【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なので、

(あらすじ)などストーリーの本質にかかわるところは伏せ、

スタッフやキャスト、また(備考)・(ネタバレしない範囲での一般的感想のみ

にとどめます。

将来、東映chなどで、一般的視聴されるようになったら書き加えていく予定です。

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

配役名表記が有るため、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」「オープニング・エンディングの表記と、劇中発声・表記が異なるときは、後者を優先」する原則に戻り、以下本文を表記します。例外は、その都度(備考)で示します。

 

☆・・・#327  続 蜜月旅行

特別機動捜査隊(第327回)続・密月旅行

 

 

 

(収録DVD)・・・VoL5、disc1、2021年9月8日発売

(本放送)・・・1968年1月31日

(脚本)・・・横山保朗

(監督)・・・中村経美

(協力)・・・警視庁

(協賛)・・・大分県別府市、別府温泉観光協会、国際観光ホテル、別府白雲山荘、           阿蘇白雲山荘

(助監督)・・・天野利彦

(劇中ナレーター)・・・島宇志夫

(捜査担当・オープニング表記)・・・立石班+藤島班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、事務員(佐藤敏子)、橘部長刑事(南川直)、

大村刑事(森山周一郎)、荒牧刑事(岩上瑛)、桃井刑事(轟謙二)、

岩井田刑事(滝川潤)、松山刑事(松原光二)、内藤刑事(巽秀太郎)、

藤島捜二係長(中山昭二)、立石主任(波島進)

 

(出演者・オープニングまたはエンディング表記)

・・・劇中優先のため配役名表記を省略

島田多恵子、水上竜子、大庭健二、岩城力也、志水辰三郎、加藤欣子、綾川香、

水木梨恵、石田守衛、小沢沙季子、水島真哉、葉山純士郎、山田甲一、井川知子、

和田孝男、岡田敏宏、早瀬主税、志野雪子、野村順子、天ヶ瀬美和、沼田曜一、

片山明彦、村上不二夫、杉狂児

 

 

(あらすじ・予告篇から)

・・・ ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています。

 

白骨体は、一体誰なのであろうか!?

圭子、一郎の呪われたハネムーンはなおも続く。

逃げる者、追う者・・・、特捜隊の鋭い追及の前に、

事件は次第に解決へと向かっていく。

(略)

・・・、死を求めて阿蘇に登っていく!

雪の大阿蘇に、特捜隊の必死の捜索が始まる!

すべての謎を吞み込むかのように、噴煙は不気味にあがるのだった!

美しい阿蘇の自然を背景に繰り広げられる、

次回、「続 蜜月旅行」に御期待ください。

 

※ストーリーの本質に触れる部分は(略)します。

※VoL5、disc1、2021年9月8日発売 では、予告篇はdiscの末尾に映像特典として、まとめて収録されている。

 

 

(備考)・・・

・前回作 #326  蜜月旅行【スペシャルセレクション】 の続篇であり、開始約3分半ばまで、前回作のおさらいが、島宇志夫ナレーションと映像で綴られる(後述)。スペシャルセレクションシリーズでは、#206 大都会【スペシャルセレクション】 、#207 続 大都会【スペシャルセレクション】 に続く、前後篇もの収録となる。

・劇中の別府署は、1929年に浜町(浜脇埋立海岸)に新築され、当作後の1969年の餅ケ浜町・新庁舎を経て、現在は2014年の 田の湯町・新庁舎に移っている(wikiより)。戦前の庁舎が映像に残っていることでは、歴史的価値があるといえる。

・別府白雲山荘は、現在では「介護付終身利用型老人ホーム・ゆうゆうの郷白雲山荘」となった。阿蘇白雲山荘は、名称もそのまま現存しているが。しばらくの休館を経て、2022年春にグランドオープン予定である。

・養賢寺は佐伯市に実在する臨済宗のお寺で、HP九州旅倶楽部では、石碑を改修した跡があるが、当作映像とほぼ変わらない画像を見ることが出来る。

 

 

(視聴録)・・・開始約分半まで

(ネタバレしない範囲での一般的感想)

主な関連人物をまとめますと以下のとおりです。

(演者は・・・の次に、判明出来る俳優名を表記)。

 

〇洋菓子店ボンジュール・店主・吉田・・・・片山明彦

〇同・吉田の妻・・・・・・・・・・・・・・小沢沙季子

〇同・店員・北沢一郎・・・・・・・・・・・大庭健二

〇同・店員・北沢の新婦・圭子・・・・・・・水上竜子

〇北沢の父・かずお

〇圭子の父・君塚敏雄・・・・・・・・・・・沼田曜一

〇川田文子・・・・・・・・・・・・・・・・島田多恵子

〇文子の前夫・今泉三郎・・・・・・・・・・岩城力也

〇文子の父・屋台店主・川田道夫・・・・・・杉狂児

〇川田と仲間の屋台店主・・・・・・・・・・石田守衛?

〇新宿のバーテン・木暮たけし   ・・・・・・水島真哉

〇関西汽船フェリー・案内係   ・・・・・・・早瀬主税?

〇西本捜一係長の甥・隆志・・・・・・・・・和田孝男

〇隆志の新婦・節子・・・・・・・・・・・・井川知子

〇節子の友人(歌手)・天ヶ瀬美和   ・・・・天ヶ瀬美和

〇別府白雲山荘・フロント・・・・・・・・・葉山純士郎?

〇マリーンパレス・潜水婦・・・・・・・・・志野雪子

〇おでん屋ひょうたん・女将・・・・・・・・水木梨恵

〇アパート城山荘・管理人・・・・・・・・・加藤欣子

〇養賢寺・住職・・・・・・・・・・・・・・志水辰三郎

〇西田病院・医師・・・・・・・・・・・・・綾川香

〇同・看護婦・・・・・・・・・・・・・・・野村順子

〇別府警察署・次長・沢田・・・・・・・・・山田甲一

〇同・刑事

〇同・巡査

〇毎朝新聞東京本局記者・村上・・・・・・・村上不二夫

〇毎朝新聞別府支局記者・渡辺・・・・・・・岡田敏宏

 

 

#326  蜜月旅行【スペシャルセレクション】(以下、前篇と略)からの「おさらい」が島宇志夫ナレーションで語られるが、後篇(当作)のあらすじも含め、ここで書き出すと前篇の面白味が無くなること、あらすじの全バレもあるため、双方ともここでは記述しない形をとる。

 

 

以下本文は、上記の「面白味が無くなる」ことを防ぐため、「あらすじ」を略して、前稿で書いたことのみに触れることにとどめ、自分自身の感想のみになります。

それでも、前篇で触れた

(1) 白骨体事件(3年前)

(2) ボンジュール強盗事件(当年1月25日、午前4時30分=強盗逃走)

(3) 木暮殺害事件(当年1月25日、午前7-8時=死亡推定時刻)

について、(1)の白骨体は君塚ではなく、別の人物である疑いが濃く、(3)の発生原因が(2)にあることは、前篇の開始約13分まで(註・前篇のあらすじ部分)を観賞して想像できますので、当作はその延長にある1月27日、28日、29日の出来事をを描いたものであります。

 

ここでは、「ある人物」の供述通りだと、フェリーからの電報内容が整合性を持たなくなり、前篇では無かった辻褄が合わないところとして、指摘は可能です。

しかし、当作(=後篇)の争点は、前篇での

(a) (1)での白骨体は誰なのか?

(b) (2)での2人組は、立石班の断定通りなのか?

(c) (3)での犯人も含め、犯行動機は(2)によるものだけなのか?

(d) 重要参考人である君塚の行方を、どうやって追いつめるのか?

(e) 前篇ラストでの、「ある人物」の運命はどうなるのか?

と多岐に亘り、サブストーリーとしても

(f) 村上記者と佐藤事務員の周辺状況は如何に?

という興趣もあるため、正直、上記の辻褄が合わないところは目立ちません。

おそらく、普通に、前篇・後篇を観賞していたら気づかないレベルでしょう。すなわち、当作は、前篇での出来事をさらに拡げ、真相追及に時間を割くねらいがあったとみえ、後年の2時間3時間ドラマを観るような面白さに溢れた作品と評価できます。

 

特に、上記の(f)の通り、当作は村上記者&佐藤事務員活躍譚ともいえ、ストーリーのポイントに両者がそれぞれ絡んでくるのは興味深い。また、いつもは短時間で登場終了となる西本捜一係長も、やけに登場場面が多い。

それゆえ、前後篇併せ、裏方を前面に出した作品ともいえ、【第1回再放送】【第2回再放送】を未見ゆえに、前後篇ものの 特別機動捜査隊(第154回~第155回)東京0米地帯 前編・後編 の出来はわからないですが、少なくとも #206 大都会【スペシャルセレクション】 、#207 続 大都会【スペシャルセレクション】 を越えた出来と評価することは許されるでしょう。

 

しかし、残念なところを挙げるとすれば「対比」の部分です。特捜隊作品で面白く感じるのは、「対比」がいかに上手く処理されているか、というのは折に触れ書いています。それが、当作では「君塚」を軸として、2人の人物が登場します。

1人目は、過去に君塚からひどい目にあわされたと思っている人物。

2人目は、過去のしがらみを君塚が解放してくれたと思っている人物。

この2人の人物の「対決」がある場所でなされるのですが、この「対比」は一回こっきりで終わってしまい、終盤は1人目の人物とその周辺の人物たちとの描写に終始します。ここいらへん、せっかく西本捜一係長だけでなく立石主任も「情」を語る場面が有るのですから、終盤に2人目の人物とその周辺人物を登場させても良かったような気がします。そうすれば、人間ドラマとして盛り上がりも加味されて、すべての観賞作品の中でも屈指の出来になったのに惜しい。

 

まあ、これは観賞する側の視点であり、制作する側としたらキャストをフル稼働させて、東京・別府に及ぶ壮大な刑事ドラマをつくったという自負はあったでしょう。それは、当作の主役でもある「君塚」を演じた沼田曜一の演技が秀でていたことにも関連します。上記の2人の人物に映る2つの顔、これは成瀬巳喜男監督作品によく出てくる「グズグズして自己主張のできない男」を演じているようにも見え、この男が刑事事件に巻き込まれたらどうなるのかを、当作で具現化しているようでもありました。この点でも、非常に見どころのある作品で、前篇と併せ価値ある作品だと思います。