• 23 Oct
    • <フォノスフェール第1番>〜東京フィル欧州楽旅1994で大成功!

      23年前の今日=10月23日、拙作がイギリスはロンドン、ロイヤル・フェステフィヴァル・ホールに鳴り響きました。東京フィルハーモニー交響楽団の1994年ヨーロッパ公演は、常任指揮者=大野和士氏の統率の下に、素晴らしい成果を挙げた記念碑的な演奏旅行でした。ドイツ・ベルギー・イギリスを訪ねて約3週間の旅路でしたが、その中のイギリス公演8回中の6回に、拙作<PHONOSPHER Ⅰ>がプログラミングされた事は、私にとっても作品にとっても、誠に幸運な出来事でした。この作品は、協奏曲の主人公である独奏者が最初は舞台に居ない状況で演奏が始まり、やがて歌舞伎座の花道を行く千両役者のように、客席後方から吹き流しで登場して、やがて指揮者&オーケストラと丁々発止のやり取りを展開する劇場空間的な構成になっています。各地の公演で、聴衆が固唾を呑んでこの緊張感を味わいながら、尺八の大胆且つ繊細な音色と管弦楽の響きを聴き入っている様子を舞台上から実感しながら、自ら付打ちパートを演奏できた経験は、実に得難いものでした。写真は、その楽旅の最終演奏会=ロイヤル・フェスティバル・ホール公演(ロンドン)のライヴが収録されているCDです。残念ながら絶版になっているようです。壮絶ば演奏が見事に記録されていますので、何らかの方法で入手してお聴きいただけると嬉しいです。このロンドン公園の本番では、RFホールをほぼ満席にした聴衆の拍手が鳴り止まず、遂には尺八独奏=三橋貴風氏がアンコールで「鶴の巣篭り」を演奏した後、ようやく最終曲目の「ダフニスとクロエ組曲第2番」に進むことができたという熱狂と興奮を体験することができました。CD「'94年 東京フィル ヨーロッパ演奏旅行ライヴーⅠ」(ミュンヘン&ロンドン) Live Notes / WWCC-7262

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  • 24 Sep
    • 初演まであと半月〜新譜音悦多Ⅱ

      邦楽器合奏作品を先月末に書き上げました。洗足学園音楽大学の現代邦楽コースの年間最大の演奏会【邦楽定期】のための書き下ろし作品、<新譜音悦多〜合奏七段今様>が10月9日に初演されます。"段物再発見"のテーマの下に開催される今回の【邦楽定期】です。古典の段物の数々が、様々な楽器編成によって次々と演奏される趣向です。その最後に、現代の段物として私の新作が演奏されます。古典では概ね"六段"や"八段"ですので、私は"七段"として、七つの部分が連続する曲にしました。一之段・・・1拍子 / 一音による素材が中心二之段・・・2拍子 / 二音による素材が中心という案配で曲は進行していきます。したがって、皆さんのご賢察の通り、五之段と七之段はかなり複雑な拍子やリズムになります。このところのリハーサルで、演奏はかなり仕上がってきました。私自身も指揮者として舞台に上がります。初演をどうぞお楽しみに!#####洗足学園音楽大学【邦楽定期】#####        〜段物再発見〜 2017年10月9日(月祝) 開場 13:30 開演 14:00       洗足学園 前田ホール    入場料:1000円 未就学児入場不可【出演】石垣 清美 (箏・三絃) 名嘉 ヨシ子 (琉球箏) 吉原 佐知子 (箏) 野澤 佐保子 (箏) 長谷川 慎 (柳川三味線) 野澤 徹也 (三絃)市川 香里 (三絃) 西川 啓光 (囃子) 神 令 (尺八)洗足学園音楽大学 現代邦楽コース学生 / 卒業生現代邦楽研究所 研究生 / 修了生森重行敏 (企画・司会)  他 Program・「合奏曲六段」 藤井凡大 作曲 - 合唱付き-・箏、柳川三味線、一節切尺八合奏「すががき」・琉球箏曲「六段菅撹」・箏曲「五段砧」・三絃合奏「八段すががき」・箏曲「六段・八段合奏」・尺八古典本曲「一閑流 六段」・「新譜音悦多Ⅱ〜七段合奏今様」松尾祐孝 作曲(初演)日本の近世邦楽の原点である段物について様々な作品から新作初演まで、段物の魅力をお聴きいただく演奏会です。皆様のご来場をお待ちいたします。

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  • 13 Sep
    • 今夜のコンサートで再演される作品=フォノ第11番〜二十絃箏独奏の為に〜

      今夜のコンサートで演奏される作品、《フォノ Ⅺ 》~二十絃箏独奏の為に~の紹介です。### PHONO ⅩⅠ       - for Twenty-stringed Koto solo ###    フォノ第11番~二十絃箏独奏の為に~            (2012)   <吉村七重氏協働制作作品~  日本現代音楽協会「朝日現代音楽賞受賞記念演奏会」      &深新會作品展発表の協働プロジェクト作品>演奏時間:約13分初演:2012年10月26日    東京オペラシフィ・リサイタルホール   <深新會第32回作品展>(主催:深新會)               演奏:吉村七重再演:2013年2月24日(日)/ JTアートホール <吉村七重リサイタル   ~朝日現代音楽賞受賞記念演奏会>         (主催:日本現代音楽協会)############################曲は、イントロダクション~アリア~プログレッション~エピローグという性格の異なる4つの部分が切れ目無しに演奏される音楽になっています。吉村七重さんの見事な演奏によって、拙作に息吹が副込まれた瞬間は、正に作曲家冥利につきるものでした。再演は更に見事な演奏でした。そして、まだ私が独奏作品を書いていない多くの楽器の為に、西洋楽器にも邦楽器にも、このフォノ・シリーズを書き重ねていきたいと考えています。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -この私のPHONOシリーズは未出版のものが多いので、楽譜をお求めの方は、直接ご連絡をいただくか・・・「マザーアース株式会社」(Tel:03-3455-6881)を通してお問い合わせください。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -そして今夜は、若手俊英の内藤美和さんによる二十五絃箏で演奏していただくという新しい趣向での再演となります。今日の写真は、楽譜をイメージしたスウィーツ、遊び心満点の一皿のカットにしましょう。

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  • 11 Sep
    • 御礼〜【日本海 音の交友録Ⅱ】 無事終了〜フォノⅢの久々の再演に感激!

      今年の"チーム百万石"金沢公演は、9/8(金)は"リバーサイド"、9/9(土)は"もっきりや"で、予定通り開催することができました。グラスを傾けながら、様々なタイプの現代音楽作品を気軽に、そしてじっくり楽しんでいただきました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。演奏者のお三方のパフォーマンスも素晴らしく、充実したライヴになりました。献身的なご協力に厚く御礼申し上げます。私個人としては、久しぶりの再演となった<フォノⅢ〜クラリネット独奏の為に〜>に松永彩子さんが新たな光りを当ててくださったことがとても嬉しかったです。ナヴィゲーターを務めていただいた大野由加さんにもこの場を借りてお礼申し上げます。"リバーサイド"のステージ・・・"もっきりや"のステージ・・・事前には予告していなかったプログラムを下記にご紹介しておきましょう。凄いラインナップであったことがお解りいただけると思います。*** 北陸の演奏家 & 現代作曲家 ***    〜日本海 音の交友録Ⅱ〜       2017年9月8日(金)19:30開演@リバーサイド2017年9月9日(土)19:00開演@もっきりや出演:sop./田島茂代 cl./ 松永彩子 pf./徳力清香ナビゲーター:大野由加出品作曲家:小川類 中川俊郎 橋本信 松尾祐孝 森田泰之進松尾祐孝 /「雅」- MIYABI-         pf. 橋本 信 /「犀川」(新版初演)      sop. cl. pf. 森田泰之進 /「跳」 -Leaps-(新作初演)  cl. 小川 類 / Bard Ⅳ             sop. pf. 中川俊郎 / さざんくろす(新作初演)    sop. cl. pf.中川俊郎 / 歌曲チクルス(新作初演)    sop. cl. pf.中川俊郎 / アダージョ(新作初演)     pf.          ♪♪♪ 休憩 ♪♪♪小川 類 /「Spring」(新作初演)      cl. pf.    森田泰之進 /「月へ」(新作初演)     sop. pf. 松尾祐孝 /「PHONO III」         cl. 橋本 信 /「Earth, Life and words」    sop. cl. pf. アンコール  松尾祐孝 /「じゃあね」(新版初演)   sop. cl. pf.   

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  • 09 Sep
    • 24年前の今日が初演の日〜<フォノスフェール第1番〜尺八と管弦楽の為に>

      24年前の今日、私の最大の作品が初演されました。現在ではNAXOS MUSIC LIBRARY で聴くことができるドイツ(ANTES EDITION)でリリースされたCD(大野和士指揮/バーデン州立歌劇場管弦楽団)に収録されていた<フォノスフェール第1番>です。想い出として今日の記事にアップしましょう。###PHONOSPHERE Ⅰ ~尺八と管弦楽の為に(1993)###     東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品演奏時間:約23分初演:1993年9月/東急文化村オーチャードホール   東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 欧州初演:1993年10月/リスボン     グルベンキアン管弦楽団定期演奏会演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 付打ち=松尾祐孝欧州演奏旅行:東京フィル欧州公演(1994年10月)都市:リーズ、ニューキャッスル、グラスゴー、ロンドン、他、演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 付打ち=松尾祐孝ドイツ公演:1997年6月/バーデン州立歌劇場管弦楽団      定期演奏会・特別演奏会      (全3公演&レコーディング)演奏:指揮=大野和士 尺八=三橋貴風 付打ち=松尾祐孝洗足学園音楽大学公演:ラテンアメリカン・ミュージック・ウィーク2005 in 洗足2005年9月/洗足学園・前田ホール演奏:指揮=松尾祐孝 尺八=三橋貴風 管弦楽=洗足学園フィルハーモニー- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -私がライフワークの柱を主要邦楽器と管弦楽の協奏曲作品に定めた契機となった、前半生最重要作品です。藝大時代の同級生であり、尊敬すべき大音楽家・指揮者の大野和士氏との協力関係の中から実現したプロジェクトでした。尺八独奏が三管編成大オーケストラをPA(音響)無しで従えて、コンサートホールを歌舞伎座のような多彩な音空間にしながら、その微力を存分に響き渡らせる壮大な作品です。東京フィル定期での初演は客席で聴きましたが、海外演奏等では付打ちパートをしばしば自分自身で担当しています。海外演奏旅行のエピソードも多々ありますので、後続の記事でお話していきましょう。東京フィル欧州公演ではライヴCDが、ドイツのバーデン州立歌劇場管弦楽団公演では収録CDが、それぞれ誕生しています。既に両盤ともほぼ絶版の状況ですが、最近になってナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)にアップされましたので、配信コンテンツとして試聴と購入が可能になっています。公式サイト= http://ml.naxos.jp/album/BM31.9112さて、今回の写真は、私が最初に魅了された邦楽器=尺八に因んで、日本の象徴的風景=富士山をアップしましょう。

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  • 05 Sep
    • 私の数少ないピアノ曲〜「MIYABI / 雅」

      来たる9月8日&9日の金沢での現代音楽ライヴで初演される予定のピアノ小品をご紹介しましょう。### 松尾祐孝 / MIYABI 〜雅〜 ###作曲:1992年初演:日本現代音楽協会《現代の音楽展1993》   <ピアノ、ピアノ、ピアノ、ピアノと室内楽>   ピアノ独奏:矢沢朋子1993年2月に開催された日本現代音楽協会主催公演<ピアノ、ピアノ、ピアノ、ピアノと室内楽>で、矢沢朋子さんの独奏のよって初演された小品です。日本情緒も加味したアンコール・ピースを意図して作曲された、作曲者にとっては数少ないピアノ曲です。今度の金沢では、徳力清香さんによって演奏されます。この曲にとって久しぶりの再演になります。*** 北陸の演奏家 & 現代作曲家 ***    〜日本海 音の交友録Ⅱ〜        先行情報2017年9月8日(金)19:30開演@リバーサイド2017年9月9日(土)19:00開演@もっきりや 入場料:前売り2700円 当日券3000円出演:sop./田島茂代 cl./ 松永彩子 pf./徳力清香ナビゲーター:大野由加出品作曲家:小川類 中川俊郎 橋本信 松尾祐孝 森田泰之進

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  • 25 Aug
    • 私の数少ないピアノ曲〜「MIYABI / 雅」

      来たる9月8日&9日の金沢での現代音楽ライヴで初演される予定のピアノ小品をご紹介しましょう。### 松尾祐孝 / MIYABI 〜雅〜 ###作曲:1992年初演:日本現代音楽協会《現代の音楽展1993》   <ピアノ、ピアノ、ピアノ、ピアノと室内楽>   ピアノ独奏:矢沢朋子1993年2月に開催された日本現代音楽協会主催公演<ピアノ、ピアノ、ピアノ、ピアノと室内楽>で、矢沢朋子さんの独奏のよって初演された小品です。日本情緒も加味したアンコール・ピースを意図して作曲された、作曲者にとっては数少ないピアノ曲です。今度の金沢では、徳力清香さんによって演奏されます。この曲にとって久しぶりの再演になります。*** 北陸の演奏家 & 現代作曲家 ***    〜日本海 音の交友録Ⅱ〜        先行情報2017年9月8日(金)19:30開演@リバーサイド2017年9月9日(土)19:00開演@もっきりや 入場料:前売り2700円 当日券3000円出演:sop./田島茂代 cl./ 松永彩子 pf./徳力清香ナビゲーター:大野由加出品作曲家:小川類 中川俊郎 橋本信 松尾祐孝 森田泰之進

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  • 15 Aug
    • 終戦記念日に寄せて〜人類の未熟さに対して〜<新世紀への讃歌>

      一昨年は第2次世界大戦・太平洋戦争の終結から70周年でした。終戦記念日に寄せて、私の作品に纏る話題をご紹介しましょう。私が、指揮者=大野和士氏と共にプランニングをした東京フィルの大企画=<新世紀への讃歌>の世界初演から、11年近くの歳月が流れました。私が連作共作のホスト役として作曲した第1曲は、<序章:人類の未熟さに対して>というタイトルでした。(単独上演の場合は、 <フォノスフェール第3番 ~オーケストラという名の打楽器群の為に> という作品名になります。)20世紀の間の人類は、この<讃歌>が未来を語っているように、大地のありがたさに感謝したり、川の水資源や海の環境の保全を推進したり、熱帯雨林等の森林資源の保護意識を高めたり、火に象徴されるエネルギー問題の将来へのヴィジョンの打ち出し、宇宙の平和利用の推進や宇宙の中の地球という意識の啓発、そして命の大切さへの認識の更なる向上、といった希望を、果たして紡いできたでしょうか。必ずしも肯定的な回答ばかりが頭に浮かんでくる状況ではないような気がするのは、私だけではないでしょう。私は、<序章:人類の未熟さに対して>=<フォノスフェール第3番~オーケストラという名の打楽器群の為に>の最後に、人類滅亡や地球環境破綻への警鐘=ファイナルカウントダウンの10カウントが、8カウントで辛うじて止まることを暗示して、そして後続の7名の作曲家の7章に、未来への希望を託しました。そして、昨年と今年に2ヴァージョンを初演した<フォノスフェール第4番-a~二十絃箏と管弦楽の為に>と<フォノスフェール第4番-b~ギターとオーケストラの為に>では、冒頭と後半のクライマックスで、人類滅亡や地球環境破綻への警鐘=ファイナルカウントダウンの10カウントを、9カウントまで進ませました。さて、次にどうするか、思案のしどころですし、私たち人類がこの先どのような進展を遂げるのか、はたまた衰退の一途を辿るのか、自分たちのこととして、真剣に見守り、考え、行動しなくてはならないと思っています。♪♪♪国際連作共作「新世紀への讃歌」♪♪♪全曲:東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品初演:2001年10月/東京オペラシティコンサートホール   東京フィルハーモニー交響楽団特別演奏会    アジア環太平洋作曲家シリーズvol.4プランニング・アドヴァイザー:松尾祐孝演奏:指揮=渡邊一正独唱:ソプラノ=リー・ビュンリウル バリトン=河野克典 合唱=東京少年少女合唱隊CD「共作連作<新世紀への讃歌>全曲世界初演」   企画:東京フィルハーモニー交響楽団   Live Notes / WWCC-7414 

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  • 11 Aug
    • 御礼&回想vol.5~<松尾祐孝邦楽器作品個展>

      2014年9月に開催した<松尾祐孝邦楽器作品個展>の各曲のステージを、ここ数日にわたって回想しています。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。また、演奏者の皆様やスタッフの方々の絶大なるご協力とご尽力に厚く御礼申し上げます。今日は、5番目=最後のステージとなった<糸の書>について綴ってみようと思います。♪♪♪ <糸の書>~二十絃箏と邦楽器合奏の為の協奏曲 ♪♪♪(2010 / 日本音楽集団委嘱作品 / 二十絃箏誕生40年記念作品) 演奏編成:笛 2尺八 三味線 琵琶 打楽器      2箏 十七絃箏  二十絃箏独奏  指揮 演奏時間:約13分 初演:2010年1月<日本音楽集団定期演奏会>    2010年3月<箏フェスタ>(日本現代音楽協会主催)今回の個展演奏会でプログラムの最後を飾った作品が、この<糸の書~二十絃箏と邦楽器合奏の為の協奏曲>です。箏の現代化に相応しい表現領域と運動性能の拡張を目指して、二十絃箏が開発されてから40周年にあたる2009年度を記念した日本音楽集団と日本現代音楽協会の共同企画の一環として、私が作曲する機会を得て誕生したものです。実は、この年度には以前から時間をかけて作曲を進めていた大作<フォノスフェール第4番-a~二十絃箏と管弦楽の為に>も完成していて、言わば姉妹作となったこの二つの協奏曲が、2009年度の終盤である2010年の1月から3月にかけて、相次いで初演され、<糸の書>は再演もされました。先ず、1月の《日本音楽集団定期演奏会》の"二十絃箏誕生40年記念プログラム"の中で<糸の書>が初演と3月の日本現代音楽協会《現代の音楽展2010》第3夜〘箏フェスタ〙での再演が、宮越圭子さんの独奏を得て行われました。そして、同月の第4夜〘コンチェルトの夕べ〙で、<フォノスフェール第4番-a~二十絃箏と管弦楽の為に>が吉村七重さんの独奏を得て初演されました。(日本現代音楽協会《現代の音楽展2010》プログラム冊子)二十絃誕生40周年を記念して作曲した二つの二十絃箏協奏曲、<糸の書>と<フォノスフェール第4番-a>は、独奏パートの一部に共通の楽想を持つ姉妹作となっています。但し、片や邦楽器のみの大合奏との協演となる音世界、片や西欧オーケストラと協演する音世界と、その印象はかなり異なるものになっています。今回の<個展>では、邦楽器の大合奏(概ね室内オーケストラ相当)のアンサンブルと二十絃箏独奏が協演する<糸の書>を、演奏会の最後=トリに配しました。独奏者には、二つの協奏曲の作曲にあたって様々なアドヴァイスをいただいた現在の二十絃箏の第一人者、吉村七重さんにお願いをしました。<糸の書>の独奏は吉村さんにとっても初めてということで、自ら指揮をして協演する私自身としても、何重もの意味においてとても意義深い協演となりました。音楽は、二十絃箏の持つ幅広い表現力を、個性豊かな楽器の集合体である邦楽器合奏との対照や融合の下に際立たせ、糸を紡ぐ空間の書のような時空を生成していきました。私の渾身の邦楽器協奏曲を舞台とした吉村七重さんの二十絃箏の演奏の深淵を、たっぷりと堪能していただくことができたと思います。私自身の指揮による演奏は二度目でしたが、新たに自分の中にもこの作品に対する確信を持つことができた、貴重な機会となりました。尚、今回の個展は大学公式の映像を記録してあります。今夜ご案内した<糸の書>の映像が、洗足学園音楽大学HPの私の紹介ページにアップされています。お時間の許す時にご覧(お聴き)ください。http://www.senzoku.ac.jp/music/school/teachers/composition/id_14/

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  • 10 Aug
    • 邦楽器合奏作品初演に寄せて~洗足学園音楽大学「邦楽定期」

      邦楽器合奏作品を先月末に書き上げました。洗足学園音楽大学の現代邦楽コースの年間最大の演奏会【邦楽定期】のための書き下ろし作品、<新譜音悦多〜合奏七段今様>が10月9日に初演されます。作品自体については、このブログでもおいおいご紹介していくとして、先ずは演奏会のご案内をしておきましょう。#####洗足学園音楽大学【邦楽定期】##### 2017年10月9日(月祝) 開場 13:30 開演 14:00       洗足学園 前田ホール    入場料:1000円 未就学児入場不可【出演】石垣 清美 (箏・三絃) 名嘉 ヨシ子 (琉球箏) 吉原 佐知子 (箏) 野澤 佐保子 (箏) 長谷川 慎 (柳川三味線) 野澤 徹也 (三絃)市川 香里 (三絃) 西川 啓光 (囃子) 神 令 (尺八)洗足学園音楽大学 現代邦楽コース学生 / 卒業生現代邦楽研究所 研究生 / 修了生森重行敏 (企画・司会)  他 Program・「合奏曲六段」 藤井凡大 作曲 - 合唱付き-・箏、柳川三味線、一節切尺八合奏「すががき」・琉球箏曲「六段菅撹」・箏曲「五段砧」・三絃合奏「八段すががき」・箏曲「六段・八段合奏」・尺八古典本曲「一閑流 六段」・「新譜音悦多Ⅱ〜七段合奏今様」松尾祐孝 作曲(初演)日本の近世邦楽の原点である段物について様々な作品から新作初演まで、段物の魅力をお聴きいただく演奏会です。皆様のご来場をお待ちいたします。

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    • 御礼&回想vol.4~<松尾祐孝邦楽器作品個展>

      2014年9月に開催した<松尾祐孝邦楽器作品個展>の各曲のステージを、ここ数日にわたって回想しています。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。また、演奏者の皆様やスタッフの方々の絶大なるご協力とご尽力に厚く御礼申し上げます。今日は、4番目のステージとなった<歳時記>について綴ってみようと思います。♪♪♪♪♪ <歳時記>~琵琶の為の現代音楽小品集♪♪♪♪♪       (2013-14年 ”聚の会”協働制作作品) 「一月:瀧凍る」(独奏曲) 「二月:梅仰ぐ」(二重奏曲) 「三月:燕飛ぶ」(二重奏曲) 「四月:しゃぼん玉」(二重奏曲) 「五月:粽結う」(二重奏曲) 「六月:草蛍」(独奏曲) 「七月:大雷雨」(三重奏曲) 「八月:走馬燈」(独奏曲) 「九月:大やんま」(二重奏曲) 「十月:阿蘇噴煙」(三重奏曲) 「十一月:冬紅葉」(二重奏曲) 「十二月:初雪~降誕祭」(三重奏曲)部分初演:<邦楽2010:音のカタログvol.4>     2013年11月7日     日暮里サニーホール コンサートサロン 演奏=田原順子琵琶研究所"聚の会"メンバー     藤高理恵子 重山紀子 藤本はるか全曲初演:<松尾祐孝邦楽器作品個展>     2014年9月8日 洗足学園 前田ホール 演奏=田原順子琵琶研究所"聚の会"メンバー     重山紀子  伊藤純子  中村祐子          竹本彩乃  藤本はるか  樋口真子 2007年以来数多くの琵琶作品を書き続けてきた私ですが、その集大成とも言うべき作品の完成版が、去る9月8日に開催された<松尾祐孝邦楽器作品個展>で全曲版初演となりました。随分前から、私に琵琶の魅力を伝えてくださった田原順子さんから、お弟子さんたちのための現代音楽作品への導入になる練習曲の作曲を勧められていました。その話を聞いて、最初はピアノ教則本の「ハノン」のような、メカニカルな練習曲を発想して実現しようと考えたのですが、どうしても自分で気に入るカタチに練り上げられませんでした。そこで今度は、今まで書いた私の作品の随所に盛り込まれた、新しい記譜法や奏法、或いは伝統的な奏法を発展させたもの等の、一つ一つに焦点を当てた小品をたくさん作曲して、それを並べた組曲(曲集)とする方向に、構想を固めていきました。最終的には、一月~十二月の12曲から成る組曲、しかも普通の組曲とはことなり、独奏曲、二重奏曲、三重奏曲、を組み合わせた組曲というカタチを決断しました。12曲の各曲についての解説は、昨年の10月7日から19日までの記事シリーズにアップしてありますので、お時間の許す時にご参照ください。この個展での演奏は、超難曲の初の全曲演奏ということで、3人で演奏可能な曲集(組曲)ではありますが、田原順子琵琶研究所《聚の会》のメンバー6人で分担しての初演というカタチを採りました。3曲ある三重奏曲は、1パート二人にして、6人全員で演奏して、ボリュームをアップしました。琵琶史上に類例を見ない小品集の誕生となりました。これからも、琵琶作品を含めて、邦楽器をフィーチャーした作品を書き続けていくと心に期している私です。

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  • 09 Aug
    • 御礼&回想vol.3~<松尾祐孝邦楽器作品個展>

      2014年9月に開催した<松尾祐孝邦楽器作品個展>の各曲のステージを、一昨日から回想しています。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。また、演奏者の皆様やスタッフの方々の絶大なるご協力とご尽力に厚く御礼申し上げます。今日は、3番目のステージとなった<呼鼓悠遊>について綴ってみようと思います。♪♪♪♪♪ <呼鼓悠遊>(ここゆうゆう)♪♪♪♪♪      (1999年 国立劇場委嘱作品) 演奏時間:約17分  初演:<国立劇場4月公演「打つ」>  1999年4月15日・16日 / 国立劇場 小劇場 小鼓=藤舎呂英  大鼓=藤者円秀  打楽器=松倉利之  三味線=高田和子 十七絃=石垣清美楽譜&CD:「現代の日本音楽第19集 松尾祐孝」春秋社刊この作品の成立経緯は、8月23日の記事に詳しくアップしてありますので、ご参照ください。小鼓と大鼓に、普段は五線譜を読まない伝統芸能の世界の若手ホープ2名を起用したいという委嘱元の意向を受けて、苦労して設計した書いた作品でしたが、苦労の甲斐があって、上の写真の通りの作品集(楽譜&CD)の出版に結実しました。しかしながら、特殊な楽器編成故に再演の機会に全く恵まれていなかったので、この個展の機会に現代邦楽研究所と打楽器コースの先生方による再演を考えたのでした。そして、小鼓=西川啓光、大鼓=富田慎平、打楽器=石井喜久子、三味線=野澤徹也、十七絃=石垣清美、という素晴らしい演奏者に恵まれて、とても充実した演奏が披露されました。(リハーサル風景@洗足学園音楽大学/現代邦楽研究所)無のから宇宙が誕生するように静寂から始まる音楽は、指揮者のように中央に陣取る打楽器奏者4方向を向いた団扇太鼓を叩くモーションに、他の4奏者が反応して音を出すという「叩く」という行為を抽象化・視覚化した序盤、演奏者相互の時系列のみを頼りに演奏していく中盤を経て、打楽器が三味線と十七絃箏が乱数に基づく複雑な無窮動が次第にクレッシェンドする上で小鼓と大鼓が、伝統的な手を浮遊するカデンツァのように奏する終盤のクライマックスが突然瓦解した後、静寂の彼方に音空間を閉じる・・・という緊張感に貫かれた時空を生成しました。演奏者の皆様に深く感謝いたします。

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  • 08 Aug
    • 御礼&回想vol.2~<松尾祐孝邦楽器作品個展>

      2014年9月に開催した<松尾祐孝邦楽器作品個展>の各曲のステージを、昨日から回想しています。あらためて、ご来場いただいた皆様に御礼申し上げます。また、演奏者の皆様やスタッフの方々の絶大なるご協力とご尽力に、あらためて感謝申し上げます。今日は、2番目のステージとなった<美しの都>について綴ってみようと思います。♪♪♪ 松尾祐孝/美しの都~尺八とオルガンの為の幻想曲 ♪♪♪    (1991年 / 松本市音楽文化ホール初演作品)     尺八:三橋貴風  オルガン:中澤未帆この作品の成立経緯については、ブログテーマ「邦楽器作品紹介」の過去の記事を巡って該当記事をご参照いただければ幸いです。この作品を書くことになってから、尺八についての説明やデモンストレーションを受け、そして作品が完成して演奏されたという経験を通じて、私は尺八という楽器にすっかり魅了されました。この作品の初演の直後に、大野和士氏の東京フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者就任が決定して、新たに始動する”若手作曲家委嘱シリーズ"の第2弾への指名を受けて、私は迷わず尺八協奏曲作品を書くことを決心したのでした。その曲こそが、私の代表作中の代表作=<フォノスフェール第1番~尺八と管弦楽の為に>です。1993年9月に東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会で初演され、直後にリズボン・グルベンキアン管弦楽団で欧州初演もされました。翌年には東京フィル欧州楽旅にプログラミングされてイギリス6都市で演奏され大絶賛を博しました。更に、1997年にはドイツのカールスルーエで、バーデン州立歌劇場管弦楽団で演奏会3公演とレコーディングが行われました。もしも、私が1991年に<美しの都>を作曲するという貴重な経験を積んでいなかたとしたならば、<フォノスフェール第1番>は誕生しなかったかもしれません。ですから、この<美しの都>は、私にとって極めて重要な転機をもたらしてくれた想いで深い作品なのです。その作品を、初めて洗足学園・前田ホールで演奏できたことは、期待以上の大きな収穫となりました。三橋貴風氏の貫録の尺八独奏の素晴らしさと新進気鋭の中澤未帆さんのフレッシュな演奏によって、作曲者として充分満足のできる仕上がりになりました。そして、曲の終盤のクライマックスに訪れるオルガンのメインスイッチを切って五音音階の総ストップ・オープンによる和音強奏がジェットエンジンか電子音のような音響効果を発揮しながら減衰していくシーンは、前田ホールのオルガンの持つエア・タンクの容量の大きさが物を言って、今までに経験したことが無いほどの長時間の巨大ディミニュエンドが実現して、聴衆のみならず関係者をも圧倒する結果となりました。大減衰音響の中に浸っていた時間は、正に至福のひとときでした。この写真はザ・ハーモニーホールのスカイラインをあしらったCDジャケットの裏表紙です。青空とのコントラストが清々しいデザインです。今でもプロ・アルテ・ムジケで購入できます。 CD:『響』ザ・ハーモニーホール松本~保田紀子     RRO ALTE MUSICAE / PAMP-1015

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  • 07 Aug
    • 御礼&回想vol.1〜<松尾祐孝邦楽器作品個展>

      邦楽器作品の作曲をライフワークの重要な柱としている私です。<松尾祐孝邦楽器作品個展>を開催してから、早いもので三年になろうとしています。あらためて、ご来場いただいた皆様に御礼申し上げます。また、演奏者の皆様やスタッフの方々の絶大なるご協力とご尽力に、あらためて感謝申し上げます。今日から5回の記事シリーズとして、その個展の五つのステージについての回想を再掲載していきます。先ず、プログラム1曲目=<新譜音悦多>です。この作品は、2種類のCDも発売されています。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ALCD-9028 税抜価格¥2,900 発売:2002年7月26日邦楽器アンサンブル ~現代邦楽研究所 委嘱作品集~ ■吉川和夫:森の記憶 Version 1■浦田健次郎:三つの無言歌■松尾祐孝/新譜音悦多(しんふぉにえった)■池辺晋一郎:ポピーエチュード ■鳥養潮:UTA I・II■菅野由弘:遠雷の時■三枝成彰:花の乱・邦楽器編- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -現代の日本音楽 国立劇場委嘱作品シリーズ第19集 松尾祐孝日本芸術文化振興会国立劇場調査養成部調査資料課監修・編集菊倍 ● 128頁 発行日:2007年12月 ISBN:978-4-393-90059-8CD付定価:本体6,000円+税■松尾祐孝/「呼鼓悠遊」(1999年)■松尾祐孝/「美しの都 Ⅲ」(1996年)■松尾祐孝/邦楽合奏のための「新譜音悦多」(1998年)■松尾祐孝/尺八と二十絃のための     「ディストラクション Ⅴ」(1998/2005年)■松尾祐孝/「琵琶悠遊」(2007年)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ♪♪♪ 松尾祐孝/新譜音悦多~しんふぉにえった ♪♪♪    (1998年 / 現代邦楽研究所委嘱作品) 尺八:山口賢治    三味線:野澤徹也 大友美由奈   箏:吉原佐知子 野澤佐保子 十七絃箏:谷冨愛美 指揮:松尾祐孝第1曲「旋律~しらべ」は、民謡調の伸びやかなメロディーを基調とした楽章です。現代邦楽研究所を代表する若手メンバーと研究生による演奏は、そても素直で綺麗にまとまりました。第2曲「巣渓流津尾~すけるつぉ」は、16年前の初演の時に物議を醸した曰く付きの楽章です。当時の邦楽器奏者にとっては未知の世界とも言えるような混合表紙や変拍子が交錯する丁々発止のやり取りによるスリリングな音楽ですが、今や現代邦楽研究所の皆さんは、軽々と演奏できるようになって、すっかりレパートリーとして定着しています。この個展での演奏も、実に爽快な出来栄えでした。第3曲「彩~あや」は、擬似ミニマル音楽とも言える、簡素な素材の反復を基調とした楽章です。パートによっては複数拍に跨がる5連符や7連符があり、第2曲程ではないにしても、初演時は難曲と捉えられましたが、今では楽しく演奏できるレパートリーになっています。この日の演奏では、リハーサルの段階で編み出した指揮者からの新たなサインの出し方を取り入れて、今までで最も完璧な演奏に仕上がりました。古典をしっかり勉強しながら、五線譜を読み、新しい現代の作品に積極的に取り組み、邦楽器の未来を切り開いていく、現代邦楽研究所、洗足学園音楽大学・現代邦楽コースで行われている先進的且つ総合的な教育が、如何に的を射た内容であるかということが、この作品の演奏の歴史を辿るだけでも鮮明に浮かび上がってくるのです。それを意図して、個展のプログラムの冒頭に、この<新譜音悦多>を配したという訳です。・・・月刊「邦楽ジャーナル」2014年8月号には   個展の先行記事が掲載されました。・・・

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  • 25 Mar
    • 宮本妥子さんのオフィシャルサイトの<フォノ第10番>の演奏(YouTube)

      今夜は、2012年2月に拙作=<PHONO Ⅹ>の世界初演を壮絶な演奏で飾っていただいた関西圏在住の気鋭の演奏家宮本妥子さんの公式ホームページとオフィシャルブログの話題をご紹介しましょう。宮本妥子公式ホームページのトップ頁はこのURLです。http://www.yasukomiyamoto.com/index.htmlYouTubeアップ頁はこちらです。http://www.yasukomiyamoto.com/gallery/videos.htmlブク~打楽器独奏 ジョンヘ・リーBUK for percussion Solo/Jung-hae Lee打楽器独奏:宮本妥子/Yasuko Miyamotoフォノ Ⅹ~打楽器独奏の為の狂詩曲<π>(2011)松尾祐孝PHONO ⅩRhapsody for Percussion solo / Masataka Matsuo打楽器独奏:宮本妥子/Yasuko Miyamoto世界初演SORA~大地の鼓動即興演奏;打楽器宮本妥子&ドラム西代一博等の映像がアップされています。拙作フォノ Ⅹ~打楽器独奏の為の狂詩曲<π>のYouTubeを直接リンクしておきましょう。壮絶な演奏ですが、素顔の宮本さんは融和な笑顔が素敵な女性です。ほのぼのとしたブログも人気を博しているそうですよ!<宮本妥子オフィシャルブログ はじまりは・・・>http://ameblo.jp/yasukomiyamoto/このYouTubアップは、この作品の楽譜がこの程マザーアースから発売になったことと連動して、宮本さんのご厚意で実現したものです。深く感謝しています。#松尾祐孝 / フォノⅩ~打楽器独奏の為の狂詩曲<π>(2011)#    楽譜出版 / 株式会社マザーアース No.M2001      定価=1995円(本体価格=1900円)    http://www.mother-earth-publishing.comこの作品は、随分前に作曲した打楽器独奏作品=<パルサー>を解体・再構成して作曲したものです。この先作があまりに難曲かつ長大であるために、委嘱者である上野信一氏が折りに触れて内外で演奏されている以外には滅多に演奏されないのです。そこで、もう少し現実的に演奏可能な範疇の難易度の作品を書きたいと考えていたのです。(2012年2月17日の<パルサー>の記事参照) そのような想いを胸中に抱えていたときに、折しも日本現代音楽協会の関西企画で気鋭の打楽器奏者=宮本妥子さんをフィーチャーした京都での演奏会の開催が決定して、私にも作品発表の場をいただけることになりました。この新作を書く絶好のチャンスが到来したのです。作品のタイトルは、私の独奏作品シリーズに加えようと考えて<フォノ>の第10作ということになりました。この作品は一応五線紙上の記譜されていますが、時間の進行のマネージは奏者に一任されています。曲の終盤の畳掛けるようなフィナーレを除いて、何分音符といった定量的な記譜にはしていないのです。曲の大部分を占める前半は、脈動(パルス)が繰り返される中で、完全な乱数である超絶数になっている円周率=πを活用した乱数によって決定された打撃がひたすら繰り返されます。しかも楽器は前後左右4組に配置され、演奏者にはどの向きの楽器群でその場面を演奏すべきかということは全て楽譜に記載・指定されています。膨大な(厳密な意味での反復ではない)繰り返しの中で、次第に演奏者も聴衆も陶酔状態になり、そのピークで楽想の位相が転換して、一定の高速ビートに乗って熱狂的な後半部に突入して、一気呵成に全曲を閉じます。このような経緯から~打楽器独奏の為の狂詩曲<π>~という副題が付されたタイトルになっています。

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  • 28 Feb
    • 初演は西川竜太&ヴォクスマーナ!〜<人声小交響楽第2番「尺八」>

      今日は、昨日に記事で紹介した同シリーズの第1番の日本初演と併せて初演された、<人声小交響楽第2番「尺八」>についてお話しましょう。ISCM韓国支部主催との協力関係の下に積極滝な活動を展開している気鋭の団体=VECM(Vocal Ensemble for Contemporary Music)をご存知でしょうか。その“VECM”のために2003年に作曲した第1番「笙」から8年余りの時を経て、漸くここに同シリーズの第2番を発表できることになりました。邦楽器の要素を声楽合奏に融合した国際交流作品にしたいという願いを込めて作曲しているシリーズです。倍音構造や音域等、人の声と笙や尺八といった管楽器は大きく異なる響きを持っていることは明白で、私はそれぞれの邦楽器を声楽でそのまま表現しようとは考えていませんが、それぞれの楽器の持つ個性や日本的な表現様式を幾ばくかでも反映させた独自のアンサンブルが具現できればと考えて筆を進めました。初演では、日本の気鋭のアンサンブル=ヴォクスマーナに演奏していただく機会に恵まれました。############################# 日本現代音楽協会=JSCM~現音・特別音楽展2011~    <協創-新しい音楽のカタチ~軌跡と未来>    主催:日本現代音楽協会 共催:朝日新聞社コンサートno.3<ヴォーカル・アンサンブル~ヴォクスマーナ精緻なる響き>2012年1月21日(土)18:45開場 / 19:00開演浜離宮朝日ホール 音楽ホールプログラム:ヤニス・クセナキス/夜(1967)松尾祐孝/人声小交響楽第1番「笙」(2003 / 日本初演)     人声小交響楽第2番「尺八」(2011 / 初演)白澤道夫/opera phaze --- dio fa(2011 / 初演)門脇 治/Three Xt as i.e.       ~ジョン・ダン「THE EXTASIE」による                     (2011 / 初演)坪能克裕/声の伝説~ヴォーカルアンサンブルのための~                     (2011 / 初演)ヘルムート・ラッヘンマン/慰め Ⅱ(1968 / 日本初演)▼出演:ヴォクスマーナ指揮:西川竜太Sop.:稲村麻衣子 神谷美貴子 花嶋千香代 廣橋英枝Alto:入澤希誉 髙橋ちはる 中川道子 矢ヶ部直子Ten.:金沢青児 清見 卓 富本泰成 初谷敬史Bas.:小野慶介 櫻井元希 深瀬 廉 松井永太郎 #############################このところの東京は、寒い毎日です。七輪で餅でも焼いて、あったまりましょうか!写真素材 - フォトライブラリー http://www.photolibrary.jpそして2015年2月15日には、西川竜太さんを主人公とした素晴らしい演奏会が開催されました。##〈現代の音楽展2015—演奏家と創造の現在〉第2夜##       西川竜太の啓く現代合唱の世界     ~第21回朝日現代音楽賞受賞記念演奏会~ 制作:松尾 祐孝 2015年2月15日(日)17:30開場/18:00開演 浜離宮朝日ホール 音楽ホール ▼ヴォクスマーナ 福士 則夫 / 「霧とカムイ」 作曲2014年/委嘱初演▼女声合唱団 暁 松平 頼曉 /     A person has let the “Kelly” out of the bottle       作曲2014年/委嘱初演 詩:松井茂 横島 浩 / Belle de jour 昼顔 作曲2014年/初演▼混声合唱団 空(くう) 湯浅 譲二 / プロジェクション― 混声のための             作曲2014年/委嘱初演▼男声合唱団クール・ゼフィール 山本 裕之 / 失われたテキストを求めてⅠ           作曲2009年/改定2013年▼成蹊大学混声合唱団 神長 貞行 /「DIGITAL BOX 2 」 for Mixed Chorus                   作曲2014年※演奏順は変更となる場合があります。 指揮:西川 竜太 ■チケット(全自由席)一般=3,000円 学生=1,000円※学生券は日本現代音楽協会のみの取り扱いとなります。※未就学児はご入場になれません。東京文化会館チケットサービス[電話受付]10:00-19:00 / 03-5685-0650[インターネット受付]http://www.t-bunka.jp/ticket/日本現代音楽協会[電話受付]10:00-17:00 / 03-3446-3506[メール受付]gendai2015(a)jscm.net公式サイト=http://www.jscm.net

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  • 27 Feb
    • <人声小交響楽第1番「笙」>〜ISCM韓国支部との交流の中から誕生!〜

      1996年に、大邱国際音楽祭に招待作曲家として参加して以来、私と韓国作曲界・現代音楽界との交流が始りました。特に、長くISCM韓国支部の会長を務められた作曲家=陳圭英(チン・キュユン)氏には随分とお世話になっています。その陳氏の夫人であり、また韓国を代表するソプラノ歌手でもある李丙烈(リー・ビュンリウル)女史が代表を務めて、ソウルを拠点に現代音楽シーンで活動を続けているヴォーカル・アンサンブルがあります。“VECM”(Vocal Ensemble of Contemporary Music)です。2003年には、“VECM”による日韓交流演奏会をソウルで開催され、私の他、佐藤昌弘氏と久行敏彦氏の新作が、当地で初演されました。その演奏会のために作曲した作品が、今日ご紹介する<人声小交響楽第1番「笙」>です。ソプラノ、アルト、テノール、バス、各1名=計4名で演奏できる作品として作曲しましたが、各パートを複数にしての演奏も可能です。日本文化の要素を何らかの形で反映させた作品を書きたいと考えた私は、当時の私がとても強い関心を寄せていた邦楽器=笙の音律と音の感触を敷延した曲を創るという結論に至り、この作品が誕生したという訳です。韓国内盤“VECM”CDにも収録されています。その後も、“VECM”の為に第2弾・第3弾と書き進めるつもりでしたが、しばらく手がつかない状態が続いていました。また、この第1番そのものの日本初演も実現しないまま時が過ぎました。漸く、2012年1月21日&22日に日本現代音楽協会創立80周年記念事業の首都圏ファイナルとなった音楽祭=「現音・特別音楽展2011」<協創-新しい音楽のカタチ~軌跡と未来>の中で開催されることになった<ヴォーカル・アンサンブル>への出品という機会を得て、第1番の日本初演と共に第2番を作曲することになりました。その第2番については明日の記事にアップしましょう。写真は、この<人声小交響楽第1番「笙」>=<Vocal Symphonietta no.1 “SHO”>が収録されている“VECM”の韓国内盤CDです。参考までに、その演奏会の情報も付記しておきます。############################# 日本現代音楽協会=JSCM~現音・特別音楽展2011~    <協創-新しい音楽のカタチ~軌跡と未来>主催:日本現代音楽協会 共催:朝日新聞社コンサートno.3<ヴォーカル・アンサンブル~ヴォクスマーナ精緻なる響き>2012年1月21日(土)18:45開場 / 19:00開演浜離宮朝日ホール 音楽ホールプログラム:ヤニス・クセナキス/夜(1967)松尾祐孝/人声小交響楽第1番「笙」(2003 / 日本初演)     人声小交響楽第2番「尺八」(2011 / 初演)白澤道夫/opera phaze --- dio fa(2011 / 初演)門脇 治/Three Xt as i.e.       ~ジョン・ダン「THE EXTASIE」による                     (2011 / 初演)坪能克裕/声の伝説~ヴォーカルアンサンブルのための~                     (2011 / 初演)ヘルムート・ラッヘンマン/慰め Ⅱ(1968 / 日本初演)▼出演:ヴォクスマーナ指揮:西川竜太Sop.:稲村麻衣子 神谷美貴子 花嶋千香代 廣橋英枝Alto:入澤希誉 髙橋ちはる 中川道子 矢ヶ部直子Ten.:金沢青児 清見 卓 富本泰成 初谷敬史Bas.:小野慶介 櫻井元希 深瀬 廉 松井永太郎 #############################

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  • 13 Feb
    • 日本の素晴らしさ!

      私は、日本に生まれて、作曲家になって、本当に良かったと感じています。天皇の系譜が1000年を遥かに超えて続き、異民族に滅ぼされることなく歴史・文化が継続し、様々な時代に誕生した多様な音楽や芸能が同時並行で脈々と息づいている日本は、世界広しと言えども他の国や地域の追随を許さない、「伝統音楽文化の楽園」と言えるのではないでしょうか。そして、その伝統音楽文化を形成する日本の民俗楽器、つまり邦楽器の個性と普遍性を兼ね備えた力強さと繊細さ、世界に誇るべき宝物ではないでしょうか!しかし、その事に気づいていない人々が何と多い事か。ポップスやジャズやクラシック音楽やオペラも良いですが、まず自分のルーツの文化芸術・芸能を知ることが、自己認識や国際交流の基本ではないでしょうか。ここ20年程、私の作品の約半数は邦楽器関連の作品です。一昨年9月には<松尾祐孝邦楽器作品展>を開催できました。これからも、日本音楽の魅力や自作の邦楽器関連作品、そしてそれにまつわるエピソードも、ときどき紹介していきます。そして、素晴らしい邦楽器のための作品を書き続けていこうと思っています。写真は、拙作<琵琶悠遊>(琵琶、笛、鼓の為の作品)の2007年のアメリカでの初演ツアーの模様です。

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  • 31 Jan
    • 私の数少ない合唱作品=組曲<The Four Seasons>〜カワイ出版オンライン

      私は、大人になってからはほとんど歌う機会の無い生活を過ごしていますが、幼少期には児童合唱団にも通い、日本の歌や世界の歌をたくさん歌っていました。幼稚園時代には、東京の城南方面の名団体である「ひばり児童合唱団」に在籍して、民放の幼児向け歌唱番組等に出演もしていました。また小学生時代には、NHKの児童合唱団である東京放送児童合唱団(現NHK東京児童合唱団)に在籍して、立川清澄さんと相良直美さんが司会をされていた「世界の音楽」のバックコーラスや教育テレビ音楽番組などで頻繁に歌っていました。そんな経験がかえって徒となったのか、作曲家への道を辿って行く中で、男声を含む混声合唱作品をなかなかイメージすることができず、合唱作品にはほとんど手を染めずにいました。東京放送児童合唱団の出身者というご縁もあって、同団の年少団員向けの編曲や欧州演奏旅行向けの日本的な小品の作曲を手掛けるようにはなっていきましたが、混声合唱曲は、未だにほんの少ししか書いていません。合唱作品系列の私の代表作としては、今のところはこの作品松尾祐孝/合唱オペラ<ニングル> [音楽之友社刊](原作:倉本聰/台本:松尾祐孝/作詩:大森淳子)が挙げられますが。そんな私の合唱作品の中でも、一風変わった作品が、ここでご紹介する<THE FOUR SEASONS>~マザー・グースの原詩による~という訳です。この作品は、当時まだ駆け出しの作曲家であった私に、非常勤講師として勤務していた洗足学園音楽大学附属高校の音楽科合唱団から委嘱をいただき、1988年11月3日に初演された、想い出深い作品です。テキストには、マザー・グースの原詩(英語)をそのまま用いて、1月から12月までの季節の巡りを表現する組曲仕立てに構成した、アカペラ作品が誕生しました。簡明な英語と簡潔な音楽が相俟って、素朴な中にも暖かな感興を想起させる作品になったと、些かの自負を持っています。初演後間もなく出版される機会にも恵まれ、全国各地の様々な合唱団に演奏していただきました。カワイ出版による初版本はこのようなシンプルなデザインでした。###松尾祐孝/    女声/児童合唱のための<THE FOUR SEASONS>###Prologue            (ca; 1'30”) January             (ca; 1'20”) February           (ca; 1'10”) March             (ca; 0'40”) April             (ca; 1'00") May              (ca; 0'40") June             (ca; 0'40") July              (ca; 2'00") August             (ca; 0'40") September          (ca; 0'30") October            (ca; 1'40")Intermezzo           (ca; 0'20") November           (ca; 1'20") December           (ca; 3'00") total : ca; 16 min.演奏時間約16分の一陣のそよ風のような作品です。初版本はおそらく品切れだと思われますので、もしも興味の在る方は、出版元のカワイの下記のサイトからのご注文となります。松尾祐孝「The Four Seasons」カワイ出版オンラインhttp://editionkawai.shop16.makeshop.jp/shopdetail/002002000459/008/004/order/現行のオンライン注文版はこのようなデザインです。

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  • 30 Jan
    • CD紹介:山口賢治「尺八の現在(いま)」

      尺八家=山口賢治氏の現代音楽作品によるCDをあらためてご紹介しましょう。私の作品=<美しの都 Ⅲ ~尺八と十七絃箏のために>も、氏の演奏で収録されています。お聴きいただければ幸いです。山口賢治氏は、洗足学園音楽大学の現代邦楽コースと同大学附属機関の現代邦楽研究所で後進の指導にもあたられ、日本現代音楽協会の公演や「音楽づくり」ワークショップ等でも日頃からお世話になっている方です。この度、満を持して、全曲邦人現代作品という意欲的な内容のCDを制作されたという訳です。######山口賢治「尺八の現在」#####  Kenji Yamaguchi, Shakuhachi Today1)菅野由弘/楔形譜2)松尾祐孝/美しの都 Ⅲ3)森本恭正/かつてのアルカディア4)下山一二三/雪渓第2番5)山本和智/ /timber/ for Shakuhachi and 2 percussion6)清水一徹/レスタウロ7)稲森安太己/尺八独奏のための「禁じ手」尺八:山口賢治三味線:野澤徹也 箏:小林道恵 箏・十七絃:野澤佐保子打楽器:篠田浩美 大家一将山口健治『尺八の現在』【企画・制作】山口健治【録音・制作協力】洗足学園音楽大学【録音エンジニア】高木理央【ジャケットデザイン】黒部晃一リリース:2012年4月企画制作:山口賢治 / YSEK001 / 定価3000円(税込)#############################7名の作曲家の作品を満載した濃い内容のCDです。「邦楽ジャーナル」オンライン・ショップで購入できます。http://hj-how.com/SHOP/2497新しい作品を自ら委嘱したり発掘したりしながら、邦楽器の新地平を開拓する演奏家を、皆さんも是非応援してください。

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プロフィール

マリオ

性別:
男性
誕生日:
猛初夏日
自己紹介:
松尾祐孝(まつお・まさたか) 1959年 東京生まれ 1982年 東京藝術大学音楽学部作曲科...

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