松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

創造芸術は人間の根源的な表現欲求と知的好奇心の発露の最も崇高な形。音楽家・作曲家を目指す貴方、自分の信じる道(未知)を進んでいきましょう。芸術・音楽・文化と共に東日本大震災を乗り越えよう~頑張れ日本!〜がんばろうニッポン!

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国立劇場は、東京の都心、三宅坂の坂上に佇む、
日本の伝統芸能・音楽の殿堂です。
最高裁判所の並びに在って皇居のお堀に対面していて、
周囲は広々とした環境が拡がっているロケーションです。
伝統的な校倉造りの意匠を現代化したような
風格ある建物です。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-国立劇場のファサード

一般的には、歌舞伎・文楽・能楽といった
総合舞台芸術系の出し物の上演を定期的に
行なっていることで知られているかもしれませんが、
長きにわたって、現代音楽界と邦楽器奏者・邦楽界の
協創をプロデュースしてきたことも、
もっと広く知られて良い貴重且つ優れた業績だと思われます。
そのような活動の中から、数多くの現代作曲家による
邦楽器作品が誕生してきました。
ジョン・ケージのあの有名な [龍安寺] の
篳篥(ひちりき)ヴァージョンの誕生も、
この国立劇場ならではの成果でしょう。

私は、2001年に<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>を
実行委員長として制作総指揮した際に、
その<オープニング・コンサート>のプログラムに、
このケージの作品を盛り込みました。
そして、初演者でもある宮内庁楽部楽長=
東儀兼彦氏にご出演いただき、世界音楽祭の
日本開催の開幕に大きな花を添えていただきました。

1998年に、国立劇場の山川直治氏から
作品委嘱の打診をいただきました。
山川さんは、上述のプロジェクトの数々を制作してこられた
邦楽界に於ける現代音楽に造詣が深いキーパースンです。
まだまだ若手の私にとってこの上ない貴重な作品発表の機会
でしたから、勿論お引き受けして、作曲を始めました。

尚、山川直治氏は先日に逝去されました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

演奏会のテーマは、「打つ」で、太古の時代から現代に向けて、
「打つ」要素を主体とした楽曲を上演するという企画でした。
提示された委嘱作品への条件は、
1)16~17分程度の演奏時間が望ましい。
2)邦楽界の若手お二方(小鼓と大鼓)を起用したい。
3)そのお二方を含めて5重奏程度の楽器編成が望ましい。
というものでした。
基本的の五線譜をお読みにならない(普段は伝統芸能の世界で
ご活躍の邦楽奏者)との協演が可能な作品を
書かなくてはならないという難題を抱えた訳です。

結局、私はその小鼓と大鼓に加えて、打楽器奏者をもう一人、
そして弦楽器でありながら打つ要素を持つ楽器として、
三味線と十七絃箏を加えて、五重奏作品を構想しました。

メカニカルに絡む演奏は打楽器・三味線・十七絃箏に任せて、
小鼓と大鼓は、タイミングのみを記載した楽譜として、
委嘱の条件もクリアしながら、「打つ」という要素が、
聴覚からも視覚からも強調される音楽を実現したつもりです。

   #####<呼鼓悠遊>(ここゆうゆう)#####
     (1999年 国立劇場委嘱作品)

  演奏時間:約17分
  初演:<国立劇場4月公演「打つ」>
  1999年4月15日・16日 / 国立劇場 小劇場

   小鼓=藤舎呂英  大鼓=藤者円秀  打楽器=松倉利之 
   三味線=高田和子 十七絃=石垣清美

 楽譜&CD:「現代の日本音楽第19集 松尾祐孝」春秋社刊
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-春秋者出版楽譜表紙

尚、この作品は極めて特殊な性格のため
演奏機会がとても少ないのですが、
2014年9月の<松尾祐孝邦楽器作品個展>で
久しぶりに再演する機会を得ました。

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邦楽器作品の中の邦楽器協奏曲シリーズの
番外編にあたる作品の紹介です。

知人から<天風愛舞和庵>のタイトルをいただいて以来、
密に心に秘めていた構想がありました。
天・風・愛・舞・和・庵という
6文字の漢字のイメージに沿った
6つの部分から構成される作品、
できれば二胡とオーケストラの為の
協奏曲を作曲したいと考えていたのです。

その想いは、指揮者=大野和士氏と
東京フィルハーモニー交響楽団との協働プロジェクト
<アジア環太平洋作曲家シリーズ>の中で、
実現することになりました。
同シリーズ第1回の演奏会で、初演されたのです。

###胡琴協奏曲<天風愛舞和庵>###
        (1998)

東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品

演奏時間:約20分
楽器編成:2222/422/3perc.hp/strings

初演:1998年11月 文化村オーチャードホール(東京)
演奏:胡弓=許可(シュイ・クゥ)
   管弦楽=東京フィルハーモニー交響楽団
   指揮=沼尻竜典

モンゴルの草原で青空を見上げるような
澄み切った雰囲気の「天」で始まり、
やがて(二胡の演奏による)馬の鳴き声が聞こえ「風」がふき、
連綿と二胡独奏のミニ・カデンツァの断続が「愛」を語ります。
一転してリズミカルな「舞」の音楽が
二胡と同じ抱絃楽器の仲間である津軽三味線の
エッセンスを盛り込みながら興奮をかき立てていき、
遂には全てを包み込むようなクライマックスとなる
「和」に到達します。
その頂点が崩れ落ちるように収束した後、
「庵」によって、静寂の中を揺蕩うようなエンディングとなる、
そのような6部分から構成される協奏曲が結実しました。

その初演は、素晴らしく美しい演奏でした。
許可さんの時に大胆で時に繊細な独奏と、
色彩感豊かな東京フィルのサウンドが相俟って、
CD化されていない事がもったいない位の名演になりました。
2管フル編成で20分の演奏時間という大作になった為もあって、
なかなか再演の機会に恵まれないのですが、
私自身ももう一度聴いてみたい作品です。

尚、タイトルの「胡琴協奏曲」の「胡琴」という言葉は、
胡弓属楽器の正式な呼称ということです。
許可さんから伺いました。
通常の二胡(大小もあるようです)、
板胡(蛇皮の変わりに板を張った北方の楽器)
京胡(京劇の伴奏につかうタイプの胡弓)
等の総称ということです。
この作品では、演奏者が自由にこれらの楽器を持ち替えて
演奏してよいという設定にしてあります。
ヴァイオリン協奏曲としても演奏可能です。

写真は、久しぶりに香港の夜景にしました。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-香港の夜景2
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気鋭の三味線演奏家=西潟昭子氏が、
古典を基本としつつも、流派の垣根を越えて、
五線譜を読み現代作品にも取り組むことをモットーとする
個人経営アカデミーとして誕生した "現代邦楽研究所" は、
毎年度末に修了コンサートを開催しています。
(現在では洗足学園音楽大学の移管されて
その附属研究所の一つとなっています。)
そこでは、受講生が演奏するための新しい作品が委嘱され、
年度終盤の演奏授業で練習を重ねて、初演されてきた
という、意義深い伝統が存在していました。
この作品は、その1997年度の委嘱作品ということになります。

「初心者も多い受講生でも合奏を楽しめる練習曲を・・・」
という依頼でしたので、一曲目は、
とても素直な旋律を主体とした音楽にしました。
しかしそれだけでは物足りなくなった私は、
二曲目では変拍子も交えた複雑なリズムの音楽を書き、
三曲目ではミニマル音楽風の繰り返す音形が空間を漂うような
音楽を作り、全体としてはかなりのボリュームになりました。

まだ設立して間も無かった時期の現代邦楽研究所でしたから、
現代作品や複雑なリズムを未経験の受講生や
若手講師・助手も多く、練習の段階から物議をかもしました。
「なんでこんなことを書くんだ!」と食ってかかられたことも
ありましたが、次第に演奏がまとまっていくに従って、
徐々にそれらの声もトーンダウンして、
初演はまずまずの成功を収めました。
その後、この曲は同研究所のレパートリーとしてすっかり
定着して、数多くの再演を重ねていただいていますし、
同研究所の委嘱作品集CD(ALM RECORDS / ALCD-9028)
にも収録されています。

喧々諤々意見を戦わせた当時の若手講師・助手・受講生
たちの多くは、今ではすっかり独り立ちされて、
演奏家として、また同研究所の講師として、
立派に活躍されています。
また、そういった喧々諤々があったからこそ、
同研究所の若手の皆さんと仲良くお付き合いができるようにも
なり、以後の様々な場面で同研究所と協働を行なっています。

作品の基本情報は下記の通りですが、
演奏にあたっては、その場の条件に合わせて、
"曲数と曲順は自由に設定して良い" ということにしてあります。

タイトルは、「小交響曲」という意味の "SIMPHONIETTA" に、
"新しい音楽の楽譜に悦びが多い" という漢字をあてたものです。

#####<新譜音悦多>~邦楽合奏の為の練習曲#####
     (1998年 現代邦楽研究所委嘱作品)

素敵譜 Ⅰ ~ 旋律・しらべ ~
素敵譜 Ⅱ ~ 巣渓流津尾・すけるつお ~
素敵譜 Ⅲ ~ 綾・あや ~

    <SIMPHONIETTA>
      Step Ⅰ ~ Melodia
      Step Ⅱ ~ Scherzo
      Step Ⅲ ~ Fiber

  演奏時間:約11分 ( Ⅰ=4分 Ⅱ=3分 Ⅲ=4分 )
  初演:<現代邦楽研究所第期修了コンサート>
       1998年3月28日 / abc会館ホール

箏 Ⅰ    = 黒澤陽子 吉原佐知子 原田文代 木内恭子 
      郷 真理子 内田まどか 
箏 Ⅱ    = 大川海恵子 岡本と志子 堀口典偉 大野雅子
      水田聡子 塚田裕子 大坂智子
十七絃  = 森 由幾子 大竹和子 塚田とも子 小林千鶴子
三味線 Ⅰ = 上原潤一 谷尾範子 野澤徹也 
      熊谷美和子 北村佐智子
三味線 Ⅱ = 大森美樹 温井 亮 山本普乃 
      河野菊江 堀江美雪 
尺八   = 菅原久仁義 山口賢治 神 令

この作品も春秋社から刊行されている楽譜・CD
「現代の日本音楽第19集~松尾祐孝」に収録されています。
その他、現代邦楽研究所委嘱作品集CD
(ALM RECORDS / ALCD-9028)も発売中です。

写真は、現代邦楽研究所の一枚板に墨で揮毫された看板です。
実は、私が書いた作品でもあります。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-現代邦楽研究所の看板揮毫

尚、この作品には昨年に編成拡大ヴァージョンとして
<新譜音悦多2014>が誕生しています。
琵琶1名と打楽器2名が追加された9人編成になりました。

第6回邦楽定期演奏会表

###洗足学園音楽大学<第6回邦楽邦楽定期演奏会>###
~現代邦楽コース創設10年&現代邦楽研究所創立20年記念~
2014年11月1日(土) 14時30分開演 @ 洗足学園 前田ホール
     全自由席=1000円(未就学児入場可)
  コンサートガイド・予約 / www.senzoku-concert.jp

プログラム:
    三枝成彰 /「花の乱 邦楽器編」
    松尾祐孝 /「新譜音悦多~シンフォニエッタ 2014」
                 (新ヴァージョン初演)
    沢井忠夫 /「甦る五つの歌」
 山田流筝曲古典 /「松風」
    佐藤敏直 /「ディベルティメント」

主催:洗足学園音楽大学・大学院
後援:「音楽のまち・かわさき」推進協議会

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私の邦楽器作品の紹介を断続的に続けています。

1993年の東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会で
初演され、同年のリスボン・グルベンキアンで欧州初演、
更に1994年の東京フィル欧州演奏旅行にプログラミング
される等、<フォノスフェール第1番~尺八と管弦楽の為に>
で大きな話題と大成功を得ることができて依頼、
私の手掛ける作品の半数近くが、邦楽器を含むものに
シフトしていきました。

その先駆けとなった作品の一つが、この<七変化>です。
<美しの都~尺八とオルガンの為の幻想曲>(1991)と
<フォノスフェール第1番~尺八と管弦楽の為に>(1993)
と大作を手掛けてはいたものの、三味線や箏に対しては、
まだアプローチをしたことが無かった1995年当時の私でした。
新典音楽協会の坂田誠山氏から作曲の依頼をいただき、
撥弦楽器に初めて挑戦する機会を得て、
心を引き締めて作曲にあたりました。

この頃、私の頭の中には「十二音技法の応用の可能性」
というある種の命題が静かに巡っていました。
そこで、本来ならな五音音階を機軸とする伝統楽器には
相いれない音構造システムとも思われる十二音技法を
自由に活用した広い意味における変奏曲を
作曲することにしたのでした。

曲は、[一の変化]から[七の変化]に至る七段による
変奏曲の構成を経て、最後の[結]で全曲を閉じます。
技術的には相当な難曲となりましたが、
邦楽器の魅力と十二音技法に基づく音構造が、
上手くバランスした作品を誕生させることができたことに、
いささかの自負を持っています。

###<七変化>
      ~尺八、三絃、十三絃、十七絃の為に~###
       (1995年/新典音楽協会委嘱作品)

 演奏時間:約10分
 初演:1996年 新典音楽協会試演会
 再演:現代邦楽研究所によって数回

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邦楽器によって十二音構造を演奏することになる
この作品は、確かに(必然的に)難曲になりました。
最初に現代邦楽研究所のアンサンブルの授業に
教材として取り上げていただいた時は、
残念ながらカタチにならず断念となったそうです。
しかし、その後に同研究所のメンバーによって
何度か演奏されるようになっています。
今では、演奏不可能のレッテルは免れています。

そして、後年に作曲した<さらし五変化>は、
この<七変化>の構造に“さらし”の音型を組み合わせて、
規模をやや縮小させて(難曲度を多少緩和して)
作曲したものです。

これからも、邦楽器のための作品を
たくさん書いていきたいと考えている私です。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-舞殿
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この作品、<美しの都 Ⅲ>は、
このブログで何度も紹介してきた山口賢治氏のCD
「尺八の現在」に収録されている作品です。
楽譜は、私の作品集「現代の日本音楽第19集ー松尾祐孝」
(春秋社刊)に掲載されています。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-春秋者出版楽譜表紙

拙作<フォノスフェール第1番>(1993年)の世界初演、
更にはグルベンキアン管弦楽団での欧州初演、
そして、東京フィル欧州楽旅等で協創を重ねてきた
世界的尺八家=三橋貴風氏には、
その後も様々な作品の演奏でお世話になっています。

この作品は、その三橋さんのご紹介によって、
広島を拠点に精力的な活躍を展開されている女性箏演奏家=
北垣内秀響氏のリサイタルのために作曲したものです。
急な依頼で、作曲の時間的猶予が2ヶ月程しかなかったのですが、
何とか書き上げたことを今でも覚えています。

十七絃箏の低音楽器としての魅力を発散しつつ、
尺八との対比や融合が様々に展開しながら、
悠々とした音楽が進んでいきますが、
やがて終盤のクライマックスのスリルに到達する様は、
作品を超越して演奏家の丁々発止の魅力が全開となります。

数年前に、山口賢治氏のCDに収録されましたので、
録音もお聴きいただくことができるようになりました。

#####<美しの都>Ⅲ~尺八と十七絃の為に#####
      (1996年 北垣内秀響委嘱作品)

  演奏時間:約11分
  初演:<北垣内秀響 箏・十七絃リサイタル>
  1996年4月13日 / 広島県民文化センターホール
  尺八=三橋貴風 十七絃=北垣内秀響

  楽譜:「現代の日本音楽第19集ー松尾祐孝」(春秋社刊)

  CD:山口賢治「尺八の現在」
      尺八:山口賢治
      十七絃:野澤佐保子   
     【企画・制作】山口健治
     【録音・制作協力】洗足学園音楽大学
     【録音エンジニア】高木理央
     【ジャケットデザイン】黒部晃一
     企画制作:山口賢治 / YSEK001 / 定価3000円(税込)

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$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-山口賢治「尺八の現在」

<美しの都>のタイトルを関した作品は、
この第3弾以降には書いていませんが、
また何かの機会があれば、誕生する可能性もあります。

逞しく、繊細で、多様性と柔軟性にも富んだ、
すばらしい伝統楽器(邦楽器)が数多く存在する
日本の文化に感謝!!!
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私=松尾祐孝の邦楽器作品紹介を始めています。
今日の曲は、私のライフワークを決定づける
最重要作品となっているものです。

##PHONOSPHERE Ⅰ ~尺八と管弦楽の為に(1993)##
    東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品

演奏時間:約23分

初演:1993年9月/東急文化村オーチャードホール
   東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会
演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 

欧州初演:1993年10月/リスボン
     グルベンキアン管弦楽団定期演奏会
演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 付打ち=松尾祐孝

欧州演奏旅行:東京フィル欧州公演(1994年10月)
都市:リーズ、ノーザンプトン、ミドルスブラ、
   ニューキャッスル、グラスゴー、ロンドン、
演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 付打ち=松尾祐孝

ドイツ公演:1997年6月/バーデン州立歌劇場管弦楽団
      定期演奏会・特別演奏会
      (全3公演&レコーディング)
演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 付打ち=松尾祐孝

洗足学園音楽大学公演:
ラテンアメリカン・ミュージック・ウィーク2005 in 洗足
2005年9月/洗足学園・前田ホール
演奏:指揮=松尾祐孝 尺八=三橋貴風 
管弦楽=洗足学園フィルハーモニー


私がライフワークの柱を主要邦楽器と管弦楽の協奏曲作品に
定めた契機となった、前半生最重要作品です。
藝大時代の同級生であり、尊敬すべき大音楽家・指揮者の
大野和士氏との協力関係の中から実現したプロジェクトでした。

尺八独奏が三管編成大オーケストラを
PA(音響)無しで従えて、コンサートホールを
歌舞伎座のような多彩な音空間にしながら、
その微力を存分に響き渡らせる壮大な作品です。
東京フィル定期での初演は客席で聴きましたが、
海外演奏等では付打ちパートを
しばしば自分自身で担当しています。

東京フィル欧州公演ではライヴCDが、
ドイツのバーデン州立歌劇場管弦楽団公演では収録CDが、
それぞれ誕生しています。

PHONOSPHERE1東京フィルCD

PHONOSPHERE1独CD

ドイツ盤は、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで
ネット配信試聴をすることができます。
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私の邦楽器作品の紹介記事をアップを始めています。

私は若い時分にはJFC=日本作曲家協議会の企画にも
随分と関らせていただきました。
当時のJFCは、<合唱の祭典>を中心として
前衛的な作品のみならず様々なスタイルの作品が集う
イベントを打ち出していました。
その一環として<邦楽器の祭典>も
シリーズ化されていました。

1993年1月に開催された<第4回邦楽器の祭典>は、
日本音楽集団定期演奏会と連携した企画でした。
そこに出品した作品が、この<美しの都 Ⅱ >でした。

演奏会は、山本直純氏の軽妙な司会で楽しく進行する中、
十五人も作曲家の邦楽器作品が一挙に演奏される
壮観なイベントでした。

この曲の内容は、昨日の記事で紹介した
<美しの都>~尺八とオルガンの為の幻想曲(1991)の
モティーフを活用して、日本の尺八と鼓による小品に
仕立てたものです。

###<美しの都 Ⅱ >~日本の尺八と鼓の為に~###
    <JFC第4回邦楽器の祭典>出品作品

演奏時間:約8分
初演:1993年1月 / 津田ホール
   <JFC邦楽器の祭典=日本音楽集団定期演奏会>
演奏:尺八=三橋貴重・水川寿也 鼓=望月太喜之丞 

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$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-JFC第4回邦楽器の祭典

拙作の楽譜についてのお問い合わせは、
メール等でも直接ご連絡いただくか、
「マザーアース」社にお問い合わせください。
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昨日から、私の邦楽器作品を振り返っています。

スキー・フリークの私が20歳台の時代、
毎冬に数回ずつは訪ねていたのが、
長野県松本市の西に在る
乗鞍高原温泉スクー場でした。

私にスキーの魅力を教えてくれた友人K氏のお兄さんが
住みついておられた事もあって、
そのK氏と私の友人達が毎週のように示し合わせて
松本市を経由して乗鞍高原に上がっていったものでした。
夏場にも山歩きやテニス等で当地をしばしば訪ねて、
時には町(松本市)に降りて、遊ぶこともありました。
長野県は私にとっては言わば「第二の故郷」のような存在で、
その中心都市は松本市だったのです。

その松本市に、松本市音楽文化ホール
(愛称:ザ・ハーモニーホール)が1985年に竣工しました。
そして、1990年にはそこに素晴らしいオルガンが設置され、
更に全国でもおそらくは初のケースとなった専属オルガニスト
(身分は松本市教育文化振興財団の嘱託職員)として、
保田紀子さんが同年に着任されたのでした。

それ以前から、作曲家同人「深新會」の作品展で、
現代音楽に積極的に取り組まれている保田さんに
拙作を演奏していただく機会があった私は、
夏に信州は安曇野を訪ねていた時に、
町の喫茶店で偶然目にした新聞記事で、
保田さんの専属オルガニスト就任を知ったのでした。

それから程なく保田さんから連絡をいただいて、
そのザ・ハーモニーホールを拠点としての<オルガン新作展>
開催の構想を聞かせていただき、更には松本市在住の尺八家=
渡辺清堂氏と協演する作品の作曲を打診されたのでした。
そういった経緯から誕生した作品が、
この<美しの都>~尺八とオルガンの為の幻想曲~なのです。

###<美しの都>~尺八とオルガンの為の幻想曲~###
         (1991年/保田紀子委嘱作品)

  演奏時間:約15分

 初演:<保田紀子リサイタル~オルガン新作展>
 1991年10月 / 松本市音楽文化ホール
        (ザ・ハーミニーホール)
 尺八=渡辺清堂 オルガン=保田紀子

 CD:『響』ザ・ハーモニーホール松本~保田紀子
     RRO ALTE MUSICAE / PAMP-1015

###########################

この作品のタイトルは、松本市に因んだ
私の想像上の古代をイメージしたものです。
松本市とその周辺には、「渚」「波田」「島々」等といった
水辺に関るような地名が数多くあります。
ハーモニーホール自体もJR大糸線の「島内駅」傍に在ります。

そこで私は、古代にここに大きな湖があって、
人々が豊かな水と収穫に恵まれながら平和に暮らしていた
「美しの都」(ウツクシノミヤコと読みます)が
在りましたとさ・・・というようなイメージです。

曲の最後で、不思議な音響による巨大なディミニュエンド
が強烈な印象を発散します。
オルガン本体の加圧モーターをオフにした効果です。
初演の時、この大音響に驚いた幼児が
怖くなったのかシクシク泣き始めてしまい、
それがまた絶妙にホールに響いて、
何だかとても幻想的な空間になったことを
今でも鮮明に覚えています。

尚、保田紀子さんにはその後も度々お世話になっています。
2001年の<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>では、
<オープニング・コンサート>にご出演いただき、
近藤譲氏のオルガン独奏作品を演奏していただき、
日本現代音楽界の悲願であった世界音楽祭の開幕の1コマを
素晴らしい演奏で飾っていただきました。

この<美しの都>は、
地元の尺八家=渡辺清堂氏との協演作品ということもあって、
何度も松本の地で演奏していただいていて、
昨年のザ・ハーモニーホール<新春コンサート>にも
プログラミングしていただいたという訳です。

現代音楽作品を長年に渡って開拓し続けておられる
保田さんの活動に、深い敬意を表するものです。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ザ・ハーミニーホールのスカイライン

この写真はザ・ハーモニーホールのスカイラインをあしらった
CDジャケットの裏表紙です。
青空とのコントラストが清々しいデザインです。

 CD:『響』ザ・ハーモニーホール松本~保田紀子
     RRO ALTE MUSICAE / PAMP-1015
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9月から10月にかけて、私の邦楽器作品の
再演や初演が連続して予定されていることに因んで、
あらためて自作の邦楽器関連曲を振り返って
いきたいと考えました。
暫くの間、昼の記事シリーズとしてアップしていきます。
お時間の許す時のご覧ください。

富士山写真3

私が本格的に邦楽器のための作品の作曲に
取り組むようになったのは1991年からでしたが、
それ以前にも、和太鼓(祭太鼓/大胴)を使用した
オーケストラ作品を書いたことがありました。
今日は、その作品をご紹介しましょう。

私にとって初めての海外体験となった
ISCM-ACL1988年大会の終了後、その開催を記念した
"Impressions of Hong Kong コンクール" が行われました。
それに応募するために書き上げた作品が、
協奏交響曲<活気ある風景>(英題:Lively Scenes)でした。

<ISCM-ACL World Music Days '88 Hong Kong>
の開催終了後、その主催者から、
音楽祭に参加した世界中の作曲家を対象に、
”Impressions of Hong Kong" (香港の想い出)を題材として
管弦楽作品の募集があったのです。
第1位作品には、賞金が授与されると共に、
香港フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会で
世界初演されるという素晴らしい特典が付与される
ということで、私は一念発起して応募を決意したのでした。

私にとって海外初体験となった1988年の香港は、
超高層ビルが林立する西欧的近代性と、
その足元を行き交う木造二階建ての旧式車両による
トラム(路面電車)との対照、
そして、出店や屋台がひしめき合う裏路地に見る庶民の活気、
等々が・・・私の強烈な印象をもたらしてくれました。

そのような印象や想い出を込めて、
ティンパニ奏者が祭太鼓(日本のものでも中国のものでも可)
を叩く "プロローグ" で傲然と始まり、
"目まぐるしい風景" が
色彩的なオーケストレーションによって旋回する第1部、
"渾沌と決然" が対照される第2部、
そして "活気ある風景" が突き進む第3部=フィナーレ
という構成による単一楽章作品が誕生したのです。

そして幸運にも、この作品が第1位を受賞しました。
1988年のACL青年作曲賞第1位に続いて、
香港は私に幸運をもたらしてくれました。

#####協奏交響曲<活気ある風景>(1989)#####
LIVELY SCENES
Impressions of Hong Kong コンクール第1位受賞作品

演奏時間:約16分

世界初演:1991年4月/香港大会堂
香港フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会
演奏:指揮=尾高忠明  

日本初演:1998年3月/かつしかシンフォニーヒルズ
     日本現代音楽協会<現代の音楽展'98>第5夜
     ~オーケストラの夕べ~
演奏:指揮=小松一彦 管弦楽=東京交響楽団

NHK-FM収録:1998年7月
演奏:指揮=高関 健 管弦楽=東京フィルハーモニー交響楽団

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日本初演を指揮していただいた小松一彦氏は、
誠に残念なことに先年に鬼籍に入られてしまいました。
現代音楽界に大きく貢献された方でした。
ご冥福をお祈りいたします。

写真は、5年前に next mushroom promotion の皆さんと
香港を訪ねた時に撮った風景です。
西欧的近代性とアジア的渾沌の共存と対照です。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-香港の超高層ビル群

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-二階建てトラムの行き交う香港の大通り
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日本には、多種多様な伝統芸能・伝統音楽が
息づいています。それらを担う邦楽器たちが、
また実に多彩で力強い構成と普遍性を有しています。

藝大作曲科在学中には、
同じキャンパスに邦楽器専攻生が居たにもかかわらず、
あまり邦楽器に積極的に関らなかった私ですが、
1990年頃に、尺八作品の委嘱を受けて以来、
邦楽器の魅力にすっかり取り憑かれました。
以後の私は、約半数の作品が
邦楽器絡みになっている程です。

そんな私の邦楽器作品群の一部が、
楽譜&CDセット書籍の形で発売されていますので、
ここでご紹介しましょう。
定価6000円(+税)と少々値段がはりますが、
手に取って、見て、聴いていただければ幸いです。

これからも、日本の有する素晴らしい音楽資源である
邦楽器のための作品を、書き続けようと思っています。

###「現代の日本音楽第19集ー松尾祐孝 作品」###

作曲者:   松尾祐孝
監修・編集: 独立行政法人 日本藝術文化振興会
       国立劇場調査養成部調査資料課
発行所:   春秋社
装丁者:   本田 進
発行日: 2007年12月20日
CD音源:  国立劇場舞台技術部/コジマ録音/
       有限会社ナビ/
       ミュージック・フロム・ジャパン
英文翻訳:  スティーヴン・ネルソン/小川紀久子

楽譜掲載楽曲:
1)呼鼓悠遊  (1999年 国立劇場委嘱作品)
2)美しの都 Ⅲ ~尺八と十七絃の為に
              (1996年 北垣内秀響委嘱作品)
3)新譜音悦多~邦楽合奏の為の練習曲
          (1998年 現代邦楽研究所委嘱作品)
4)DISTRACTION Ⅴ
     for Shakuhachi and Twenty-string Koto
  (1998/2005年 メキシコ
   セルバンティノ国際芸術祭2005招待作品)
5)琵琶悠遊
  (2007年 ミュージック・フロム・ジャパン委嘱作品)

CD収録:
1)呼鼓悠遊
  小鼓=藤舎呂英  大鼓=藤者円秀  打楽器=松倉利之 
   三味線=高田和子 十七絃=石垣清美
   1999年4月15日 国立劇場小劇場 
2)新譜音悦多
  尺八=中村明一
  三味線 Ⅰ =山本普乃  三味線 Ⅱ =上原潤一
  箏 Ⅰ =石垣清美  箏 Ⅱ =野澤佐保子 
  十七絃箏=黒澤陽子
   2001年8月 調布グリーンホール
3)ディストラクション Ⅴ
   尺八=三橋貴風 二十絃箏=吉村七重
   2006年3月12日 みなとみらいホール 小ホール
4)琵琶悠遊
   琵琶=田原順子  笛=西川浩平  鼓=髙橋明邦
   2007年3月4日 マーキン・コンサート・ホール
           (米国/ニューヨーク)


$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-春秋者出版楽譜表紙


<美しの都 Ⅲ ~尺八と十七絃の為に>の録音が
収録されているCDはこちらです。

######山口賢治「尺八の現在」#####
  Kenji Yamaguchi, Shakuhachi Today

1)菅野由弘/楔形譜
2)松尾祐孝/美しの都 Ⅲ
3)森本恭正/かつてのアルカディア
4)下山一二三/雪渓第2番
5)山本和智/ /timber/ for Shakuhachi and 2 percussion
6)清水一徹/レスタウロ
7)稲森安太己/尺八独奏のための「禁じ手」

尺八:山口賢治

三味線:野澤徹也 箏:小林道恵 箏・十七絃:野澤佐保子
打楽器:篠田浩美 大家一将

山口健治『尺八の現在』
【企画・制作】山口健治
【録音・制作協力】洗足学園音楽大学
【録音エンジニア】高木理央
【ジャケットデザイン】黒部晃一

企画制作:山口賢治 / YSEK001 / 定価3000円(税込)

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7名の作曲家の作品を満載した濃い内容のCDです。
「邦楽ジャーナル」オンライン・ショップで購入できます。
http://hj-how.com/SHOP/2497

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-山口賢治「尺八の現在」

この作品集が出版された後も、
邦楽器作品を重要な柱として
作曲活動を展開している私です。
三年前の今日=2014年9月8日には
<松尾祐孝邦楽器作品個展>を開催しました。
その回想録を、明後日からアップしていきましょう。

個展プログラム冊子表紙
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