※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しましたR6.10.7 (出演者)をエンディング表記された「全男優・女優」に訂正

 

 

【#544  絶体絶命】

 

(本放送)1972年4月5日

(再放送)2016年2月18日

(脚本)佐治乾

(監督)龍伸之介

(協力)静岡県浜名湖観光協会、ホテル白山

(協賛)無し

(助監督)中津川勲

(劇中ナレーター)無し

(捜査担当)三船班

関根部長刑事(伊沢一郎)、田中係長(山田禅二)、石原刑事(吉田豊明)、

白石刑事(白石鈴雄)、水木刑事(水木襄)、畑野刑事(宗方勝巳)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

榊ひろみ、西恵子、遠藤征慈、佐々木一哲、大前田武、小沼和雄、平野康、

小柳冴子、田中力、山田甲一、佐竹一夫、美杉多映、大阪憲、三島一夫、篠原大作、

西尾健、長坂蜂郎、森井睦、白鳥勝、村井恵美、平井岐代子、藤山竜一、清川新吾、

関千恵子、人見明

 

 

(あらすじ・予告篇から)

 ※当時のナレーション(=青木義朗)をそのまま聞き写しています

 

突然、湖畔の静けさを破った銃声・・・。

銃砲店を襲い、ホテルを占拠した5人組は、

ライフルで武装し、泊り客を人質とした!

三船主任も、客の1人として捕まったのだ!

時間が経つにつれ、

人質たちは助かるまいとの絶望感におそわれた。

だが、刑事三船は、一瞬のスキを見て脱出を試みる。

刑事であることを見破られた三船主任・・・。

ますます凶暴になる5人組は、またもやライフルを放つ! 

次回の特捜隊、「絶体絶命」に御期待ください。

 

 

(備考)

・題名は「絶体絶命」であり、検証本、リスト特捜隊での「絶対絶命」は誤り。

 

 

(視聴録)

 

工場主から現金2千万を奪い殺害、さらに銃砲店からライフルを奪い、巡査を殺害した元工員の5人組、矢部たつ(遠藤征慈)、宮本わたる(佐々木一哲)、東こういち(平野康)、竹下まさる(大前田武)、栗林としお(小沼和延)は逃走中である。浜名湖畔・ホテル白山に潜伏中との報を受けた三船班は、職員・宿泊客を避難させ包囲する策を立てた。

 

しかしタイミングが悪く、妻・とみ子(関千恵子)、娘・恵美(小柳冴子)の尻に敷かれる夫・沖島(人見明)の親子3人、関係を清算しようとしている男・いちろう(清川新吾)、亜紀(西恵子)のカップル2人、警察を毛嫌いする女性カメラマン(榊ひろみ)の6人が捕らわれ、さらに三船主任まで人質になってしまった。亜紀は、いちろうの母・さとこ(平井岐代子)、婚約者・まりこ(村井恵美)に自分の存在がわかって、いちろうの立場を危うくしないよう気を配る気配はあるが、他の5人は自分のことばかり考えている様子に、三船主任も次の一手を探しあぐねる。

 

そんな中、興奮した5人組の1人栗林が、包囲する三船班に銃撃を加えるが応酬されて負傷、身柄を確保されてしまった・・・。

 

 

当作は、新生・特捜隊になって偏向気味だった龍伸之介監督が、【第3回再放送】の初心に戻った「#536 可愛い脱走」に続いて、今回はアクション重点の作品に仕上げました。三船主任ピンチの場面になったとき、やはりいつもの癖は抜けてないのかなと思いましたが、ラストの脱出劇の布石と思えばまあ有りかなという気もします。でも、ある人物2人の行動は、まかり間違えれば犯人から返り討ちにされるわけで、さらに最後になってもお詫びの言葉が無いところは、納得しがたいところです。もしかして、龍伸之介監督は警察に非協力的な人々を描くことで、自分の真情を吐露したのかとも考えましたが、あくまで想像でしかありません。

 

まあ、犯人は初めからわかっているので、事件解決に至るまでの出来事を描くのが主流であり、そこにサスペンスが要求されるわけです。当作は、そこに各グループの人間模様も並行させているのが特色ですが、3グループあるせいか3人家族と女性カメラマンについては描写がいささか不足しているのではと思います。特に、今までの考え方が一変するきっかけがあまりに軽く、三船主任の立場が無さすぎなような(笑)

 

ただ、浜名湖ロケでありながら、観光的場面は最初の2,3分でとどめて、あとはホテル白山の包囲戦に限定して緊張感を分散させないところは、さすがロケ得意の龍伸之介監督ですね。このホテル白山は、検索すると現在では閉館しているようで、取り壊しの写真を見ると当作での三角屋根が写っています。その後は、怪しげなヘルス白山になっているのかどうか、抽象的な情報なのでなんともいえません。

 

女性カメラマンを演じた榊ひろみは、歌手・荒木一郎の元妻云々とwikiにはあり、とあるブログを見ますと荒木一郎53歳誕生パーティ(1997年ごろ)に再会しているようです。もう、女優業はしていないようですが、特捜隊の【第3回再放送】同時期に、ファミリー劇場の「おさな妻」で当作と同じ女性カメラマンを演じておりました。働く女性が絵になるイメージですが、さきほどのブログでは、掃除・洗濯・庭いじりが好きな女性なようで、それゆえ派手な芸能界から身を引けたのかもしれません。

 

(2017年12月18日 全面追加)