※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊を参照。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#452  母恋し1,500キロ】

 

(本放送)1970年7月1日

(再放送)2015年4月2日

(脚本)横山保朗、元持栄美

(監督)北村秀敏

(協力)警視庁

(協賛)鹿児島県、熊本県八代市、日奈久温泉

(捜査担当)立石班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、事務員(森るみ子)、関根部長刑事(伊沢一郎)、

橘部長刑事(南川直)、荒牧刑事(岩上瑛)、森田刑事(北原隆)、

桃井刑事(轟謙二)、岩井田刑事(滝川潤)、立石主任(波島進)

 

(出演者)

西村なるみ、花上晃、古川義範、坂倉春江、宮川洋一、露原千草、浅見比呂志、

水木梨恵、布地由起江、宮田羊容、峯京子、白石奈緒美、花ノ本寿、太刀川寛

 

(あらすじ・予告篇から)

 

建築中の建売住宅の中で発見された女の絞殺死体、

駅の伝言板に残された文字を手掛かりに捜査は開始された。

この事件のカギを握っている一人の少女、

その少女が自分の秘密を知ったがゆえに、

容疑者とともに生みの母を訪ねて九州へ向かったことを突き止めた立石班は、

一路九州へと向かう。

鹿児島から熊本へと殺意を抱きながら同行する男・・・。

隠れた情緒豊かな温泉街、八代、日奈久を舞台に、

二人の母と一人の子を描いた、

次回、「母恋し1,500キロ」にご期待ください。

 

(備考)

「#452  母恋し1,500キロ」「#454  霧の中の聖女」「#456  ハイビスカスの女」は、出演者、脚本の共通点からロケ3本まとめ撮りしたものと推察。

 

 

(視聴録)

一言でいえば「スピーディー」に尽きる一篇。録画で47分10秒の作品なんですが、21分50秒までが東京篇、23分50秒までがフェリーと回想篇、それ以降がロケ篇と、短時間のうちにポイントを押さえたうえでエッセンスをぎゅうぎゅうに詰めたつくりです。さらに、ロケ作品だとタイアップの問題で先方の要望も入れるがゆえに、余計な場面も撮ったりして緊張感のないものになりがちですが、この作品では自然にワンカット映るレベルなので、うまく溶け込んでいます。プロデューサーが3話分撮るから上手く分散させるよとか、外交手腕を発揮したような気もします(笑)とにかく話が流れる流れる面白い一品です。

 

アラを探すと、生みの親セツ子(布地由起江)を探す順子(西村なるみ)が養殖場を訪ねたときに、そこの課長さん(宮川洋一)から3年前の集合写真を見せてもらい「あっ、お母さんだ」「なんだキヌエさんのことだったのか」という受け答えのシーン。結局そのあとキヌエさんへの言及がないのはどうかなと思いました。あるいは短所として挙げた「セリフの聞き取りにくさ」の弊害が出た感じです。大勢に影響はないからそのまま放送したのかな?

 

また、育ての母久仁子(白石奈緒美)も含めた神社での3人のひと悶着もハイライトのひとつ、大岡政談を意識したのでしょうが、腕を離す人を逆にした方がラストでの融合性が出て良かったのではないかと思いました。

 

桜島は常時噴火しているイメージだったのですが、この作品では噴煙が映っておらず、調べてみると戦後活動が収まった時期が1969~1972年で、希少な時期に鹿児島ロケをしたのですね。なお、1973年にも鹿児島ロケ3本を行なっていますが、そのときには桜島に噴煙は映っていました。まさに「映像は語る」というにふさわしいですね。その桜島をバックに、立石班から数秒だけ聞き込みを受ける女中さん役が峯京子、彼女が残りの鹿児島ロケ作品でどういう役になるか、これも見どころです。ロケまとめ撮りでは、配役のキャラがガラリと変わるのも特捜隊の特徴です。

 

あと、セツ子の再婚相手を演じたのが宮田羊容。布地由起江とは一緒に漫才をやっていたらしいのですが、具体的な資料は見当たりません。ただ、生みの母としてのシリアス演技が板についた布地由起江が、宮田羊容と絡むシーンになると声が裏返り三枚目的な話し方になったのは、やはり漫才の相方がそばにいたからだからと思ってしまいました(笑)

 

トータルではこの作品も面白く、特捜隊を追っかけてみようと思ったきっかけでもありました。

 

(2017年11月21日、全面追加)