※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#475  限りなき逃亡】

 

(本放送)1970年12月9日

(再放送)2015年6月25日

(脚本)元持栄美

(監督)天野利彦

(協力)警視庁、和歌山県警察本部、田辺海上保安部

(協賛)日本国内航空株式会社、熊野交通株式会社、明光バス株式会社、

    南紀航空株式会社、鬼ヶ城センター、新宮市観光協会、

    那智勝浦町観光協会、太地町、

白浜観光協会

(捜査担当)立石班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、事務員(森るみ子)、橘部長刑事(南川直)、

荒牧刑事(岩上瑛)、森田刑事(北原隆)、岩井田刑事(滝川潤)、

山口刑事(山口暁)、立石主任(波島進)

 

(出演者)

春日章良、水木梨恵、矢崎知紀、木葉久美子、花岡菊子、大原襄二、高見順、

浜田伸一、高角宏暁、生田三津子、森野五郎、山田禅二、松本染升、舘敬介、

杉山俊夫、村田知栄子

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※ナレーションをそのまま聞き写しています

 

ある大会社の秘書が殺害された。

捜査線上に浮かんできた容疑者は、

1か月以上も行方不明になっている、

被害者(ガイシャ)の上司に当たる専務だった。

その男の線を追って、特捜隊・立石班の捜査は続けられる。

愛する女も、家庭も、社会も捨て、失踪した男の背後にあるものは何か?

舞台は、男の故郷、南紀州へと進展する。

一介の漁師となって黙々と働く男・・・、

らずも白浜で出会う、その男の愛人と妻・・・。

ある殺人事件から、大都会の虚構の中に生活する人間の、矛盾と疑惑を描く、

次回、「限りなき逃亡」に御期待ください。

 

 

(備考)

・「#472  南紀州を張込め」「#475  限りなき逃亡」は、出演者がほとんど変わらないことから2本撮りと推察。

・のちの特捜隊・田中係長を演じる山田禅二が、漁師役でゲスト出演。

 

 

(視聴録)

大東国際貿易の専務・小川靖彦(春日章良)の秘書・田宮秋子(建部道子)は、総務課・桑原(高見順)の婚約者であったが、転落死体で発見された。専務・小川は、妻・秀子(村田知栄子)、娘・牧子(木葉久美子)と、妾・綿部幸江(水木梨恵)、息子・太郎(矢崎知紀)の二重生活をしていたが突如として行方をくらます。秀子はサングラスの男(杉山俊夫)の調査をもとに、幸江、太郎は小川の生まれ故郷を根拠に、それぞれ紀伊半島へと向かうというもの。

 

失踪した理由には目を瞑るとしても、秀子の父・会長(未詳)が社長の椅子を空けて待っているほどの逸材なのに、契約書の入ったカバンを持っての失踪はいただけません。よくそれで発注処理できたなとともに、1か月放置しておいた会社もすごい(笑)

ただ、この点を除けばドラマとして破綻しているところは無く、新聞記事を見て血がフラッシュバックするシーンも、自分の左指怪我の回想と思えばなんとか理解できます。逃走路(?)も前作「#472  南紀州を張込め」と違い、証言ながらも「勝浦→白浜のトラック」に乗った表現描写で、コンパクトにまとめたと思います。

 

しかし、専務・小川の失踪追跡に重きを置いたせいか、真相追及の捜査シーンは少なく、そのせいか真相解決も説明的に終わってしまった感が強い。事件の動機も自分本位すぎで納得しづらく、立石主任の犯人にかけた最後の言葉もセクハラっぽく、何か事件の本質がズレてしまったようでした。

 

もし天野利彦監督が、「#467  花火と女」のときのように重点をロケではなく東京のほう(田宮秋子の事件)に置いていたら、もっと面白さが出たとのでは・・・。地方ロケの欠点を回避しようとしているのはうかがえるので、残念に思います。

 

あと南紀州ロケ前作「#472  南紀州を張込め」の主役の男女、今回は、浜田伸一が総務課の一社員、生田三津子がサツマイモを差し入れする娘を演じるなど、役柄が一変しています。

 

(2017年11月21日、全面追加)