※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#498  女の縮図】

 

(本放送)1971年5月19日

(再放送)2015年9月10日

(脚本)元持栄美

(監督)龍伸之介

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)立石班

橘部長刑事(南川直)、西本係長(鈴木志郎)、香取刑事(綾川香)、

荒牧刑事(岩上瑛)、桃井刑事(轟謙二)、森田刑事(北原隆)、

立石主任(波島進)

 

(出演者)

久慈あさみ、田村奈巳、西恵子、水木梨恵、浅見比呂志、斉藤信也、松川純子、

大庭健二、水沢摩耶、大原百代、ソンコマージュ(銀巴里)、青木美香、橘公子、

杉江廣太郎、沼田曜一、久松保夫

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

テレビの対談で、大学教授と激しく渡り合う、

ウーマンリブの先頭に立つ女性評論家。

しかし、その女にも母親としての複雑な息子への愛があった。

ある数枚の写真が引き起こした殺人事件、

その背後には、様々な境遇に生きる女の縮図が秘められていた。

写真を手がかりに繰りひろげられる捜査の前に、

次第に明らかになっていく女の生きる姿。

日陰の身でありながら、つつましやかに、しかし力強く生活する女。

ある殺人事件を通じて、女と男の複雑に絡み合った糸の中から、

人間としての本当の愛の姿を鋭く追及する、

次回、「女の縮図」に御期待ください。

 

 

(備考)

・エンディングでは、大庭健二を孝夫、大原百代を絹子と役柄表記されていますが、

ドラマ中の呼び方にしたがい、当ブログではそれぞれ孝一、絹としました。

 

 

(視聴録)

日曜日の午後、テレビ番組「あなたと共に」で大学教授・石狩達夫(沼田曜一)と討論したウーマンリブ評論家・榊原安代(久慈あさみ)は帰路、男に呼び止められ写真を見せられる。その後、男・矢沢良夫(浅見比呂志)は道路脇で、後頭部打撲で死体となって発見された。

捜査を開始した立石班は、矢沢の情婦・晴美(水木梨恵)の線から、安代の息子・忠彦(杉江廣太郎)に着目。忠彦の妻・明子(西恵子)が大谷敏江(田村奈巳)に連れられ帰宅したところを訪ねるが、安代と従順なお手伝い・絹(大原百代)に追い返される。また、明子も安代も相容れないところがあるのか、明子の方は実家の父・中尾成三(久松保夫)、兄・孝一(大庭健二)、兄嫁・京子(松川純子)を、安代の方は友人・律子(橘公子)を相談相手にしている。

そして事態は、忠彦から明子にかけてきた1本の電話から流れ始める・・・。

 

1つの事件から、様々な女性の生き方をみせる一篇。立石班最終話を意識してか、脚本もよく練られていて登場する女性全員、それぞれ異なる生き方を披露しています。個人的には、大谷敏江の生きざまは身につまされるところがあり、ラスト10分は涙無しでは見られない作品でした。もちろん、ウーマンリブの先鞭をつける安代の生き方に共感する人もいるでしょうが、女性の自立を訴えながら格下の同性には持論というか自己都合を押しつける思考には全く同調できないので、その他の女性の生き方を引き立てるワサビみたいなものとして観ていました。

 

事件よりも人間を描くスタイルに変貌しつつある特捜隊ですが、どちらかというと三船班主体に展開してきました。それが、立石班最終話ということで、こちらのほうにも展開させようと試みたような気がします。それはそれで良い試みですが、イメージがどうも立石班というか波島進には似合わない。仕事重視でくだけたところが無いというのか、三船主任のように冗談を言う場面も無いのも影響しているかもしれません。

それでも、敢えてこのようなつくりにしたのは、当作立石班の終焉(前作藤島班の終焉も含む)をもって、今までの伝統的な事件追及のファクト的ドラマから、人間性追及のフィクション的ドラマへの完全移行を宣言したように見えます。#501以降は「協力・警視庁」の表記が無くなるのも、偶然ではないでしょう。#451から実見し始めた側からすればやや寂しく感じました・・・。

 

上記は、2年前の実見したときの感想です。実際はどうだったかいうと、番組づくり(視聴率競争)もあるので仕方が無いのですが、多分に軌道修正した形跡が見られるのです。1977年まで続いたことを考えると、これを善悪どう考えるか難しいところではあります。

ただ、立石班最終話という点にこだわらず普通の回ということでは、ドラマとして面白い一品です。左右極端な女性観、事件の結末はともかく、どの女性に共感をもてるか?監督というか制作者の考えはラストに現われているようですが、自分の考えとは違いながらも、最後まで集中して見れました。自動車事故のくだりは、ちょっとやりすぎの感はありますが(笑)

 

さて、次回の#499から#650まで三船班中心の回が続きます。途中、高倉班の登場もあるのですが、30話前後の回しかありませんので三船班主体で回ることになります。それによって、立石班、藤島班のレギュラーが幾人か降板ということになりますが、ゲスト出演する方がいるのもなかなか面白いです。

 

(2017年11月29日 全面追加)