【若紫23-3】古文単語「のたまふ」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【若紫23-3】古文単語「のたまふ」

右矢印イラスト訳を初めから読む

こんにちは。このブログは

源氏物語イラスト訳「古文単語」のカテゴリです。

 

古文単語には、

チェックボックス1.とにかく丸暗記して覚える

チェックボックス2.漢字イメージで覚える

チェックボックス3.文脈判断で決める

などの覚え方があります。

 

今回は敬語動詞として覚えるやつです♪

 

【今回の源氏物語】

「…かかる住む思ひ残すことあらかしのたまへ

これいと浅くはべり。…」

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

――――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――――

■【かかる】…このような

■【に】…場所の格助詞

■【住む】…マ行四段動詞「住む」連体形

■【人】…人々。ここは北山に住む人をさす

■【心】…心情。気持ち

■【に】…状態の格助詞

■【思ひ残す】…サ行四段動詞「思ひ残す」連体形

■【は】…強意の係助詞

■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形

■【じ】…打消推量の助動詞「じ」終止形

■【かし】…念押しの終助詞

■【と】…引用の格助詞

■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」已然形

※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【これ】…この北山の情景指示代名詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【いと】…とても

■【浅く】…ク活用形容詞「浅し」連用形

※【浅し】…趣が浅い

■【はべり】…丁寧の補助動詞(会話主⇒光源氏)

 

今回は「かし」にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

―――――――――――――――
☆ 本日の古文単語「のたまふ」 ☆

―――――――――――――――

「…かかる所に住む人、心に思ひ残すことはあらじかし」とのたまへば、

「これは、いと浅くはべり…」

 

問)傍線部ABの敬語の組み合わせとして最も適当なものを、次の中から1つ選べ。

 

1. 光源氏から行者への敬意を表す謙譲語

   作者から光源氏への敬意を表す尊敬語

 

2. 光源氏から行者への敬意を表す謙譲語

   会話主から光源氏への敬意を表す尊敬語

 

3. 作者から光源氏への敬意を表す尊敬語

   会話主から光源氏への敬意を表す謙譲語

 

4. 作者から光源氏への敬意を表す尊敬語

   会話主から光源氏への敬意を表す丁寧語

 

5. 光源氏から行者への敬意を表す尊敬語

   作者から読者への敬意を表す丁寧語

 

古文読解には次の3つの力が必要です。

 

⑴ 古文単語を覚える

⑵ 古典文法を理解する

⑶ 古文常識を把握する

   

上のような敬語の識別も

まずは重要古語として覚えることが基本です。

 

【のたまふ(宣ふ)

【他動詞:ハ行四段活用】

①(「言ふ」の尊敬)おっしゃる。おおせになる

②(高貴な人との対話などで、自分の身内の者や目下の者に言い聞かせる意)申し聞かせる。言いやる

 

 *Weblio古語辞典より

   上矢印

とにかく「のたまふ」は、「言ふ」の尊敬語

 

これだけは、丸覚えしておきましょう。

おねがい

 

1. 光源氏から行者への敬意を表す謙譲語

 

2. 光源氏から行者への敬意を表す謙譲語

 

3. 作者から光源氏への敬意を表す尊敬語

 

4. 作者から光源氏への敬意を表す尊敬語

 

5. 光源氏から行者への敬意を表す尊敬語

 

【主な尊敬動詞一覧】

  ※(  )はもとの動詞

■おはす・ます・います・いまそかり等

 …いらっしゃる、おいでになる(あり・をり・行く・来)

■仰す・のたまふ・のたまはす

 …おっしゃる(言ふ)

■御覧ず

 …ご覧になる(見る)

■おもほす・おぼす・思し召す

 …お思いになる(思ふ)

■たまふ・たうぶ・たぶ・たまはす

 …お与えになる、くださる(与ふ)

■あそばす

 …なさる、~なさる(尊敬の代動詞)(す)

■大殿ごもる

 …おやすみになる(寝)

■つかはす

 …おつかわしになる、行かせなさる(やる)

■きこす・きこしめす

 …お聞きになる、召し上がる(聞く・食ふ・飲む)

■しろす・しろしめす

 …お知りになる、お治めになる(知る・治む)

■たてまつる(奉る)

 …召し上がる、お乗りになる、お召しになる(食ふ・乗る・着る)

■めす(召す)

 …召し上がる、お乗りになる、お召しになる、お呼びになる(食ふ・乗る・着る・呼ぶ)

■まゐる(参る)

 …召し上がる、お召しになる(食ふ・飲む・着る)

 

「給ふ」や「参る」「奉る」は

尊敬だけでなく、謙譲語としても覚えます。

 

 

このように、敬語の種類が2つにまたがる敬語動詞

文脈判断が必要となってきます。

 

 

の「はべり」も、そのような敬語動詞です。

ゲッソリ

 

 

【はべり(侍り)

【自動詞:ラ行変格活用】

①(神・天皇・貴人などの)ご用命を待って、控えている。側近くお仕えする。伺候する

②(「居り」「あり」の謙譲)(神・天皇・貴人などのおかげで)いさせていただく

③(「居り」「あり」の丁寧)おります。あります。ございます

【補助動詞:ラ行変格活用】

①(話し手、または話し手側の行為・状態等を表す語に付いて、謙譲しつつ丁寧にいう意)~でございます。~であります。~です

②(①以外の語に付いて、聞き手に敬意を表して、丁寧にいう意)~でございます。~であります。~です

 

 *Weblio古語辞典より

   

この場合は

会話文中であるということ

● 形容詞の連用形に付随した補助動詞であるということ

   アップ

の2つの文脈判断から

の「はべり」は、丁寧語であると確定できます。

照れ

 

 

1. 作者から光源氏への敬意を表す尊敬語

 

2. 会話主から光源氏への敬意を表す尊敬語

 

3. 会話主から光源氏への敬意を表す謙譲語

 

4. 会話主から光源氏への敬意を表す丁寧語

 

5. 作者から読者への敬意を表す丁寧語

 

 

敬語の種類を理解するだけで

選択肢にしぼれますね~!

チューチューチュー

 

 

さて、あとは敬意方向で選別していきまよう♪

(*^m^*)

 

 

 

「…心に思ひ残すことはあらじかし」とのたまへば、

「これは、いと浅くはべり…」

   上矢印

は、地の文にあるので、作者からの敬意。

 

4. 作者から光源氏への敬意を表す尊敬語

   会話主から光源氏への敬意を表す丁寧語

 

5. 光源氏から行者への敬意を表す尊敬語

   作者から読者への敬意を表す丁寧語

 

おやもうこれだけでしぼれましたね~!

照れ

 

あとは検算で☆

 

は、会話文中なので、作者からの敬意ではなく、

会話主から、聞き手に対する敬意表現です。

ねー

 

 

 

 

 

 

【答え】…

   

【若紫(第1章)の一気読みはこちら⇒

 

 

【今回の源氏物語】

「…かかる住む思ひ残すことあらかしのたまへ

これいと浅くはべり。…」


 

過去記事リンク

斯かる

に(助詞)

あり(ラ変)

じ(助動詞)

かし

と(格助詞)

のたまふ

ば(接続助詞)

こ、これ、この(指示語)

は(係助詞)

いと

浅し

はべり

 

重要古語【あ】【い】【う】【え】【お】

重要古語【か】【き】【く】【け】【こ】

重要古語【さ】  ■【し】【す】【せ】【そ】

重要古語【た】【ち】【つ】【て】【と】

重要古語【な】  ■【に】【ぬ】【ね】【の】

重要古語【は】  ■【ひ】【ふ】【へ】【ほ】

重要古語【ま】【み】【む】【め】【も】

重要古語【や】【ゆ】【よ】【ら】~【を】

【文法・識別】  ■【勉強法・過去問】 ■【古文常識

 

ーーーーーーーーーーー

→今回のイラスト訳はこちら

→今回のイラスト解釈はこちら