本来ならば、特捜隊の現存作品をすべて視聴・観賞したうえで、出演された女優について書いていくべきだと思います。しかし、【スペシャルセレクションシリーズ】が発売されたことで、かつて東映chで放送された特捜隊現存作品全作をリフレイン再放送される可能性は遠のきました。
そこで不充分ながらも、【第3回再放送】【第4回再放送】【スペシャルセレクションシリーズ】を観た状態で、特別機動捜査隊・女優篇を書いていくことにしました。ただし、万が一、特捜隊現存作品全作のリフレイン再放送、新たに【スペシャルセレクションシリーズ】発売がなされたときは、それら作品視聴録を優先して、特別機動捜査隊・女優篇は一時中断することにいたしますので、その点はご了承くださいませ。
なお以下では、人物敬称略で書いていきます。
かつて、
にて、ご本人様にインタビューしたことはあるものの、これはあくまでも例外であり、おそらく自分自身の主観が中心となった原稿になると思いますので、その点も、ご了承のほどお願いいたします。
**************************************
今回取り上げる女優さんは、
◎ 水木梨恵(八方ゆり)
になります。
(#453 狙え!事件記者での、水木梨恵)
(#456 ハイビスカスの女での、水木梨恵)
水木梨恵の存在については、自宅でCS(東映ch)を観れない環境のため、特捜隊を実見出来なかったころ、「掲示板特捜隊」にて、よくその名前が頻出していたことが知るきっかけでした。そこでは、画像表示は無く、ただ「また水木梨恵か・・・」という文面のみでしたので、どんな女優さんなのか? という興味がありました。
その女優さんが、【第3回再放送】の初回、#451 雨の中の慕情(特別機動捜査隊・女優篇(7)小林さち子参照)で衝撃を受けた後、ほぼ連続して4作(下記出演回参照)に登場したのですから、自分には小林さち子、峯京子と同じくらいのインパクトがありました。
水木梨恵はwiki項目が立てられておらず、「初期大河ドラマその記憶」というブログで書かれており、内容として詳しい部類かと思います。自分は、#783 妻の日記帳更新のときに参考としており、リスト特捜隊の限りでは、1959年12月-1965年2月の特捜隊出演回で「八方ゆり」の芸名を使っていると書きました。しかし、それ以外では、詳細情報は見当たらず、断片的に出演作品が見受けられ、若干ですが「Villainnes」というブログで触れられるくらいか? (註・以下は水木梨恵表記に統一)
ただ最近、 松竹新喜劇公式サイトでの検索で、「昭和 59 年 10 月 南座 主な配役」(註・南座=京都祇園の南座)において、「名月出世太鼓」出演者に「おそで(水木理恵)」を見い出すことが出来ました。おそらく、これが2026年3月8日現在では、水木梨恵の一番直近の芸歴であり、特捜隊終焉後、7年経っても女優を続けていたことが明らかになりました。
特捜隊への貢献度は、以下の通り、出演作品数を見ても多大なものがあり、情報が少ないのは残念なものがあります。。。
さて、自分が観た水木梨恵の特捜隊作品群は、視聴順・観賞順に以下のとおりです。
なお、「※主演格」とはエンディング表記でトップ表記されていることを指します(註・トップ表記が複数列のときは、一番上のこと)。
①【第3回再放送】
東映ch=2015年4月2日~2017年2月16日
(1) #452 母恋し1,500キロ
(本放送・1970年7月1日、脚本・横山保朗、元持栄美、監督・北村秀敏、立石班)
(2) #453 狙え!事件記者
(本放送・1970年7月8日、脚本・村田武雄、監督・仲木繁夫、藤島班)
(3) #454 霧の中の聖女
(本放送・1970年7月15日、脚本・横山保朗、監督・北村秀敏、立石班)
(4) #456 ハイビスカスの女
(本放送・1970年7月29日、脚本・横山保朗、監督・天野利彦、立石班)
(5) #465 ある 団地夫人の場合
(本放送・1970年9月30日、脚本・村田武雄、監督・伊賀山正光、藤島班)
(6) #472 南紀州を張込め
(本放送・1970年11月18日、脚本・元持栄美、柳節也、監督・田中秀夫、立石班)
(7) #475 限りなき逃亡
(本放送・1970年12月9日、脚本・元持栄美、監督・天野利彦、立石班)
(8) #483 俺は 三船刑事だ【スペシャルセレクション】
(本放送・1971年2月3日、脚本・吉岡昭三、監督・伊賀山正光、三船班)
(本放送・1971年5月19日、脚本・元持栄美、監督・龍伸之介、立石班)
(本放送・1971年7月14日、脚本・村田武雄、監督・田中秀夫、三船班)
(11) #514 三船刑事を殺(バラ)せ【スペシャルセレクション】
(本放送・1971年9月8日、脚本・村田武雄、監督・龍伸之介、三船班)
(12) #551 群衆の中のひとり
(本放送・1972年5月24日、脚本・西沢治、監督・天野利彦、三船班)
(13) #592 霧の中の 焼死体
(本放送・1973年3月7日、脚本・村田武雄、監督・伊賀山正光、三船班)
(14) #615 下町の灯
(本放送・1973年8月15日、脚本・山本雪夫、監督・鈴木敏郎、高倉班)
②【第4回再放送】
東映ch=2019年3月14日~2020年8月20日
(15) #666 剣と女【スペシャルセレクション】 ※主演格
(本放送・1974年8月7日、脚本・元持栄美、監督・伊賀山正光、矢崎班)
(16) #699 春の色 泥棒伝
(本放送・1975年4月2日、脚本・佐治乾、監督・松島稔、三船班)
(17) #735 あるニッポンの悲劇
(本放送・1975年12月10日、脚本・佐々木武観、監督・中村経美、矢崎班)
(18) #756 悪魔の暴走
(本放送・1976年5月12日、脚本・横山保朗、監督・中村経美、三船班)
(19) #783 妻の日記帳
(本放送・1976年11月24日、脚本・横山保朗、監督・鈴木敏郎、日高班)
(20) #800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】
(本放送・1977年3月23日、脚本・西沢治、監督・天野利彦、三船班)
③【スペシャルセレクションシリーズ】
DVD観賞=2020年12月13日~2025年7月27日のブログ更新年月日
(本放送・1965年9月29日、脚本・内山順一郎、監督・龍伸之介、立石班)
(本放送・1967年5月24日、脚本・小川記正、監督・中村経美、立石班)
(本放送・1967年9月13日、脚本・駒田博之、監督・龍伸之介、立石班)
(本放送・1967年10月14日、脚本・横山保朗、監督・伊賀山正光、立石班)
(25) #314 アイデア 夫人の場合【スペシャルセレクション】
(本放送・1967年11月1日、脚本・西沢治、監督・北村秀敏、立石班)
(本放送・1969年8月6日、脚本・岡田達門、監督・伊賀山正光、藤島班+立石主任)
(27) #319 おんなの ブルース【スペシャルセレクション】
(本放送・1967年12月6日、脚本・菊地一隆弥、監督・北村秀敏、立石班)
(28) #322 寒いクリスマス【スペシャルセレクション】
(本放送・1967年12月27日、脚本・菊地一隆弥、監督・中村経美、立石班)
(29) #413 麻薬【スペシャルセレクション】
(本放送・1969年10月1日、脚本・元持栄美、鹿谷裕一、監督・北村秀敏、立石班+藤島班+三船班)
(本放送・1968年1月24日、脚本・横山保朗、監督・中村経美、立石班+藤島班)
(本放送・1968年1月31日、脚本・横山保朗、監督・中村経美、立石班+藤島班)
(32) #141 おんな【スペシャルセレクション】 ※「八方ゆり」名義
(本放送・1964年7月8日、脚本・元持栄美、監督・伊賀山正光、藤島班)
(33) #147 ゼロの愛情【スペシャルセレクション】 ※「八方ゆり」名義
(本放送・1964年8月19日、脚本・元持栄美、監督・土屋蔵三、立石班)
(本放送・1968年3月6日、脚本・松井稔、監督・伊賀山正光、立石班)
(本放送・1968年5月1日、脚本・村田武雄、監督・北村秀敏、立石班)
(36) #354 昿野を馳ける女【スペシャルセレクション】
(本放送・1968年8月7日、脚本・村田武雄、監督・中村経美、立石班+藤島班)
(37) #367 鴉 【スペシャルセレクション】
(本放送・1968年11月6日、脚本・重宗和伸、監督・中村経美、立石班)
(38) #371 下町の虹【スペシャルセレクション】 ※主演格
(本放送・1968年12月4日、脚本・柳節也、樋口静生、監督・天野利彦、立石班)
(39) #375 鶏は ふたたび鳴く【スペシャルセレクション】
(本放送・1969年1月1日、脚本・横山保朗、監督・松島稔、立石班)
④ 未収録回・欠番回のため未見
(40) (第172回)寒い道 ※「八方ゆり」名義 【第1回再放送】
(本放送・1965年2月10日、脚本・大和久守正、監督・大岡紀、立石班)
(41) (第177回)若い刑事 ※「八方ゆり」名義 【第1回再放送】
(本放送・1965年2月10日、脚本・大和久守正、監督・北村秀敏、立石班)
(42) (第194回)河の女 ※「水木梨恵」名義での特捜隊初登場回 【第1回再放送】
(本放送・1965年7月14日、脚本・内山順一郎、監督・渡辺成男、立石班)
(43) (第263回)霧笛の港 【第2回再放送】
(本放送・1966年11月9日、脚本・小川記正、監督・大岡紀、立石班)
(44) (第280回)新しき門出 【第2回再放送】
(本放送・1967年3月8日、脚本・西沢裕子、監督・奥中惇夫、立石班)
(45) (第384回)転落のメロディ ※主演格 【第2回再放送】
(本放送・1969年3月5日、脚本・西沢治、監督・畠山豊彦、藤島班)
(46) (第395回)薔薇と悪魔 【第2回再放送】
(本放送・1969年5月21日、脚本・横山保朗、監督・畠山豊彦、立石班)
(47) (第420回)女囚 【第2回再放送】
(本放送・1969年11月19日、脚本・五条勢津子、寺森満、監督・奥中惇夫、立石班)
(48) (第431回)馬鹿な女 【第2回再放送】
(本放送・1970年2月4日、脚本・元持栄美、監督・天野利彦、立石班)
(49) (第445回)ある終局 【第2回再放送】
(本放送・1970年5月13日、脚本・大南勝彦、監督・龍伸之介、立石班)
自分が東映chでの【第3回再放送】初視聴したのが、2015年4月2日。毎週木曜日午後3時から2本連続放送で、1本目が#451 雨の中の慕情、2本目が「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の1作目#452 母恋し1,500キロでした。これまで述べてきたように、1本目は小林さち子の存在感に圧倒され、2本目は北村秀敏監督の演出に目を見張りました。そして、特捜隊ではエンディングで初めてゲストの「役柄名(俳優名)」が表記されるのですが、1本目の「佐代子(小林さち子)」、2本目の「歌手(水木梨恵)」、ともに驚かされたのです。
特に、水木梨恵の顔を知らなかった当時、DVD録画したのを何回か見直して、ようやくこの人物が水木梨恵とわかりました(画像①)。ワンシーンの出演で、歌うだけで台詞は無く、これで「特別出演」ということですので、いったいどんな立ち位置にいる人なんだろうと、考えたものでした。
しかし、続く#453 狙え!事件記者では、バーのマダム・ナオミを演じ(画像②)、悲劇的なラストに一役買う役柄で、「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の1作目#452 母恋し1,500キロよりも存在感を見せました。
さらに「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の2作目#454 霧の中の聖女では、事件を複雑化させる発端ともいうべき役柄・弘子を演じ(画像③)、登場場面は少ないものの、ようやく自分には、水木梨恵の顔と名前が一致してきました。まあ、これまで三作連続で本人を観ていれば、否が応でも記憶に残るというものです(笑)
そして、「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の3作目#456 ハイビスカスの女では、主演女優三人のうちの1人を演じ(あとの2人は、白石奈緒美、峯京子)、これまでの水木梨恵出演回の中では、最も印象的なキャスティングとなりました(画像④)。作品としては、後年の天野利彦監督作品を知る身からは物足りないのですが、何よりも、カット、台詞が多く、役柄も事件のキーパーソンの1人であることから、女優を光らせる演出という点で、見どころのある作品でした。
(画像①=#452 母恋し1,500キロでの、水木梨恵)
(画像②=#453 狙え!事件記者、左から園浦ナミ、水木梨恵)
(画像③=#454 霧の中の聖女、左から太刀川寛、水木梨恵)
(画像④=#456 ハイビスカスの女、左から水木梨恵、峯京子)
一般的には、水木梨恵は脇にいる女優のイメージが強いのは否めません。 #465 ある 団地夫人の場合では、女性主人公を不幸に陥れる役柄を演じながらも(画像⑤)登場場面は終盤になるまで無かったり、#472 南紀州を張込めではワンシーン登場の調剤薬局員だったりとか(画像⑥)。。。
かと思えば、 #475 限りなき逃亡では。会社専務の薄幸の愛人を演じ、これがなかなかの悲壮感を醸し出していたり(画像⑦)、#498 女の縮図 (立石班最終話)では、同じ愛人でも「我が道を行く」役柄だったりと(画像⑧)、目を離すことが出来ない女優さんのひとりになっていたのです。
(画像⑤=#465 ある 団地夫人の場合、左から水木梨恵、高野通子)
(画像⑥=#472 南紀州を張込めでの、水木梨恵)
(画像⑦=#475 限りなき逃亡、左から水木梨恵、波島進)
(画像⑧=#498 女の縮図 (立石班最終話)、左から沼田曜一、水木梨恵)
また、気づいたところでは、水木梨恵は水商売の女性を演じるケースが圧倒的に多いのですが、女剣劇役者を演じるケースが目立つというのも特徴です。【第1回再放送】【第2回再放送】は未見が多いため、すべてを把握することは不可能ですが、#551 群衆の中のひとりでは被害者姉の女剣劇役者を(画像⑨)、 #615 下町の灯では冒頭から賭博開帳に参加して所轄署刑事に連行された剣劇座員のひとりを(画像⑩)、 #666 剣と女【スペシャルセレクション】では大御所から応援される新進の女剣劇役者を(画像⑪)それぞれ演じていました。このことが、前述した松竹新喜劇での南座舞台に招聘された一因かもと思うのは、考えすぎか・・・?
趣を変えたところでは、三船班第1回目作品#413 麻薬【スペシャルセレクション】では容疑者の取り調べ前に立ち会う婦人警官を(画像⑫)、三船班最終作品#800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】では朝から近所の主婦とワンカップの日本酒を傾ける主婦を(画像⑬)それぞれ演じ、三船班の歴史の一員のしてのイメージを残してくれました。
これらを考えると、役者業とはいえ、脇役から主演まで、バリエーションの多い女優さんだなという思いがあります。
(画像⑨=#551 群衆の中のひとりでの、水木梨恵)
(画像⑩=#615 下町の灯、左から水木梨恵、永井玄哉)
(画像⑪= #666 剣と女【スペシャルセレクション】、左から浅香光代、水木梨恵)
(画像⑫=#413 麻薬【スペシャルセレクション】、左から木下悦子、水木梨恵)
(画像⑬=#800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】、
左から三原葉子、水木梨恵)
ただ、水木梨恵は、【第3回再放送】で主演として登場したのが #456 ハイビスカスの女くらいで、印象が強い割には主演作が少ない感想を持っていました。ところが、【第4回再放送】の#666 剣と女【スペシャルセレクション】では浅香光代を向こうに回した主演ぶり。また、 #699 春の色 泥棒伝では青木義朗・葉山良二・藤山律子の三者三様の関係を上手く繋げる助演。そして、#783 妻の日記帳では意外な役柄を演じたりと、主演ではないのですが気になる存在感を持った女優さんでありました。
これは、自分が【スペシャルセレクション】を観賞し始めたときにわかったのですが、【第2回再放送】の水木梨恵出演作品には光を放つものが多い印象でした。どちらかというと、立石班・藤島班ストーリーに適したキャラというべきで、作品的には?がつくものの、 #405 愛憎の吊り橋【スペシャルセレクション】、#367 鴉 【スペシャルセレクション】では「おっ」という役柄を演じていました。
DVD未収録であった【第2回再放送】の作品群は、「④ 未収録回・欠番回のため未見」に書いた通り、いくつかありますので、これらを観たら、また水木梨恵の評価は上がるのかもしれません。
しかし、水木梨恵の映像は、おそらく#800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】が残された最新のものであって、一般的には知れ渡ることはないと思います。ですので、拙稿の画像により、昭和の一時期の一番組で、水木梨恵がきら星のように光った女優のひとりとして認知されれば良いかなあと思う次第であります。
さらに、稿了直前に「水木梨恵の松竹新喜劇・南座での出演歴」がわかったのも、これまたひとつの喜びでもあります。女優引退して久しいと思われますが、何かの拍子に東映chにゲスト出演してほしい方のひとりです。



















































































