【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、前よりも強く接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
その清高稲荷大明神に依頼されたお祭りが終わると同時に、
次のミッションが始まっていた。
それは「事代主(コトシロヌシ)という神を解読すること。
事代主神とは、もう一柱の「えびす神」だった。
***
続きです。これまでのお話。
美保神社を離れ(めっちゃ時間がないまま)出雲大社に向かう。
私の小学校時代からの憧れの場所。
当時、父に立派な写真集も買ってもらったこともあった。
変な話……あんまり写真を撮ってる方が目に入らなくて、
ここって撮影禁止なのかな? と、私もあまり撮れずで。
祈祷の神楽をされていたので、立ち止まってそれを見ていた。
ドン ドン ドン ドン‥‥‥
低音で一定リズムを刻み続ける太鼓の音。
菊「……まるで心臓の音みたい……」
境内で感じた明るさとは逆に、
重たさを感じるようなそのテンションの神楽の音が印象的だった。
出ないことが誇り。
鼓動。
脈。
ここから流す。
そんな言葉が、巫女舞の後に渡された。
大国主大神の言葉。なのかも。
私は日本のドラゴンヘッドは富士山だと思っている。
ドラゴンヘッド。龍の頭。
それはその土地の一番高い場所に頭を置く。
だから富士山から全国に「龍脈」が通っていると思っている。
菊「でも日本の心臓はここなのかも……」
そういえば……出雲大社の本殿に向かうまでの道で私は何度も
お父さん!って言ってたけど。
それって
事代主神の言葉…… だったのかも。
菊「事代主神さまもここで遊んだりしていたのかな。子どもの頃……」
『大国主』という名の父を持つ。
その第一の御子神。
出ないことが誇り。
それは『大国主』という名の父が御子神に馳せる、強い想いなのかも。
菊「そしてここから脈を通じて、力を送ってはるんかな」
出雲大社は
ここに集まった膨大な信仰の力を、あの神楽で聞いた鼓動に乗せて
1000年以上も前から
ずっと護り続けている御子神たちに送り続けている中枢部なのでは。
だから常に多くの信仰をここに集めなければいけいない。
出雲大社に感じた開放感と、神楽から受けた悲しみすら感じる閉塞感。
その意味を、勝手にだけど 私は感じた。
菊「神様は大きいな」
重なる雲間に覗く空。そこに重なる出雲大社の大きな屋根。
人が多いのもあるけど、私はまだこの出雲大社には
心が近づけていない気がした。
後ろをぐるっと回って正面に向かうと、そこに宇迦之御魂神が祀られていた。
菊「お! ここは参拝しないと! Blog用に写真も撮らないと!!」
出雲大社の宇迦之御魂神✨ なんて、なんか特別感がある! と、
お賽銭も1000円奮発。
だがしかし……
確かに人がサーっといなくなって、写真は撮れたものの……
シーーーーーーン…………
菊「あれ? 宇迦之御魂神さま……なんも感じない💧」
菊「えーーーー。……そうなの?? 寂しい〜……」
子狐1「さすがに正式な神様の集まりで、狐面でお顔隠せないだろうし」
子狐2「ね! 出るに出られないでいらっしゃるのかも!」
菊「わーー!! 宇迦之御魂神さまのお顔! 余計に見たかった!!!」
……などと妄想しつつ(笑)
気がつくと宇迦之御魂神さまの前には、たくさんの参拝者さん。
菊「写真撮りたい♪ のお願いは、速攻叶えてくれはったのか。
……さすがお稲荷さま。早い!✨」
今は忙しいのじゃ! という感じの宇迦之御魂神から離れ(残念💧)
授与所を拝見……していると……
菊「あ。なんか弓矢がある!」
菊「………とうとう見えない弓矢がカタチになった」
源九郎稲荷大明神から授かった弓と
清高稲荷大明神から授かった矢。
源九郎稲荷大明神はこう言った。
別の場所にいる神でも同じだ。
重なると強くなる。
清高稲荷大明神の縁の導く先に、喜びの矢を放て
その放った矢は、美保神社の事代主神に届いた。
菊「喜びの矢の意味って、事代主神さまに喜んで頂く意味だったのかな」
でもそれは……
事代主神が喜んでいるということは……
私たちも普段通りに笑えているという時間に繋がるもので。
出雲大社を出ての直会ソフトクリーム。抹茶味。
それを夕陽を見ながらの帰り道で食べながら
「大国主大神の様々な試練に打ち勝つ強さ」を手にしていますように、とお願いした。