※ 特別機動捜査隊 まえがき
捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊を参照。
また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。R6.7.24 (出演者)をエンディング表記された「全男優・女優」に訂正
【#454 霧の中の聖女】
(本放送)1970年7月15日
(再放送)2015年4月9日
(脚本)横山保朗
(監督)北村秀敏
(協力)警視庁
(協賛)鹿児島県
(助監督)徳井一行
(劇中ナレーター)島宇志夫
(捜査担当)立石班
西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、
鑑識課員(新田五郎)、事務員(森るみ子)、橘部長刑事(南川直)、
荒牧刑事(岩上瑛)、森田刑事(北原隆)、桃井刑事(轟謙二)、
岩井田刑事(滝川潤)、立石主任(波島進)
(出演者)
白石奈緒美、水木梨恵、浅見比呂志、柴田秀勝、世良明、安田洋子、村上幹夫、
古河義範、美山ゆり、西村俊良、新林イサオ、河崎いち子、池田わたる、森本勝、
菊地茂一、山下則夫、仲村和夫、岩城力也、宮川洋一、宮田羊容、布地由起江、
村上不二夫、南州太郎、峯京子、太刀川寛
(あらすじ・予告篇から)
静かな公園の池の中に投げ込まれていた、コンクリートで固められた女の死体。
現場に残された手押し車を手がかりに、特捜隊立石班の捜査は開始された。
被害者(ガイシャ)と目される女の車が、
遠く九州鹿児島の駐車場に置き去られ、
なお事件のカギを握っているとみられる男が、
鹿児島へ向かったことをつきとめた立石班は、一路九州へ向かう。
犯罪を犯した恐怖につきまとわれ、逃げまわるその男の妻・・・。
広大な桜島、霧島を舞台に繰り広げられる、
男と女の複雑に絡み合った愛憎と欲望を描いた、
次回、「霧の中の聖女」にご期待ください。
(備考)
・#452 母恋し1,500キロ、#454 霧の中の聖女、#456 ハイビスカスの女は、出演者、脚本の共通点からロケ3本まとめ撮りしたものと推察。
・参考視聴録=【補足】#454 霧の中の聖女
(視聴録)
47分10秒の作品ですが、12分40秒から鹿児島篇へ移行。#452より早い転換で、ロケ重視の作品だといえましょう。確かにロケ描写は増えているのですが、加害者側・被害者側の登場人物は絞られていること、怪奇ミステリー色を出しながら合理的解決に向かう流れもあり、ロケ作品にありがちな「ストーリー分散破綻型」に陥らず、面白く見れました。
脚本の横山保朗は、ネットで調べてもヒット数が少ないので、もしやマカロニウエスタンのように有名脚本家のPN(プセウドニーモ=変名)かと思ったこともありますが、そうではなさそう。この作品の功労は、脚本もさながら新谷康子役の峯京子にもあります。現世で生き残ることへの執念を、女特有のいやらしさとともに演じたのには驚きました。それは、磯部美紀役の白石奈緒美を薄化粧かつ寡黙にして貞淑性を醸し出したことで(ミニスカートが気になりますが、1970年時点では普通に流行りだったのか?)、さらに強調されて、再放送から約2年経った今でも、峯京子という女優さんの印象は脳裏に焼きついています。
峯京子で検索すると、宝塚歌劇団出身で画像も柔らかい表情のものばかり出てきますが、それに見慣れて、#454を視聴するとなおさら驚きます。これが昭和の女優さんの矜持なのでしょう。今も女優をやられているのか、ご健在なのかはわかりません。
また、白石奈緒美を軸として、#452 母恋し1,500キロでは対極女性に布地由起江、脇役女中役に峯京子、#454 霧の中の聖女では対極女性に峯京子、脇役女中役に布地由起江と逆転させていることに配役の妙を感じさせます。白石奈緒美はいまだ女優でご健在です。
また、#452 母恋し1,500キロで個性ありすぎな塾教師須田を演じた古川義範、#454 霧の中の聖女ではエンディングで若者と表記がありましたが、どこに出ていたのか記憶にありません。こういう配役の設定も、「事件」に重点を置いた制作態勢というか他刑事ドラマには無い特長なのかもしれませんね。俳優座15期の男優さんで、JapanアクターズTV「人生の並木路」(2014年3月)に出演してました。
さて、いいことずくめの#454 霧の中の聖女でも、アラはどうしてもあるもので、真相のシーンでは共犯者を呼び寄せたのか、予め忍び込んでいたのか明らかにされていません。前者ならばそんな時間あったか?の疑問にぶつかり、後者ならば計画性があったということで解決されますが、その割には犯行後は好き勝手に動いているような感が強い。
ただ、それでもドラマが破綻することがないのは、このシーンがラスト1分くらいに凝縮されていたのと、補って余りある勢いのあるドラマの流れ、キャステイングの妙もありましょう。個人的には前者をとり、無理がありそうですが、一日の長い時間の中での、短い犯行時間と理解するようにしました(笑)
特捜隊のゲスト出演者は、個性がある俳優陣が、これからもっと出てくるのだろうかと期待させる一篇でした。
(2017年11月21日、全面追加)