【夕顔350-2】古文常識「違ふ」とは
高校1年生のみなさん☆
古文は、文法と古語、そして古文常識の
3つの知識がそろって、初めて読解に繋がりますよ~♪
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)の助けを借りながら夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意に沈んでいます。ある夕暮れ時、右近(夕顔の侍従)は光源氏に促され、亡き夕顔の身の上を話し出しました。
【今回の源氏物語】
「…違ふとて、あやしき所にものしたまひしを、見あらはされたてまつりぬることと、思し嘆くめりし。…」
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☆ 古文オリジナル問題~古文常識用語~☆
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「…それもいと見苦しきに、住みわびたまひて、山里に移ろひなむと思したりしを、今年よりは塞がりける方にはべりければ、たがふとて、あやしき所にものしたまひしを、見あらはされたてまつりぬることと、思し嘆くめりし。…」
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.状況を変えようとして、
2.普通でない場所だったので、
3.いつもと違っていて、
4.方違えをするということで、
5.移り住もうと思って、
古文の学習は、
⑵古典文法
⑶古文常識
この3つの知識がしっかりして初めて、
読解につながっていきます。
古文の幅広い単語は、
古文常識の力を用いて、
文脈判断できるんですよ!
【たがふ(違ふ)】
【自動詞:ハ行四段活用】
①くい違う。合わない
②背く。さからう
③普通でなくなる。かわる
【他動詞:ハ行下二段活用】
①相手の意向とくい違うようにする。背く
②まちがえる。誤る
③方違(かたたが)えをする
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
「たがふ」という終止形で出てきたら、
自動詞なのか、他動詞なのか、
そこから判別がつきませんよねぇ~;;
!!!o(・´д・`o)))三(((o´・д`・)o
このような、現代にもある言葉は、
けっこう意味も幅広く、
単語の力だけに頼っていては、
選択肢を絞り切れません;;
しかしながら、この傍線部の直前に、
「塞がる」という語があるじゃありませんか!?
━━━(゚∀゚)━━━!!!
【ふたがる(塞がる)】
【自動詞:ラ行四段活用】
①さえぎられたり詰まったりして、行き来ができなくなる。詰まる
②(悲しみや喜びなどで)胸がいっぱいになる。塞がる
③「陰陽道」で「ふさがり」の方角に当たる.塞がる
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
ほら、「違ふ」の中の「方違えをする」と、
通じる意味がありますよねー!
【解答】…4