と特別演奏会1回の計3公演とレコーディング・セッションを経て、下の写真のCD第1弾が完成したのでした。シリーズ全3CDのカップリングをご紹介しましょう。第1弾=松尾祐孝<フォノスフェール第1番>    ショスタコーヴィチ<交響曲第5番>第2弾=グバイドゥーリナ<チェロ協奏曲>    チャイコフスキー<交響曲第4番>第3弾=W・リーム<MARSYAS>(トランペット協奏曲)    R・シュトラウス<ツァラトゥストラはかく語りき>ユニークなカップリングでしょう!こういった企画がもっと継続されると良いと思うのですが・・・カールスルーエはとても素敵な街でした。鉄道ファンでもある私としては、路面電車(トラム)のシステムが、ドイツ国鉄と連系して周辺の広範な地域を直通運転でカヴァーしている先進的な公共交通の在り方が、とても気に入りました。その辺りの旅行紀行はまたの機会に・・・CD「バーデン州立歌劇場&大野和士」BELlA MUSICA ANRES EDITION - HOEPFNER CLASSICS / BM-CD 31.9112 東京フィル版とはまた一味違った演奏をお楽しみください。この録音は、現在はナクソス・ミュージック・ライブラリーで視聴できます。是非ゆっくりお聴きください。

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  • 15 Nov
    • <フォノスフェール第1番>〜東京フィル欧州楽旅1994で大成功!

      東京フィルハーモニー交響楽団の1994年ヨーロッパ公演は、常任指揮者=大野和士氏の統率の下に、素晴らしい成果を挙げた記念碑的な演奏旅行でした。ドイツ・ベルギー・イギリスを訪ねて約3週間の旅路でしたが、その中のイギリス公演8回中の6回に、拙作<PHONOSPHER Ⅰ>がプログラミングされた事は、私にとっても作品にとっても、誠に幸運な出来事でした。この作品は、協奏曲の主人公である独奏者が最初は舞台に居ない状況で演奏が始まり、やがて歌舞伎座の花道を行く千両役者のように、客席後方から吹き流しで登場して、やがて指揮者&オーケストラと丁々発止のやり取りを展開する劇場空間的な構成になっています。各地の公演で、聴衆が固唾を呑んでこの緊張感を味わいながら、尺八の大胆且つ繊細な音色と管弦楽の響きを聴き入っている様子を舞台上から実感しながら、自ら付打ちパートを演奏できた経験は、実に得難いものでした。写真は、その楽旅の最終演奏会=ロイヤル・フェスティバル・ホール公演(ロンドン)のライヴが収録されているCDです。残念ながら絶版になっているようです。壮絶ば演奏が見事に記録されていますので、何らかの方法で入手してお聴きいただけると嬉しいです。このロンドン公園の本番では、RFホールをほぼ満席にした聴衆の拍手が鳴り止まず、遂には尺八独奏=三橋貴風氏がアンコールで「鶴の巣篭り」を演奏した後、ようやく最終曲目の「ダフニスとクロエ組曲第2番」に進むことができたという熱狂と興奮を体験することができました。CD「'94年 東京フィル ヨーロッパ演奏旅行ライヴーⅠ」(ミュンヘン&ロンドン) Live Notes / WWCC-7262

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  • 14 Nov
    • <フォノスフェール第1番〜尺八と管弦楽の為に>〜史上最大の尺八協奏曲!?〜

      松尾祐孝の自作品紹介です。###PHONOSPHERE Ⅰ        ~尺八と管弦楽の為に(1993)###  東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品演奏時間:約23分初演:1993年9月/東急文化村オーチャードホール   東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 欧州初演:1993年10月/リスボン     グルベンキアン管弦楽団定期演奏会演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風    付打ち=松尾祐孝欧州演奏旅行:東京フィル欧州公演(1994年10月)都市:リーズ、ノーザンプトン、ニューキャッスル、   ミドルスブラ、グラスゴー、ロンドン演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風    付打ち=松尾祐孝ドイツ公演:1997年6月/バーデン州立歌劇場管弦楽団      定期演奏会・特別演奏会      (全3公演&レコーディング)演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風    付打ち=松尾祐孝洗足学園音楽大学公演:ラテンアメリカン・ミュージック・ウィーク2005 in 洗足2005年9月/洗足学園・前田ホール演奏:指揮=松尾祐孝 尺八=三橋貴風 管弦楽=洗足学園フィルハーモニー私がライフワークの柱を主要邦楽器と管弦楽の協奏曲作品に定めた契機となった、前半生最重要作品です。藝大時代の同級生であり、尊敬すべき大音楽家・指揮者の大野和士氏との協力関係の中から実現した私にとって極めて重要な契機となったプロジェクトでした。尺八独奏が三管編成大オーケストラをPA(音響)無しで従えて、コンサートホールを歌舞伎座のような多彩な音空間にしながら、その微力を存分に響き渡らせる壮大な作品です。東京フィル定期での初演は客席で聴きましたが、海外演奏等では、付打ちパートをしばしば自分自身で担当しています。海外演奏旅行のエピソードも多々ありますので、後続の記事でお話していきましょう。東京フィル欧州公演ではライヴCDが、ドイツのバーデン州立歌劇場管弦楽団公演では収録CDが、それぞれ誕生しています。ドイツ盤はナクソス・ミュージック・ライブラリーでの視聴も出来るようになりました。各盤については後続の記事でご紹介していきましょう。さて、今回の写真は、私が最初に魅了された邦楽器=尺八に因んで、日本の象徴的風景=富士山をアップしましょう。 去る3月16日に、この作品が久しぶりに演奏されました。管楽器と打楽器の部分を3台の電子オルガンで、打楽器パートと付け打ちはそのままという特別編成を、私自身が指揮をしての演奏でした。洗足学園音楽大学の大学院スペシャルコンサートでの特別企画演奏でした。

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  • 13 Nov
    • PHONOSPHEREシリーズ記事を再掲載〜第1作の東京フィル欧州楽旅から23年〜

      私の最大のライフワークである<PHONOSPHERE>シリーズについて、あらためて紹介していきましょう。PHONOSPHEREというタイトルは、”フォノスフェール”と呼んでください。音・声を意味する接頭語=PHONOと、空間・領域を意味する接尾語=SPHEREを組み合わせた造語で、”音空間”といった意味になるでしょうか。私としては”交響曲”に変わる言葉として、つまり”新時代の交響曲”といった意味を込めています。現在のところのラインナップは次の通りです。PHONOSPHERE Ⅰ ~尺八と管弦楽の為に(1993)PHONOSPHERE Ⅱ ~室内オーケストラと空間の為に(1996)PHONOSPHERE Ⅲ (2001)=連作共作「新世紀への讃歌」第1曲PHONOSPHERE Ⅳ-a ~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)PHONOSPHERE Ⅳ-b ~ギターと管弦楽の為に(2010)各曲についての紹介は、明日以降に順次アップしましょう。作品についてのお問い合わせは、メッセージ・メール等でお便りください。果たして何番まで書くことができるか判りませんが、このシリーズをこれからも書き続けていきたいと思っています。写真は、<PHONOSPHERE Ⅰ>が欧州初演されたポルトガルでのワンカット、ユーラシア大陸最西端=ロカ岬です。

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  • 11 Feb
    • <フォノスフェール第4番-b 〜ギターと管弦楽の為に>〜欧州初演はウクライナ〜

      昨日の記事で初演と台湾での再演の模様を紹介した、今のところのフォノスフェール・シリーズ最新作、<フォノスフェール第4番-b ~ギターと管弦楽の為に>は、2014年にヨーロッパ初演を行なうことができました。ギター独奏初演者でありこの作品の誕生から深く関っていただいたマグヌス・アンデション氏が、再演と録音を機会を求めて、氏の世界中の友人達のネットワークを駆使してリサーチをしていました。その結果、氏の友人のウクライナのチェリスト夫妻がウクライナのドネツクだ始る新しい現代音楽祭に、1夜の演奏会をコーディネイトしてくださいました。何と、<Donbas Modern Music Art 2014>という新たに創設される現代音楽祭のファイナル・コンサートに、私を指揮者として招聘していただくことになりました。コーディネイターのVadim Larchikov氏の提案で決定した <フォノスフェール第4番-bを含む>拙作2曲と氏の自作に北欧の作曲家の作品を組み合わせた全6曲という、しかも協奏曲作品が5曲という破格にナードなプログラムに、短期間の準備期間で取り組むことになりました。ウルトラ・ハードなプログラムにも関らず、リハーサルは4時間のセッションが3回という、極めて厳しい条件の中で、正に死力を尽くしての荒技の連続によるリハーサルとなりました。本番当日には、地元テレビ局からインタビューがあり、燕尾服をベストまでは着込んだ格好で、ロビーに出て取材に協力しました。インタビュアーの女性は英語ができず、私はウクライナ語もロシア語もできませんから、チェロ独奏者のOlga Veselina女史に通訳をお願いしての、インタビューとなりました。同様のインタビューは、開演前や休憩時間に行われた模様で、私の作品のギター独奏者=Magnus Anderssion氏も、下の写真のようにインタビューを受けたそうです。そして遂に演奏会本番の開演時刻を迎えました。こちらのご当地スタイルとして興味深かったことは、クラシック音楽の演奏会であっても1曲毎にアナウンスが入って、曲目や演奏者の紹介がセレモニーのように行われるところでした。この演奏会でも、音楽祭ダイレクター=Yevgeni Petrychenko氏が、挨拶と紹介を行なっていました。<Donbas Modern Music Art / Festival & Competition>=[DMMA・2013] ファイナル・コンサート[ Music of our time / Japan - Sweden/Finland - Ukraine ]*2013年5月17日 / ウクライナ・ドネツクフィルハーモニー協会 / セルゲイ・プロコフィエフ・ホール*プログラム:- Mirjam Tally / Winter Island (b) (c) *- Thomas Liljeholm / Merging (b) (c) ***- Masataka Matsuo / Phonosphere 4b (a) **- Vadim Larchikov / Gethsemane * - Masataka Matsuo / Eternal Livre (new version) (a) (c) **- Kalevi Aho / 2-cellos Concerto (b) (c) *(*** 世界初演 ** 欧州初演 *ウクライナ初演)*演奏:guit. / Magnus Anderssion (a)cello / Vadim Larchikov (b)  Olga Veselina (c) cond. / Masataka Matsuo orch. / Donetsk Academic Philharmonic Orchestra- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -本番の演奏は、ひとことで言えば、爆発的大成功でした。しかし、そこは現代音楽作品が6曲、しかも協奏曲が5曲も並ぶウルトラ・ハード・プログラム、正直に吐露すりならば、細かいミスはかなりましました。あるところでは、あるパートが1小節先行してしまったり、あるところでは別のパートが1小節遅れてしまったり、等々・・・しかし、その都度、私はできる限りのアイ・コンタクトと、大きめのタクトワークで指示と気を放射して、大事故に繋がる齟齬を回避して、総体的に作品像をダイナミックに彫琢していくことができました。楽員諸氏にも、その状況と音楽全体の感興をひしひしと感じ取っていただけた様子で、演奏が進行するにしたがって、難局を乗り切るにしたがって、集中度を増していくことになりました。その結果、1曲毎に大きな拍手喝采が聴衆から沸き起こり、独奏者も楽員達も大いに満足気な表情を浮かべていました。#3曲目=拙作<フォノスフェール第4番-b>の演奏直後#    ギター独奏者はMagnus Anderssion氏#Vadim Larchikov氏とOlga Veselina女史のご夫妻と共に#最後の気力を振り絞って望んだ最終演目、フィンランドの作曲家=アホの珍しい作品、<2チェロと管弦楽の為の協奏曲>の丁々発止のやり取りをリハーサル時を遥かに上回る凝縮度と燃焼度を持った演奏を実現して振り終えた瞬間の達成感は、私の音楽家人生の中で忘れられない1ページになるものでした。スタンディング・オべージョンになった客席の熱狂の中、何度もステージに呼び戻される中で楽員の間を歩くとき、楽員の多くから「Thank you maestoro !」と声をかけていただき、とても嬉しい思いが込み上げてきました。現代音楽の分野での国際交流&国際協働として、多くの一般聴衆に支持される演奏を実現できたこと、自分でもかなり納得のいく闊達な演奏を達成できたことに、大いなる歓びと満足を感じることができました。このような出会いと機会に感謝!しかし、この時は平和だったウクライナも、現在はロシアとの対立で緊張状態にあるようで、事態の推移が心配されます。くれぐれも平和裏に解決するよう、願ってやみません。そして、これからもPHONOSPHEREシリーズを書き続けて行きたいと考えています。

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  • 10 Feb
    • <フォノスフェール第4番-b 〜ギターと管弦楽の為に>〜初演と台湾での再演〜

      2011年夏に自作自演(指揮)により世界初演を果たしたシリーズ第4作のギター協奏曲ヴァージョンの紹介です。###PHONOSPHERE Ⅳ-b       ~ギターと管弦楽の為に(2010)###     マークアートフォーラム委嘱作品演奏時間:約16分初演:2011年7月31日/文京シビックホール 大ホール   日本作曲家協議会 《アジア音楽祭2011》   〘オーケストラコンサート~指揮者は作曲家〙演奏:指揮=松尾祐孝 ギター=Magnus Andersson管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団この初演の直後、2011年の12月には、ACL(アジア作曲家連盟)音楽祭2011台湾大会で、音楽祭ファイナル・コンサートにプログラミングされ、音楽祭最終曲目として演奏されました。更に2013年5月には、ウクライナのドネツクで開催された<Dumbs Modern Music Art 2013>音楽祭のファイナルコンサートに指揮者として招聘されて、ドネツク・アカデミック・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、この<PHONOSPHERE Ⅳ-b>を含む全6曲の現代音楽プログラムを演奏する機会を得ました。マークアートフォーラム委嘱作品として作曲した空間構造を内包したギター協奏曲です。委嘱元の意向に沿って、スウェーデン現代音楽界の重鎮である国際的ギタリスト=マグヌス・アンデション氏の独奏と、私自身の指揮によっての初演となりました。オーケストラのサイズは通常の二管編成ですが、弦楽器を左右二群に対称配置に分割して、その後ろに木管楽器群と金管楽器群を陣取り、ハープが二十絃箏の影のように舞台奥で振る舞い、打楽器を舞台下手(左)・舞台中央(奥)・舞台上手(右)に配して、それらが舞台最前列中央(指揮者横)のギター独奏を中心に音響の多重構造を生成していくという、正にphono(音)+sphere(空間)という曲になっています。2010年3月に初演した姉妹作品=<PHONOSPHERE Ⅳ-a>~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)と、管弦楽パートは全く同一のヴァージョン初演ですが、音楽の趣は、独奏楽器の性質が音響全体に波及した、かなり異なったものに聴こえます。アンデション氏の駆使する10絃ギターから奏でられる変幻自在の独奏パートと、上述のような多次元構造を持つ管弦楽パートの融合と対照から湧き上がる音楽と音響を、繊細に聴き分けて楽しんでいただけると嬉しい作品です。今日の写真は、数年前に南大東島で見てきた朝焼けのショットです。

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  • 09 Feb
    • <フォノスフェール第4番-a~二十絃箏と管弦楽の為に>

      松尾祐孝の自作品紹介です。2013年5月に私自身の指揮で欧州初演(ウクライナ)を行なった<PHONOSPHERE Ⅳ-b>~ギターと管弦楽の為に(2010)とオーケストラ部分を共有する姉妹作です。###PHONOSPHERE Ⅳ-a       ~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)###     マークアートフォーラム委嘱作品演奏時間:約16分初演:2010年3月/杉並公会堂 大ホール   日本現代音楽教会 《現代の音楽展2010》   第4夜〘コンチェルトの夕べ〙演奏:指揮=山下一史 二十絃箏=吉村七重管弦楽:桐朋学園音楽大学オーケストラ2009年度は、二十絃箏誕生から40周年の節目と年でした。現在の二十絃箏のトップリーダーである吉村七重さんとの協働プロジェクトとして、私はこの年度に二つの大作=二十絃箏を主人公とした協奏曲作品を、発表することができました。その一つがこの作品です。もう1曲は、[糸の書~二十絃箏と邦楽器群の為の協奏曲](日本音楽集団委嘱作品)です。オーケストラのサイズは通常の二管編成ですが、弦楽器を左右二群に対称配置に分割して、その後ろに木管楽器群と金管楽器群を陣取り、ハープが二十絃箏の影のように舞台奥で振る舞い、打楽器を舞台下手(左)・舞台中央(奥)・舞台上手(右)に配して、それらが舞台最前列中央(指揮者横)の二十絃箏独奏を中心に音響の多重構造を生成していくという、正にphono(音)+sphere(空間)という曲になっています。初演の直前に、吉村七重さんのダブル受賞=「朝日現代音楽賞」と「芸術選奨」の受賞決定が相次いで関係各方面から発表され、二十絃箏誕生40周年の記念年度の最後を飾るに相応しい、晴れがましい雰囲気の公演になったことの巡り合わせにも、感謝しています。写真は、二十絃箏誕生40周年と吉村七重さんのダブル受賞に乾杯!ということで、キール・ロワイヤルを1杯。場所はパリのテアトル広場のカフェです。 

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  • 07 Feb
    • <フォノスフェール第3番~オーケストラという名の打楽器群の為に>

      松尾祐孝の自作品紹介です。###PHONOSPHERE Ⅲ  ~オーケストラという名の打楽器群の為に(2001)### ♪♪♪国際連作共作「新世紀への讃歌」     第1曲:序章~人類の未熟さに対して~♪♪♪     東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品初演:2001年10月/東京オペラシティコンサートホール   東京フィルハーモニー交響楽団特別演奏会    アジア環太平洋作曲家シリーズvol.4演奏:指揮=渡邊一正 合唱=東京少年少女合唱隊この作品は、この企画立案当時の東京フィル常任指揮者大野和士氏とともに構想を練った国際企画<アジア環太平洋作曲家シリーズ>(1998~2001>の最終公演= [新世紀への讃歌] の国際連作の第1曲として、また独立した一曲の管弦楽曲として構想・作曲した作品です。絶対音楽としてお聴きいただける作品ですが、同時に下記の通りのストーリーと数理的因果関係を盛り込み、私なりの世界平和と地球環境保全へのメッセージを、楽曲の構造そのものに内包しています。瞑想的な短い序奏の後、100小節の主部に入ります。その前半44小節は非楽音(つまり噪音)が主体の音響に終始して、45小節目でカタストロフが襲います。46小節から今度が楽音が主体となりつつ次第にヴォルテージを上げて、やがて時の流れが速くなっていくような時空の渦に巻き込まれていくように高揚していき、100小節の主部を終えて突然コーダ(終結部)に入ります。このコーダは10小節ありますが、危機への警鐘を暗示する鐘の音は8小節で何とか止ります。45小節までは帝国主義が是とされた未熟な人類の時代、つまり第2次世界大戦までの世界を暗示し、46小節以降は戦後の復興と情報化時代の目まぐるしさを暗示し、コーダでは地球環境破滅へのファイナルカウントダウンが、辛うじてエイトカウントで止まる、というストーリーになっているのです。主部の100小節とエイトカウントの8小節を足すと合計で108小節になり、仏教思想における煩悩の数に一致しています。「新世紀の讃歌」全曲の紹介はまたの機会に譲りますが、CD(下の写真)の紹介をしておきましょう。CD「共作連作<新世紀への讃歌>全曲世界初演」   企画:東京フィルハーモニー交響楽団   プランニング・アドヴァイザー:松尾祐孝   Live Notes / WWCC-7414 

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  • 06 Feb
    • <フォノスフェール第2番~室内オーケストラと空間の為に>〜第2回個展で初演〜

      松尾祐孝の自作品紹介です。###PHONOSPHERE Ⅱ      ~室内オーケストラと空間の為に(1996)###        松尾祐孝第2回個展出品作品演奏時間:約16分初演:1996年6月/東京文化会館 小ホール   松尾祐孝第2回個展演奏:指揮=松尾祐孝 トランペット=曽我部清典  室内orch.=フォノスフェール・ミュージカル・アンサンブル ここ数日にご紹介したシリーズ第1作の初演や海外楽旅での大成功の後、私は謂わば虚脱状態になり、スランプに陥ってしましました。そのような自分を自ら鼓舞すべく、1996年6月に、第2回個展を開催することにしたのです。(作曲家の世界では自作品の発表演奏会を個展と称します。)そのプログラムの最後を飾る曲として、この作品を書いた訳です。シリーズ第1作の邦楽器(尺八)と大管弦楽の織りなす色彩的音空間とは対照的に、西洋楽器のみの室内管弦楽のメカニカルな音象と、舞台中央・左・右に配置された打楽器と客席後方のトランペットが、多元的な音空間を生成するという作品になりました。自分自身で指揮する自作自演コンサートになり、客席には(シリーズ第1作を世に送り出していただいた)大野和士氏も駆けつけてくださったことが、嬉しい想い出です。残念ながら一般にお聴きいただける録音は今のところ発表されていません。近年中に再演ができれば良いのですが・・・さて今日の写真は、世界的な音楽の殿堂、ニューヨークのカーネギーホールの外観です。

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  • 05 Feb
    • <フォノスフェール第1番>〜カールスルーエでのドイツ初演&レコーディング

      今や世界的巨匠への階段をひた走る指揮者=大野和士氏とは、1990年代にコラボを展開していました。その頃は、トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝、ザグレヴ・フィルでの実績、そして東京フィル欧州楽旅1994の大成功等によって、ドイツ西南部の都市=カールスルーエに在るバーデン州立歌劇場の音楽総監督に就任していました。(その後、ベルギー/ブリュッセルのベルギー王立歌劇場音楽監督を経て、現在はフランス国立リヨン歌劇場首席指揮者であり、今月からは東京都交響楽団のシェフにも就任していることは、皆さんもよくご存知のことでしょう。)カールスルーエ在任中の大野氏は、地元のビール会社がスポンサーとなっているレーベル=BELlA MUSICA ANRES EDITION - HOEPFNER CLASSICSから、意義深い企画のCDシリーズをリリースしています。「現代作品+名曲」の組み合わせで3枚制作されましたが、その第1弾に、拙作<フォノスフェール第1番>が光栄にも抜擢されました。1997年に当地のシンフォニー・コンサート(同劇場管弦楽団定期演奏会)2回と特別演奏会1回の計3公演とレコーディング・セッションを経て、下の写真のCD第1弾が完成したのでした。シリーズ全3CDのカップリングをご紹介しましょう。第1弾=松尾祐孝<フォノスフェール第1番>    ショスタコーヴィチ<交響曲第5番>第2弾=グバイドゥーリナ<チェロ協奏曲>    チャイコフスキー<交響曲第4番>第3弾=W・リーム<MARSYAS>(トランペット協奏曲)    R・シュトラウス<ツァラトゥストラはかく語りき>ユニークなカップリングでしょう!こういった企画がもっと継続されると良いと思うのですが・・・カールスルーエはとても素敵な街でした。鉄道ファンでもある私としては、路面電車(トラム)のシステムが、ドイツ国鉄と連系して周辺の広範な地域を直通運転でカヴァーしている先進的な公共交通の在り方が、とても気に入りました。その辺りの旅行紀行はまたの機会に・・・CD「バーデン州立歌劇場&大野和士」BELlA MUSICA ANRES EDITION - HOEPFNER CLASSICS / BM-CD 31.9112 東京フィル版とはまた一味違った演奏をお楽しみください。この録音は、現在はナクソス・ミュージック・ライブラリーで視聴できます。是非ゆっくりお聴きください。

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  • 04 Feb
    • <フォノスフェール第1番>〜東京フィル欧州楽旅1994で大成功!

      東京フィルハーモニー交響楽団の1994年ヨーロッパ公演は、常任指揮者=大野和士氏の統率の下に、素晴らしい成果を挙げた記念碑的な演奏旅行でした。ドイツ・ベルギー・イギリスを訪ねて約3週間の旅路でしたが、その中のイギリス公演8回中の6回に、拙作<PHONOSPHER Ⅰ>がプログラミングされた事は、私にとっても作品にとっても、誠に幸運な出来事でした。この作品は、協奏曲の主人公である独奏者が最初は舞台に居ない状況で演奏が始まり、やがて歌舞伎座の花道を行く千両役者のように、客席後方から吹き流しで登場して、やがて指揮者&オーケストラと丁々発止のやり取りを展開する劇場空間的な構成になっています。各地の公演で、聴衆が固唾を呑んでこの緊張感を味わいながら、尺八の大胆且つ繊細な音色と管弦楽の響きを聴き入っている様子を舞台上から実感しながら、自ら付打ちパートを演奏できた経験は、実に得難いものでした。写真は、その楽旅の最終演奏会=ロイヤル・フェスティバル・ホール公演(ロンドン)のライヴが収録されているCDです。残念ながら絶版になっているようです。壮絶ば演奏が見事に記録されていますので、何らかの方法で入手してお聴きいただけると嬉しいです。このロンドン公園の本番では、RFホールをほぼ満席にした聴衆の拍手が鳴り止まず、遂には尺八独奏=三橋貴風氏がアンコールで「鶴の巣篭り」を演奏した後、ようやく最終曲目の「ダフニスとクロエ組曲第2番」に進むことができたという熱狂と興奮を体験することができました。CD「'94年 東京フィル ヨーロッパ演奏旅行ライヴーⅠ」(ミュンヘン&ロンドン) Live Notes / WWCC-7262

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  • 03 Feb
    • <フォノスフェール第1番〜尺八と管弦楽の為に>〜史上最大の尺八協奏曲!?〜

      松尾祐孝の自作品紹介です。###PHONOSPHERE Ⅰ        ~尺八と管弦楽の為に(1993)###  東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品演奏時間:約23分初演:1993年9月/東急文化村オーチャードホール   東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 欧州初演:1993年10月/リスボン     グルベンキアン管弦楽団定期演奏会演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風    付打ち=松尾祐孝欧州演奏旅行:東京フィル欧州公演(1994年10月)都市:リーズ、ノーザンプトン、ニューキャッスル、   ミドルスブラ、グラスゴー、ロンドン演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風    付打ち=松尾祐孝ドイツ公演:1997年6月/バーデン州立歌劇場管弦楽団      定期演奏会・特別演奏会      (全3公演&レコーディング)演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風    付打ち=松尾祐孝洗足学園音楽大学公演:ラテンアメリカン・ミュージック・ウィーク2005 in 洗足2005年9月/洗足学園・前田ホール演奏:指揮=松尾祐孝 尺八=三橋貴風 管弦楽=洗足学園フィルハーモニー私がライフワークの柱を主要邦楽器と管弦楽の協奏曲作品に定めた契機となった、前半生最重要作品です。藝大時代の同級生であり、尊敬すべき大音楽家・指揮者の大野和士氏との協力関係の中から実現した私にとって極めて重要な契機となったプロジェクトでした。尺八独奏が三管編成大オーケストラをPA(音響)無しで従えて、コンサートホールを歌舞伎座のような多彩な音空間にしながら、その微力を存分に響き渡らせる壮大な作品です。東京フィル定期での初演は客席で聴きましたが、海外演奏等では、付打ちパートをしばしば自分自身で担当しています。海外演奏旅行のエピソードも多々ありますので、後続の記事でお話していきましょう。東京フィル欧州公演ではライヴCDが、ドイツのバーデン州立歌劇場管弦楽団公演では収録CDが、それぞれ誕生しています。ドイツ盤はナクソス・ミュージック・ライブラリーでの視聴も出来るようになりました。各盤については後続の記事でご紹介していきましょう。さて、今回の写真は、私が最初に魅了された邦楽器=尺八に因んで、日本の象徴的風景=富士山をアップしましょう。 来たる3月16日に、この作品が久しぶりに演奏されます。管楽器と打楽器の部分を3台の電子オルガンで、打楽器パートと付け打ちはそのままという特別編成を、私自身が指揮をしての演奏です。洗足学園音楽大学の大学院スペシャルコンサートでの演奏です。 詳しくは後日にこのブログにアップしていきます。どうぞお楽しみ!

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  • 02 Feb
    • PHONOSPHEREシリーズ記事を再掲載〜第1作の東京フィル欧州楽旅から23年〜

      私の最大のライフワークである<PHONOSPHERE>シリーズについて、あらためて紹介していきましょう。PHONOSPHEREというタイトルは、”フォノスフェール”と呼んでください。音・声を意味する接頭語=PHONOと、空間・領域を意味する接尾語=SPHEREを組み合わせた造語で、”音空間”といった意味になるでしょうか。私としては”交響曲”に変わる言葉として、つまり”新時代の交響曲”といった意味を込めています。現在のところのラインナップは次の通りです。PHONOSPHERE Ⅰ ~尺八と管弦楽の為に(1993)PHONOSPHERE Ⅱ ~室内オーケストラと空間の為に(1996)PHONOSPHERE Ⅲ (2001)=連作共作「新世紀への讃歌」第1曲PHONOSPHERE Ⅳ-a ~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)PHONOSPHERE Ⅳ-b ~ギターと管弦楽の為に(2010)各曲についての紹介は、明日以降に順次アップしましょう。作品についてのお問い合わせは、メッセージ・メール等でお便りください。果たして何番まで書くことができるか判りませんが、このシリーズをこれからも書き続けていきたいと思っています。写真は、<PHONOSPHERE Ⅰ>が欧州初演されたポルトガルでのワンカット、ユーラシア大陸最西端=ロカ岬です。

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  • 09 Apr
    • <フォノスフェール第4番-b 〜ギターと管弦楽の為に>〜欧州初演はウクライナ〜

      金曜日の記事で初演と台湾での再演の模様を紹介した、今のところのフォノスフェール・シリーズ最新作、<フォノスフェール第4番-b ~ギターと管弦楽の為に>は、一昨年にヨーロッパ初演を行なうことができました。ギター独奏初演者でありこの作品の誕生から深く関っていただいたマグヌス・アンデション氏が、再演と録音を機会を求めて、氏の世界中の友人達のネットワークを駆使してリサーチをしていました。その結果、氏の友人のウクライナのチェリスト夫妻がウクライナのドネツクだ始る新しい現代音楽祭に、1夜の演奏会をコーディネイトしてくださいました。何と、<Donbas Modern Music Art 2014>という新たに創設される現代音楽祭のファイナル・コンサートに、私を指揮者として招聘していただくことになりました。コーディネイターのVadim Larchikov氏の提案で決定した <フォノスフェール第4番-bを含む>拙作2曲と氏の自作に北欧の作曲家の作品を組み合わせた全6曲という、しかも協奏曲作品が5曲という破格にナードなプログラムに、短期間の準備期間で取り組むことになりました。ウルトラ・ハードなプログラムにも関らず、リハーサルは4時間のセッションが3回という、極めて厳しい条件の中で、正に死力を尽くしての荒技の連続によるリハーサルとなりました。本番当日には、地元テレビ局からインタビューがあり、燕尾服をベストまでは着込んだ格好で、ロビーに出て取材に協力しました。インタビュアーの女性は英語ができず、私はウクライナ語もロシア語もできませんから、チェロ独奏者のOlga Veselina女史に通訳をお願いしての、インタビューとなりました。同様のインタビューは、開演前や休憩時間に行われた模様で、私の作品のギター独奏者=Magnus Anderssion氏も、下の写真のようにインタビューを受けたそうです。そして遂に演奏会本番の開演時刻を迎えました。こちらのご当地スタイルとして興味深かったことは、クラシック音楽の演奏会であっても1曲毎にアナウンスが入って、曲目や演奏者の紹介がセレモニーのように行われるところでした。この演奏会でも、音楽祭ダイレクター=Yevgeni Petrychenko氏が、挨拶と紹介を行なっていました。<Donbas Modern Music Art / Festival & Competition>=[DMMA・2013] ファイナル・コンサート[ Music of our time / Japan - Sweden/Finland - Ukraine ]*2013年5月17日 / ウクライナ・ドネツクフィルハーモニー協会 / セルゲイ・プロコフィエフ・ホール*プログラム:- Mirjam Tally / Winter Island (b) (c) *- Thomas Liljeholm / Merging (b) (c) ***- Masataka Matsuo / Phonosphere 4b (a) **- Vadim Larchikov / Gethsemane * - Masataka Matsuo / Eternal Livre (new version) (a) (c) **- Kalevi Aho / 2-cellos Concerto (b) (c) *(*** 世界初演 ** 欧州初演 *ウクライナ初演)*演奏:guit. / Magnus Anderssion (a)cello / Vadim Larchikov (b)  Olga Veselina (c) cond. / Masataka Matsuo orch. / Donetsk Academic Philharmonic Orchestra- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -本番の演奏は、ひとことで言えば、爆発的大成功でした。しかし、そこは現代音楽作品が6曲、しかも協奏曲が5曲も並ぶウルトラ・ハード・プログラム、正直に吐露すりならば、細かいミスはかなりましました。あるところでは、あるパートが1小節先行してしまったり、あるところでは別のパートが1小節遅れてしまったり、等々・・・しかし、その都度、私はできる限りのアイ・コンタクトと、大きめのタクトワークで指示と気を放射して、大事故に繋がる齟齬を回避して、総体的に作品像をダイナミックに彫琢していくことができました。楽員諸氏にも、その状況と音楽全体の感興をひしひしと感じ取っていただけた様子で、演奏が進行するにしたがって、難局を乗り切るにしたがって、集中度を増していくことになりました。その結果、1曲毎に大きな拍手喝采が聴衆から沸き起こり、独奏者も楽員達も大いに満足気な表情を浮かべていました。#3曲目=拙作<フォノスフェール第4番-b>の演奏直後#    ギター独奏者はMagnus Anderssion氏#Vadim Larchikov氏とOlga Veselina女史のご夫妻と共に#最後の気力を振り絞って望んだ最終演目、フィンランドの作曲家=アホの珍しい作品、<2チェロと管弦楽の為の協奏曲>の丁々発止のやり取りをリハーサル時を遥かに上回る凝縮度と燃焼度を持った演奏を実現して振り終えた瞬間の達成感は、私の音楽家人生の中で忘れられない1ページになるものでした。スタンディング・オべージョンになった客席の熱狂の中、何度もステージに呼び戻される中で楽員の間を歩くとき、楽員の多くから「Thank you maestoro !」と声をかけていただき、とても嬉しい思いが込み上げてきました。現代音楽の分野での国際交流&国際協働として、多くの一般聴衆に支持される演奏を実現できたこと、自分でもかなり納得のいく闊達な演奏を達成できたことに、大いなる歓びと満足を感じることができました。このような出会いと機会に感謝!しかし、この時は平和だったウクライナも、現在はロシアとの対立で緊張状態にあるようで、事態の推移が心配されます。くれぐれも平和裏に解決するよう、願ってやみません。そして、これからもPHONOSPHEREシリーズを書き続けて行きたいと考えています。

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  • 08 Apr
    • <フォノスフェール第4番-b 〜ギターと管弦楽の為に>〜初演と台湾での再演〜

      2011年夏に自作自演(指揮)により世界初演を果たしたシリーズ第4作のギター協奏曲ヴァージョンの紹介です。###PHONOSPHERE Ⅳ-b       ~ギターと管弦楽の為に(2010)###     マークアートフォーラム委嘱作品演奏時間:約16分初演:2011年7月31日/文京シビックホール 大ホール   日本作曲家協議会 《アジア音楽祭2011》   〘オーケストラコンサート~指揮者は作曲家〙演奏:指揮=松尾祐孝 ギター=Magnus Andersson管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団この初演の直後、2011年の12月には、ACL(アジア作曲家連盟)音楽祭2011台湾大会で、音楽祭ファイナル・コンサートにプログラミングされ、音楽祭最終曲目として演奏されました。更に2013年5月には、ウクライナのドネツクで開催された<Dumbs Modern Music Art 2013>音楽祭のファイナルコンサートに指揮者として招聘されて、ドネツク・アカデミック・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、この<PHONOSPHERE Ⅳ-b>を含む全6曲の現代音楽プログラムを演奏する機会を得ました。マークアートフォーラム委嘱作品として作曲した空間構造を内包したギター協奏曲です。委嘱元の意向に沿って、スウェーデン現代音楽界の重鎮である国際的ギタリスト=マグヌス・アンデション氏の独奏と、私自身の指揮によっての初演となりました。オーケストラのサイズは通常の二管編成ですが、弦楽器を左右二群に対称配置に分割して、その後ろに木管楽器群と金管楽器群を陣取り、ハープが二十絃箏の影のように舞台奥で振る舞い、打楽器を舞台下手(左)・舞台中央(奥)・舞台上手(右)に配して、それらが舞台最前列中央(指揮者横)のギター独奏を中心に音響の多重構造を生成していくという、正にphono(音)+sphere(空間)という曲になっています。2010年3月に初演した姉妹作品=<PHONOSPHERE Ⅳ-a>~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)と、管弦楽パートは全く同一のヴァージョン初演ですが、音楽の趣は、独奏楽器の性質が音響全体に波及した、かなり異なったものに聴こえます。アンデション氏の駆使する10絃ギターから奏でられる変幻自在の独奏パートと、上述のような多次元構造を持つ管弦楽パートの融合と対照から湧き上がる音楽と音響を、繊細に聴き分けて楽しんでいただけると嬉しい作品です。今日の写真は、数年前に南大東島で見てきた朝焼けのショットです。

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