⛩【菊と稲荷】稲荷神の願い事。<清高稲荷大明神*夏縁祭の翌朝> | 神仏広告代理店

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【菊と稲荷】

【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』

 
 

<あらすじ>

 

『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』 

 

その言葉と共に、六甲山の高取神社で

 

「神様」という存在に、接続してもらった私。

 

 

前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さま

 

子狐眷属の姿も確認できるようになり、

 

奇妙な共同生活(?)が始まっていた。

 

 

 

***

 

 

 

続きです*
 
 
 
AM5:10くらい。
 
『夏縁祭』の次の日の朝、私は清高稲荷大明神の前にいた。
 
 
 

 

6:00から奥の院の灯籠堂かな? で、朝の行があるらしく、
 
奥の院方面に向かう人たちとは
 
逆方向に向かう自分が「私」らしくて嬉しくなった。
 
 
 
 
菊「清高稲荷大明神さま、おはようございます。
 
昨日はありがとうございます*」
 
 
 
夜明けを迎えつつある森からはヒグラシの響き。
 
私は貸切の本殿で一連のお詣りの流れを終えて、ちょこんと座っていた。
 
 
 
 
 
 
一緒に なりたい。
 
 
 
 
 
 
菊「?」
 
 
 
 
 
 
一位に なりたい。
 
 
 
 
 
 
菊「………? 清高稲荷大明神さま?」
 
 
 
 
 
 
”なりたい” は "成りたい”
 
一緒に 成功したい。
 
 
 
 
 
 
菊「……………」
 
 
 
 
清高稲荷大明神(以下:清)「一緒に 成りたい。
 
二文の頭の文字を合わせると "イ ナリ" になる。
 
おはよう」
 
 
 
菊「おはようございます。
 
”一緒になりたい” で "イナリ” ……いいですね」
 
 
 
清高稲荷大明神は微笑んだ。
 
 
 
 
清「稲荷神はそういう神。
 
空海は "一緒に" と言った」
 
 
菊「………空海さんが」
 
 
 
 
確かに、他の宗派のお寺のことは知らないけど、
 
私が知ってる真言宗のお寺には、稲荷神が守護神としてついている。
 
 
 
 
清「稲荷神やその眷属は、それぞれ "人" と一緒にいたいんだ」
 
 
 
 
清「稲荷といえば狐という風に、とても存在感があるだろ?
 
狐の眷属というのは分かりやすい。
 
怖いと思う者もいるけれど、それは存在の意識がしやすいからだな」
 
 
菊「存在の意識……」
 
 
 
 
清「ああ。眷属が狐の姿ではなかったら、
 
稲荷神そのものの存在感も薄いであろうな。
 
ああいう狐の姿があるから、好きにしろそうでないにしろ、
 
稲荷神は認識してもらいやすい。
 
稲荷神を好きな者は、とことん好きでいてくれるだろ?
 
それは存在感がリアルにあるからだと思うんだ」
 
 
 
ウンウン頷く私。
 
 
 
 
清「眷属に存在感を与えるのは、共にいる "人" だ。
 
だから "人" が来るのが嬉しい。
 
来ないと一緒に成れないからな」
 
 
菊「共にいる "人" ……」
 
 
 
 
清「嬉しいんだよ。
 
ありがとう」
 
 
 
 
清高稲荷大明神の言葉をゆっくり受けながら、
 
寝不足の私は膝を抱えてうとうと。
 
 
 
 
そうしているうちに
 
本殿に朝日が差し込み、明るくなってくる。
 
 
 
近くの寺院から、朝の行の読経が聴こえてきた。
 
 
 
 
すると本殿の上の提灯がゆらゆらと揺れ出し、
 
湿度の高かった空気がひんやりと清らかな風に変わっていく。
 
 
 
 
高野山の朝は、もう何百年もこんな風に……
 
 
 
 
清高稲荷大明神は1000年以上もこんな風に、
 
朝の読経をこの地で聴きながら。
 
 
 
 
 
菊「…………」
 
 
 
 
 
高野山という場所は、この国の「朝」を
 
こんな風に清め続けてくれていたんだなあ。
 
 
 
 
 
 
ジーンとそんな想いの中に浸っていると、
 
清高稲荷大明神が話し出した。
 
 
 
 
清「だから願い事をして。
 
また忘れている(笑)」
 
 
菊「え? 願い事ですか?」
 
 
 
 
神社参拝というものをしまくっているのもあるけど、
 
私は改まっての願い事はほとんどしない。
 
 
清高稲荷大明神の言葉通り、いつも忘れる……💧
 
 
 
 
菊「んー……とですね」
 
 
清「自分の事で。何をする?」
 
 
 
 
(笑)自分の事かあ……何を後押し頂こうかな……♪
 
そんな風に考えながら清高稲荷大明神をふと見ると、
 
ニコニコとされていた。
 
 

 

 
清「願い事が思い浮かぶと、嬉しいだろう?
 
私も嬉しい」
 
 
菊「私の願い事が嬉しいんですか?」
 
 
 
 
清「人が何かを願うのはいい事。
 
人の願いを知るのは私は嬉しい。
 
来てくれているという事だから」
 
 
菊「………」
 
 
 
 
清「私がいる事を、信じてくれているという事だから」
 
 
 
 
 
 
きゅんとなった。
 
 
 
 
 
 
「人の願う力が好きなんだ」
 
 
菊「……………」
 
 
 
 
「だから願って。もっと願って」
 
 
 
 
清「願う事は何も悪くない。
 
生きている証拠であり、もっともっと良くなりたいという欲。
 
それのどこが恥ずかしい? 悪い?
 
生きる力そのものだ」
 
 
 
 
 
願われる事を願う存在。
 
 
それが稲荷神。
 
 
 
 
 
この時私は、とてもリアルな稲荷神を感じていた。
 
 
 
 
 
 
一緒に 成りたい。
 
 
一緒に 成功したい。
 
 
 
 
成功する時、共にありたい。
 
 
 
 
 
共有。
 
 
共有したい。
 
 
 
 
 
 
 
 
私はある事を心の奥底でもうずっと願っていた。
 
 
それは世界平和とかではなく、私個人に関する願いだった。
 
 
 
 
 
清「それは叶える」
 
 
 
 
突然そう渡された時に、
 
意識していなかったその奥底の願いが浮き上がった。
 
 
 
 
清「これまで悲しい思いをしてきたね。
 
でももう大丈夫だから。私はそんな風にはしない」
 
 
 
 
 
 
ポロポロに泣いた。
 
 
 
 
 
ここに来てから2時間以上が経っていた。
 
 
初めての高野山での夜を越えての朝のこと。
 
 
 
 
清「できれば良い方に稲荷の力も使って欲しい。
 
それは私の願い……。
 
そこはコントロールできないんだ。人の心根の部分だけは」
 
 
 
 
 
数時間前まで、キラキラとしたお祭りの提灯の光の中だった境内。
 
 
今は清高稲荷大明神と私だけ。
 
 
 
 
 
 
この優しい神様が、
 
ずっと人々の優しさの中で神としていられますようにと
 
 
 
 
稲荷神の優しさに返すように
 
そんな風にただ願った。
 
 
 

 

《続く》

 

 

⛩【菊と稲荷】次のお話はこちら*

 

 

今月より毎月8日に

清高稲荷社境内・参道のボランティア掃除を実施することになりました♪

今月は8月8日(すぐ!)もちろん菊田も参加します♡

お時間、ご予定の合います方は是非ご参加頂ければ幸いです。

集合場所:清高稲荷社境内
開始時間:13:00〜14:00の一時間程度

 

ご参加お待ちしておりますねー

 

 

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