東大生は『勉強しなさい』と言われたことがないのか? | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

 

  東大生は『勉強しなさい』と言われたことがない

 

東大生のアンケートなどで、親から「勉強しなさい」と言われたことがない、という子がかなりの割合を占めるという調査結果はよく見かけます。

 

中学受験生の親の立場からすると「そんなの都市伝説でしょ?ありえない」と思われるかも知れません。

 

そして、だいたいそのような雑誌の特集記事では、子供を自分から勉強するようになるためには、幼少時からの知的好奇心の涵養が大事、という流れになります。

 

まあ、それは一つにはそうでしょう。しかし、知的好奇心だけではそうはならないだろう、というのが私の持論です。

 

n=1のサンプルで、かつ数十年前の話で恐縮なのですが、実は私も親から『勉強しなさい』と言われたことがない東大OBです。

 

そこで今回は、我が身を振り返って、なぜそうだったのか、なぜ親に「勉強しなさい」と言われなくとも東大に合格できるまで勉強できたのかについて考えてみたいと思います。

 

  中学受験開始まで

 

以前の記事で書きましたが、私も中学受験経験者です。学校名は明かしませんが、首都圏の男子名門進学校とだけしておきます。ちなみにその学校についてブログ記事で触れるときもあたかも第三者みたいな体で書いていますので、たぶん分からないでしょうね。笑

 

さて、私の頃の中学受験は今に比べると牧歌的な世界で、首都圏では5年生の最初から入塾(当事者四谷大塚全盛)して、予習シリーズをもとに学習を進めるというのがスタンダードでした。四谷大塚準拠塾というものがたくさんあり、平日はそこで勉強するという子も多かったようです(私は日曜テストのみでしたが)。

 

私の親は中学受験なんて全く考えていないタイプの親で、私の方から中学受験をすると決めました。5年生の終わりくらいです。

 

私は普通の公立小学校に通っていました。自慢ではないですが、成績はずっといわゆるオール5タイプで、たまに副教科で1つ2つ4がある、という感じでした。親は「勉強しろ」なんて一言も言いませんので、小学校の宿題以外に家での学習は一切やっていませんでしたが、まあそんな感じだったのです。もちろん学級委員やクラス代表みたいなものも歴任し、活動的に過ごしていました。

 

正直感じ悪いかも知れませんが、小学校では向かうところ敵無しの状態でしたね。笑

 

しかし、5年生後半のある日、四谷大塚に通っている友人の家に遊びに行った時に、予習シリーズの算数の問題を見たんです。何気なく開いてあるページを見て、何だか面白そうと思ってやってみました。図形の問題で、補助線を引くと簡単に解けるタイプの問題だったと記憶しています。

 

これが全然わからなかったんですね。勉強は誰にも負けないと思ってましたから、解けないのがちょっとショックでした。しかも友人は補助線を引いてスラスラ解くではないですか。その解法をみて、「すごい、面白い!」と思ったんですね。

 

昔からパズルみたいなものが好きでしたから、勉強としてというよりは、面白いパズル見つけた、という感覚の方が近いかも知れません。

 

もちろん友人に解けて私が解けないというのが悔しい、という気持ちもありました。勉強は誰にも負けないと思っていましたからね。そんな負けん気の強さもモチベーションだったと思います。

 

  中学受験まで

 

そんな感じで、親に「自分も四谷大塚に通いたい」と言って、晴れて四谷大塚に通い始めました。新6年生スタートでした。

 

私は日曜テストのみ四谷大塚で受験し、平日は自宅で予習シリーズで範囲の箇所を独学するというスタイルでした。もちろん誰も教えてくれる人はいませんでしたので、予習シリーズを読み、問題を自分で解き、わからなければ解答を見て理解する、ということをひたすらやりました。今ではありえないですね。笑


とはいえ、家での1日の勉強時間はせいぜい1-2時間程度です。6年生でもそんなペースで、放課後は普通に友達と寄り道したり遊んだりしてました。

 

もちろんそんな具合でも親から「勉強しろ」と言われたことはありません。親の立場からすると、もともと中学受験させる気もなかった訳ですし、四谷大塚の勉強は好きなようにやればいい、と思っていたようです。小学校の成績は相変わらずオール5でしたので、本当はそれ以上勉強する必要なんてない、むしろ家事の手伝いをもっとやれ、と思っていたらしいです。

 

実際、母の言いつけにより、小学生の中学年頃から毎日米とぎ、みそ汁の出汁とり、雨戸の開け閉め、夕食の食器洗いは私の仕事でした。正直言って、勉強よりも家事の方が嫌いで、勉強を理由に言いつけられた家事をさぼる、ということもよくありました。勉強をなかなかしないお子さんには、家事をたくさん言いつけると勉強しだすかもしれませんよ。笑

 

さて、四谷大塚入塾後の成績ですが、スタートが遅れたので、もちろん学習も遅れていました。ただ毎週の日曜テストは範囲指定があるので何とかなります。ハマった時にはかなりいい成績を取りましたし、四谷大塚大したことないじゃん、と思ってました。笑

 

しかし、範囲指定のないプレ合不合(正式名称は忘れましたが、1学期にやる合不合です)は撃沈しました。やってないことがバンバン出るので今にして思えば当然です。自分なりには勉強をしているつもりでしたが、やはり1日1-2時間では、その週の範囲はできても、これまで遅れていたところは手をつけていないままだったんですね。

 

ここで私の負けず嫌いが発動します。普段の範囲指定のあるテストでは勉強していい成績を取れるんだから、入塾前の単元を勉強すれば合不合でもいい成績が取れるはず、だったら入塾前の単元の勉強をしよう、と思い立ちます。これが夏休み前でしたので、6年生の夏休みに5年生の予習シリーズを勉強しました。そうすると、ああこれテストで出てたなあ、という内容がたくさんあって、そうした自分が分からなかったこと、知らなかったことを理解し、記憶する喜びを感じましたね。

 

今から思うと、よくもまあ親にも言われないのにやったもんだと感じますが、四谷大塚でいい成績を取りたい、いいクラスに上がりたい、という気持ちが強かったように思います。当時は○○中に合格したい、というモチベーションよりも、その方が強かったです。もちろん勉強するのは好きでしたが、勉強することによって、どんどん成績が上がっていく、ということが主な動機でしたね。

 

またライバルの存在も大きいです。私が入塾したきっかけとなった友人の成績は既に抜いていたのですが、同じ小学校でどうしても敵わない子がいました。

 

当時の四谷大塚は成績ごとに会場が分かれていました。正会員は中野、お茶の水、池袋・・・と組み分けテストの成績のいい順に振り分けられるのです。私は成績のアップダウンが激しく、中野やお茶の水をいったりきたりという感じで、今のサピで言うとアルファ内をフラフラという感じでししたが、その友人はずーっと中野の上位クラスでした。今でいうとアルゼロです。

 

アイツに絶対勝ってやる!というのも一つの勉強のモチベーションでしたね。まあその思いは結局中学受験の終わりまで遂げられずに終わるのですが。負けっぱなしです。笑
 

ただそんな感じで、親に言われるまでもなく勉強をした結果、私の成績はドンドン上がっていき、無事に志望校に合格しました。

 

私の親は、調査書の手配だとか願書提出だとかはさすがにやってくれましたが、本当に一度も勉強しろとは言いませんでしたね。

 

結局私が親に言われずに中学受験の勉強ができたのは、

 

①学習内容への知的好奇心

②成績が上がることの喜び

③負けず嫌い

 

このあたりが要因だと思います。②と③は同根ですね。

 

知的好奇心を刺激することは親が助けてあげられますが、負けず嫌いかどうかというのは生まれながらの性格にもよります。私はたまたまそのような性格に生まれ、それがテストの成績に向いたので親に言わらずとも中学受験の勉強ができた、ということだったのでしょう。

 

知的好奇心だけではちょっと無理があります。例えば算数が異常に好きでも、社会科は壊滅的に嫌いということだって多いでしょう。知的好奇心だけで自発的な勉強を説明するのは無理なのです。


それに加え、テストや成績別クラス分け、という競争心を煽るシステムがあり、それに楽しく乗っかれるような性格だったからこそ、自分から勉強に向かうことができたと思います。

 

なお、中学受験の際には、あまり志望校への強い思いというのはありませんでした。昔は今と違って、文化祭に足を運んだりすることもあまりありませんでしたし、そこまで志望校に思い入れを持てるような感じではなかったのです。親が「絶対○○中がいい」といえば、そういうものかな、と思ったかもしれませんが、私の親は志望校については一切何もいいませんでしたので。

 

 

  息子はどうだったか?

 

ちょっと長くなりましたので、私の中高生時代は次回にしたいと思います。

 

さて、中学受験までを振り返ったので、ついでに息子の中学受験時代との比較をしてみましょう。

 

私の子供のころと異なり、息子の場合は親が(私と家内です)中学受験をさせたいと思っていましたから、私よりも中学受験への道のりはスムーズだったと思います。入塾が遅くなったり、非効率な学習をすることもなく、順調に学習を進められたと思います。

 

「勉強しろ」と息子にいったか?というと、実際あまり記憶にありません。結局学習スケジュールは息子と話し合って決めてましたし、息子はやると決めたらやるタイプでしたので、あまりそのように言う必要がなかったのです。こちらは息子の学習が進むようにお膳立てをしてあげる、という感じでした。

 

ただ、私自身が勉強のモチベーションにしていた負けず嫌い、という点は、息子にもやはり感じたことがあります。特に土特やSSはコース内で席次が毎回出ますので、ライバルとの争いに燃えていましたね。といってもギスギスした感じではなく、まさに好敵手、という関係です。

 

ただ、現代の中学受験は私の時代と異なりハードです。私のように、親が全く中学受験に関心がないのに、一人で受験を決めて、一人で勉強をして、という感じで難関校に合格できるようなものではなくなっていると思います。親の協力は必須です。

 

そのようなハードな現代の中学受験では、「勉強しなさい」と言わずに中学受験を乗り切るのは、昔よりも困難になっているだろうと思います。

 

さて次回は私の中高生時代にいかにして勉強へのモチベーションを維持したか振り返ってみます。

 

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↓大学受験以上向けですが、昔からオススメの英文法書です。

 

 

 

 

 

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↓難関校受験生には特におすすめできる国語記述問題対策の参考書です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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我が家の中学受験総括記事はこちらです↓

中学受験総括①-項目の検討と前書き

中学受験総括②-開始時期と塾・校舎選び

中学受験総括③-塾の掛け持ちについて

中学受験総括④-6年開始から夏休み前まで(算数)

中学受験総括⑤-6年開始から夏休み前まで(国理社)

中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)

中学受験総括⑦-6年夏休み

中学受験総括⑧-6年9月から12月(1週間スケジュール)

中学受験総括⑨-6年9月から12月(サンデーサピックス)

中学受験総括⑩-6年9月から12月(過去問)

中学受験総括⑪-6年9月から12月(平常・土特)

中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)

中学受験総括⑬-6年冬期講習・正月特訓

中学受験総括⑭-6年1月の家庭学習(総論・算数)

中学受験総括⑮-6年1月の家庭学習(国理社)

中学受験総括⑯-入試前日

中学受験総括⑰-前泊について

中学受験総括⑱(最終回)-中学受験 思い付きメモ

中学受験思い付きメモ 補足①-プラスαについて

中学受験思い付きメモ 補足②-自然・社会への興味

中学受験思い付きメモ 補足③-辞書・辞典

中学受験思いつきメモ 補足④-『中学への算数』の使い方

中学受験思いつきメモ 補足⑤-保護者の留意点その1

中学受験思いつきメモ 補足⑥-アンガーマネジメント

中学受験思いつきメモ 補足⑦-子供のやる気を引き出す

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A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。

 

A3プリンタ導入のススメ【アップデート】

 

↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。

5年生で取り組んだ問題集 算数編

東京出版 算数「ステップアップ演習」

5年生で取り組んだ問題集 国語編

【レビュー】「中学受験国語 選択肢問題の徹底攻略」

5年生で取り組んだ問題集 理科・社会編

低学年時に使った問題集 算数編

5才頃からのパズル本

 

↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 歴史編

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 公民編

 

↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。

英俊社『合格トレイン 理科計算問題』はオススメ

東京出版『図形の必勝手筋』はオススメ

東京出版『必ず解きたい算数の100問』

『記述問題の徹底攻略』シリーズの使い方

 

↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。

幼少時の知育玩具や教材(就学前①)

幼少時の知育玩具や教材(就学前②)

幼少時の知育玩具や教材(就学前③)

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