※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しましたR6.8.2 (出演者)をエンディング表記された「全男優・女優」に訂正

 

【#472  南紀州を張込め】

 

(本放送)1970年11月18日

(再放送)2015年6月11日

(脚本)元持栄美、柳節也

(監督)田中秀夫

(協力)警視庁、和歌山県警察本部、田辺海上保安部

(協賛)日本国内航空株式会社、熊野交通株式会社、明光バス株式会社、

南紀航空株式会社、鬼ヶ城センター、新宮市観光協会、那智勝浦町観光協会、

太地町、白浜観光協会

(助監督)徳井一行

(劇中ナレーター)無し

(捜査担当)立石班

西本係長(鈴木志郎)、森事務員(森るみ子)、橘部長刑事(南川直)、

荒牧刑事(岩上瑛)、森田刑事(北原隆)、岩井田刑事(滝川潤)、

山口刑事(山口暁)、立石主任(波島進)

 

(出演者)

浜田伸一、高角宏暁、生田三津子、矢崎知紀、金親保雄、水木梨恵、片山滉、

石垣守一、佐野哲也、向精七、筒井竜介、山口千枝、井波健、山田貴光、杉山公子、

柳田金一、島倉葉子、高見順、館敬介、森野五郎、春日章良、杉山俊夫、

永井柳太郎、山田禅二、村田知栄子

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※ナレーションをそのまま聞き写しています

 

同僚の給料の900万を強奪し、

係員を殺害して逃亡した犯人のひとりを追って、

直ちに母親の住む南紀州・白浜へと急行した!

昼日中(ヒルヒナカ)から酒浸りの母親。

貧しさゆえにひねくれ、恋人の心も信じられなかった男の過去。

捜査の網は、男を追って刻一刻(コクイッコク)と狭められていく・・・。

追いつめられ、ますます凶暴になっていく男の最後の拠りどころは何か?

南紀州一帯に張られる警戒網!

荒んだ環境がゆえに、転落していった男の犯罪の目的は?

次回、「南紀州を張込め」に御期待ください。

 

 

(備考)

#472 南紀州を張込め#475 限りなき逃亡は、出演者がほとんど変わらないことから2本撮りと推察。

・東映chでの第3回再放送のとき「南紀州を張り込め」とHPに表記されたが、正式には「南紀州を張込め」が正しい。

・後に、田中係長としてレギュラーとなる山田禅二が、飯場・源三役で登場。

 

 

(視聴録)

大まかにいえば、強盗殺人犯・宮川達夫(浜田伸一)を追って、紀伊半島に展開する立石班の捜査を描いたもの。そして、宮川の母親・民子(村田知栄子)が南紀白浜、宮川の恋人・飯島きょうこ(生田三津子)が白浜近辺の堅田にいること、太地町・那智勝浦・新宮・鬼ヶ城に土地勘があることを踏まえて、宮川の行動範囲を捜索することになります。

 

当作は、宮川のとる行動に同情・納得できないものが多いですね。

冒頭に西本係長が

>長い刑事(デカ)生活をしてきた我々も、若いものを取り扱うにはよほど心しな

>いと、何を考えているのか神経が計り知れんね

というのが暗示にはなっているのでしょう。

だからといって、「若いもの」のやることをすべて受け入れていいものかというと、それは違うので、そこをもっと描いてほしいところでした。

 

あと気がついたところとして

・岩井田刑事の民子にとった過激な態度理由が、描き切れていない。

・宮川が母・民子に対して、現在どう考えているのかも描き切れていない。

・何も接点のなかった子供(矢崎知紀)が、唐突に宮川と意気投合するのも不明瞭。

・地理的には、西に白浜・堅田、東に太地町・那智勝浦・新宮・鬼ヶ城であるが、「逃走路の大飛躍」が起きている。

というところがあります。要は、特に前3項目はロケ描写に撮影をとられすぎで、「話のツボ」の部分を端折ってしまったのではないかということです。

 

ならば、ロケ描写は充実しているかというと、4番目の「逃走路の大飛躍」問題が出てきます。宮川は、勝浦・新宮あたりでトラック荷台に潜り込みます。そのトラックには、「真珠漬」と書いてあるのでなんとなく恋人のいる堅田("西"方面)に行くのかと推測されますが、実は"北"の鬼ヶ城。そこで降りて徒歩で南紀勝浦温泉まで至り("南"に戻り)、線路の場面を経て南紀白浜・千畳敷("西"!)に、そして堅田の港に至ります。地図で一覧することを勧めます。

 

勝浦近辺でグズグズしているのに~実際、小屋の爺(永井柳太郎)、飯場の源三、薬局の女主人(水木梨恵)と一悶着起こすのも勝浦近辺、移動はやけに早い、それも遠回りをしているのに・・・(笑)。とるに足らないことでしょうが、見入っていて、こういった粗が目につくのは、やはり面白くなかったからかもしれません。

 

#470 苦い十五年で田中秀夫監督にキレが戻ったと評したのですが、今回またもや2人脚本です。監督にムラがあるのか、脚本が影響したのか、よくわからない出来に終わった作品だと思います。紀伊ロケ次作、#475 限りなき逃亡 で挽回できるかどうか!?

 

(追加)紀伊ロケ次作は天野利彦監督でした、失礼しました・・・。

 

(2017年11月21日、全面追加)