• 23 Nov
    • <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>回顧総括〜その4

      何とかISCM国際本部との開催契約に調印した日本現代音楽協会並びに実行委員会は、このテーマの前回の記事の1)~4)の事項や、JSCM日本現代音楽協会の持つ人材やノウハウを最大限に活用する方策を勘案しながら、次のような開催への指針を策定しました。❶ JSCM日本現代音楽協会の2001年度事業は、 ISCM日本初開催を核とした大音楽祭一本に絞り、 通常年の “現音・秋の音楽展” と “現代の音楽展” の内容を 合わせた複合音楽祭として開催する(複合音楽祭としての 開催は、過去のISCM開催にも前例がある)。❷ JSCM日本現代音楽協会の “童楽” のノウハウを活用して、 学童や一般市民も参加する特別プログラム <こどもみらい2001>を盛り込み、 ISCM音楽祭に新風を吹き込む。❸ 開催の前年度事業となる国際審査会は、 ISCM規約の変更を活用して、 また支出を最小限に抑えるためにも、 国際的知名度の高い日本人作曲家のみで構成する (これも過去のISCM開催の前例がある)。❹ 国際フェスティバル予算の獲得は断念して、文化庁には JSCM日本現代音楽協会が通常年に授受している 芸術創造基盤整備事業予算の拡大を働きかける。❺ 民間企業からの協賛に多くを望めない以上、 各種財団に可能な限り理解を求め、 助成を得るべく全力を尽くす。❻ 公演の大半を日本人演奏家に託し、 海外からの招聘は最小限に留める。❼ 低予算の中で大規模楽器編成公演を確保するために、 音楽大学等の教育機関との連携を図り、 教育的コラボレーションと位置付ける。❽ 開催地元の横浜市に最大限の協力を仰ぐ。特に、 <こどもみらい2001>への教育委員会からの協力と、 同時期に開催される横浜トリエンナーレ2001や 横浜ジャズ・プロムナードとの連携は重要。❾ サッカー・ワールドカップ決勝戦開催地横浜としての 機運にも連動して、拠点会場に隣接する商業施設 クイーンズスクエア横浜で、周辺イベントも開催し、 広く一般市民にもアピールする音楽祭とする。❿ 低予算で切り抜ける為にも、外注は極力避けて、 JSCM日本現代音楽協会の伝統の蓄積を最大限に 活用した手作りの大会とする。以上の指針に基づき、JSCM日本現代音楽協会は全力で開催準備を遂行していったのでした。そして1999年夏には開催日程骨子を策定して、秋のISCMルーマニア大会で国際募集要項を発表、2000年5~7月に国際審査会(審査員長:松平頼曉、審査員:一柳慧、近藤譲、野平一郎、篠原眞、湯浅譲二)を行ない、応募約500曲から50曲の入選作を決定しました。「新世紀」「横浜」・・・2001年に向けて・・・・・・・プログラム冊子のデザインから・・・・

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  • 21 Nov
    • <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>回顧総括〜その3

      開催拠点を横浜みなとみらいホールに定めることができたものの、まだまだ難問は山積していました。主な事項を箇条書きで列挙すると・・・1)仮に2001年のISCM音楽祭を開催したとしても、  JSCMに本現代音楽協会の本分として、会員の 作品発表の場は例年通り確保する必要があること。2)文化庁の国際フェスティバル予算枠に期待したいが、  それに該当するには、海外の有力演奏団体を招聘する  必要が有り、しかも申請しても採択の保証が無いこと。3)日本の経済状況から、民間企業からの  多額の協賛は見込めないこと。4)JSCMに本現代音楽協会の人材のみで、  果たして大規模な国際音楽祭を運営できるかどうか。といった具合でした。特に3)の点については、某財界政界有力者に協力を打診したものの言質を得られず、1999年春がISCM国際本部への回答期限となっていた立候補意志の確認に、開催辞退の返答寸前といった場面にさえ至りましたが、“ここで辞退したら、未来永劫日本開催は実現しない。経済低迷下の開催であれば多くは望まれないだろうから、逆に好機と考えて前進すべし!” という再決意の許に、何とか立候補意志を確認したのでした。下の写真は、ISCM国際本部と交わした開催契約書にサインをする松平頼曉委員長(現在の会長に相当)です。

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  • 20 Nov
    • <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>回顧総括〜その2

      ISCM(国際現代音楽協会)世界音楽祭の日本開催は、日本作曲界の長年の悲願であり、また日本の作曲家がこれまでにISCM世界音楽祭で受けてきた多大な恩恵に対する国際的な責務でもありました。ようやく20世紀中に開催したいという意向を三善晃委員長時代の最後の年にあたる1993年に表明したものの、その後の日本経済の低迷もあって開催への準備は一向に進みませんでした。佐藤敏直委員長時代には、偶然空きのあった2001年(新世紀開幕の年!)に承知予定が決まり、ACL(アジア作曲家連盟)日本支部でありISCM準会員でもあるJFC(日本作曲家協議会)との共催で、ISCM-ACL合同開催(過去に1988年香港大会に前例がある)を目指した時期もありましたが、結局は袂を分かつことになりました。これは些か残念ではあったのですが、当時の(現在まで続く)公共及び民間の支援体制下で単年度に結集しうる財源を鑑みれば、むしろ妥当な結論であったと納得することとなりました。その後も、開催拠点会場の選定さえままならず、ジリジリと時は経過しました。その後、松平頼曉委員長体制発足間もない1998年の4月のある日、サントリーホール総支配人新旧交代の挨拶を兼ねた音楽関係者の親睦会に日本現代音楽協会事務局長としてたまたま出席した私は、前総支配人として挨拶された渡壁煇氏のスピーチから、“氏が新しく会館する横浜みなとみらいホールの館長に就任される” ことを知った。“そこで開催するしか可能性が無い!” と直感した私は、図々しくもその場で渡壁氏に事情を説明して、近日中に改めてホールに伺う了承を取りつけました。そして5月には松平委員長と元ISCM本部役員の湯浅譲二氏とともに、横浜みなとみらいホールを訪問して、我々の目指す音楽祭の概要等を説明する機会を得て、渡壁氏から協力の言葉を得ることができたのでした。正式開館前の館内施設を一通り見学させていただきましたが、大小ホールをはじめ会議室からレセプションルームまで、音楽祭に必要な施設が完全に揃い、隣接してホテルやレストラン等の商業施設も有り、且つ絶好のロケーションにも恵まれているこのホールこそが、我々にとって最適であることを確信したのです。しかも、横浜であれば東京の演奏家や聴衆の動員も可能です。その日から、ISCM日本開催に向けて、一筋の光が射し始めたのでした。・・・みなとみらいホールのファサード・・・

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  • 19 Nov
    • <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>回顧総括〜その1

      10月6日から11月17日にかけて、<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>実行委員長回顧録を、継続的にアップしてきました。準備段階の困難を綴った話題や、全23に及ぶ本公演とその他の周辺イベントやパーティー等の個別の回想を、音楽祭開幕の2001年10月3日から約16年になる10月17日から、シリーズ記事としてアップしてきました。更に<フェアウェル・パーティー>の回想を11月18日にアップすることができました。皆様のご精読、誠にありがとうございました。ここであらためて、回想録の総括を述べておきたいと思います。昨今の政治経済や国際情勢の渾沌、更には東日本大地震・大津波や熊本大地震による災害からの復興や原発問題という財政的にも心理的にも負担の大きな事情を抱えるに至ってしましました。こういった日本の状況の中で、先端芸術の国際交流の灯を決して絶やしてはならないという私なりの思いから、またいつかもう一度、このような世界大会を日本で開催して、日本が創造芸術や文化交流にも貢献していかなくてはならないと考えて、これから数回にわたっての総括記事をアップしていこうというものです。尚、日本現代音楽協会が年1回のペースで発行している「NEW COMPOSER」という刊行物(書籍)がありますが、その「Vol.3」(2002年8月発行)が「ISCM世界音楽の日々2001横浜大会特集」となっています。その中に、私が書いた記事=実行委員長としての「実行報告・所感」も掲載されていますので、バックナンバー等でご覧いただければ幸いです。これから数日の記事は、その「実行報告・所感」の中の「所感」の部分に加筆修正しながら、書き進めていくつつもりです。下の写真は、「NEW COMPOSER Vol.3」の表紙です。発行所・問合せ/日本現代音楽協会(BOOKMARKからジャンプ可能)

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  • 18 Nov
    • 日本開催の成功に祝杯!〜フェアウェル・パーティー〜<ISCM世界音楽の日々2001>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ 番外編カクテル・パーティー(関係者専用招待企画)10月10日(水)21:00~ /パンパシフィックホテル横浜 バンケット・ルーム #########################<ファイナル・コンサート>が終了すると、国際本部役員、各支部・準会員代表、参加作曲家、実行委員会及び開催関係者、演奏者、音楽関係者が、演奏会場の横浜みなとみらいホールに隣接するパンパシフィックホテル横浜のバンケットルームに移動して、<フェアウェル・パーティー>に集いました。松尾祐孝(実行委員長)&山岸彩(通訳)の司会コンビもこれが最後のお務めとなりました。来賓各位にご挨拶をいただきましたが、中でもこの横浜開催に向けて始動することになった重要な契機をお互いに知る実行委員会副委員長=横浜みなとみらいホール館長=渡壁氏のご挨拶の後の乾杯は、正に万感胸に迫るものでした。開催最終日に<独奏作品展>も設定していた効果もあって、海外から参加された作曲家も最終日まで多数滞在していたので、パーティー会場は<オープニング・パーティー>にも増して、大いなる賑わいとなりました。多数の来客の中に、チェコの作曲家=イルジー・コレルト氏の顔も見えたので、勿論乾杯をしました。氏は外交官である夫人が在日チェコ大使館勤務期に、東京に滞在されていた方です。この音楽祭の後、私との間で両国の交流のプロジェクトを立ち上げることになり、2003年の<日本=チェコ交流2003>での東京・プラハ相互でのコンサートやレクチャーの開催や、2004年のチェスキー=クルムロフ夏期作曲コースへの招待作曲家としての参加といった形で実現していきました。宴も半ばとなり、要人の挨拶も一巡して、実行委員長や司会者としての責務も一段落した時の写真が、このカットです。実行委員会インスペクターとして、横浜泊まり込みでサポートをしていただいた佐藤昌弘氏と互いに労をねぎらい合いました。最後に、取って置きの想い出の瞬間を披露しましょう。ISCM会長=アーネ・メルネス氏が、ご挨拶の最後に松平会長と私の方に歩み寄られて、手を取って横浜大会の成功を祝福してくださったのです。思うがけない出来事で、本当に嬉しい瞬間でした。

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  • 17 Nov
    • 日本開催を象徴的に演出して閉幕〜ISCM横浜大会<ファイナル・コンサート>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.23《室内オーケストラ》東京現代音楽アンサンブル COMeT               “ファイナル・コンサート”10月10日(水)19:00開演/横浜みなとみらいホール 大ホール1) 篠原 眞(日本):尺八奏者のための「求道A」                    尺八=福田輝久 2) Jonathan HARVEY (イギリス):           虚無の輪(1997/日本初演)3) Paul STEENHUISEN(カナダ):   ブレッド~13管楽器とサウンドファイルズのための                 (1999/日本初演)4) 渡辺俊哉(日本):Echoing for chamber orchestra                 (2001/世界初演)5) John PALMER(日本):公案(1999/日本初演)              尺八=福田輝久  指揮=小鍛冶邦隆 2) ~ 5) 演奏=東京現代音楽アンサンブルCOMeT 2) ~ 5) 協力=エンソニックジャパンインコーポレイテッド 株式会社ローランド1) 国際審査員作品4) JSCM音楽祭出品作品2) 3) 5) 国際審査会入選作品#########################遂に<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>も最終日の最終公演になりました。どんなに企画運営が大変で練る暇もロクに無い程に忙しい実行委員会や大会事務局スタッフであっても、祭が終わりを迎えるとなると、一抹の寂しさご込み上げてきます。そのような気分の中で、この<ファイナル・コンサート>が始りました。この音楽祭のプログラム委員長でもありまたこの演奏会を託した演奏団体=COMeTの指揮者でもある小鍛冶邦隆氏にお願いをして、最終演目を、尺八独奏を含むイギリスの作曲家ジョン・パーマー氏の作品にしていただきました。そして、最初の演目に国際審査員作品として篠原眞氏の尺八独奏作品を配して、日本開催のファイナルとしての演出を図りました。照明を落とし目にして、福田輝久氏の吹き流しによる篠原眞作品が厳かに空間を満たして、演奏会は始りました。松平頼曉大会会長の閉幕挨拶を挟んで、COMeTの登場です。小鍛冶邦隆指揮&東京現代音楽アンサンブルCOMeTの演奏は、各作品を丁寧に彫琢していく見事なものでした。後日のISCMレポートでも、絶賛されました。上の写真が最終演目のジョン・パルマー作品のステージです。尺八の調べを交えた室内オーケストラ作品が幕を閉じた瞬間、この音楽祭も閉幕しました。日本開催を象徴的に演出した<ファイナル・コンサート>が、厳かに実現しました。全23公演、及び周辺イベントの回想録はこれで終了です。長期間にわたるご精読、ありがとうございました。番外編のフェアウェル・パーテフィーの模様と、総括の記事を明日以降に続けます。そして、このブログは、今後も多種多様な話題とともに、まだまだ続けていきますので、引き続きお訪ねください。

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  • 16 Nov
    • お国柄と音楽語法の百花繚乱〜ISCM横浜大会<独奏作品展>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.22《独奏作品展 Solo Pieces Exhibition 》10月10日(水)15:30開演/横浜みなとみらいホール 小ホール1) Vyacheslav KOUZNETOV(ベラルーシ):       リチュアリス~トロンボーン独奏のための                  (2000/世界初演)         トロンボーン=村田厚生2) Calrox LEVIN (ウルグアイ):       ピアノのための4部作(1999/日本初演)         ピアノ=赤城眞理3) Bart VANHECKE(ベルギー):世界の根(1998)         ピアノ=赤城眞理4) Christina Viola OOREBEEK(オランダ):       トレモロと振動~ピアノのためのトッカータ                  (1998/日本初演)         ピアノ=キム・キュンオク(韓国)5) Secoirese BODLEY(アイルランド):       郵便局への道(1999/日本初演)         ピアノ=キム・キュンオク(韓国)6) 陳永華(香港):ピアノのためのタイマー(1987)         ピアノ=キム・キュンオク(韓国)7) Karimella TSEPKOENKO (ウクライナ):       ソロ-ソリッシモ~ヴァイオリンのために                  (1999/日本初演)         ヴァイオリン=ユ・ウンヘイ(韓国)8) Menachem ZUR(イスラエル):       ヴァイオリン独奏のためのカデンツァ                  (1997/日本初演)         ヴァイオリン=ユ・ウンヘイ(韓国)          9) Ghenadie CIOBANU(モルドヴァ):       憂鬱な月の歌と踊りから(1995/日本初演)       クラリネット=クアン・ロッキャン(韓国)10) Rene HEMMER(ルクセンブルグ):       チェロのためのソリテール(1999/日本初演)         チェロ=岩永知樹 11) Nigel BUTTERLEY(オーストリア):       木から~チェロのための(1995/日本初演)         チェロ=岩永知樹           12) Mathias STEINAUER(スイス):       幻覚 または パヴァロッティの夢                  (1999/日本初演)         フルート=永井由比13) Lojze LEBIC(スロヴェニア):近くから 遠くから                  (1991/日本初演)         リコーダー=鈴木俊哉14) Rashid KALIMOULLIN(タタルスタン):       オーボエ独奏のためのファンタジー                  (1998/日本初演)         オーボエ=溝入由美子15) Dusan BOGDANOVIC(ユーゴスラヴィア):       レントとトッカータ(1972/日本初演)         ギター=金康太16) Francisco ZAPATA(ヴェネズエラ):       ギターのための変奏曲(1995/日本初演)         ギター=金康太17) Vytautas GERMANAVICIUS (リトアニア):     チューバ・ソロのためのEOS(1995/日本初演)         チューバ=松永 敦18) Ivan PARIK(スロヴァキア):       書簡-ピアノ小品5曲(1992)         ピアノ=松山 元19) 本間雅夫(日本):       ピアノのためのクロス・モード Ⅱ                 (2001/世界初演)         ピアノ=赤城眞理20) 朴仁鍋(韓国):   形象 Ⅳ~ヴァイオリン、クラリネットとピアノのために                      (日本初演)     [演奏] トリオ・ハーン(韓国)          ヴァイオリン=ユ・ウンヘイ         クラリネット=クアン・ロッキャン         ピアノ=キム・キュンオク1) ~ 18) 加盟支部・準会員提出独奏作品19) JSCM音楽祭出品作品 20) 演奏者推薦作品##########################国際審査会入選作品の枠を、予算規模や演奏会数に照らして、この音楽祭では50曲に設定していました。約50の加盟支部・準会員総数ですから、満遍なく演奏機会が行き渡るには、各国1曲ずつの選曲にしなくてはなりません。しかしそうは簡単に事は運びません。あくまで作品の水準を基準に審査を行なった国際審査会の結果は、必然的に、多数の入選作を出す支部も有れば全く選に漏れる支部も有るという状況を生み出しました。そこで、線に漏れた国の提出作品から、惜しくも入選は逃したものの高得点を挙げた7作品を「プログラム委員会調整作品」としてノミネートして、多数の入選作品が有る国の作品と入れ替えてプログラミングすることとしました。ところが、前年のルクセンブルグ大会のISCM総会に、翌年の開催国としてのプレゼンテーションを行なうために出席した際に、国際本部から、「積み残し支部・準会員を出さないように」と厳命が下されて、窮余の策としてこの独奏作品展を追加企画したのでした。文化庁等の翌年度事業申請の締めきり間際でギリギリのタイミングでしたが、何とか各方面との準備や調整が間に合って実現に漕ぎ着けたのです。また、そのルクセンブルグ大会の際に、韓国支部からトリオ・ハーンという演奏団体の起用推薦の申し出があり、この<独奏作品展>の演奏陣に加わっていただくことにしたのでした。翌年に開催される<FIFAワールドカップ日韓共催>の決勝戦開催地=横浜での国際音楽祭ですから、韓国の演奏団体の出演は大歓迎でした。このような経緯から、この演奏会にズラリと並んだ作品は、ISCM国際審査に漏れた作品もしくは新たに加盟支部・準会員から送られて来た作品という訳です。それ故、聴き応えに乏しい演奏会に終わったかと言えば・・全くさにあらず、素晴らしい盛り上がりを見せたのです。私は、ルクセンブルグでこの追加企画を立案した段階から、国際審査会選曲作品とはまた違った側面から、多くの国のお国柄をストレートに表出する作品も多数交えた、熱い演奏会になるのではないかと、密かに期待をしていました。それがその通りに実現したので、本当に嬉しいイベントでした。・・・村田厚生氏のトロンボーンの彷徨によって、              華々しく開幕しました・・・韓国から来日したトリオ・ハーンのメンバーには、独奏作品の演奏陣の中核を担っていただきました。・・ピアノ=キム・キュンオク氏(作曲家はボドレイ氏)・・・・ヴァイオリン=ユ・ウンヘイ氏(作曲家はズール氏)・・   国際会議ではいつもは強面のイスラエル代表も、      ステージでは満面の笑みでした。・・・クラリネット=クアン・ロッキャン氏・・・日本人演奏家も負けてはいません。様々な楽器をものして多士多才な演奏家が次々に登場して、各国・各作曲家の個性の饗宴を盛り上がっていきました。中でも、鈴木俊哉氏のリコーダーのパフォーマンスの強烈なパルスは、従来の私のリコーダー観を一変させてくれる驚異的なインパクトをもたらしてくれました。鈴木俊哉氏は横浜在住の音楽家です。<こどもみらい2001>のワークショップにも参画していただきました。オーボエの溝入由美子さんにも、横浜在住の音楽家として<オープニング・コンサート>での篳篥の演奏から始まり、多くの演目を支えてくださいました。下の写真の作曲家=カリムーリン氏は、この頃しばしば来日されていた親日家です。ギター作品も2曲並び、金康太氏に出演していただきました。下の写真の作曲家=サパタ・ベッロ氏は、横浜滞在中終始ご機嫌で、カクテル・パーティーでは、私がサーヴするシャンパンを何杯もおかわりしてご満悦でした。チューバ独奏作品も登場して、全20曲の連続演奏となったマラソンコンサートの終盤は更にカラフルになっていきました。・・・松永徹氏(作曲家はゲルマサヴィツィウス氏)・・・松山元氏の演奏によるパリク氏の作品の演奏で、全18曲の海外独奏作品の演奏が完了しました。更に開催国日本からの独奏曲を1曲という趣向で、<アンデパンダン展>か<ピアノ・フェスタ>に出品される予定の本間雅夫会員(先年惜しくも逝去されました)の作品をここにプログラミングして夫人でありピアニストである赤城眞理さんに演奏していただきました。赤城さんには他に海外2作品にも出演していただきました。そして、プログラム最後に、日韓交流を象徴して、朴仁鍋(パク・インホ)氏の作品をトリオ・ハーンが演奏して、このマラソンコンサート<独奏作品展>は幕を閉じたのでした。正に「お国柄と音楽語法の百花繚乱!」、民族性や現代音楽語法が多種多様に提示されて会場を一曲毎に雰囲気を変えていき、次に何が飛び出すかといった興味が緊張の糸を紡ぎつつ次第のヴォルテージを挙げて熱気ムンムン、“やってみて良かった”<独奏作品展>でした。遅延が心配されたこの演奏会でしたが、作曲家も演奏者も裏方スタッフも一致協力してスムーズに運び、ほぼ定刻で終演となり、大ホールに移動して、いよいよ<ファイナル・コンサート>を迎えます。

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  • 14 Nov
    • 最終日に突入〜ISCM横浜大会<室内楽Ⅴ>クァルテット・エクセルシオの奮闘!

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.21《室内楽 Ⅴ 》クァルテット・エクセルシオ           “サンシャイン・コンサート”10月10日(水)13:00開演/横浜みなとみらいホール 小ホール1) 山本裕之(日本):Eve(1997)2) Oscar CARMONA(チリ):弦楽四重奏曲(1998/2000)3) Juan CAMPOVERDE Q.(エクアドル):             トーラス(1998-2000/世界初演)4) 小栗克裕(日本):レスポンソリウム(1999/世界初演)5) Franz Martin OLBRISCH(ドイツ):          黒の1平方メートル(1999/日本初演) 弦楽四重奏=クァルテット・エクセルシオ 1) ~ 5) ピアノ=松山 元 3) 打楽器=和田光世 3)1) 3) 5) 国際審査会入選作品2) プログラム委員会調整作品4) JSCM音楽祭出品作品##########################<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の回想録も、遂に最終日(開催8日目=Final Climax)に入ります。約1ヶ月に及ぶ記事連載のご精読、どうもありがとうございます。最終日は、当初は2公演で計画を進めていましたが、以前の記事で経緯を紹介した通り、前年のルクセンブルグ大会のISCM総会で国際本部に選曲漏れ支部&準会員のリカバリーを要求されたことによる、<独奏作品展>を組み込んだため、3公演となりました。この《室内楽 Ⅴ 》と《独奏作品展》は、同じ小ホールでの連続開演にせざるをえませんでしたから、ゲネプロを前日から行なう等、相当に大変な実施になりました。それでも、演奏者にも柔軟にご協力をいただきながら、スタッフの周到な準備も功を奏して、当日はスムーズに進めることができました。この演奏会では、若手の弦楽四重奏団のニューカマーとして注目を集めていたクァルテット・エクセルシオが、弦楽四重奏作品4曲とピアノと打楽器と弦楽器による室内楽作品1曲の計5作品をじっくりと聴かせてくれました。・・・クァルテット・エクセルシオのステージ・・・振り返って、この音楽祭の演奏を支えていただいた演奏団体(◉印=国内団体 ◎印=海外団体 ♫=教育的協働)の充実は、目覚ましいものでした。海外からの参加者の多くから、日本の演奏水準の高さを称賛する言葉をいただきました。後日のISCMのレポートにも、「ヨーロッパ中から演奏者や演奏団体が終結した前回のルクセンブルグ大会と変わらない演奏水準であった」という報告が明記されました。第1日=Opening Day◉アンサンブル・ノマド◉♫洗足学園シンフォニック・ウィンドオーケストラ第2日=Japan Day◉アンサンブル・ダー厶第3日=Electronic Day◉東京フィルハーモニー交響楽団第4日=Future Day◉アール・レスピラン第5日=Children's Day◉溝入敬三とその仲間たち(コンロラバス)◉三橋貴風とその仲間たち(邦楽器)第6日=Workshop Day◉フォノスフェール・ミュージカル・ストリング・アンサンブル◎バートン・ワークショップ(オランダ)第7日=Festa Day◉♫桐朋学園オーケストラ第8日=Final Climax◉クァルテット・エクセルシオ◎トリオ・ハーン(韓国)◉東京現代音楽アンサンブル=COMeT演奏団体とここに記載できなかった多くの個人出演者の皆様に、あらためて感謝の意を表したいと思います。

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  • 13 Nov
    • 桐朋学園オーケストラが大活躍〜ISCM横浜大会<オーケストラ Ⅱ >

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.20《オーケストラ Ⅱ 》 桐朋学園オーケストラ “イヴニング・コンサート”10月9日(火)19:00開演/横浜みなとみらいホール 大ホール 1) Milko KELEMEN(クロアチア):        デリケート・クラスターズ(1998/日本初演)2) 小林 聡(日本):   ハープとオーケストラのための「クリスタリゼーション」                    (1997/世界初演)3) Gilles TREMBLAY(カナダ):横断(日本初演)4) 権代敦彦(日本):   FATHER FORGIVE ~The Litany of Reconciliation~                 +IN PARADIUM(1998)演奏:指揮=山下一史 管弦楽=桐朋学園オーケストラ   2) hp.:篠崎史子  3) fl.:田中隆英    4) nar.:オーレン田辺1) 3) 4) 国際審査会入選作品2) JSCM音楽祭出品作品#############################<オープニング・コンサート>における“洗足学園シンフォニック・ウィンドオーケストラ”の出演と並んで、この“桐朋学園オーケストラ”の出演は、教育的コラボレーションとして意義の深いものでした。この音楽祭にオーケストラ公演をいくつ組み込むことができるかという事は、非常に悩んだポイントでした。できることならば、プロ・オーケストラによる演奏会を3つくらいは実現したかったのすが、予算・財源の見通しに照らして考えると、フル・オーケストラ公演は2つが限界という判断に至り、そのうちの一つを、桐朋学園オーケストラに担っていただくことになったのでした。大学を挙げてご協力をいただき、授業の一環としてリハーサルを積み上げた末に、作曲家を交えたリハーサルとゲネプロそして本番と進行して、海外から参加された出品作曲家にも満足を得ることができた、立派な公演が実現しました。・・・山下一史指揮・桐朋学園オーケストラ              (ケレメン作品)・・・・・・小林作品のステージ・・・・・・トランブレー作品のステージ・・・・・・権代作品のステージ・・・これで、全8日間開催の7日目=Festa Day を終了しました。いよいよ残るは最終日=Fainal Climax のみとなりました。明日以降の記事に続きます。

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  • 12 Nov
    • エレクトーンも世界に羽ばたく〜ISCM横浜大会<エレクトーン・フェスタ>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.19《エレクトーン・フェスタ》10月9日(火)16:00開演/横浜みなとみらいホール 小ホール ◉プレトーク(15:45~)テーマ:エレクトーンのための“新作品”の意味合い[出演]  浜田隆樹(エレクトーンシティ渋谷 音楽スタッフ)    松尾祐孝(WMD2001横浜大会実行委員長)[司会]  夏田昌和(作曲家)◉コンサート 使用楽器:YAMAHA ELX-1m, ELX, EL-900m1) Richard GRAYSON(アメリカ):     リフレクション ELX-1のための (2001/世界初演) [演奏] リチャード・グレイソン(エレクトーン)  2) 楠 知子(日本):モード変換するFugue(2001/日本初演) [演奏] 橘 光一(エレクトーン)  3) 盧 厚敏(香港):消えていく色(2001/世界初演) [演奏] 柴田 薫(エレクトーン)  4) Peter HOCH(ドイツ):     秋「葉の音楽が我々の上に落ちてくる」から4作品                      (1992-93) [演奏] 新田佳世(エレクトーン)          ペーター・ホッホ(ナレーション)          佑実聖子(ナレーション)5) 潘 皇龍(台湾):因果(チェアン・ツー:巨木)                   (2001/世界初演) [演奏] 湯 詩婷(エレクトーン)           林 玉卿(ソプラノ)          王 少伊(打楽器) 6) 林 俊希(韓国):サルブリ-エレクトリ          ~韓国伝統舞踊とエレクトーンのための                   (2001/世界初演) [演奏] 厳 眞瓊(編曲・エレクトーン)          林 珥調(舞踊)          張 一勝(打楽器)  7) 夏田昌和(日本):     Gamelaphony ~2台のエレクトーンのための~                       (1998) [演奏] 梅津幸子(エレクトーン)           内海源太(エレクトーン)  協賛:マークアートフォーラム協力:全日本電子楽器教育研究会1) 3) 4) 5) 6) 7) 協賛者推薦作品2) JSCM音楽祭出品作品#############################この<WMD2001横浜大会>の準備段階に、YAMAHA(ヤマハ株式会社)から、嬉しいオファーをいただきました。現代音楽の世界大会の中で、エレクトーンをフィーチャーした公演を持ちたいということでした。ISCM国際審査の要項は既にリリースした後だったので、実行委員会としては、協賛公演という形での実現を目指しました。YAMAHAが、作品委嘱等で協力関係にある海外作曲家の作品や内外の演奏家俊英による華麗なプログラムを策定していただき、現音展としての出品枠も設定していただき、上記の通りのプログラムが実現しました。開演前の短い時間でしたが、この楽器のための新しい作品の誕生を喚起するプレトークも行ないました。それまでの私はエレクトーンとは殆ど無縁でしたが、この<WMD2001>を契機として、以後この世界にも積極的に関与していくようになりました。・・・プレトークの模様・・・YAMAHAに招集していただいた作曲家・作品は、米欧亜及び日本の6作曲家となりました。自作自演、映像を付帯した作品、ナレーションを伴う作品、舞踊との協創作品等、バラエティーに富んだステージが続き、聴衆の耳と目を釘付けにしました。・・・グレイソン氏の自作自演ステージ・・・・・・ホッホ作品のステージ・・・特に、リム・ジュンヒー作品の韓国伝統舞踊を伴うステージのインパクトは一際強烈で、アジアでの開催や<FIFAワールドカップ2002日韓共催>前年度文化イベントといった側面を印象づけることにもなりました。・・・リム作品のアジアのパワーに溢れたステージ・・・日本のテクノロジーと世界の作曲家の交流と触発、そしてアジアの作曲家のパワーの可能性を感じさせてくれた、日本開催ならではの演奏会となりました。

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  • 11 Nov
    • ティー・セレモニーと寿司パーティーで日本情緒を満喫!〜ISCM横浜大会

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ 番外編ティー・セレモニー&寿司パーティー(関係者専用招待企画)10月9日(火)11:00~    /横浜みなとみらいホール レセプション・ルーム ############################ISCM総会の最終セッションが終わり、思い掛けない記念撮影も終わった頃から、寿司パーティーとお茶会を行ないました。ISCM音楽祭のような長期にわたる大音楽祭では、会期中に一度位は、開催地近郊の観光地に出向くような“エクスカーション”が組まれることが多いものです。私も、この横浜大会の中で、例えば「鎌倉」に繰り出すとか、せめて横浜市内の「三渓園」でお茶会を行なうとか、何らかの可能性を検討したのですが、予算と日程がともにタイトであったことから残念ではありましたがそれらは断念しました。それでも、せめてもの日本的な情緒のひとときを設定すべく、「ティー・セレモニー&寿司パーティー」を行ないました。ティー・セレモニー(お茶会)は、横浜コンベンションビューローの協力を得て、市民ボランティアの茶道家にお点前を披露していただきました。海外からの参加者には大変な好評を博して、覗き込むように熱心に所作を観察する方、何杯も飲もうと再度列に並ぶ方など、思い思いに楽しんでいる光景は、実に微笑ましいものでした。さて、下の写真は、寿司パーティーで語らう、ポルトガル支部(Miso Music)代表のMiguel & Paula Azguime夫妻との語らいの光景です。左がミゲルさん、手前の赤い服がパウラさん、中央が私です。この時から、両国の協働プロジェクトが具体的に始動して、後年の度々の相互交流に発展していったのです。様々な出会いがまた次の交流やイベントを生んで行く、創造的な連鎖反応は、こういった国際交流の醍醐味の一つでもあります。横浜に集結していただいた皆さん、本当にありがとうございました。

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  • 10 Nov
    • ISCM(国際現代音楽協会)総会も和気あいあい〜祝福された横浜開催〜

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ 特別編ISCM総会(国際会議/関係者専用)/          横浜みなとみらいホール6階会議室Session 1 / 10月4日(木)09:15~13:45Session 2 / 10月5日(金)09:15~12:30Session 3 / 10月6日(土)09:15~11:15Session 4 / 10月7日(日)09:15~11:15Session 5 / 10月9日(火)10:00~13:00Session 6 / 10月10日(水)09:15~12:15(実際にはSession 5 で終了。Session 6は、開催せず。) ###########################ISCM音楽祭では、音楽祭としての側面と共に、国際組織としての年次総会も同時に開催されます。この横浜大会でも上記の通りの日程で、6セッションにわたる会議を準備しました。ISCM総会には、結構議題はあるものなのです。新規加盟国(支部・準会員)の承認、本部役員の選挙、加盟支部の年会費に関する条件の改訂、音楽祭の開催国の立候補と選考、ISCM規約や音楽祭開催についての内規の改廃、その他、関連事項の討議・・・等々です。この年の本部役員体制は次の通りでした。##### 2001年度ISCM本部役員 ######President : Arne MELLNÄS (Sweden)Vice President : John DAVIS (Australia)Executive Committee Member :      Peter TORNQUIST (Norway)    Adina IZARRA (Venezuela)    Wing-Wah CHAN (China-Hong Kong)Secretary General :     Henk HEUVELMANS (The Netherlands)Treasure : Lars GRAUGAARD (Denmark)Leagal Counsel : Dr. Franz ECKERT (Austria)・・・総会の本部役員席の様子・・・左から、事務局長=HEUVELMANS氏、    会長=MELLNÄS氏、    法律顧問=ECKERT博士    役員=CHAN氏####################### ISCM総会は基本的には非常に紳士的な雰囲気で議事が進行します。それでも時には、その年の開催の体制不十分を追求される場面や、小国の代表が自国の作品が演奏されないことを強く抗議したりする場面もあったりするのですが、この2001年の総会は実に和やかでした。(勿論、真剣な討議に白熱したことはありましたが。)とにかく、全加盟支部・準会員(提出のなかった国は除く)がプログラムに網羅されていたこと、拠点会場=横浜みなとみらいホールの素晴らしさ、それに隣接するオフィシャルホテルや近隣商業施設の利便性、ホテルの居住性の抜群の快適性、等の好条件と、連日繰り広げられた多くの日本人演奏家の素晴らしい演奏と、現代音楽祭としては非常に活況を呈した音楽祭各公演の会場の雰囲気等が相俟って、参加者の心は自然に大らかになったのだと思います。・・・和やかだった総会の様子・・・結局、Session 5 で予定された議題は全て消化して、最終の Session 6 はキャンセルとなりました。実行委員長として現場の切り盛りに終始していた私は、総会には殆ど顔を出せないスケジュールでしたので、総会の対応は松平頼曉大会会長と篠原眞顧問にお願いしました。私は結果的に最終セッションになった10月9日に漸くじっくり出席できたのですが、その席上で、本部役員から、我々主催者に対して、横浜開催の素晴らしいホスピタリティーへの感謝の言葉を受けるという一幕もありました。ありがたい瞬間でした。そして更に思い掛けない光景が展開されました。そのセッションが終了した後、本部役員と支部・準会員の代表が自発的に集合写真を撮ろうということになり、会議室近くの屋上庭園に集まって、暫し記念撮影会となったのです。何度かのISCM音楽祭に参加したことの有る私ですが、このような出来事は後にも先にも記憶になりません。「日本初開催を実現できて良かった!」と改めて想いを噛みしめながら胸が熱くなりました。下の写真はその時のワンショットです。

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  • 09 Nov
    • 海外演奏団体も招聘〜ISCM横浜大会<室内楽Ⅳ>バートン・ワークショップ

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.18《室内楽Ⅳ》バートン・ワークショップ               “イヴニング・コンサート”10月8日(月)19:00開演/横浜みなとみらいホール 大ホール1) Frank DENYER(イギリス):          THE HANGED FIDDLE (1972-73)  2) Martin MAREK(チェコ): 沈黙の声(2000/日本初演)3) Michael EDLUND(スウェーデン):       ヴィオリン・ソロのための(1997-99)   vn.=マッツ・セッテルクヴィスト4) 福士則夫(日本):春霖(1999-2001/改訂初演)5) James FULKERSON(アメリカ/オランダ):          Three Pieces(1999-200/日本初演)6) 南 聡(日本):帯/一体何を思いついた?(1998)7) Ricardo NILLNI(アルゼンチン):          組曲「TWIST」(1999/世界初演)演奏:バートン・ワークショップ 1) 2) 4) 5) 6) 7)  vn.=マッツ・セッテルクヴィスト 3)   (出品作曲家の氏名による特別出演)1) 4) 演奏者推薦作品2) 3) 7) プログラム委員会調整作品5) JSCM音楽祭出品作品6) 国際審査会入選作品############################ISCMの世界音楽祭という国際イベントとして、海外演奏団体の参加も是非実現したい要素でした。しかし、現実問題としては渡航費や滞在費も含めて招聘経費を全て主催者側が負担しながらの実現は、非常に難しい財源状況でした。そのような中で、ISCM国際本部の拠点=ガウディアムスのあるオランダから現代音楽アンサンブルを送り込んでくださるという、大変ありがたい国際交流協力の申し出がありました。それが、この<バートン・ワークショップ>でした。アメリカ出身の作曲家・トロンボーン奏者=ジェームズ・フルカーソン氏によって1989年に設立され、アムステルダムを拠点として活動を展開している現代音楽室内アンサンブルです。演奏は、非常にヴィヴィッドな感覚に溢れたもので、定期的に「ワークショップ研究」を行なって切磋琢磨しているこのアンサンブルの一体感が有効に作用した演奏を全ての作品で聴くことができました。・・・バートン・ワークショップのステージ・・・・・・福士則夫作品に拍手!・・・・・・南聡作品に拍手・・・この団体の来日を得たことによって、<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の国際現代音楽祭としての体裁は更に向上しました。バートン・ワークショップとオランダ当局の協力に、心より感謝した次第です。終演後には、実行委員長執務室を兼ねたホテルの居室を会場として、プライベートな懇親会を催して、強行日程で翌日直ちに帰国する演奏者の労をねぎらうと共に、演奏家と作曲家と実行委員会関係者との交流のひとときを持ちました。こういった事が自在にできたことは、拠点会場とホテルが隣接しているという絶好のロケーションの賜でした。「横浜みなとみらい」の地で開催できたことは、当時の唯一の可能性であったこととこもに、本当にありがたいことだったのです。

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  • 07 Nov
    • クイーンズ・スクエアで周辺イベントも展開〜街に繰り出す現代音楽〜WMD2001

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ 番外編周辺イベント(グイーンズ・スクエアで実施)10月6日(土) 12:00~17:3010月7日(日) 11:00~17:0010月8日(月祝)11:00~18:00この時間帯に下記のパフォーマンスを断続的に展開◉世界各国からの新しいファンファーレManuel Sosa [ベネズエラ]:QuodlibetEduardo Caceres [チリ]:CHILEAN SUSHI (fanfarria)Francois Bousch [フランス]:Soleil LevantA.W.Khurnado [南アフリカ]:fanfare for brassKaare D. Husby [ノルウェー]:Fit a phei Siwa re'heyznByung-Dong Park [韓国]:         Fanfare for ISCM 2001 in YokohamaLuc Roilinger [ルクセンブルグ]:Fanfare for 21th CenturyGintoras Sodeika [リトアニア]:Logo-NGC 6712 CygnusVladimir Hovat [スロヴェニア]:        Fanfare for Two Trumpet and TromboneTerry Marn [イギリス]:FanfaronadoJean-Luc Darbellay [スイス]:YOBULiviu Danceanu [ルーマニア]:Tschycardie TachycardieVladimir Levitti [イスラエル]:FanfareCelso Majola [ブラジル]:Fanfare for a new centuryAndre Laporte [ベルギー]:A Belgian Carillon for Japan藤井喬梓 [日本]:Fanfare 'Call to the Unknowable'トランペット:上田 仁 佐藤友紀 山本英司トロンボーン:加藤直明 大馬直人 有馬祐介コーディネイト:曽我部清典◉“こどもみらい2001”参加ワークショップ    によるパフォーマンス♪♪ 音のかけら ♪♪♪♪ ザ・ボディパーカション ♪♪♪♪ TAKE THE 竹 ♪♪◉チャンチキトルネエド(9月6日の記事参照)#########################“こどもみらい2001” の会期は週末連休に相当しました。その3日間には、横浜みなとみらいホールを会場とした厳粛な現代音楽演奏会や教育プログラムの他に、隣接する商業施設=クイーンズ・スクエアに繰り出して、一般行楽客にもプレゼンテーションを行ないました。◉世界各国からの新しいファンファーレ・・・この催しは、FIFAワールドカップ2002日韓共催の決勝戦開催地に横浜が決まったことに連系して、ISCM加盟各国からの新しいファンファーレを募集して、それをお披露目しようというものでした。広い吹き抜けの空間に、新鮮なファンファーレの数々が清々しく鳴り響いたのでした。こういった周辺イベントの企画も、私=実行委員長が、関係各方面と協議を重ねて策定してきたものでした。気鋭のトランペット奏者=曽我部清典さんにはこの催しのコーディネイトで大変お世話になりました。◉“こどもみらい2001”参加ワークショップによる パフォーマンスこれは、本会場内での成果発表の一部を広く一般行楽客にも公開するイベントでした。大いに盛り上がりました。◉チャンチキトルネエドこの音楽祭の広告塔として起用した現代音楽チンドンバンドが、練り歩きやステージ演奏を断続的に展開して、正に街に繰り出す現代音楽パフォーマンスを楽しく実現してくれました。周辺イベントの拠点となったクイーンズ・サークル

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  • 06 Nov
    • 世界の作曲家達も邦楽器で音楽づくり〜ISCM横浜大会<こどもみらい2001コンサート>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.17《“こどもみらい2001” コンサート2》10月8日(月)16:00開演/ 横浜みなとみらいホール 小ホール<こどもみらい2001>としての3日目のイベントです。(<こどもみらい2001>の概要説明については、 9月18日の記事をご覧ください。)コンサートの開演前に、隣接するレセプションルームを活用して実施されたワークショップを見学するという趣向を、ここでも採用して、開場しました。1) 音のかけら [ワークショップリーダー] 金澤健一(美術家) 永田佐知子(打楽器奏者) [アシスタント]  新倉美佳(音のかけら事務局) 参加者=横浜市立浦島小学校     一般公募による参加者(小学校4年生~一般)そして、小ホールのステージに注目を移して、コンサート本体が開演しました。2) 作曲家のための邦楽器ワークショップ [ワークショップリーダー/原案]  坪能由紀子 パフォーマー= 西潟昭子(三味線)<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>参加の作曲家たち3) ~SEA~ 邦楽器パワー [ワークショップリーダー/原案] 吉原佐知子(箏) 山本普乃(三味線) 松本京子(箏) パフォーマー=横浜市立吉田小学校ことクラブ4) 7人の邦楽器奏者による創作ワークショップ~7つの海~ パフォーマー=  大竹和子・黒沢陽子・松本京子・吉原佐知子(箏)  上原潤一・山本普乃(三味線)  山口賢治(尺八)5) デフィスカバリング ア ニュー ミュージック [ワークショップリーダー/原案]  ジョン・クーニー(作曲家/イギリス) パフォーマー=瀬尾宗利(クラリネット)         宮崎桃子(ヴァイオリン)        野澤佐保子(箏) 上原潤一(三味線)        東横学園小学校6) TAKE THE 竹 [ワークショップリーダー/原案] 牧野淳子(関西音楽教育研究会代表) パフォーマー=山口賢治(尺八)       一般公募による参加者(小学校4年生~一般) [楽器作り協力] 中本 崇 渡邊基子          亀岡市国際センタースタッフこれらのステージも、全日のコンサートに続いてそれぞれに独自の創意工夫に満ちあふれていて、とても楽しい時間を多くの参加者の皆さんと共有することができて、とても有意義でした。事前のワークショップからの積み重ねが十全の効果を発揮していて、一般の(音楽家ではない)参加者がプロの音楽家と一緒に演奏するという触発を得ながら、自主性を持ちながら、音楽ステージを創っていくとう、新しい音楽教育プログラム像が、しっかりと浮かび上がっていました。中でもとりわけ画期的な出来事がありました。“作曲家のための邦楽器ワークショップ”です。このステージは、<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>に、加盟支部・準会員の会議代表や作品が演奏される海外作曲家を対象として、参加者をレジストレーション・オフィスで募集したところ、多数の参加者が集まって実現したのです。午前中に事前ワークショップを行ない、普段はISCM総会(国際会議)で強面の発言を繰り出している某作曲家も童心に還ったように箏に触れながら、ああでもないこうでもないと喧々諤々意見を交換しながら、音楽づくりを展開していったのです。結果としては、3グループに分かれて集団即興創作を行ない、それを連続演奏に繋いで一つのパフォーマンスにまとめた本番になりました。ISCMの歴史上、参加作曲家によるこのようなワークショップの実現は、初めての快挙であると思われます。実行委員長として、ひょとしたらの思いつきで提案したこのワークショップを見事なカタチで実現してくださった坪能由紀子氏や西潟昭子氏に、厚く御礼申し上げます。このような3日間にわたる<こどもみらい2001>の経験は、私自身にも大きな変革をもたらしました。この音楽祭以後、私もこの教育プログラムの世界に積極的に参画するようになっていったのです。このブログの記事で折々に紹介している「音楽づくり」ワークショップの話題も、こういった経緯から始った活動であるのです。今や、学習指導要領の小学校音楽教科に明記されるに至った「音楽づくり」を、皆さんも何らかの機会の楽しんでみてください。きっと、新しい発見がありますよ!

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  • 05 Nov
    • 実行委員長自らタクトを執って〜ISCM横浜大会<弦楽オーケストラ>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.16《弦楽オーケストラ》フォノスフェール・ミュージカル・ストリング・アンサンブル               “サンシャイン・コンサート”10月8日(月)13:00開演/横浜みなとみらいホール 大ホール1) 夏田鐘甲(日本):バラード Ⅱ “祈り” Ⅲ “舞”        ヴァイオリンと弦楽合奏のための(1981)            ヴァイオリン=川口静華 2) Massimo BIASIONI (イタリア):     思い出される月光について(1988/96/改訂初演)3) 久田典子(日本):PURSUIT(1993)            チェロ:安田謙一郎4) Thoma SIMAKU(アルバニア):    満月~12のソロ弦楽器のための(1999/日本初演)5) 近藤春恵(日本):     Aria~尺八と弦楽オーケストラのための                  (2001/世界初演)            尺八=三端貴風  指揮=松尾祐孝 弦楽オーケストラ=フォノスフェール・ミュージカル・          ストリング・アンサンブル1) 3) JSCM音楽祭出品作品2) 4) 5) 国際審査会入選作品##########################これまでにも何度が触れてきましたが、この音楽祭のボリュームを少しでも大きくしたいという実行委員会・実行委員長としての意向を実現すべく、私は若手演奏家による弦楽オーケストラの育成をこの音楽祭の3年前から始めました。芸大在学・出身の優秀な若手演奏家に声を掛けて、1999年の自主演奏会、2000年11月の<ISCM世界音楽の日々2001・プレ演奏会>と経験を積んだ上で、この演奏会に臨んだのです。夏田鐘甲作品の演奏で、川口さんの優美な独奏と共に好スタートを切ったアンサンブルは、横浜みなとみらいホールのしかも大ホールという贅沢な音響空間を楽しむかのように、艶やかに飛翔をしてくれました。M.ビアシオーニ作品は、弦楽四重奏と背後の弦楽器群という、特徴ある舞台配置による繊細な効果を狙った作品でした。トーマ・シマク作品には、作曲者自身が、満面の笑顔とともに絶賛の評価をしてくださいました。続く、久田典子作品での安田謙一郎氏との協演は、実にスリリングでした。ズシズシ・ビシビシとチェロの低音のパルスがタクトを振る私の脇腹に突き刺さるかのような、自由闊達な迫力ある独奏に、正に丁々発止の超絶的なやり取りを展開していったのでした。プログラムの最後は、この音楽祭で再三出演していただいて日本開催を象徴する存在として風格を見せつけていただいた三橋貴風氏の独奏を得ての近藤春恵作品でした。非常に難しい作品でしたが、じっくりとドライヴすることができました。それにしても、実行委員長として現場の総指揮を執りながら、同時に弦楽オーケストラ公演丸ごと1演奏会の指揮を担当して、リハーサルからゲネプロと本番に時間を割くという芸当は、本当に大変でした。実行委員会インスペクターの佐藤昌弘氏や事務局スタッフがしっかり現場を運営してくれていたからこそ、私もなんとかその時間は演奏に専念できたのです。スタッフ全員の素晴らしき仕事ぶりに感謝!終演後の楽屋では、汗だくの燕尾服から着替えながら、暫し気絶しそうな程に放心状態になりましたが、演奏自体は素晴らしく上首尾に終わったという達成感と満足感もふつふつと湧いてきて、やがて実行委員長の職務に復帰していったのでした。とにかく、この日は壮絶な体験でした。

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  • 04 Nov
    • 邦楽器は世界に羽ばたく〜ISCM横浜大会<邦楽器>三橋貴風とその仲間たち

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.15《邦楽器》 “世界に羽ばたく邦楽器” 三橋貴風とその仲間たち10月7日(日)19:00開演/横浜みなとみらいホール 小ホール 1) 村雲あや子(日本):希いに向かって(2001/世界初演)   尺八=添川浩史 箏=田村法子 十七絃=徳野礼子2) Peter GAHN (ドイツ):     一角獣の頭骨を読む-街-(刻みこまれている夢)                        (1999)    箏=久本桂子 cl.=内山厚志 vn.=山口幸恵     打楽器=和田光世 他、拍子木奏者4名 3) 松永通温(日本):     風の時 糸の間-尺八と二十絃のための-(1993)    尺八=三端貴風 二十絃=吉村七重4) Chaya CZERNOWIN(イスラエル):    雑種~芋またはアコーディオン、     アルト・サクソフォン、コントラバスのための                 (1994/日本舞台初演)    笙=真鍋尚之 サクソフォン=斎藤貴志     コントラバス=田邊和弘5) 入野義朗(韓国):尺八と箏の為の協奏的二重奏(1969)    尺八=三端貴風 二十絃=吉村七重6) 諸井 誠(日本):竹籟五章(1964)    尺八=三端貴風1) 3) JSCM音楽祭出品作品2) 4) 国際審査会入選作品5) ISCM歴史的功労者作品6) 演奏者推薦作品##########################折角のISCM音楽祭日本初開催という機会ですから、日本が世界に誇るべき独自の音楽文化である邦楽器をテーマとして演奏会を一つは設定すべきと、国際審査カテゴリー設定の段階から準備を進めてきました。そして、横浜在住で世界的な尺八家である三橋貴風氏に演奏者コーディネイトをお願いして、この演奏会を実現することができました。日本人以外の作曲家による邦楽器を含む作品を2作品紹介することもできました。写真は、P.ガーン作品のステージです。また、故・入野義朗氏の作品の終演時には、禮子未亡人が演奏を祝福してくださいました。プログラムの最後には、三橋氏と私とで相談して、日本の古典本曲の持つ抽象性と西欧現代音楽の先鋭的な表現様式の近似生に、いち早く着目されて書かれた名作=諸井誠氏の尺八独奏曲を配して、三橋氏の渾身の演奏で幕を閉じるという趣向となりました。終演後のステージの様子が、この公演の成功を物語っています。<オープニング・コンサート>や<アンデパンダン展>にも、邦楽器を含んだ作品が何曲もありましたし、この記事シリーズの最後で紹介する予定の<ファイナル・コンサート>にも尺八が登場するので、かなりの数の邦楽器絡みの作品がこの音楽祭で演奏されたことのなります。こういったプログラミングも、日本初開催の印象を強くする大きな要因になったと考えています。様々な時代に成立した多様な伝統音楽が現代まで並行して息づいている日本という国の文化の素晴らしさに、あらためて感謝したいと思います。

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  • 03 Nov
    • 日本から世界から〜教育的創作の輪〜ISCM横浜大会<こどもみらい2001コンサート1>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.14《“こどもみらい2001” コンサート1》10月7日(日)14:00開演/横浜みなとみらいホール 大ホール<こどもみらい2001>としての2日目のイベントです。(<こどもみらい2001>の概要説明については、 9月18日の記事をご覧ください。)コンサートの開演前に、ロビーを活用して実施されたワークショップを見学するという趣向で開場しました。1) コンピュータでつくってあそぶマルチメディア作品 [ワークショップリーダー]  谷中 優(松戸市立新松戸西小学校教諭・作曲家)  田村幸雄(厚木市立森の里小学校教諭)  ボイス・ストヤーノフ      (作曲家・ピアニスト・パフォーマー/ブルガリア)  延岡純一(松戸市立馬橋北小学校教諭)   参加者=一般公募による参加者(小学校4年生~一般)そして、ホールのステージに注目を移して、コンサート本体が開演しました。2) The Wind Blows [ワークショップリーダー/原案]  岡村知由紀・味府美香・(高知大学大学院生)  大倉幸恵・佐藤晶子・高見江利子・父田由美  寺岡鮎子・松下美保(高知大学教育学部学生) [原案] 坪能由紀子 鈴木俊哉 パフォーマー=鈴木俊哉(リコーダー)       横浜市立東小学校3) グループ・インプロヴァイゼイション・ワークショップ [ワークショップリーダー/原案]  ユミ・ハラ・コーンウェル  (ロンドン・シティ大学音楽学部非常勤講師) パフォーマー=横浜少年少女合唱団4) ザ・ボディパーカッション [ワークショップリーダー/原案]  山田俊之(福岡県久留米市立荒木小学校教諭) パフォーマー=ボディパーカッショングループのメンバー5) “目覚め”(1997/2001) ~ふたりの打楽器奏者と子どもとおもちゃのための《劇活動》 [ワークショップリーダー/原案]  ステファノ・ジャンノッティ(作曲家/イタリア) パフォーマー=加藤恭子 棚田大司(打楽器)         横浜市立東小学校6) ザ ★ みらいブラス!! [ワークショップリーダー]  瀬野宗和  (音楽教育/バンドディレクター/クラリネット奏者) [原案] 坪能克裕(作曲家) パフォーマー=村井秀清(ジャズピアニスト)=        横濱ジャズプロムナード2001より特別参加        横浜市立保土ケ谷小学校         一般公募による参加者(小学校4年生~一般)        グラール・ウィンドオーケストラ        文教大学吹奏楽部これらのステージは、それぞれに独自の創意工夫に満ちあふれていて、とても楽しい時間を多くの参加者の皆さんと共有することができて、とても有意義でした。世界からワークショップの原案を募集して、一般公募による参加者も含めてパフォーマーを募り、教育委員会の協力も得ながら、事前のワークショップも行ないながら準備をして、世界音楽祭の一部として成果発表をするという、希有な機会を実現できたことは、ISCMの長い歴史の中でも非常に珍しく貴重な出来事であったと評価されました。

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  • 02 Nov
    • 重低音の魅力炸裂〜ISCM横浜大会<コントラバス・フェスタ>

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ vol.13《コントラバス・フェスタ》“溝入敬三とその仲間たち”10月7日(日)11:30開演/横浜みなとみらいホール 小ホール 1) 鈴木 聡(日本):Essay Ⅲ ~コントラバス・ソロのための                     (1978)演奏=笠原勝二2) 伊藤高明 (日本):CLOSE TO THE EDGE 2            for three basses(2001/世界初演)演奏=吉田秀 中田延亮 笠原勝二3) 早川和子(日本):礧~4本のコントラバスのための~                    (2001/世界初演)演奏=溝入敬三 中田延亮 笠原勝二 吉田秀4) 国枝春恵(日本):“アーティキュレーション”            独奏コントラバスのための                    (2001/世界初演)演奏=溝入敬三5) 林賢京(韓国):レント(1998/日本初演)演奏=溝入敬三6) 下山一二三(日本):2つのコントラバスのための「深層」                     (1999-2000)演奏=溝入敬三 吉田秀7) Roger TESSIER(フランス):          第5景~4つのコントラバスのための                    (1993/日本初演)演奏=溝入敬三 中田延亮 笠原勝二 吉田秀8) Bryn HARRISON(イギリス): Sabdavidgya(1999/世界初演)演奏=溝入敬三 中田延亮 笠原勝二 吉田秀1) 2) 3) 4) JSCM音楽祭出品作品5) 6) 7) 8) 国際審査会入選作品##########################大会5日目、最初の演奏会は、コントラバス作品の特集です。現音では、1997年開催の<トランペット・フェスタ>を皮切りに、ある楽器に焦点を当てて、その楽器のための作品・書法と演奏・奏法の両面から作品の誕生を喚起するシリーズを開始していました。この<WMD2001>でも、前日4日目の<ピアノ・フェスタ>とこの<コントラバス・フェスタ>の他、7日目の<エレクトーン・フェスタ>を組み込み、日本支部開催ならではの公演コーディネイトをアピールして、海外参加者からも好評を博しました。特にこの演奏会は、コントラバス以外の協演楽器も皆無で、正に重低音の魅力炸裂といった趣の内容となりました。休日とは言え、午前11時半の開演という厳しい日程環境ではありましたが、客席もまずまず盛況となり、大いに盛り上がりました。演奏家のコーディネイトは横浜在住の気鋭の演奏家で、自身、作曲家としても活躍される現代音楽界のトップランナーの一人である溝入敬三氏にお願いしました。溝入氏には、<オープニング・コンサート>での拙作の演奏でも出演していただき、大変お世話になりました。溝入敬三氏、中田延亮氏、 笠原勝二氏、吉田秀氏、の4名で8作品の現代作品を演奏していただくというハードなプログラムでしたが、作品・演奏の両面の充実によって、聴き応え充分の二時間でした。特に、最後の作品=ブリン・ハリソン<Sabdavidgya>の連綿と持続する重低音響の漸次変化の音の綾は、印象的な時空でした。この<コントラバス・フェスタ>は、協会内外からの好評につき、後年にあらためて再企画化され、現音会員内及び一般からの公募作品によって、<コントラバス・フェスタ Ⅱ >も開催されました。・・・下山作品の演奏風景・・・・・・ハリソン作品の演奏風景・・・

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  • 31 Oct
    • 大ブレイク!〜<ISCM世界音楽の日々2001>カクテル・パーティーは手作り感覚で〜

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会   ~日本現代音楽協会新世紀音楽祭> 公演回顧シリーズ 番外編カクテル・パーティー(関係者専用招待企画)10月6日(土)21:00~    /横浜みなとみらいホール レセプション・ルーム メインバーテンダー=K氏(実行委員長友人)サブ・バーテンダー=松尾祐孝(酒席走者!?)###########################約50カ国から100名近くの海外ゲストが来日して、国内からの参加者も多く、演奏者も多数出演という国際現代音楽祭ですから、そういった方々の交流の場の設定も、非常に重要な主催者の責務と考えていた私は、<アンデパンダン展第2夜>に相当する公演の直後にもあたり、開催会期半ばの土曜日の夜というタイミングで、カクテル・パーティーを企画したのでした。私の友人であるバーテンダー=K氏の全面的な協力を得て、それは楽しい集いになりました。横浜みなとみらいホールに特別なご配慮をいただき、横浜港の景色を見渡せるレセプション・ルームを遅い時間まで開放していただきました。折から開催中の<横浜トリエンナーレ>の展示作品の一つ、巨大な風船バッタが向かいのビル(インナーコンチネンタルホテル横浜)の外壁に架設されていて、それを眺めながらの談笑にも花が咲きました。・・・またまた司会は松尾&山岸コンビで・・・・・・K氏が持ち込みのハイネケンのパラソルも鎮座して               会場は楽しい雰囲気・・・・・・実行委員長自ら俄バーテンダーに扮して               シャンパンをサーブ・・・・・・盛り上がる会場~笑顔~笑顔・・・このような集いの企画・演出については、日本人はとかく苦手と思われていますが、海外の音楽祭などでパーティーの重要性を強く認識していた私としては、主催者としてのポスピタリティーの根幹に関る重要な課題として、このパーティーの実施を密かに画策していたのでした。幸い、このパーティーは好評を得て、以後の会期中、更に参加者から気軽に声をかけていただける雰囲気にもなり、音楽祭の潤滑油の効果を充分に果たすことになったのです。

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