本来ならば、特捜隊の現存作品をすべて視聴・観賞したうえで、出演された女優について書いていくべきだと思います。しかし、【スペシャルセレクションシリーズ】が発売されたことで、かつて東映chで放送された特捜隊現存作品全作をリフレイン再放送される可能性は遠のきました。

そこで不充分ながらも、【第3回再放送】【第4回再放送】【スペシャルセレクションシリーズ】を観た状態で、特別機動捜査隊・女優篇を書いていくことにしました。ただし、万が一、特捜隊現存作品全作のリフレイン再放送、新たに【スペシャルセレクションシリーズ】発売がなされたときは、それら作品視聴録を優先して、特別機動捜査隊・女優篇は一時中断することにいたしますので、その点はご了承くださいませ。

なお以下では、人物敬称略で書いていきます。

 

かつて、

特別機動捜査隊・女優篇(1)渡辺ゆかり

にて、ご本人様にインタビューしたことはあるものの、これはあくまでも例外であり、おそらく自分自身の主観が中心となった原稿になると思いますので、その点も、ご了承のほどお願いいたします。

 

 

**************************************

 

今回取り上げる女優さんは、

◎ 水木梨恵(八方ゆり)

になります。

 

#453 狙え!事件記者での、水木梨恵)

 

#456 ハイビスカスの女での、水木梨恵)

 

 

水木梨恵の存在については、自宅でCS(東映ch)を観れない環境のため、特捜隊を実見出来なかったころ、「掲示板特捜隊」にて、よくその名前が頻出していたことが知るきっかけでした。そこでは、画像表示は無く、ただ「また水木梨恵か・・・」という文面のみでしたので、どんな女優さんなのか? という興味がありました。

その女優さんが、【第3回再放送】の初回、#451 雨の中の慕情特別機動捜査隊・女優篇(7)小林さち子参照)で衝撃を受けた後、ほぼ連続して4作(下記出演回参照)に登場したのですから、自分には小林さち子、峯京子と同じくらいのインパクトがありました。

 

水木梨恵はwiki項目が立てられておらず、「初期大河ドラマその記憶」というブログで書かれており、内容として詳しい部類かと思います。自分は、#783 妻の日記帳更新のときに参考としており、リスト特捜隊の限りでは、1959年12月-1965年2月の特捜隊出演回で「八方ゆり」の芸名を使っていると書きました。しかし、それ以外では、詳細情報は見当たらず、断片的に出演作品が見受けられ、若干ですが「Villainnes」というブログで触れられるくらいか? (註・以下は水木梨恵表記に統一)

ただ最近、 松竹新喜劇公式サイトでの検索で、「昭和 59 年 10 月 南座 主な配役」(註・南座=京都祇園の南座)において、「名月出世太鼓」出演者に「おそで(水木理恵)」を見い出すことが出来ました。おそらく、これが2026年3月8日現在では、水木梨恵の一番直近の芸歴であり、特捜隊終焉後、7年経っても女優を続けていたことが明らかになりました。

特捜隊への貢献度は、以下の通り、出演作品数を見ても多大なものがあり、情報が少ないのは残念なものがあります。。。

 

さて、自分が観た水木梨恵の特捜隊作品群は、視聴順・観賞順に以下のとおりです。

なお、「※主演格」とはエンディング表記でトップ表記されていることを指します(註・トップ表記が複数列のときは、一番上のこと)。

 

 

 

①【第3回再放送】

東映ch=2015年4月2日~2017年2月16日

 

(1) #452 母恋し1,500キロ

(本放送・1970年7月1日、脚本・横山保朗、元持栄美、監督・北村秀敏、立石班)

(2) #453 狙え!事件記者

(本放送・1970年7月8日、脚本・村田武雄、監督・仲木繁夫、藤島班)

(3) #454 霧の中の聖女

(本放送・1970年7月15日、脚本・横山保朗、監督・北村秀敏、立石班)

(4) #456 ハイビスカスの女

(本放送・1970年7月29日、脚本・横山保朗、監督・天野利彦、立石班)

(5) #465 ある 団地夫人の場合

(本放送・1970年9月30日、脚本・村田武雄、監督・伊賀山正光、藤島班)

(6) #472 南紀州を張込め

(本放送・1970年11月18日、脚本・元持栄美、柳節也、監督・田中秀夫、立石班)

(7) #475 限りなき逃亡

(本放送・1970年12月9日、脚本・元持栄美、監督・天野利彦、立石班)

(8) #483 俺は 三船刑事だ【スペシャルセレクション】

(本放送・1971年2月3日、脚本・吉岡昭三、監督・伊賀山正光、三船班)

(9) #498 女の縮図 (立石班最終話)

(本放送・1971年5月19日、脚本・元持栄美、監督・龍伸之介、立石班)

(10) #506 銭に生きる女【スペシャルセレクション】

(本放送・1971年7月14日、脚本・村田武雄、監督・田中秀夫、三船班)

(11) #514 三船刑事を殺(バラ)せ【スペシャルセレクション】

(本放送・1971年9月8日、脚本・村田武雄、監督・龍伸之介、三船班)

(12) #551 群衆の中のひとり

(本放送・1972年5月24日、脚本・西沢治、監督・天野利彦、三船班)

(13) #592 霧の中の 焼死体

(本放送・1973年3月7日、脚本・村田武雄、監督・伊賀山正光、三船班)

(14) #615 下町の灯

(本放送・1973年8月15日、脚本・山本雪夫、監督・鈴木敏郎、高倉班)

 

 

②【第4回再放送】

東映ch=2019年3月14日~2020年8月20日

 

(15) #666 剣と女【スペシャルセレクション】 ※主演格

(本放送・1974年8月7日、脚本・元持栄美、監督・伊賀山正光、矢崎班)

(16) #699 春の色 泥棒伝

(本放送・1975年4月2日、脚本・佐治乾、監督・松島稔、三船班)

(17) #735 あるニッポンの悲劇

(本放送・1975年12月10日、脚本・佐々木武観、監督・中村経美、矢崎班)

(18) #756 悪魔の暴走

(本放送・1976年5月12日、脚本・横山保朗、監督・中村経美、三船班)

(19) #783 妻の日記帳

(本放送・1976年11月24日、脚本・横山保朗、監督・鈴木敏郎、日高班)

(20) #800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】

(本放送・1977年3月23日、脚本・西沢治、監督・天野利彦、三船班)
 

 

③【スペシャルセレクションシリーズ】

DVD観賞=2020年12月13日~2025年7月27日のブログ更新年月日

 

(21) #205 歌のある街【スペシャルセレクション】

(本放送・1965年9月29日、脚本・内山順一郎、監督・龍伸之介、立石班)

(22) #291 豚と栄光【スペシャルセレクション】

(本放送・1967年5月24日、脚本・小川記正、監督・中村経美、立石班)

(23) #307 海に生きる【スペシャルセレクション】

(本放送・1967年9月13日、脚本・駒田博之、監督・龍伸之介、立石班)

(24) #310 誰よりも愛す【スペシャルセレクション】

(本放送・1967年10月14日、脚本・横山保朗、監督・伊賀山正光、立石班)

(25) #314 アイデア 夫人の場合【スペシャルセレクション】

(本放送・1967年11月1日、脚本・西沢治、監督・北村秀敏、立石班)

(26) #405 愛憎の吊り橋【スペシャルセレクション】

(本放送・1969年8月6日、脚本・岡田達門、監督・伊賀山正光、藤島班+立石主任)

(27) #319 おんなの ブルース【スペシャルセレクション】

(本放送・1967年12月6日、脚本・菊地一隆弥、監督・北村秀敏、立石班)

(28) #322 寒いクリスマス【スペシャルセレクション】

(本放送・1967年12月27日、脚本・菊地一隆弥、監督・中村経美、立石班)

(29) #413 麻薬【スペシャルセレクション】

(本放送・1969年10月1日、脚本・元持栄美、鹿谷裕一、監督・北村秀敏、立石班+藤島班+三船班)

(30) #326 蜜月旅行【スペシャルセレクション】

(本放送・1968年1月24日、脚本・横山保朗、監督・中村経美、立石班+藤島班)

(31) #327 続 蜜月旅行【スペシャルセレクション】

(本放送・1968年1月31日、脚本・横山保朗、監督・中村経美、立石班+藤島班)

(32) #141 おんな【スペシャルセレクション】 ※「八方ゆり」名義

(本放送・1964年7月8日、脚本・元持栄美、監督・伊賀山正光、藤島班)

(33) #147 ゼロの愛情【スペシャルセレクション】 ※「八方ゆり」名義

(本放送・1964年8月19日、脚本・元持栄美、監督・土屋蔵三、立石班)

(34) #332 東京の空の下【スペシャルセレクション】

(本放送・1968年3月6日、脚本・松井稔、監督・伊賀山正光、立石班)

(35) #340 霧のような女【スペシャルセレクション】

(本放送・1968年5月1日、脚本・村田武雄、監督・北村秀敏、立石班)

(36) #354 昿野を馳ける女【スペシャルセレクション】

(本放送・1968年8月7日、脚本・村田武雄、監督・中村経美、立石班+藤島班)

(37) #367 鴉 【スペシャルセレクション】

(本放送・1968年11月6日、脚本・重宗和伸、監督・中村経美、立石班)

(38) #371 下町の虹【スペシャルセレクション】 ※主演格

(本放送・1968年12月4日、脚本・柳節也、樋口静生、監督・天野利彦、立石班)

(39) #375 鶏は ふたたび鳴く【スペシャルセレクション】

(本放送・1969年1月1日、脚本・横山保朗、監督・松島稔、立石班)

 

 

④ 未収録回・欠番回のため未見

 

(40) (第172回)寒い道 ※「八方ゆり」名義 【第1回再放送】

(本放送・1965年2月10日、脚本・大和久守正、監督・大岡紀、立石班)

(41) (第177回)若い刑事 ※「八方ゆり」名義 【第1回再放送】

(本放送・1965年2月10日、脚本・大和久守正、監督・北村秀敏、立石班)

(42) (第194回)河の女 ※「水木梨恵」名義での特捜隊初登場回 【第1回再放送】

(本放送・1965年7月14日、脚本・内山順一郎、監督・渡辺成男、立石班)

(43) (第263回)霧笛の港 【第2回再放送】

(本放送・1966年11月9日、脚本・小川記正、監督・大岡紀、立石班)

(44) (第280回)新しき門出  【第2回再放送】

(本放送・1967年3月8日、脚本・西沢裕子、監督・奥中惇夫、立石班)

(45) (第384回)転落のメロディ ※主演格 【第2回再放送】

(本放送・1969年3月5日、脚本・西沢治、監督・畠山豊彦、藤島班)

(46) (第395回)薔薇と悪魔 【第2回再放送】

(本放送・1969年5月21日、脚本・横山保朗、監督・畠山豊彦、立石班)

(47) (第420回)女囚 【第2回再放送】

(本放送・1969年11月19日、脚本・五条勢津子、寺森満、監督・奥中惇夫、立石班)

(48) (第431回)馬鹿な女 【第2回再放送】

(本放送・1970年2月4日、脚本・元持栄美、監督・天野利彦、立石班)

(49) (第445回)ある終局 【第2回再放送】

(本放送・1970年5月13日、脚本・大南勝彦、監督・龍伸之介、立石班)

 

 

自分が東映chでの【第3回再放送】初視聴したのが、2015年4月2日。毎週木曜日午後3時から2本連続放送で、1本目が#451 雨の中の慕情、2本目が「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の1作目#452 母恋し1,500キロでした。これまで述べてきたように、1本目は小林さち子の存在感に圧倒され、2本目は北村秀敏監督の演出に目を見張りました。そして、特捜隊ではエンディングで初めてゲストの「役柄名(俳優名)」が表記されるのですが、1本目の「佐代子(小林さち子)」、2本目の「歌手(水木梨恵)」、ともに驚かされたのです。

 

特に、水木梨恵の顔を知らなかった当時、DVD録画したのを何回か見直して、ようやくこの人物が水木梨恵とわかりました(画像①)。ワンシーンの出演で、歌うだけで台詞は無く、これで「特別出演」ということですので、いったいどんな立ち位置にいる人なんだろうと、考えたものでした。

 

しかし、続く#453 狙え!事件記者では、バーのマダム・ナオミを演じ(画像②)、悲劇的なラストに一役買う役柄で、「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の1作目#452 母恋し1,500キロよりも存在感を見せました。

さらに「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の2作目#454 霧の中の聖女では、事件を複雑化させる発端ともいうべき役柄・弘子を演じ(画像③)、登場場面は少ないものの、ようやく自分には、水木梨恵の顔と名前が一致してきました。まあ、これまで三作連続で本人を観ていれば、否が応でも記憶に残るというものです(笑)

そして、「立石班の桜島噴火前鹿児島ロケ三部作」の3作目#456 ハイビスカスの女では、主演女優三人のうちの1人を演じ(あとの2人は、白石奈緒美、峯京子)、これまでの水木梨恵出演回の中では、最も印象的なキャスティングとなりました(画像④)。作品としては、後年の天野利彦監督作品を知る身からは物足りないのですが、何よりも、カット、台詞が多く、役柄も事件のキーパーソンの1人であることから、女優を光らせる演出という点で、見どころのある作品でした。

 

(画像①=#452 母恋し1,500キロでの、水木梨恵)

 

(画像②=#453 狙え!事件記者、左から園浦ナミ、水木梨恵)

 

(画像③=#454 霧の中の聖女、左から太刀川寛、水木梨恵)

 

(画像④=#456 ハイビスカスの女、左から水木梨恵、峯京子)

 

 

一般的には、水木梨恵は脇にいる女優のイメージが強いのは否めません。 #465 ある 団地夫人の場合では、女性主人公を不幸に陥れる役柄を演じながらも(画像⑤)登場場面は終盤になるまで無かったり、#472 南紀州を張込めではワンシーン登場の調剤薬局員だったりとか(画像⑥)。。。

かと思えば、 #475 限りなき逃亡では。会社専務の薄幸の愛人を演じ、これがなかなかの悲壮感を醸し出していたり(画像⑦)、#498 女の縮図 (立石班最終話)では、同じ愛人でも「我が道を行く」役柄だったりと(画像⑧)、目を離すことが出来ない女優さんのひとりになっていたのです。

 

(画像⑤=#465 ある 団地夫人の場合、左から水木梨恵、高野通子)

 

(画像⑥=#472 南紀州を張込めでの、水木梨恵)

 

(画像⑦=#475 限りなき逃亡、左から水木梨恵、波島進)

 

(画像⑧=#498 女の縮図 (立石班最終話)、左から沼田曜一、水木梨恵)

 

 

また、気づいたところでは、水木梨恵は水商売の女性を演じるケースが圧倒的に多いのですが、女剣劇役者を演じるケースが目立つというのも特徴です。【第1回再放送】【第2回再放送】は未見が多いため、すべてを把握することは不可能ですが、#551 群衆の中のひとりでは被害者姉の女剣劇役者を(画像⑨)、 #615 下町の灯では冒頭から賭博開帳に参加して所轄署刑事に連行された剣劇座員のひとりを(画像⑩)、 #666 剣と女【スペシャルセレクション】では大御所から応援される新進の女剣劇役者を(画像⑪)それぞれ演じていました。このことが、前述した松竹新喜劇での南座舞台に招聘された一因かもと思うのは、考えすぎか・・・?

趣を変えたところでは、三船班第1回目作品#413 麻薬【スペシャルセレクション】では容疑者の取り調べ前に立ち会う婦人警官を(画像⑫)、三船班最終作品#800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】では朝から近所の主婦とワンカップの日本酒を傾ける主婦を(画像⑬)それぞれ演じ、三船班の歴史の一員のしてのイメージを残してくれました。

これらを考えると、役者業とはいえ、脇役から主演まで、バリエーションの多い女優さんだなという思いがあります。

 

(画像⑨=#551 群衆の中のひとりでの、水木梨恵)

 

(画像⑩=#615 下町の灯、左から水木梨恵、永井玄哉)

 

(画像⑪= #666 剣と女【スペシャルセレクション】、左から浅香光代、水木梨恵)

 

(画像⑫=#413 麻薬【スペシャルセレクション】、左から木下悦子、水木梨恵)

 

(画像⑬=#800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】

左から三原葉子、水木梨恵)

 

 

 

ただ、水木梨恵は、【第3回再放送】で主演として登場したのが #456 ハイビスカスの女くらいで、印象が強い割には主演作が少ない感想を持っていました。ところが、【第4回再放送】の#666 剣と女【スペシャルセレクション】では浅香光代を向こうに回した主演ぶり。また、 #699 春の色 泥棒伝では青木義朗・葉山良二・藤山律子の三者三様の関係を上手く繋げる助演。そして、#783 妻の日記帳では意外な役柄を演じたりと、主演ではないのですが気になる存在感を持った女優さんでありました。

これは、自分が【スペシャルセレクション】を観賞し始めたときにわかったのですが、【第2回再放送】の水木梨恵出演作品には光を放つものが多い印象でした。どちらかというと、立石班・藤島班ストーリーに適したキャラというべきで、作品的には?がつくものの、 #405 愛憎の吊り橋【スペシャルセレクション】#367 鴉 【スペシャルセレクション】では「おっ」という役柄を演じていました。

DVD未収録であった【第2回再放送】の作品群は、「④ 未収録回・欠番回のため未見」に書いた通り、いくつかありますので、これらを観たら、また水木梨恵の評価は上がるのかもしれません。

 

しかし、水木梨恵の映像は、おそらく#800 あゝ夫婦 (三船班最終話)【スペシャルセレクション】が残された最新のものであって、一般的には知れ渡ることはないと思います。ですので、拙稿の画像により、昭和の一時期の一番組で、水木梨恵がきら星のように光った女優のひとりとして認知されれば良いかなあと思う次第であります。

さらに、稿了直前に「水木梨恵の松竹新喜劇・南座での出演歴」がわかったのも、これまたひとつの喜びでもあります。女優引退して久しいと思われますが、何かの拍子に東映chにゲスト出演してほしい方のひとりです。

本来ならば、特捜隊の現存作品をすべて視聴・観賞したうえで、出演された女優について書いていくべきだと思います。しかし、【スペシャルセレクションシリーズ】が発売されたことで、かつて東映chで放送された特捜隊現存作品全作をリフレイン再放送される可能性は遠のきました。

そこで不充分ながらも、【第3回再放送】【第4回再放送】【スペシャルセレクションシリーズ】を観た状態で、特別機動捜査隊・女優篇を書いていくことにしました。ただし、万が一、特捜隊現存作品全作のリフレイン再放送、新たに【スペシャルセレクションシリーズ】発売がなされたときは、それら作品視聴録を優先して、特別機動捜査隊・女優篇は一時中断することにいたしますので、その点はご了承くださいませ。

なお以下では、人物敬称略で書いていきます。

 

かつて、

特別機動捜査隊・女優篇(1)渡辺ゆかり

にて、ご本人様にインタビューしたことはあるものの、これはあくまでも例外であり、おそらく自分自身の主観が中心となった原稿になると思いますので、その点も、ご了承のほどお願いいたします。

 

 

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今回取り上げる女優さんは、

◎ 中島ゆたか

になります。

 

( #665 伯耆大山の詩(ウタ)での、中島ゆたか)

 

 

( #665 伯耆大山の詩(ウタ)での、中島ゆたか)

 

 

昨年暮れ、驚きのニュースが報道されました。

 

「トラック野郎」第1作ヒロイン中島ゆたかさん、大腸がんで73歳死去 最後の仕事で主題歌歌った 

[日刊スポーツ 2025年12月4日4時0分更新]

 

 

自分の記憶の中では、妖しげでミステリアスな悪女の役を演じるイメージだったのですが、初公開後かなり経ってから「広島仁義 人質奪回作戦」(初公開は1976年)を観賞したとき、イメージとは異なる善役で、ラスト本人の笑顔のアップで終幕となったことを、かすかに覚えています。また、バラエティーになりますが、亡くなる数年前「クイズ!脳ベルSHOW」(BSフジ)にゲスト出演したとき、悪ふざけすることなく真摯に問題を解答していました。

今にして思えば、彫の深い容貌で、昭和当時はスタイルが高評価されたこともあり、妖艶な役柄が回ってきたのかなとも考えます。1952年10月5日生まれ(wiki項目)ですから、73歳で逝去されたことになります。遅ればせながら、中島ゆたかさんの、女優その他での活動に敬意を表し、ご冥福をお祈りいたします。

(以下文面は、敬称を略させていただきます)

 

さて、自分が観た中島ゆたかの特捜隊作品群は、視聴順・観賞順に以下のとおりです。なお、「※主演格」とはエンディング表記でトップ表記されていることを指します(註・トップ表記が複数列のときは、一番上のこと)。

 

 

 

①【第3回再放送】

東映ch=2015年4月2日~2017年2月16日

出演回は無し

 

 

②【第4回再放送】

東映ch=2019年3月14日~2020年8月20日

 

(1) #665 伯耆大山の詩(ウタ)

(本放送・1974年7月31日、脚本・横山保朗、監督・山崎大助、三船班)

 

 

③【スペシャルセレクションシリーズ】

DVD観賞=2020年12月13日~2025年7月27日のブログ更新年月日

出演回は無し

 

 

④ 未収録回・欠番回のため未見

出演回は無し

 

 

 

上記の通り、特捜隊での、中島ゆたか出演回は、

#665 伯耆大山の詩(ウタ)

の、1作のみになります。

当作は、リメイクされたものであり、以前に【特別機動捜査隊】リメイクの変遷(3) 後篇・第2回再放送の最終作#450までの期間で書いたのですが、

 

原型作= (第423回)石狩の女 (未収録回)【第2回再放送】

(本放送・1969年12月10日、脚本・横山保朗、監督・龍伸之介、立石班)

リメ作= #665 伯耆大山の詩(ウタ) (未収録回)【第3回再放送】

(本放送・1974年7月31日、脚本・横山保朗、監督・山崎大助、三船班)

 

の関係にあり、また

○ #665 伯耆大山の詩(ウタ) 

○ #672 俺の殺した女

は鳥取ロケ2本撮り作品であるばかりか、 #672 俺の殺した女も、

 

原型作= #305 富士山頂【スペシャルセレクション】(収録回)【第2回再放送】

(本放送・1967年8月30日、脚本・横山保朗、監督・龍伸之介、立石班+藤島主任)

リメ作=#672 俺の殺した女(未収録回)【第3回再放送】

(本放送・1974年9月18日、脚本・横山保朗、監督・山崎大助、三船班)

 

という、原型作をリメイクした関係にありました。勝手な想像ですが、1974年の鳥取ロケに臨むに至り、中井義プロデューサーが、山崎大助監督を、

かつての「横山保朗脚本、龍伸之介監督作品」で、監督を替えてみたらどうだろうと抜擢したのではないか? 

さらに、#646 嘆きの天使 (高倉班最終話)で特捜隊監督デビュー、次作の#652 壁の中に消えた女(横山保朗脚本の#358 まぼろしの女【スペシャルセレクション】のリメ作)が、「上手くアレンジした感」有りと判断したから抜擢したのではないか? 

とまあ考えてしまいます。

 

そういう点では、期待のリメイク2作品のうち1作に、(特捜隊としては)当時の大物若手女優・中島ゆたかをゲストに招聘したのは、ぜひとも成功させたいという制作側の思惑もあったのでしょう。

ただ、wiki項目での出演作品を見てみると、当作本放送の1974年から特捜隊終焉の1977年まで、中島ゆたかは多忙だったことがうかがえます。ですので、当作以降は出演が途絶えてしまったのは、仕方がなかったと考えます。

 

 

当作については、かなり詳しくストーリーを#665 伯耆大山の詩(ウタ)(画像①)で触れていますので、今回はそれを補完する形での記述になります。

エンディング表記をベースにした主要登場人物は、以下の通りです(三船班の配役名は、#665 伯耆大山の詩(ウタ)を参照)。

 

○タレント・津川いづみ・・・・・・・・中島ゆたか(画像②)

○いづみの従姉妹・マリ子・・・・・・・夏海千佳子(画像③)

○マリ子の夫・馬場一郎・・・・・・・・山下洵一郎(画像④)

○いづみの元マネージャー・深見昇一・・梅津栄(画像⑤)

○深見の妻・亜矢子・・・・・・・・・・山吹まゆみ(画像⑥)

 

(画像①=オープニングの題名表記)

 

(画像②=中島ゆたか)

 

(画像③=左から中島ゆたか、夏海千佳子)

 

(画像④=左から山下洵一郎、夏海千佳子)

 

(画像⑤=梅津栄)

 

(画像⑥=山吹まゆみ)

 

 

○いづみの自宅の家政婦・・・・・・・・加東三和(画像⑦)

○マリ子の隣家夫人・・・・・・・・・・金子勝美(画像⑧)

○洗濯配達員・・・・・・・・・・・・・木村修(画像⑨)

○王子住研・清水・・・・・・・・・・・菊地正孝(画像⑩)

○王子住研・女性社員・・・・・・・・・清水理絵? 大堰とみ江?

○土産物屋・女性従業員・・・・・・・・清水理絵? 大堰とみ江?

○皆生グランドホテル・フロント・・・・伊藤敏孝(画像⑪)

○医師・・・・・・・・・・・・・・・・片山滉(画像⑫)

○ストリップ劇場・支配人・・・・・・・大阪憲(画像⑬)

○ストリップ劇場・女性従業員?・・・・伊藤洋子(画像⑬)

○境港の洗車女性・・・・・・・・・・・佐藤明美(画像⑭)

○マリ子宅を警備する警官・・・・・・・

○大山の所轄署刑事(年輩) ・・・・・・・石井宏明(画像⑮)

○大山の所轄署刑事(若手) ・・・・・・・鳥井忍(画像⑮)

 

※なお、菊地正孝は、後年、菊地太と改名。#765 ダイナマイトと ダリヤの花【スペシャルセレクション】での、異様なキャラが印象に残る。特捜隊最終出演回は、#768 悪女がいっぱい

※また、伊藤敏孝は、当作と併行した鳥取ロケ2本撮り作品、 #672 俺の殺した女 では主演を演じており、当作出演の伊藤洋子の恋人を演じている。

 

(画像⑦=左から宗方勝巳、加東三和、水木襄)

 

(画像⑧=左から吉田豊明、金子勝美)

 

(画像⑨=左から木村修、水木襄、宗方勝巳、青木義朗)

 

(画像⑩=左から菊地正孝、中島ゆたか)

 

(画像⑪=左は伊藤敏孝、右は画像⑮の鳥井忍の後ろ姿)

 

(画像⑫=左から夏海千佳子、片山滉、中島ゆたか)

 

(画像⑬=左から宗方勝巳、大阪憲、伊藤洋子、水木襄)

 

(画像⑭=左から伊沢一郎、画像⑭の石井宏明、佐藤明美)

 

(画像⑮=左から鳥井忍、石井宏明)

 

 

さて、 #665 伯耆大山の詩(ウタ)の、三船班全員が鳥取に揃った、開始約31分半以降のストーリー概略は、要約も含め以下のようになります(中島ゆたかは芸名表記)。

 

三船班は、中島ゆたか、馬場、所轄署刑事、王子住研関係者と別荘で合流、内部の捜査を行ないます。所轄署刑事からはルミノール反応も無く犯行現場とは思えないと具申されますが、三船主任は中島ゆたかに、死体を発見した裏林まで案内してもらいます。そして、捜査陣で付近を掘り起こして調べますが、深見の死体は見つかりません。中島ゆたかも、こんなに深くはなかったと話したことで、三船主任は作業の中断を命じます。

ところが、発見を諦めかけた水木刑事が、スコップを掘った穴底に差すと、金属にあたった音がしました。そこで、くまなく掘ってみると金属箱が出てきて、その中には、マリ子が深見を殴ったという花瓶、マリ子の衣服(註・馬場の証言)があるのを発見。三船主任は、鑑識に回すよう関根部長刑事に指示、さらに、中島ゆたか、馬場に自身の指紋採取を要請するのでした。

 

そして、マリ子宅の死体が復元により深見と判明したこと、花瓶から中島ゆたかの指紋が検出されたこと、衣服には2種類の血液型の毛髪が付着、AB型はマリ子だがO型は中島ゆたかの可能性が高いことをもって、三船主任は中島ゆたかを深見殺害事件の犯人として聴取することになります。

聴取は別荘内で行なわれ、三船主任は「1度調べた穴を、再度調べることは無いと思っていたのか!?」と追及しますが、中島ゆたかはこれを否定します。

とそこに、別荘内捜査を終えた、畑野刑事から血痕がまったく見つからないことへの疑念、石原刑事からもマリ子に殴打された(註・7月7日)深見が生きており、翌日(註・7月8日)中島ゆたかが殺害したとしても、本当に「ここ」で殺害されたのかという疑念が出されます。そこで、三船主任は殺害現場は「ここ」ではない可能性も考え、特捜隊本部に連絡を取ります。

 

時間を置いて、皆生グランドホテルに待機中の馬場を三船主任、松木部長刑事が訪れ、中島ゆたかは米子署で取り調べ中、犯行を自供しないものの時間の問題だと報告します。さらに松木部長刑事も、馬場家の引っ越しの荷物を利用して、「ここ」に埋められた死体を運んだとも考えられると話します。

これらから、馬場はマリ子の行方についても懸念するのですが、三船主任は、かつて馬場の婚約者だった中島ゆたかは、マリ子に馬場を奪われたことで恨みを抱く可能性を言及、マリ子を殺害したことも有り得ると指摘します。これに馬場は、自分とマリ子は中島ゆたかから経済的援助を受けていたこともあり、そのことも犯行理由のひとつだったのか? と、逆に問いかけるのでした。

 

とそこに、畑野刑事が現われ三船主任に囁きかけると、三船主任は、中島ゆたかが深見殺害だけは自供、マリ子のこともすぐに判明するでしょうと、馬場に報告します。しかし、馬場はマリ子が殺害されたかのような報告を受け入れようとはせず、マリ子の生存を信じて疑わないのでした・・・。

 

 

ここまで開始約39分序盤、時間的にはあと8分弱で事件解決となるわけです。

 

 

当作は、すでに触れていますが、上出来な作品とは言い難い。ストーリーの進行で「代名詞」の使用が多く、「あれ」「これ」「それ」的な発言が頻発して、時間軸がわかりにくくなってしまうのが大きな欠点です。この点は、#665 伯耆大山の詩(ウタ)にも書いた通りで、拙稿の開始約31分半以降の展開でも「ここ」というのが、普通に考えると「別荘」「裏林」なのですが、結末から考えて、ようやく「鳥取」「大山」に行きつくという、最後の最後になってわかるしくみになっています。

もちろん、何も考えずにのんびり観たりすれば問題も無く、自分の理解が遅速なのかも考えれば良いのでしょうが、わかりにくいことには違いありません。

 

 

特に、#665 伯耆大山の詩(ウタ)にも書いたのですが、

>海岸での真相追及に出てきた女は、一体誰なのでしょうか?  この説明が無く、

>脚本を時間の関係で飛ばしたのかも、よくわかりません。

>これらからも、やはり当作は、構成上の問題が大きい作品といえると

>感じました。

という点が、以下の画像になります(画像⑯)。

 

(画像⑯=左から、?の女優、青木義朗)

 

要は、事件解決者の女優さんなのですが、画像⑬の伊藤洋子かと思ったものの、顔つきはふっくらしており髪型も違うので別人のように見えます。また、この役柄について、劇中ではいっさい説明が無いので、キツネにつままれた感じになります。

実は、このパターンは、当作を遡ること約10年前の

#127 蜘蛛の巣【スペシャルセレクション】

の、真相追及でも行われていました。ラストに登場する「威音院墓地の案内嬢?」は一体誰なのか? 重要な役柄とは思うものの、劇中でも説明は無く、キツネにつままれる気分に変わりはありません。脚本は「豊田総治→横山保朗」と異なるため、脚本の焼き直しとは考えにくいので、これはどういうことかわかりません。

 

 

また、開始約39分以降、ある人物、A、B、C、D、について

(1) A、B、C、が揃う回想場面

(2) A、B、D、が揃う回想場面

があるのですが、この場面は連続して描かれています。ですので、同一の時間帯・場所での連続場面と考えるのですが、実は、(1) (2) は別の日時に起こったことです。

また、この場所は、状況的に「鳥取」だと見えるのですが、結末的には「東京」での出来事でもありました。

さらには、(2)については、#665 伯耆大山の詩(ウタ)での時間軸を見てみると、矛盾点が浮き彫りになります。ついでに言えば、Cがある場所で目撃されたことについて、時間的に別人であることが自然な見方ですが、その別人は登場人物の誰だったのかも明らかにされませんでした。

 

以上の点から、当作は決して上出来な作品とはいえないのですが、良いところをあげれば「ストーリーが縦横無尽に広がり、ラストまでの勢いも充分であり、見どころの多い作品」「ラストまでの勢い、盛り上がりは凄いものが有る」という点は、今でも変わりはありません。

その功労者は、夏海千佳子の存在感とともに、中島ゆたかの悲劇的ヒロイン像にあります。中島ゆたかの、「天国→地獄」の立場の変遷は、後年の「妖しげな悪女」のイメージを知っている側からは、果たして「善」なのか「悪」なのか、けっこう見入ってしまう作品でもあります。特に、三船主任からの追及場面は見どころがあり、本篇(映画の世界)で鍛えられたところもあったのではとも感じました。

そして、てっきり鳥取ロケ2本撮り作品ということから、#672 俺の殺した女にも出演して捲土重来するのかと思っていたら、当作だけの出演でしたので、やはり前述したように、スケジュールが多忙であったことがうかがえます。

 

 

中島ゆたかは、特捜隊には1作のみの出演でしたが、忘れ得ぬ特捜隊女優のひとりであったことには変わりはありません。冒頭で触れましたが、昨年、年の暮れが近づいたころの逝去は、本当に残念なことです。改めて、ご冥福をお祈りいたします。

本来ならば、特捜隊の現存作品をすべて視聴・観賞したうえで、出演された女優について書いていくべきだと思います。しかし、【スペシャルセレクションシリーズ】が発売されたことで、かつて東映chで放送された特捜隊現存作品全作をリフレイン再放送される可能性は遠のきました。

そこで不充分ながらも、【第3回再放送】【第4回再放送】【スペシャルセレクションシリーズ】を観た状態で、特別機動捜査隊・女優篇を書いていくことにしました。ただし、万が一、特捜隊現存作品全作のリフレイン再放送、新たに【スペシャルセレクションシリーズ】発売がなされたときは、それら作品視聴録を優先して、特別機動捜査隊・女優篇は一時中断することにいたしますので、その点はご了承くださいませ。

なお以下では、人物敬称略で書いていきます。

 

かつて、

特別機動捜査隊・女優篇(1)渡辺ゆかり

にて、ご本人様にインタビューしたことはあるものの、これはあくまでも例外であり、おそらく自分自身の主観が中心となった原稿になると思いますので、その点も、ご了承のほどお願いいたします。

 

 

**************************************

 

今回取り上げる女優さんは、

◎ 藤山律子

になります。

 

( #545 汚れた太陽での、藤山律子)

 

( #661 ある女刑事の逆襲での、藤山律子)

 

 

 

特捜隊での藤山律子を、

DVD収録回・#757 霊柩車を撃て!【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年5月19日、脚本・横山保朗、監督・鈴木敏郎、日高班)

で初めて観た方々からすると、日高班の木塚刑事を演じていた女優さんとなると思います。ゆえに、最初から日高班所属として捜査にあたっていた刑事との認識もあることでしょう。

ところが、実際の藤山律子は、(木塚刑事役ではない)ゲストとして3回出演したあと、所轄署勤務の木塚由里刑事として、三船班・矢崎班に4回登場、その後特捜隊の日高班に異動した経緯があり、さらには協力・応援する意味合いで三船班ストーリーにも2回登場しています。個人的には、女性に縁の薄い三船主任(青木義朗)との絡みが恋人同士に近い雰囲気を醸し出していることもあり、非常に印象づけられています。ちなみに、三船主任と過去に縁があった女性は、

#460 砂の墓【スペシャルセレクション】 ←有沢正子(川地夕子役)

#513 その夜の女【スペシャルセレクション】 ←久慈あさみ(宮田利恵役)

#544 絶体絶命←榊ひろみ(女性カメラマン役、劇中では役柄名不明)

の女優陣のみであり、木塚由里刑事初登場回の、

#661 ある女刑事の逆襲 ←藤山律子

は、久々の三船主任女性関連譚ということもあり、非常にインパクトがありました。

これらのこともあり、主観的になるとはいえ、日高班所属刑事としてオープニング表記されておらず、別役でのゲスト出演回、日高班所属刑事ながらもゲスト扱いの回 が、自分にとっての特捜隊での藤山律子と感じてしまうのです。

 

さて、自分が観た藤山律子の特捜隊作品群のうち、上記の カテゴリー出演回 に該当するものは、視聴順・観賞順に以下のとおりとなります。

なお、「※主演格」とはエンディング表記でトップ表記されていることを指します(註・トップ表記が複数列のときは、一番上のこと)。

 

 

 

①【第3回再放送】

東映ch=2015年4月2日~2017年2月16日

 

(1) #545 汚れた太陽

(本放送・1972年4月12日、脚本・元持栄美、監督・吉川一義、三船班)

(2) #594 新しい女

(本放送・1973年3月21日、脚本・元持栄美、樋口静生、監督・天野利彦、三船班)

 

 

②【第4回再放送】

東映ch=2019年3月14日~2020年8月20日

 

(3) #652 壁の中に消えた女

(本放送・1974年5月1日、脚本・横山保朗、監督・山崎大助、三船班)

(4) #661 ある女刑事の逆襲 ※主演格 ・配役名=木塚刑事

(本放送・1974年7月3日、脚本・佐治乾、監督・鈴木敏郎、三船班)

(5) #688 汚れた天使の死 ・配役名=ユリ

(本放送・1975年1月15日、脚本・佐治乾、監督・伊賀山正光、矢崎班)

(6) #691 三船刑事死す ・配役名=木塚

(本放送・1975年2月5日、脚本・五条勢都子、柳節也、監督・中村経美、三船班)

(7) #699 春の色 泥棒伝 ※主演格 ・配役名=ユリ

(本放送・1975年4月2日、脚本・佐治乾、監督・松島稔、三船班)

《参考》#757 霊柩車を撃て!※日高班第1回目作品で木塚刑事としてレギュラー入り

(本放送・1976年5月19日、脚本・横山保朗、監督・鈴木敏郎、日高班)

(8) #782 わたしの父さん・配役名=木塚刑事

(本放送・1976年11月17日、脚本・西沢治、監督・天野利彦、三船班)

(9) #789 新春 危機一髪 ・配役名=木塚刑事

(本放送・1977年1月5日、脚本・横山保朗、監督・天野利彦、三船班+日高班)

 

註・自分は、劇中表記、発声を優先しているため、藤山律子=「木塚由里刑事」の役柄・配役名認識ですが、参考のため、(4)~(9)のエンディングで表記された配役名を抜き出しました。

 

 

③【スペシャルセレクションシリーズ】

DVD観賞=2020年12月13日~2025年7月27日のブログ更新年月日

 

カテゴリー出演回は無し

 

 

④ 未収録回・欠番回のため未見

 

カテゴリー出演回は無し

 

 

 ※【参考】日高班・木塚由里刑事を演じ、オープニング表記された回

(20作ありますが、うち半分がDVD収録◉されているので、観賞により確認可能、なおオープニングでは「木塚刑事」と表記されています)

◉ #757 霊柩車を撃て!【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年5月19日、脚本・横山保朗、監督・鈴木敏郎)

◉ #759 破れ三味線【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年6月2日、脚本・佐々木武観、監督・島崎喜美男)

◉ #765 ダイナマイトと ダリヤの花【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年7月14日、脚本・小川記正、監督・中村経美)

◉ #766 赤ちゃんの詩(ウタ)【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年7月21日、脚本・横山保朗、監督・鈴木敏郎)

◉ #767 わたしは尼寺へ行きたい【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年7月28日、脚本・西沢治、監督・三堀篤)

◉ #769 俺は許せなかった【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年8月18日、脚本・横山保朗、監督・天野利彦)

◉ #771 新宿海峡【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年9月1日、脚本・佐々木武観、監督・伊賀山正光)

◉ #772 妻と愛人の メロディー【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年9月8日、脚本・元持栄美、監督・中村経美)

◉ #774 妻に捧げる協奏曲【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年9月22日、脚本・横山保朗、監督・天野利彦)

◉ #775 浅草喜劇役者【スペシャルセレクション】

(本放送・1976年9月29日、脚本・西沢治、監督・鈴木敏郎)

○ #777 とめてくれるな おっ母さん

(本放送・1976年10月13日、脚本・横山保朗、監督・広田茂穂)

○ #779 むらさき小唄 雪之丞

(本放送・1976年10月27日、脚本・西沢治、監督・天野利彦)

○ #781 純愛の女

(本放送・1976年11月10日、脚本・小川記正、監督・瀬川淑)

○ #783 妻の日記帳

(本放送・1976年11月24日、脚本・横山保朗、監督・鈴木敏郎)

○ #787 ある誘惑の秘密

(本放送・1976年12月22日、脚本・横山保朗、監督・天野利彦)

○ #790 華麗なる 出逢いの時

(本放送・1977年1月12日、脚本・横山保朗、監督・中村経美)

○ #792 情念の女

(本放送・1977年1月26日、脚本・小川記正、監督・伊賀山正光)

○ #794 ある受験生の詩

(本放送・1977年2月9日、脚本・原島将郎、野火止通、監督・島崎喜美男)

○ #796 夕陽の波止場

(本放送・1977年2月23日、脚本・佐々木武観、監督・伊賀山正光)

○ #799 娘の思春期 (日高班最終話)

(本放送・1977年3月16日、脚本・藤井邦夫、監督・鈴木敏郎)

 

 

 

藤山律子は、東映ch再放送の比較的早期に、「掲示板特捜隊」でその名前が挙がっていた記憶があります。自分は藤山律子の存在に疎かったこともあり、「誰?」というのが実感で、特に調べようとも思っていませんでした。ですので、 特捜隊初出演回の#545 汚れた太陽が、自分にとって初めて藤山律子を観たときでもありました。

ストーリー序盤は、藤山律子が演じる光恵が、姉・優子(浜田ゆう子)の勤務する病院を訪れます。優子は、手術室で医師・加賀田(宮川洋一)をサポートして、新たな生命の誕生に携わっており、その外で藤山律子は何故か悲喜こもごもの表情で見つめています。かと思えば、救急で中絶(搔把)の後遺症で女性が搬送されると、一気に藤山律子の表情は暗くなるのでした(画像①)。が、場面はそこから藤山律子、恋人・しん(池田秀一)のいる用水路沿いに移りますが、妊娠を巡り、産むか堕すか若い2人は悩んでいるようすです(画像②)。

直後、場面は線路近くの丘の斜面に移り、死体発見の報を受けた三船主任(青木義朗)率いる三船班の初動捜査となります(上記の藤山律子にかかわる件を、まだ三船班は掴んでおりません)。その死体は、優子であり(画像③)、首が絞められ下着が引きちぎられていました。さらに、丘の上では、畑野刑事(宗方勝巳)が空き瓶を(画像④)、水木刑事(水木襄)が祠の脇で赤ん坊を(画像⑤)を、それぞれ発見します。

そして、特捜隊本部では、鑑察医(仲原新二)から死因は絞殺(註・正確には扼殺)、婦女暴行されていたことが報告され、三船主任も丘の上から突き落とされた形跡があることを明らかにします。この話を、関根部長刑事(伊沢一郎)と聞いていた田中係長(山田禅二)は、死亡推定時刻が昨夜9時ということから目撃者の有無を指摘すると、三船主任は、現在、石原刑事(吉田豊明)・白石刑事(白石鈴雄)が捜査中と答えます(画像⑥)。と、そこに電話がかかり、畑野刑事が受話器を取ると、病院からで、被害者はそこで働く看護婦・優子ではないかということでした。これに三船主任は、関根部長刑事、畑野刑事と病院へ向かうことになります。

 

(画像①=藤山律子)

 

(画像②=左から池田秀一、藤山律子)

 

(画像③=浜田ゆう子)

 

(画像④=遺留品の空き瓶)

 

(画像⑤=赤ん坊〔未詳〕、水木襄)

 

(画像⑥=左から青木義朗、山田禅二、伊沢一郎、宗方勝巳)

 

 

病院で同僚看護婦(菅原チネコ、画像⑦)に聞きこむと、昨日、病院に藤山律子、しんが訪れ、経済的問題から、しんが妊娠した光恵の中絶を優子に依頼した目撃談を話します。しかし、優子は毅然とした態度で断り(画像⑧)、それを藤山律子は複雑な表情で陰から見つめていたということでした(画像⑨)。さらに、同僚看護婦は、優子には中絶経験があり、子供の産めない身体となったため、加賀田からの求婚を断り続けているとも話します。このことから、関根部長刑事は、藤山律子、しんを調べるため、席を外します。

そして、同僚看護婦は三船主任・畑野刑事を優子との共同控室に案内するのですが、そこでは何故か加賀田が優子の机の引き出しを開けており(画像⑩)、加賀田は、前から頼んでおいた患者の資料を探していたと話し、資料を持って退室します。これに目をつけた三船主任は、畑野刑事に尾行を指示。すると加賀田は資料をゴミ箱に廃棄するのですが(画像⑪)、一拍置いて畑野刑事がゴミ箱を調べると、その資料とは大学の同窓会名簿でありました(画像⑫、画像⑬)。

 

(画像⑦=菅原チネコ)

 

(画像⑧=浜田ゆう子)

 

(画像⑨=藤山律子)

 

(画像⑩=宮川洋一)

 

(画像⑪=宮川洋一)

 

(画像⑫、画像⑬=廃棄された同窓会名簿の表紙)

 

 

一方、関根部長刑事は、しんの勤め先の寿司屋店主(直木みつ男)に聞きこむと、しんは、洋裁店店員の光恵と出かけているということでした。

そして、三船班の知らない場面描写に移りますが、当のしんは、藤山律子と不動産会社をあたっています(画像⑭、註・具体的地番表示はボカしました)。しかし、2人で張り紙を見ても(画像⑮、画像⑯)、最低でも「家賃1万円、礼金3万円、敷金1万円」の金額は2人には過酷であり、藤山律子の表情は曇りがちでありました(画像⑰)。

 

(画像⑭=左から藤山律子、池田秀一)

 

(画像⑮、画像⑯=いずれも左から藤山律子、池田秀一)

 

(画像⑰=藤山律子)

 

 

その後、聞きこみ中の関根部長刑事と合流した三船主任、石原刑事は、酒屋の店主(竹田将二)と医者を名乗る酔っぱらいの早川(田浦正巳)とが、支払いを巡ってのトラブルに遭遇。酔った早川は酒瓶を割ってしまい、店主が弁償を請求、すると早川の母(日高ゆりえ)が現われ、ひとくさり文句を言った後(画像⑱)、2人とも去って行ったのでした。これに三船主任は、石原刑事に尾行を、関根部長刑事には割れた酒瓶の回収を、それぞれ指示します。

また、拾った赤ん坊担当(?)となった水木刑事は、白石刑事と事件現場の丘の上にいたところ、赤ん坊の母親と名乗る女性(山口千枝)が現われます(画像⑲)。さらに、このようすを丘の下から薄気味悪い笑みで覗きこんでいる、不審な男性・五郎(木村豊幸、画像⑳)も現われ、事件は混沌としていくのでした・・・。

 

(画像⑱=左から竹田将二、日高ゆりえ、田浦正巳)

 

(画像⑲=左から山口千枝、赤ん坊〔未詳〕、水木襄、白石鈴雄)

 

(画像⑳=木村豊幸)

 

 

自分は、当作で初めて藤山律子を観たのですが、第一印象は役柄もあり、可憐な感じを受けたのが正直な気持ちです。何としても恋人のしんと暮らしたい、さりとて産まれてくる子どもの問題が横たわり、二者選択、どちらに舵を切るかという姿が、バックに流れる音楽(刑法第212条/瑞紗マリヱ YouTubeに動画有り)と相まって、非常に魅かれます。調べてみると、後年、特捜隊レギュラーとして活躍するという情報もあり、「女優・藤山律子」として当作が三船班との初邂逅場面(画像㉑)と併せ、後年からみても非常に興味がわく作品であります。

さらに調べていくと、東映ピンキーバイオレンス女優(定義は難しいところがありますが)というと、視聴当時、池玲子・杉本美樹・賀川雪絵・山内えみ子・渡辺やよい、は脳裏に浮かぶのですが、藤山律子もその範疇にいたとはまったく知りませんでした。これは当作以降、#594 新しい女(画像㉒)、#652 壁の中に消えた女(画像㉓)の役柄を観るにつけ、実はアクション系、悪女系も出来るオールマイティな女優さんだと再認識した次第であります。

 

  (画像㉑=左から青木義朗、宗方勝巳、池田秀一、水木襄、藤山律子、伊沢一郎、吉田豊明)

 

(画像㉒=#594 新しい女での、藤山律子)

 

(画像㉓=#652 壁の中に消えた女での、藤山律子)

 

 

なお、当作は【特別機動捜査隊】リメイクの変遷(1) 第1回再放送の最終作#212までの期間で触れたこともあるのですが、

 

関連作= (第168回)蒼い叫び(未収録回)【第1回再放送】

(本放送・1965年1月13日、脚本・元持栄美、監督・永野靖忠、立石班)

原型作= #171 ひとり息子【スペシャルセレクション】 (収録回)【第2回再放送】

(本放送・1965年2月3日、脚本・元持栄美、監督・松島稔、藤島班)

リメ作=#545 汚れた太陽(未収録回)【第3回再放送】

(本放送・1972年4月12日、脚本・元持栄美、監督・吉川一義、三船班)

 

の関係にあります。当作が、DVD未収録回ということもあり、観るにはアマゾンプライムになるのでしょうが、観られない方は 原型作#171 ひとり息子【スペシャルセレクション】 のアーカイヴ的観賞となると思います。ただ、藤山律子の役柄は、原型作とはまったくのオリジナルな設定でありますので、返す返すも【スペシャルセレクション】に収録されていないのは残念でなりません。

 

 

 

そして、いよいよ#661 ある女刑事の逆襲の本放送を迎えることになります。

ある真夜中、自家用車でマンションに帰宅したブティック経営のゆかり(浜田ゆう子)は、駐車場で車から降りると、入口脇に止めてあるバイクを見つけ、グリップを撫でながら「「バカな男(コ)ね、騙されているのがわからないのかしら」と呟き(画像㉔)、部屋に向かいます。これは男性の出入りが多い隣室の澄江(松原エリ子)に、今度は若者が擦り寄ったのかと思ってのことで、案の定、ゆかりが部屋に戻り窓の外を見ると(画像㉕)、バイクで去る男性の後姿がありました。

その翌日、澄江殺害の報により三船班は、マンションにて初動捜査。死因は絞殺、澄江のものも含め指紋はほとんど無く、遺留品が男物の寝間着ということから、男性の存在が推定されます。三船主任、関根部長刑事、石原刑事はいったん外に出て(画像㉖)、方針を打ち合わせるのですが、そのとき特捜隊車両を覗き込む怪しげな女性の姿があり、ここで藤山律子の登場となります(画像㉗)。石原刑事が近寄ると、藤山律子は所轄署巡査・木塚と名乗り、特捜隊への協力で来たと伝えますが、一風変わった容姿に石原刑事は三船主任へ報告、三船主任との対面になります。

ここで三船主任が、

「君か? 応援の婦警さんは・・・。 警察学校は、いつ出た!?」

と問うと、藤山律子は、

「はい・・・、2年前です! ・・・何か、ご不満なんでしょうか!?」

と返します(画像㉘)。

これに三船主任が、小さく

「いや、そういうわけじゃないが・・・」

と言うと、すかさず藤山律子は

「どういうわけです!?」

「私は、今まで言われたことはきちんとやってきました。お疑いなら、署長に問い合わせてください!」

と声も大きく返します。

すると、三船主任は冷静ながらも、凄みを隠したような声で、澄江の隣の部屋から聞きこみを始めるよう指示します。そして、藤山律子はマンションへと向かうのですが、石原刑事はふと笑みを浮かべ、三船主任と対等にやりあう姿に、藤山律子を気に入ったと述べると、三船主任は、

「お前が気に入っても、仕事が出来なければどうにもならん!」

と怒り気味でした。今から思えば、画像㉑と比べて、三船主任と「木塚刑事」との初邂逅は決して良いものとはいえないと感じながら、#661 ある女刑事の逆襲の始まりであります(画像㉙)。

 

(画像㉔=浜田ゆう子)

 

(画像㉕=浜田ゆう子)

 

(画像㉖=左から吉田豊明、青木義朗、伊沢一郎)

 

(画像㉗=藤山律子)

 

(画像㉘=藤山律子)

 

(画像㉙=#661 ある女刑事の逆襲の題名表記、文字バックが藤山律子)

 

 

そして、隣室への聞きこみでは、ゆかりは澄江の死、昨夜のようすの尋問に反応したのか、自宅内に藤山律子を上げ、窓の外を眺めながら、

「話してください、何があったのか・・・」

と問うと、藤山律子は、いきなり

「話してくださるのは、あなたのほうです!」

と、睨みを利かせます(画像㉚)。

すると、ゆかりは藤山律子と直に顔を合わせようとせず、鏡台の前に座り、気持ちを抑えながら、

「ねえ、あなた、なぜ警官になったの? そんな綺麗な顔をしてて、こう言っちゃ何だけど、警官なんて商売、人には嫌われる商売でしょ? わからないわ、あなたの気持ちが・・・」

と話しかけると(画像㉛)、藤山律子は、

「あなたは、そんな綺麗な顔をしてて、なぜ2回も離婚したんですか!?」

と笑みを浮かべ言い放つと、ゆかりの顔色は変わり(画像㉜)雰囲気もガラリと変わります。さらに、

「ここに来る前に、一応、住んでいる方の身元を調べさせてもらいました」

「新宿のお洒落な店は、2回もらった慰謝料で買ったのですか!?」

と続けざまに言ったことで、ゆかりは、昨夜については、何も知らない、何も見なかった、聞かなかったと非協力的な態度をあらわにして、藤山律子に出ていくよう言い放ちます。これに藤山律子は、ゆかりへの罵詈雑言を浴びせ、退去するのでした。

 

(画像㉚=藤山律子)

 

(画像㉛=鏡に映る2人、左から藤山律子、浜田ゆう子)

 

(画像㉜=浜田ゆう子)

 

 

その後、特捜隊本部では、三船主任が藤山律子に詰問(画像㉝)。ゆかりから、警察へは絶対協力しないと宣言されたことで、捜査への支障を考えたからでした。しかし、藤山律子は、ゆかりが怒ろうと怒らまいと、ゆかりは最初から警察に協力する気は無かったと言い切り、怒らせたことで何かを知っている、犯人を見たかもしれないと、これらに確信が持てたと、理由を話します。

これに三船主任は、探偵になってもらわなくても良い、特捜隊のスタッフならば、ひとつの歯車として、言われたことを忠実にやれば良いと言い返します。そして、綾子なる女性の写真を渡し、昨夜、どこで何をしていたかを調べるよう指示。これに藤山律子は、どういうことを聞き出すか目的を教えるよう問いますが、三船主任は、目的は知らなくても良い、ひとつの歯車として動けば良い、嫌なら所轄へ戻るよう厳しく言い返すのでした。

そして、不承不承ながら、捜査に出かけようとする藤山律子は、

「私は、本当の気持ちを隠して、人におべんちゃらを言ってまで聞きこむなんて(註・御機嫌取りのような聞きこみの意)邪道だと思います、裏切りだと思います」

と言って捜査に向かいます(画像㉞)。出て行った直後、三船主任は、

「小生意気な女だ」

と呟くのですが、それが本気であるのかどうかは、この時点では誰も知りません。

ところで、藤山律子の聞きこみ先は新宿駅南口近辺でロケを行なったようで、まだルミネ新宿2や新宿駅東南口広場が出来る前の風景が見られます(画像㉟)。

 

(画像㉜=左から伊沢一郎、宗方勝巳、藤山律子、青木義朗)

 

(画像㉝=左から宗方勝巳、藤山律子、青木義朗)

 

(画像㉟=#661 ある女刑事の逆襲本放送・1974年頃の、新宿駅南口近辺)

 

 

そして、天候が崩れても、空腹でも、徹夜もいとわず何とか捜査をやり終えた藤山律子が特捜隊本部へ戻ると、澄江の情夫・野川(小林勝彦)を重要参考人として連行しているところを目にします(画像㊱)。そこを通りかかった三船主任に、状況を確認しようと声をかけますが(画像㊲)、三船主任は暇を与えず、綾子の捜査結果を報告書にまとめるよう指示するのでした。状況も教えてもらえず、目的もわからない捜査のまとめに、藤山律子は口をへの字にしながらも報告書を作成しますが、疲労もあり、いつの間にかソファで眠りこんでしまいました。そして、三船主任が特捜隊本部に戻ると、寝ている藤山律子に一瞬だけ目をやりますが、提出されていた報告書を読み始めます。

ちなみに報告書には署名があり、この時点で藤山律子の役柄フルネームが「木塚由里」と判明します(画像㊳)。序盤に、藤山律子が警察手帳を提示して、ゆかりに身元を話す場面もあるのですが、その画像はわかりにくかったので(画像㊴)、ここで明らかになった次第です。なお、特捜隊刑事の役柄フルネームが明らかになるのは珍しく、#789 新春 危機一髪で、三船主任が処方薬の袋を見たとき、青木義朗の役柄フルネームが「三船剛」と明らかになったことと併せ、自分の知る限り、この2例しかありません(画像㊵)。

 

(画像㊱=小林勝彦)

 

(画像㊲=左から藤山律子、青木義朗)

 

(画像㊳=報告書の署名、わかりにくいものの「木塚由里」とある)

 

(画像㊴=警察手帳の写真付き身分証明書、画像㊳よりわかりにくい)

 

 

(画像㊵=#789 新春 危機一髪での三船主任の処方薬袋、「三船剛」とある)

 

 

報告書を読んでいる三船主任のもとへ、松木部長刑事(早川雄三)、水木刑事が入室。まだまだ野川を追及する余地があると具申しますが(画像㊶)、三船主任は、野川を釈放する方針を表明します。藤山律子の報告書は、野川にアリバイがあり、裏どりもしっかりとれていると評価したからでした。そして、水木刑事には、畑野と共に澄江の男性関係の捜査を、松木部長刑事には、眠っている藤山律子を起こしてゆかりを張りこむよう指示を出します。

これに松木部長刑事は、藤山律子は徹夜が続いていると、暗に同道の方針を遮ろうとします。しかし、三船主任は同道の姿勢を変えず、藤山律子を、寝不足の間抜けでは無く立派な一流の刑事(デカ)として認めたからこそ、一緒に連れて行った方が心強いと話し、はにかむかのように

「俺が今言ったことを、彼女に言うな」

と、本音を吐露するのでした。

さらには、自らの矜持であるかのように

「俺は、俺を憎むぐらいの刑事(デカ)を部下に持ちたいんだ!」

とも話すのですが(画像㊷)、藤山律子は、それを聞いているのかいないのか、ソファで横になり続けているのでした(画像㊸)・・・。

 

(画像㊶=左から早川雄三、水木襄、青木義朗)

 

(画像㊷=青木義朗)

 

(画像㊸=藤山律子)

 

 

この後の展開は、藤山律子、三船主任が前面に立って事件解決へと向かうことになります。その途中では、藤山律子がイメチェンとばかりに変装したりする場面もあります(画像㊹)。当作での藤山律子は、男の世界ともいえる三船班で、一歩も引かず、ワイルドさを出した女刑事として印象に残ります。かと思えば、ラストで、ワイルドさを封印した可愛げある場面とか(画像㊺)、三船主任との会話で、当作以降も登場する含みを残したり、当作は藤山律子の色のついた佳作以上の作品といえます。DVD収録されなかったのが、本当に残念です。

また、#545 汚れた太陽で姉妹を演じた浜田ゆう子と藤山律子が、当作では、衝突する目撃者と刑事の関係なのですから、あとから考えるとキャスティングの妙でもあります。さらには、中盤に登場するスナックのマスター・豪原を演じる石橋雅史(画像㊻)と藤山律子とは、後年、科学戦隊ダイナマン(テレビ朝日、1983年2月5日-1984年1月28日)で、2人とも「悪」側のキャラを演じていたなど、振り返ると、思わずニヤリとする作品でもありました。

 

(画像㊹=藤山律子)

 

(画像㊺=藤山律子)

 

(画像㊻=石橋雅史)

 

 

藤山律子は、日高班配属となってからは、ゲスト時代とは異なり目立つことも少なくなり、#767 わたしは尼寺へ行きたい【スペシャルセレクション】で髪をショートにしたのが記憶に残ります(画像㊼)。しかし、三船主任とは#782 わたしの父さんで捜査協力で登場したり、#789 新春 危機一髪では出演場面は少ないながらも、三船主任の身を心配する表情は、恋人かと思うほど、優しさに溢れた演技でもありました(画像㊽)。

藤山律子には、wiki項目が立てられてはいますが、テレビ最新作は「侵略少女ミリ」(2000年)という番組で、YouTubeで観ることが出来ます(映画では2001年の「ひとりね」が有りますが未見)。ただ、特捜隊の木塚由里刑事を知る立場からは、まったく印象に残らない役柄ではありました。

1949年3月15日生まれですので、ご健在ならば、現在76歳になるのですが、現況はさっぱりわからない状態です。唯一、YouTubeに、「科学戦隊ダイナマンシリーズの悪役たち(当時と現在)」のショート動画に藤山律子が登場しています。おそらくAI動画とは思うものの、情報が無い現在では、貴重なものであります。。。


(画像㊼=#767 わたしは尼寺へ行きたい【スペシャルセレクション】での藤山律子)


(画像㊽=#789 新春 危機一髪での、藤山律子)