(チキン番外編はコチラ↓から)
チキン番外編①

チキン番外編②

チキン番外編③

チキン番外編④

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チキン番外編⑩

チキン番外編⑪
チキン番外編⑫

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チキン番外編第二章①


~第二章②~



トイレのドアが開いたので、俺とテルは揃ってその方を見た。



すると中からゆっくりと丸刈りで筋骨隆々の大男が出てきた。



作業ズボンに白のタンクトップ姿のその男は、胸から両腕にかけて入れ墨で埋め尽くされていた。




男はこちらをにらんでいる。




それもそうだ。



俺にドアを蹴られ、快適な大便タイムを邪魔されたのだから。



俺とテルはただならぬ雰囲気に目を見合わせた。


「逃げるしかねー」とお互いの目でサインを送ったが、それをさえぎるように男が話しかけてきた。




「お前、蹴った?」




何を勘違いしたのかテルを見ながら言ったのだった。




俺はチャンスだと思って、「こいつがやりました」と言わんばかりに無言でテルを指差した。




テルは「ちょ…お前!」と俺に食ってかかったが、男は言葉を続けた。




大きくため息をついて、「こっちは長距離で疲れてんだよ…からかってんの?」と言った。




どうやら長距離のトラック運転手のようだ。




「俺じゃないッス。こいつッス!」




テルは俺の腕を掴んで前に出した。




「お前か」




俺は首を振った。




すると男はまたテルを見て「じゃあお前だな」と言った。



テルは焦って否定した。



「俺もこいつにドアを蹴られたんスよ!まじッスよ!」



このままではいけないと思ったので、「俺もドアを蹴られたよ」と嘘をついた。



「じゃあ誰が蹴ったんだよ。面倒だからさ、お前ら、二人とも死んじゃおっか?」



男は低い声で淡々と俺たちを問い詰める。




テルは「どうにかしろ」という意味で俺を肘で小突いた。




どう考えても嘘は通じない状況で、俺のカンピューターも上手く回転しない。




「すいません…臭くてイライラして蹴っちゃいました」




とっさに出た言葉だったが、火に油を注ぐことになってしまった。



男は鼻で笑ったので、俺たちもぎこちなく笑った。



そして次の瞬間、男は思い切りテルを殴り飛ばした。



~つづく~


井口達也



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是非読んでくれい★


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チキン第二部