今年の渋幕サピックスオープンの日程
今日はメッセージでご質問頂いたので、こちらでご回答したいと思います。
何と今年は例年11月3日にやっていた渋幕サピックスオープンが12月3日に移動し、第4回合判サピックスオープンと第2回筑駒サピックスオープンと重なるらしいですね。
午前午後でこの3つの中から2つは受験できるそうですが、1つは自宅でやることになります。
それで、息子が6年生だったとしたらどれを会場受験するか、というご質問です。
結論
端的に結論から申し上げますと、私だったら筑駒SO②と渋幕SOを受験させます。サピックスでもその2つを推奨しているそうです。
いくつか理由があります。
①合判SOは自己採点が容易
②志望校の受験生の多くが学校別の方を受験する可能性が高い
③テスト環境で本番に類似した形式を解きたい
こんなものですかね。以下補足します。
合判SOは自己採点が容易
合判SOは記述式はほとんど出ません。国語のみです。自宅でやっても、自己採点で悩むことはほとんどないでしょう。場合によっては国語の記述のみサピの先生に見てもらうことも可能だと思います。
他方、渋幕SOにしても筑駒SOにしても、自己採点は難しいです。渋幕は全科目、筑駒は算国と記述もりだくさんです。筑駒の算数の部分点などもどうつければいいかよくわからないでしょう。もちろんサピの先生に頼めば見てくれると思いますが、実際の受験者と完全に同一の採点基準になるかは不明です。
志望校の受験生の多くが受験
渋幕SO、筑駒SOとも、志望者の多くが受験するはずです。サピでも合判SOではなくその2つを受験するよう推奨されるのですから、渋幕志望者、筑駒志望者は普通であれば学校別のダブルヘッダーを選択するはずです。
やはり現在の立ち位置の確認という意味では、学校別を受験した方がいいと思います。実際のライバルと類似問題で競える機会はとても貴重です。
テスト形式で本番類似問題を解く
特に渋幕はSOが1回きりですので、周りに受験生がいる環境であるテスト形式で体験しておきたいところです。自宅でやるのと、周りに受験生がいる環境でやるのとでは、やはり精神的にも違ってきます。
本当であれば渋幕SOは中学校会場で受験するのがベストですが、筑駒SOとのダブルを選択すると選べないのは残念です(まあこれは渋幕の立場からすると、「庇を貸して母屋を取られる」ことは避けたいのでやむを得ないですが)。でもやはり試験会場で受験するのと自宅でやるのとでは緊張感も異なりますよね。
筑駒は9月にSO①がありますが、やはり2回受験しておきたいところですね。
他方、合判SOは筑駒や渋幕の入試問題とは全く異なり、あくまで標準問題が固まっているかを確認するためのテストです。自宅受験でも何ら問題ないです。
もちろん受験しないとオフィシャルな志望校判定は出ませんが、それも自己採点して合判資料で確認すればいいだけです。合判4回の持ち偏差値も、自己採点がし易い関係で各家庭で後から資料を確認すれば出せます。
以上から合判SOより学校別SOを優先するべきだと思います。
渋幕SOと筑駒SOのダブルは疲れない?
ちなみに渋幕SOと筑駒SOのダブルヘッダーとなり、疲れてしまわないかという懸念があるかもしれません。メッセージ頂いた方も、この点を懸念されていました。
学校別ダブルヘッダーの場合は、午前が渋幕SO、午後が筑駒SOとなるそうです。筑駒SO②は渋幕SOの日程変更がなくとも合判④とのダブルヘッダーになりますが、やはり渋幕SOの方がボリュームが多く、問題も難しいので、確かに受験生の負担は重いです。
普段から体力に全然自信がない、という懸念のある受験生なら考慮する必要があるかもしれません。
ただ、お忘れになっていませんでしょうか。SSの存在です。サピ生は毎週日曜日朝の9時から(場合によっては朝8時になることもある)18時45分まで缶詰になって勉強しています。SSは演習方式ですので、毎回4教科のテストを受験し、その解説を聞き、さらに選択科目の2つのテストを受験し、その解説を聞くわけです。
この過酷なSSをこなしている受験生であれば、渋幕SO・筑駒SOのダブルヘッダーなんて余裕です。
息子の時も聖光SOと筑駒SOの時は合判とのダブルヘッダーで、親としては大変そうだけど大丈夫かなあと思ったものです。
しかし、息子は「終わるの17時だからSSよりむしろ楽だよ。」とけろっとしたものでした。たくましくなったものだなあと感じた記憶があります。
この点、お子さんを信じてあげてもいいのではないかと思います。
もちろん、テストで緊張してしまいがちな子ですと、SSより疲れるということはあるかも知れません。疲れて午後力を発揮できないという場合もありうるとは思います。
しかし、学校別SOは重要な模試だと思いますが、所詮は模試であり、本番ではありません。もし午後疲れて持たない、ということであれば、そのようなお子さんの特性が事前に分かって良かった、とも考えられます。例えば午後受験はできるだけ避けた方がいい、とか、1月に渋幕に合格できたら2日は体力回復のため回避しよう、とか本番の受験戦略にも活かせます。
背景は?
しかし、なぜそのような日程になっているのかの背景が気になります。渋幕SOは、受験者が被りにくい灘SOと慶應湘南藤沢SOと同じ11月3日に行われるのが通例で、受験生が重なることが十分考えられる筑駒SOの日程と重ねることは常識的に見てありえない選択だからです。
実際今年も灘SOと慶應湘南藤沢SOは11月3日の開催のままです。ではなぜ渋幕SOだけ日程を移動させたのでしょう?
例年渋幕SOは中学校会場があるんですよね。息子の時も渋幕まで行った記憶があります。中には前泊練習をする家庭もありました。サピックスのウェブページを見ると、今年も12月3日に渋幕で行う中学校会場があるそうです。
これは推測ですが、今年は学校行事か何かの事情で、11月3日に渋幕を使うことができなかったんじゃないですかね。それでやむを得ず代替日として学校側の都合もつく12月3日にしたということかと思います。
前述した通り、筑駒・渋幕志望者としては、学校別ダブルヘッダーを選択すると、中学校会場で受験できなくなるのが残念です。息子の時はコロナ禍で文化祭に行く機会もなかったので、渋幕SOが唯一の訪問機会でしたし。
サピックスとしても痛いですよね。合判4回でセットという売りなのに、筑駒・渋幕志望者には4回目を実受験させられない日程にせざるを得ないとは、断腸の思いでしょう。しかも折り悪しく筑駒の学区拡大もあって、例年より渋幕と筑駒の併願が増加しそうなこの年に。
さらに、合判SO④では筑駒・渋幕のダブル志望者が統計からごっそり抜けることになりますよね?筑駒志望者の全員ではないですが、過半数くらいは合判SO④の統計から抜けてしまうと思います。開成や聖光など、筑駒の併願校の合格判定の信憑性への影響も気になります。
まあさすがに今年だけのイレギュラーな事態だと思いますが、来年以降はこのようなことがないようにはして欲しいものですね。渋幕SOと筑駒SOを同日にするのは悪手でしかありません。
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