2014年が生誕150年にあたっていた後期ロマン派の
大作曲家=R・シュトラウスの交響詩及び標題交響曲を
21日から再探訪しています。
私の仕事場のライブラリーには、
初期の交響詩を収録したCDとして、
尾高忠明氏が指揮した1枚のアルバムが在ります。
###CD/リヒャルト・シュトラウス作品集###
交響詩「ドン・ファン」 交響詩「死と変容」
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
歌劇「ばらの騎士」より~ワルツの場第1番~
指揮:尾高忠明 管弦楽:BBCウェールズ交響楽団
Nimbas Records / NI-5235
既に先日に「ドン・ファン」と「死と変容」を
ご案内しましたので、今日は
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
を探訪しましょう。
14世紀に北ドイツに実在したと言われる
伝説的奇人をテーマとした交響詩です。
この頃のR.シュトラウスは歌劇の作曲を目論んでいました。
ティル・オイレンシュピーゲルを主人公とした
歌劇の作曲を構想もしましたが、
初の歌劇「グントラム」の初演が失敗に終わり、
暫くは歌劇の作曲を諦めることになりました。
そこで、再び交響詩の作曲に取り組み、
1895年にこの作品が完成しました。
楽器編成が、前作の「死と変容」までは三管編成規模から、
四管編成に拡大していることも目を惹きます。
ティルが登場してはいたずらを繰り広げるという、
目まぐるしい様子を表現するために作曲家が採用した
構成法は、ロンド形式でした。
弦楽器セクションによる短いながらもホロリとする
「昔むかし・・・」と語りが始まるような序奏に続いて、
ホルンによってティルのテーマが奏され、
更にクラリネットによる笑いのテーマも続き、
音楽は本題に入っていきます。
様々ないたずらを繰り広げながらの紆余曲折の末、
ティルはとうとう裁判のかけられてしまいます。
遂に死刑判決が下り、絞首台であえなく最期となりますが、
ティルのいたずらは不滅であるとばかり、
「昔むかし・・・」の序奏と笑いのテーマが回帰して
全曲が閉じられます。
YouTube / R・シュトラウス:交響詩
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
Op.28:カラヤン/ベルリンPO
昨日までにご紹介した「ドン・ファン」と「死と変容」は、
ソナタ形式を基盤とした単一楽章構成を持つ作品でした。
この「ティル」は、ロンド形式を基盤としていますが、
随所に展開手法も盛り込まれ、ソナタ形式の洗礼を受けた
世代の作曲家としての筆致が伺われます。
クラシック音楽の作曲家、特に、ベートーヴェン以後から
20世紀前半の器楽音楽の作曲家にとって、
ソナタ形式が如何に重要な存在であったかということを、
あらためて考えさせられる事例と言えるでしょう。
交響曲と交響詩は、実はとても近しい存在なのです。
大作曲家=R・シュトラウスの交響詩及び標題交響曲を
21日から再探訪しています。
私の仕事場のライブラリーには、
初期の交響詩を収録したCDとして、
尾高忠明氏が指揮した1枚のアルバムが在ります。
###CD/リヒャルト・シュトラウス作品集###
交響詩「ドン・ファン」 交響詩「死と変容」
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
歌劇「ばらの騎士」より~ワルツの場第1番~
指揮:尾高忠明 管弦楽:BBCウェールズ交響楽団
Nimbas Records / NI-5235
既に先日に「ドン・ファン」と「死と変容」を
ご案内しましたので、今日は
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
を探訪しましょう。
14世紀に北ドイツに実在したと言われる
伝説的奇人をテーマとした交響詩です。
この頃のR.シュトラウスは歌劇の作曲を目論んでいました。
ティル・オイレンシュピーゲルを主人公とした
歌劇の作曲を構想もしましたが、
初の歌劇「グントラム」の初演が失敗に終わり、
暫くは歌劇の作曲を諦めることになりました。
そこで、再び交響詩の作曲に取り組み、
1895年にこの作品が完成しました。
楽器編成が、前作の「死と変容」までは三管編成規模から、
四管編成に拡大していることも目を惹きます。
ティルが登場してはいたずらを繰り広げるという、
目まぐるしい様子を表現するために作曲家が採用した
構成法は、ロンド形式でした。
弦楽器セクションによる短いながらもホロリとする
「昔むかし・・・」と語りが始まるような序奏に続いて、
ホルンによってティルのテーマが奏され、
更にクラリネットによる笑いのテーマも続き、
音楽は本題に入っていきます。
様々ないたずらを繰り広げながらの紆余曲折の末、
ティルはとうとう裁判のかけられてしまいます。
遂に死刑判決が下り、絞首台であえなく最期となりますが、
ティルのいたずらは不滅であるとばかり、
「昔むかし・・・」の序奏と笑いのテーマが回帰して
全曲が閉じられます。
YouTube / R・シュトラウス:交響詩
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
Op.28:カラヤン/ベルリンPO
昨日までにご紹介した「ドン・ファン」と「死と変容」は、
ソナタ形式を基盤とした単一楽章構成を持つ作品でした。
この「ティル」は、ロンド形式を基盤としていますが、
随所に展開手法も盛り込まれ、ソナタ形式の洗礼を受けた
世代の作曲家としての筆致が伺われます。
クラシック音楽の作曲家、特に、ベートーヴェン以後から
20世紀前半の器楽音楽の作曲家にとって、
ソナタ形式が如何に重要な存在であったかということを、
あらためて考えさせられる事例と言えるでしょう。
交響曲と交響詩は、実はとても近しい存在なのです。