【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
***
続きです。これまでのお話。
菊「美保神社さまの青柴垣神事の日……雨かも」
4月7日に毎年行われる、もう一柱のえびす神・事代主神の総本社、
島根県の美保神社で行われる特殊神事の一つ
『青柴垣神事(アオフシガキシンジ)』
去年の11月に『コトシロヌシ』を連載している時に、
このお祭りに強烈に惹かれ、たまたま日曜日と重なることを知った私は、
早々に宿を予約していた。
菊「ま、雨でも仕方ないな。事代主神さまのお祭りだもんね」
『コトシロヌシ』の物語最終回にも書いたけど、
私の中で事代主神は、雨や雪を降らせることで
信仰している者たちを包む。
その理由は、海水が蒸発して天に昇り、
それが雨や雪に変わるから。というのが私の考察。
不思議なことに、事代主神との繋がりが出来てから、
事代主神に関係する日にはポツンと雨が降ることが多くなった。
ザーザーではなく、ポツンポツンと包むような雨。
そんな雨が降るたびに、事代主神と繋がれている気がして、
私は嬉しくなるのだった。
菊「だから最近は三輪惠比須神社さまでも、
そういう雨にあたる日も多いなあ♪」
子狐2「雨だ♡ とか言ってニヤけてるもんね♪」
菊「……ニヤけてるって💧 もう少し言い方……」
雨や雪の他に、三輪惠比須神社ではもう一つ
「水滴に包まれる」機会がある。
それが初えびす最終日・2月7日の『御湯の神事』というもの。
湯立てた釜を用意して、その湯気上がる御湯を
神掛かった巫女が神楽に合わせて、周囲の者にバッサバッサとふりかける。
御湯しぶきが湯気とともに広がり、
なんとも神掛かったシーンがそこにつくられる。
そしてこの御湯が降りかかった者は、無病息災のご利益があると言われる。
菊「このご神事を動画で見た時に、
雨降らなくても人為的(神がかりではあるけど)に包むんだって、思ったんだけどね」
この釜には、水だけが入っているのではなかった。
水の他に、塩、米、酒を注いでいき、
それをゆっくりと混ぜた後に、笹で御湯を天に舞わす。
菊「御湯を天に舞わす……舞わすは "回す"」
これって私は事代主神特有の
"水の循環で人を包む" っていう……
菊「あ。」
子狐「?」
菊「……塩も入った御湯なんだよね……ということは、
これって "海水" の再現なんじゃないのかな?」
調べてみると、本物の海水でのこういった神事もあるらしい。
菊「そういえば美保神社の青柴垣神事の當屋さん(神がかり役)も、
1年間海で禊をしてから参拝するというのを繰り返すんだよね。
海水? 塩?? その辺の力って……なんかあるんだね」
美保神社参拝を控え、改めて事代主神の関わる神事のことを想う。
ピンときた私は「海水」「浄化」で検索。
すると "海水を浄化して飲料可能にするネタ" がバーっと並んだ。
菊「ハズれ💧(笑) じゃあ、塩!」
すると今度はガッツリ欲しいネタに繋がった♪
菊「ネガティブなものを根こそぎ切り離すんだって!
ありがたいなー塩!
あと……日本特有なんだって。塩に浄化作用があるとされてるのって」
昔の罪人は海で禊(みそぎ)をしていたと言います。
子狐1「塩って海水から作るんだね。
海水ってありがたいねー」
子狐2「1日の終わりに塩風呂につかるとかあるねー!」
菊「……それ、有名だけどやったことないな(笑)
いや、昔やったかなー。久しぶりにしたくなってきた♪」
美保神社詣りカウントダウンで「海」が近づいてきた感じ。
菊「今夜も當屋さんは海で禊をされてるのかなー。
もう本番前だもんね。寒くないといいのに」
美保の特殊神事の日の雨予報を見ながら、日本海に想いを馳せた。
《続く》
星語りリトリート in 星田妙見宮
集合場所*JR星田駅
募集人数*
参加費*6,000円(交通費・飲食費は各自負担)
現在、本殿にて清め祓いして頂いたカードを社務所にて頂けます。