【若紫113-3】古文単語「ひが耳」☆
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は、現代にはほとんど使わない古語☆
【今回の源氏物語】
すこし退きて、
「あやし、ひが耳にや」とたどるを、聞きたまひて、
「仏の御しるべは、暗きに入りても、さらに違ふまじかなるものを」
とのたまふ御声の、いと若うあてなるに、
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今回出てきた古文単語
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■【すこし】…少し。ちょっと
■【退き】…カ行四段動詞「退く」連用形
※【退く】…後ろの方へ下がる
■【て】…単純接続の接続助詞
■【あやし】…変だ。妙だ
■【ひが耳】…聞き違い
■【にや】…~であろうか
※【に】…断定の助動詞「なり」連用形
※【や】…疑問の係助詞
■【と】…引用の格助詞
■【たどる】…迷いながら進む
■【を】…対象の格助詞
■【聞き】…カ行四段動詞「聞く」連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【仏(ほとけ)】…仏様。阿弥陀仏
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【御―】…尊敬の接頭語
■【しるべ】…導き
■【は】…とりたての係助詞
■【暗き】…ク活用形容詞「暗し」連体形
■【に】…場所の格助詞
■【入り】…ラ行四段動詞「入る」連用形
■【ても】…~ても(逆接仮定条件)
※【て】…単純接続の接続助詞
※【も】…強意の係助詞
■【さらに】…決して(~ない)
■【たがふ】…間違う
■【まじか】…打消推量の助動詞「まじ」連体形撥音便の無表記
■【なる】…伝聞の助動詞「なり」連体形
■【ものを】…逆接的詠嘆の終助詞
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【御―】…尊敬の接頭語
■【声】…声音
■【の】…主格の格助詞
■【いと】…とても
■【若う】…ク活用形容詞「若し」連用形ウ音便
■【あてなる】…ナリ活用形容動詞「あてなり」連体形
※【あてなり】…上品だ
■【に】…順接の接続助詞
◇ 今回は「の」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「ひが耳」☆
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すこし退きて、
「あやし、ひが耳にや」とたどるを、聞きたまひて、
「仏の御しるべは、暗きに入りても、さらに違ふまじかなるものを」
とのたまふ御声の、いと若うあてなるに、
問)次の傍線部の説明として最も適当なものを1つ選べ。
1.まあ。耳の化け物だわ。
2.変ね。聞き間違いかしら。
3.みっともない。聞いたふうなことを。
4.妙だわ。耳が遠くなったのかしら。
5.ああ。ほんとに耳にたこができた。
古文読解のためには
次の3つの知識が必要です。
● 古文単語をきっちり覚える
● 古典文法を押さえる
● 古文常識を理解する
この【重要古語】カテゴリでは
今回出て来た『源氏物語』の一語一語を
詳しく解説しつつ、
特に今回注目したい古語をピックアップして
詳しく解説しています。
今回の古語はこれ☆
この言葉は、1回聞いたら
もう覚えちゃいますよねぇ~!
「ひが」(正しくない・間違っている)という接頭語的な古語のニュアンスを頭に入れておきましょう!
【ひが事】…間違い・悪事
【ひが様】…事実とちがう様子
【ひがむ】…心がねじける・ひねくれる
【ひが者】…ひねくれ者
【ひがひがし】…素直でない・ひねくれている
【ひが耳】…聞き間違い
【ひが目】…見間違い
【ひが業(わざ)】…間違ったしわざ・筋違いな事
こういう古語が、一気に入ってきますよ♪
【答え】…2
すこし退きて、
「あやし、ひが耳にや」とたどるを、聞きたまひて、
「仏の御しるべは、暗きに入りても、さらに違ふまじかなるものを」
とのたまふ御声の、いと若うあてなるに、
● 過去記事リンク
■あやし
■にや
■たどる
■たまふ
■しるべ
■ても
■も
■ものを
■のたまふ
■いと
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